2019年2月1日金曜日

「マイ・サンシャイン」&早春の新作いろいろ決定!

こんにちは。
気が付いたら1月も終わり。
あっという間すぎません!?
おかしくないですか!?
ついこないだ大晦日だった気がするだけでなく、
午前十時の映画祭9のオープニングは「タイタニック」だって、新しすぎるだろー!みたいな話でいちいち盛り上がっていたのも、
「クソ野郎~」元SMAPの三人が来るって( ゚Д゚;)!!で大騒ぎだったのも、
もう1年近く前?
びっくりです。
そしてそんなことを言いながらも、仕事で今考えているのはこの夏公開が決まった映画のことだったりする。。。
しょうがない。
映画が始まれば終わったも同じ、
映画の初日にはもう次の映画のことしか考えてない。
そういう業界なんですよね(*_*;)
だからかー!
私の頭の中が中2で止まっているのは、
中2で映画にハマってしまったからなんですね( *´艸`)!!
・・・・・。
まあ、そういうわけで、続々と決まってきた早春の新作たちを、
ちょこっとだけご紹介しておきましょう。
また「ドラえもん」が近くなるとバタバタし始めて新作のご紹介もできなくなってしまいそうなので( ;∀;)
早春の中劇は、得意のおバカやB級は抑えめで、
実話をもとにした人間ドラマや、
まさに私たち世代の抱える「これから私、どうなるんだろう」的なぼんやりとした不安と軽い絶望をテーマにした作品、
時代に翻弄される普通の人々、
せつなすぎて胸が痛くなる恋愛ドラマなど、
いろいろと考えさせられる良質の作品が揃いました。
「この時期、屋内になんかいられないぜ!」なんていうウィンタースポーツ命の方(たまにいますよね、ものすごい熱量でスキー場に向かう人たち。私も若いころは仕事のあとにまでスノボを抱えてスキー場に向かったものですが、心身ともにくたびれてしまった今はもう無理。)以外は、
温かいコーヒーでも買ってぜひ映画館にいらしてくださいね!

まずは、来週2月8日公開「マイ・サンシャイン」
(C) 2017 CC CINEMA INTERNATIONAL-SCOPE PICTURES-FRANCE 2 CINEMA-AD VITAM-SUFFRAGETTES
『チョコレート』でオスカーを獲得したハル・ベリーと、
『007』のジェームズ・ボンド役で知られるダニエル・クレイグ
この二人が演じるのは、LA・サウスセントラルに住む普通の人々。
家族と暮らせないワケありの子供たちを引き取って貧しいながらも愛情深く育てている女性ミリーと、その隣人オビー。
騒がしいながらもささやかに日常を紡いでいた彼らの生活を引き裂いたのは、
1992年、LAで起こった実際の事件『LA暴動』
デビュー作『裸足の季節』が世界中で話題になり、アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた女性監督デニズ・ガムゼ・エルギュベンが、
サウスセントラルで血のつながらない子供たちを育てる女性ミリーと出会ったことから始まったこの作品。
自身もパリで育ったトルコ人であるこの監督が、
登場人物や設定など、実際にサウスセントラルで出会った人々やエピソードをもとに作られています。
私も記憶にある衝撃的な事件、アメリカ史に刻まれる「LA暴動」を、
暴動主体ではなく、普通の家族の視点から描いた、
実在の〝ある家族”〝暴動”
アメリカだからこそ繰り返される人種間の差別や対立という負の歴史。
日常のすぐ隣にあるそういった狂気を、
まるで自分もそこにいるかのような空気感で描き出します。
暴動の真ん中ではなく、
暴動の近くにいてじわじわとそれが自分の生活の中に入り込んでくる怖さ。
この映画のチラシやポスターでは、
血のつながらない家族の温かい絆の物語のような雰囲気ですが、
正直言って違います(/_;)
リアルで、やるせなくて、重い。
そもそも、題材がLA暴動(*_*;)
ハッピーでほっこり。
・・・・・するわけない。
でも、鬱屈した暴力が連鎖的に爆発するなかでも子供たちは遊びを見つけて笑いあい、
恋をし、夢を見て、ごはんを食べる。
そしてその日常に静かに忍び寄る悲しい予感と狂気の連鎖。
人種のるつぼ、そして子どもですら簡単に銃を手にすることもありうるアメリカという国に潜む大きな問題や、
いかに日本が平和でのほほんとしているのかを痛感します。
いや、もちろん日本ですら差別や貧富の差や諍いだってあるのだけれど、
多人種国家の、陰と陽。
華やかな大国の闇と病み。
アメリカの背景にあるそういった圧倒的な大きな黒い影みたいなものを見たような気がして、ぞっとします。
これももう20年近く前の作品になってしまいましたが、
エドワード・ノートンエドワード・ファーロングが白人の兄弟を演じた「アメリカン・ヒストリーX」を思い出しました。
恵比寿ガーデンシネマなんていう、当時超オッシャレだった映画館で友達と待ち合わせをしてそれを観たはいいが、
観終わったあと、あまりのショックに二人で顔面蒼白のままほぼ無言で渋谷に移動し、
超オバカな映画を観たという思い出(*_*;)
超下品でくっだらないおバカ映画。
それでやっと二人に笑顔が戻り、なんとかビールで乾杯して現実に戻れたという。
ビバ!おバカ映画!
白人至上主義に傾倒する少年と兄の、痛くて厳しい映画「アメリカン・ヒストリーX」は、
日本人の、頭の中が常にお花畑の女子2人が一緒に楽しむ映画ではありませんでした。
でも、今でも思い出すと心がえぐられるように痛むこの映画は、
二度と観たくはないけど観てよかった、
観なくてはいけない映画だったのだなと思います。
そんなふうに、感動とか、心温まるとか、超良かった♪とかでは決してなくても観るべき映画や知っておくべき現実なんかが絶対にあるわけで。
LAの黒人しか住んでいないような地区に実際行くわけにはなかなかいかないので、
平和ボケした我々は、この「マイ・サンシャイン」のように頭をガツンとやられるような映画を、
たまには観ないといけないなと思うわけなんです。
複雑な事情を抱えつつも無邪気に笑いあう子供たちや、
下町の肝っ玉母ちゃんハル・ベリーはもちろん素晴らしいんですが、
現在公開中、スッゴクおすすめの「それだけが、僕の世界」イ・ビョンホンと同じく、
すっかりその辺にいる普通の(ちょっとめんどくさい)おじさんと化した〝ダニエル・クレイグ”にも脱帽。
(C) 2017 CC CINEMA INTERNATIONAL-SCOPE PICTURES-FRANCE 2 CINEMA-AD VITAM-SUFFRAGETTES
やはり、ほんとのスターはオーラを消せる!
まさかジェームズ・ボンドが下町で私たち家族を見守ってくれているなんて!
ではなくて(;'∀')
ほんとに普通のおっさんです。
さすがとしか言いようがない。
そんなこんなで、ちょっと重い、シビアな作品ですが、
冬なのでそういうものも自分の引き出しにストックしておくのもいいと思いますよ。
しんみりと、もう落ちるなら思いっきり落ちるくらいのつもりでね!
公式サイトhttp://bitters.co.jp/MySunshine/

2月15日公開は「半世界」
(C) 2018「半世界」FILM PARTNERS
出ました。
稲垣吾郎さま。
実物の吾郎さまが中劇に来てくれてから約1年。
ほんとに新作映画を。しかも主演。
中劇で上映できるとは。
これについてはまた近くなったらゆっくり語りますが、
脚本・監督は阪本順治。(「エルネスト」も良かったですね!)
今回の作品は、吾郎さまが山奥の炭焼き職人という〝普通のおっさん”を演じています。
出た、普通のおっさん。
中劇、イ・ビョンホンダニエル・クレイグに続き吾郎さんまで、
「普通のオッサン」が大ブームのようです(;'∀')
2月、普通のおっさん(実はスター)が中劇をジャックします(!?)
ていうかまさか、吾郎さまが普通のオッサンを演じる日がくるとは!
しみじみと、自分の年についても考えさせられます。
なにしろ、私は高校生のころにデビュー前のSMAPに夢中だったんですからね( ;∀;)
それがなんと“おっさん”。
キャストも、長谷川博己池脇千鶴など私も大好きなメンバーで贈る、
私やあなたにも無関係ではない〝不惑”についての物語。
楽しみですね( *´艸`)
公式サイトhttp://hansekai.jp/

そして↑↑この「半世界」にかぶせるように上映が決まった池脇千鶴特集?
「きらきら眼鏡」(2月22日公開)
(C) 森沢明夫/双葉文庫 (C) 2018「きらきら眼鏡」製作委員会

あちこちの映画祭で話題になった衝撃の本格派サスペンスは中国映画。
「迫り来る嵐」(3月15日公開)
(C) 2017 Century Fortune Pictures Corporation Limited

誰も避けて通ることができない「老い」と決してひとごとではない「認知症」に正面から向き合い、苦しさや不安ではなく希望を与えてくれるドキュメンタリー
「僕がジョンと呼ばれるまで」(3月29日公開)
(C) 2013 仙台放送

孤独を抱える二人の女性の、交わることのない愛の日々。
「真っ赤な星」
(C) 「真っ赤な星」製作委員会

なかなかいいでしょう♪
え?でもやっぱり地味?
それは・・・・・中劇ですからねえ(;'∀')
このあと、今までは中劇だけで上映していた「クレヨンしんちゃん」も、
フォーラムさんだけで上映していた(もっと前は中劇だけだったんですが・・・)「名探偵コナン」も、拡大上映(中劇&フォーラムどちらでも上映)が決まり、
これで盛岡での東宝系の定番(ドル箱)アニメ映画はすべて拡大上映に。
よくお客さんからも言われるんですが、
「どこでも同じ映画をやってるのね。もっとそれぞれ違う映画をやってくれたらいいのに」
・・・・ごもっともでございます(^_^;)
ですが、もうこの日本という国での映画業界は、
というよりそもそも昔から、
個々の劇場の意向だけではどうにもならない大きな流れというものがありまして。
決まったもんはそれでやるしかない。
たしかに、小さな映画を細々と上映するだけでは経営が成り立たないという側面も正直、大きな事実としてありますので、
それはそうせざるを得ないという部分でもあります。
そんななかでも、やっぱり、
「一部のマニアしか来ないけど面白そう」とか、
「これは個人的に観たいなあ!」とかのミニシアター系映画の上映もしていきたいというのが、映画マニアの劇場スタッフの希望でもあります。
なので。
地味!だけどすごくいい!
というような映画がときどき発見できるような、そんな映画館でありたいとひそかに願っている私でした。
というわけで、映画マニア(映画オタク?)のみなさま、
今年もがんばって、皆様に「地味だけど観て良かった」と言っていただけるような作品を上映しますので、応援よろしくお願いします!!!


★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/携帯→ http://www.chugeki.jp/mobile