2023年6月30日金曜日

映画館で世界旅行

こんにちは。
夏ですね。
だって帰り道、さんさの太鼓の音が聞こえるんだもん!
暑くて、さんさの太鼓が聞こえたら、そしたら盛岡はもうです。
間違いない。
家にいて、さんさのパレードの音が聞こえてくるという場所に育った私としては、
仕事帰りにさんさの太鼓の音が聞こえてくると、ソワソワしちゃうわけです。
え?さんさ?
・・・・・出ませんよ?
一度も出たことは無いですよ?
なんか、出るほうにはどうも縁がなくて・・・・(人見知りなので)
人前で踊るのも苦手だし・・・・・(踊り全般、センスゼロ)
それにあの、「夏だぜ!祭りだぜ!」っていう雰囲気だけで酒が飲めるというか、なんならそれだけでいいというか・・・・(便乗するだけ)。
さんさの期間は、映画館通りにもたくさんの出店が並ぶので、
休憩時間にそこでいろいろ買ってきてみんなで食べたりとか、
帰りしな、内丸のあたりの道路に出てるテーブル席でビール飲んだりとか、
それが楽しみだったりして( *´艸`)
・・・・まあ、そんなもんです。
暑いのも、汗かくのも、虫も大嫌いなので夏そのものは苦手だったりするんですけど、
〝夏の雰囲気”だけは好きっていう、
でもできれば涼しい建物のなかにいたいけどー!
みたいな、なんていうか・・・・
ただの・・・・・ミーハー?
まあ、それも夏です♪

そんななか、かきいれどきの夏休み前、粒ぞろいの新作ラッシュで朝から晩までフル回転中の中劇です。
(→というより、覚悟を決め気合いを入れていかないといけないジブリ作品【7月14日公開「君たちはどう生きるか」】公開前に、待機中のすべての作品をこなすという使命?任務?のためと言ったほうがいいかもしれない。。。)
朝9時の回から、夜9時スタートの回まで、
もう、ぎゅうぎゅう詰めで、これ以上食べられないよー!みたいな、口からちょっと出ちゃってるくらいのお腹パンパンの状態で無理やり走ってる状態。
なので。
・・・・・・・・・・観に来てください(>_<)!!!
こんな状態で、お客さんが来ないんじゃ目も当てられない!
せめて観に来てもらわなきゃ!!
というわけで、スケジュールが渋滞中でどの作品もあまりのんびりとは上映できなさそうなので、気になったらとにかくさっさと観てしまってくださいね。
6月30日公開
「コンパートメントNo.6」
© 2021 - Sami_Kuokkanen, AAMU FILM COMPANY
こちらは、第74回カンヌ映画祭グランプリに輝き、アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表選出、ゴールデングローブ賞ノミネート、そして本国フィンランドではフィンランド・アカデミー賞と言われる映画賞で7冠、ほかにも世界中の映画賞を席巻して話題になった作品。
カンヌグランプリといえば、最高賞であるパルムドールに次ぐ第二席の賞
これはなかなかにすごいこと。
この年のカンヌは、パルムドール「TITANE/チタン」
監督賞「アネット」レオス・カラックス
脚本賞「ドライブ・マイ・カー」という、映画マニアもそうでない人も注目して日本でも大いに沸いた年でした。
そこで、静かに第二席であるグランプリを受賞していたのがこの作品だったってわけ。
「あぁ、あの年ね!!」と私もあとで気付きました。
1990年代を舞台に、寝台列車でモスクワからひたすら北上する女子大生の一人旅を見つめるロードムービー。
ここで説明しておきたいのは、そう、この映画が北欧フィンランドの作品だということ。
フィンランドの映画と言えば、中劇ではシリーズすべてを上映してきたおしゃれでかわいくてとにかく目にも心にも癒やしだった「オンネリとアンネリのおうち」が浮かぶんですが、
今回はそっち系ではなくて、どちらかというとアキ・カウリスマキ系というか。
延々の曇天に笑わない主人公、そしてストーリーもエンタメじゃなくて淡々と日常を見つめる徒然系。
しかも舞台は、モスクワから世界最北端の駅へ向かう寝台列車。
傷心旅行はやっぱり北だよね!ってのは万国共通の感覚なのか?
などとしょうもないことを考えつつ、
色素が薄くて無表情な、いかにも北のほうの国の美人さんのちょっと危なっかしくてドキドキな一人旅を見守ります。
この映画はほとんどが列車の中。
そのうえ、列車の中から見える風景は常に曇り空、あるいは雪。
登場人物は、全体を通しても両手で足りるくらい。(いや、片手!)
色味も、雰囲気も、ストーリーも、地味!オブ地味!
でも、決して重くはないし、鈍い笑いとほのかなユーモアも漂う。
そしてなんか、全体を覆う空気がカラッと明るい朗らかさとは違う、どことなく暗くてどんよりとしたなんか・・・・・こう・・・・わかります・・・・・!?
ポップとまではいかないけど、軽やかな暗さ?みたいな。
もう、ザ・北欧!!なんですよ。
でもその感じ、嫌いじゃない方は意外と多いですよね?
私も嫌いじゃない。むしろ好き。
・・・・って、こんな説明で北欧の映画の良さ、伝わるかなあ!!!
ジャンルとしてはロードムービー、だけどどんどん寒くて日照時間も減っていく北に向かうなんとも微妙な空気感。
そして一人旅に出た主人公が、寝台個室で最悪の出会いをした男性と過ごすたった2日やそこらのなんてことないお話。
なので、どっかーん、バッキーン、ハラハラドキドキ、
あるいはキラキラ、ワクワク、胸キュン、
なんかを期待する方にはおすすめしません。
北欧の映画に慣れていて、なおかついろんなマニアックな映画を観るのが好きないわゆる映画ヲタクの方には激推しの映画です。
別に、そこかしこに伏線が散りばめられているわけでもないし、
最後にどんでん返しがあるわけでもないし、
列車系ロードムービー(兼、胸キュンラブストーリー)の代表作リチャード・リンクレイター「ビフォア・サンライズ」(→私が映画館で観てイーサン・ホークに超ーー胸キュンした当時はタイトルが「恋人までの距離(ディスタンス)」だったんですけどね。)みたいな、美しい風景の中を美しい男女がおしゃれな会話を繰り広げながら進んでいく恋愛モノでも全く無い。(言い切りました。)
映像も地味、ストーリーもこれ以上ないってくらいにシンプル。
なのに。
それなのに。
なぜか心がザワザワする。
何かを思い出しそうになる。
観終わったあと、なんかいとおしくなる。
不思議な映画です。
© 2021 - Sami_Kuokkanen, AAMU FILM COMPANY
アカデミー賞じゃなくてカンヌなの、超ーーーーわかりみ。
私の場合はたぶん、仏頂面で他者を寄せ付けず、自分の価値観だけに凝り固まってカッコつけてるけど実は孤独で寂しがりや、素直じゃないけど素直になりたいとは思ってる、
そんな主人公が若いころの自分と重なってしまったからかも。
なんか主人公のラウラ、妙~に親近感を覚えたんです。
根拠の無い自信と無意味なプライドを振りかざして、
私はあなたたちとは違うので!みたいな顔してカッコつけてた、
めちゃくちゃカッコ悪かった時代の自分を見せつけられた気がして。
自分とはステージが違うとわかってはいても同じところにいると思いたいセレブな恋人ともなんとなく心が離れてしまったような気がする現状、
一緒に行こうと約束した旅行をドタキャンされて気付いてしまった何か。
それでも一人でどこかに向かうというのも悪くない、ちょっとカッコいいかもと思いながら寝台個室に入ったらそこにいたのは粗野な酔っ払い。
って、なんかわかるーーーー(>_<)!!!
いろんなことがちょっとづつズレている感じ。
思ってたんと違ーーーーーーう!!!なことの連続。
なんか知ってる、こういう子。
こんなはずじゃなかったと思いながらもリタイヤはできずに、
わざとらしく自分の周りにシャッターを下ろして、
つまらなそうに所在なさげに一人イヤホンでウォークマンを聴いていた(そのくせ外で何が起こっているのか気になってチラチラ覗いたり音楽のボリュームを下げて外の音を聞いたりしている)かわいくない女子大生がいたんですよ!!
・・・・・私だよ( ゚Д゚)!!!
この映画の舞台も1990年代。
それはもう、主人公はマジで私です。
ほんとは旅先で「ビフォア・サンライズ」イーサン・ホークみたいなイケメンと恋に落ちたいのに、長い時間個室で一緒になることになった男性は、雑で粗野で気配りも共通項も全くなさそうな酔っぱらいの労働者。
薄目でパッと見、「トレインスポッティング」ユアン・マクレガーに見えないこともないけど・・・の色素薄い系のロシア人。
「でもなんか無理ーーーー!!!!最悪ーーーー(/_;)!!」
ってなってる主人公。
めっちゃわかる!!!
© 2021 - Sami_Kuokkanen, AAMU FILM COMPANY
初めての一人旅に寂しさと居心地の悪さを感じつつも少しワクワクしながら、
延々と続く線路、窓の外はどんよりとした灰色の空。
孤独じゃないと言い聞かせるために電話ボックスに入るもつながらない電話。
絶対に交わることは無いと思った相手との時間に、いつの間にか感じる安心感。
自分が何かの役に立ったような気がして最高の気分だったのに思いっきり裏切られて絶望する、青春あるある。
自分の視野が狭く世界はものすごく小さかったのだということに気付いたときの虚無感とともにやってくる解放感。
恋でも愛でもないけど何か大切なものに気付いたような曖昧な瞬間。
そんな、うまく説明できないけど胸の奥にひっそりと沈んでいた滓(おり)のような小さな感情たちを揺すぶって思い出させられるようなシーンの連続でした。
あえてザラついたような映像も、ときおり聴こえてくる音楽も、
すれ違ってばかりで素直じゃない若者たちの不器用な会話も、
カセットテープのウォークマンも、白黒だらけの街並みも。
すべてがアナログで、懐かしくて、ダサくて、そして愛おしい。
そんな映画でした。


もう一本、6月30日から。
「聖地には蜘蛛が巣を張る」
©Profile Pictures / One Two Films
なかなかお目にかかれない、イランが舞台のペルシャ語作品で、
題材はイランの聖地で起きた娼婦連続殺人事件
実在の殺人鬼による連続殺人事件を元にしたクライム・サスペンスです。
監督は、イラン出身で現在はデンマークを拠点に映像作家として活動するアリ・アッバシ
第71回カンヌ映画祭(出た!カンヌ!)の「ある視点」部門グランプリを受賞した『ボーダー/二つの世界』の監督です。
閉鎖的な国の、女性蔑視が当たり前の状況で、売春婦の連続殺人事件がテーマ。
まだまだ表現の自由がきかないイランでは撮影の許可がおりず、撮影はヨルダン。
主人公を演じるのは自身もセックススキャンダルで国を追われた女優というのもまた生々しい。
毎年、ものすごい数の観光客や参拝者が訪れる聖地で、
神々しくそびえ立つモスクのすぐ横では夜な夜な娼婦が客をとり、
売人が覚せい剤を売り、警察はそれを見て見ぬふりをするー。
格差や差別や貧困、汚職・・・・
どうにもならないどんづまりの日々の中で、
ただ命を奪われる女性たち、事件を追う女性記者、そして犯人を冷静に見つめるカメラ。
終始、暗くて重くてしんどい映画なんですが、
それでもヘビーになりすぎずにすんなり入っていけるのは、
視点がクールでどこにも重点を置いていないせい。
感情移入しすぎないで、それぞれの立場からの事実として入ってくる感じ。
ただ、とにかく気分が悪いのはひたすらに女性蔑視の価値観のなかで威圧的で高圧的でムカつく男性陣の姿。
これもまたどうしようもなく歴然とそこに存在する事実なのもまた虚しい。
©Profile Pictures / One Two Films
この映画が(事件が)恐ろしいのは、犯人が頭のイカれた単純なシリアルキラーではなくて、信仰も厚く妻にも子供にも優しい普通の男性ということでもあるし、
その犯人が16人もの女性を殺したというのに逮捕後も全く罪の意識を感じずに「街を浄化した」と胸を張っていたことでもあり、
そんな犯人を英雄視する世間や役人たちが実際にいたということでもあり、
それは決して遠い国の大昔の話でもなくて現代の私たちのすぐそばでもおこりうる(実際起こっている)出来事だということ。
蜘蛛の巣に囚われてしまった女性たち、
複雑な心情のなかで次から次と殺人を繰り返す犯人、
そして自ら囮になることで犯人を捕まえようとする主人公。
それぞれを囲む家族の姿も見つめながら、
それらが交わり、クライマックスかと思いきや、実はもっと怖いのはその先だったという現実。
監督は、この映画をメッセージ性のある作品とは捉えてほしくないと言い切ります。
なるほど、だからテーマの重さのわりにシンプルで客観的な空気感が感じられたのか。
©Profile Pictures / One Two Films
中東の乾いた砂漠色の風景と淫靡な夜の闇に隠れた聖地の裏の顔。
そして現代社会でまだまだ当たり前にはびこる女性蔑視と格差社会。
犯人は誰だ!?でもないし、犯人逮捕がゴールでもない犯罪映画。
独特の乾いた空気感と聞きなじみのないペルシャ語の響きが、
私たちを異国の砂漠の街に連れて行き、
ニュース映像だけでは伝わらない、遠い国の現実や社会問題を、
まるで自分の目の前で起こっていることのように浮かびあがらせます。
敬虔な信者であり良き父親であるはずの人間が、一方的で偏執的な大義のためだけに16人もの女性を殺すのか?
被害者が娼婦であるというだけで世論が「殺されても仕方ない」という空気になってしまうものなのか?
そしてそもそもそれはこの国が古くから抱えている人間の尊厳や男女の格差から生まれる価値観によるものだとしたらちょっとなかなかに深くて難しい大きな問題なんだろうと思うと胸の奥のほうがズシンと重く暗い気持ちになりました。
いやぁ~これもまた、興味深く面白く、そして大変勉強になる作品でした。
文化も歴史も価値観も全く違う国のことを知ることができるから、やっぱり映画は私の教科書です。
ベトナム戦争も、ユーゴの内戦も、フランスの移民問題も、中国の格差社会も、
朝鮮戦争第二次世界大戦北欧の神話江戸時代の循環経済も、中東問題も、
世界のさまざまな国々の文化や生活や現実やそれぞれ抱える社会問題も。
すべて映画が教えてくれました。
あ、そんな、ためになるような映画ばかり観てるわけでもないですけどね。
エンタメ作品も、推しが出てるだけの映画も好きですけどね( *´艸`)
でも、本を読むのやニュースを観るのも苦手、って方も、映画ならすんなり入ってくるんじゃないですかね。
自分が知らないことを知るのは楽しいし、世界が今、どうなってるのかを垣間見るのも面白いものです。
さあ、次は何を観ようかな♪

と、言いつつ、ほかにもまだまだいろんな国のいろんな時代のいろんな世界を覗き見ることができる映画、あるんですけど!!
上映中「アルマゲドン・タイム」
(C) 2022 Focus Features, LLC.
「エヴァの告白」「アド・アストラ」など幅広いジャンルで活躍する脚本家、映画監督であるジェームズ・グレイが自分の実体験を元にした半自伝的作品であり、
ジェームズ・グレイ本人が監督・脚本・製作を務めた作品。
80年代ニューヨークを舞台に、多感な12歳の主人公の友情や家族とのかかわりを通して世界を知り、現実を見て、世の中を知っていく姿を見つめるストーリー。
ジェームズ・グレイといえば、近年の有名作品ではなくて私はなんといってもこの方の長編映画監督デビュー作である「リトル・オデッサ」がダントツ。
めちゃくちゃカッコいいときのエドワード・ファーロングと、
一番イカレてるときのティム・ロス(究極の褒め言葉です)が兄弟役っていうだけで観たいでしょ!?ていうか観るでしょ、当然!?
で、たしかにイケメン度合いがピークだったエドワード・ファーロングは眼福だったんだけど、
映画自体は、ほんとに、マジで、なんていうか、その後のトラウマになるくらいに重くてしんどくて、観終わった後もしばらく引きずりましたね。
でも、私はこの方の作品は、壮大なテーマの作品じゃなくて、
「リトル・オデッサ」然り、「アンダー・カヴァー」然り、
この方の生まれ育った町であるニューヨークが舞台の人間ドラマのほうが好きだなー。
だからこの「アルマゲドン・タイム」も絶対好きだなー。
アンソニー・ホプキンスに、アン・ハサウェイ
キャストもいいよねぇ~。。。。。
・・・・・・まだ観れてないけど( ゚Д゚)
観ないうちは語れない。というか語りたくない。(→ビジネスに向かない人)
ワガママな広報担当でゴメンナサイ(-_-;)

なんならもう一本、6月30日から始まる
「ウーマン・トーキング」も観れてない(/_;)
これも、絶対観ないといけないやつ!!
(C) 2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.
こちらは今年のアカデミー賞最優秀脚色賞を受賞した作品。
監督・脚本はサラ・ポーリー
私も大好きな女優さんです。
カナダの大ヒットドラマ「アボンリーへの道」の主人公を演じたことでも有名ですが、
なんといっても私は映画「死ぬまでにしたい10のこと」が大好きで!!
あの映画の、儚げで、それでも決して後ろ向きではない、死を冷静に受けとめながらも家族への自分にできうる限りの愛情を伝えようとする主人公を演じたサラ・ポーリーがものすごく魅力的で素敵で、大好きでした。
近年は映画製作や監督業に力を入れているのでスクリーンで見ることができないのが残念ですが、
アメリカ映画界を揺るがした例のハーヴェイ・ワインスタインの件も、
彼女が映画出演から距離を取った理由の一つであることをサラ本人が明らかにしているので、
もうーーーー!なんてことしてくれたんだ、あのスケベ親父( ゚Д゚)!!!
と、私は非常に憤慨しているところなんですが。
そんな彼女がこのご時世で、自ら脚本を書いてメガホンをとって送り出したのが、
この「ウーマン・トーキング」であるというのもなかなかすごいストーリですね。
自給自足の小さな村で起きた連続レイプ事件をめぐり、
自分たちの尊厳や未来をかけて行われる話し合いを描いたお話。
実話をもとにした、こちらもまた現代に生きる私たちのすぐそばにある物語。
・・・・・・・うぅ・・・早く観よう(>_<)!!!


このところ、ラインナップ悪くないよねともっぱらの噂の中劇で(え、私が思ってるだけじゃないですよね!?ね?ね?)、
「ライオン少年」から「聖なる復讐者」
「せかいのおきく」「ウーマン・トーキング」
「聖地には蜘蛛が巣を張る」と、
〝格差社会”〝女性蔑視”などの社会問題がテーマの、見応えのある作品がズラリと並んだのは圧巻ですよね!
今なら、北欧の最北端の駅に向かう列車のなか(「コンパートメントNo.6」)や、
差別や冷戦問題が国全体を覆っていた1980年代のニューヨーク(「アルマゲドン・タイム」)
それから20世紀初頭のアラブ独立闘争さなかの中東(「アラビアのロレンス」)にも飛び込める映画館です。
中劇の、涼しく快適な劇場のグリーン車並みにゆったりとした椅子で、
時代も国境も飛び越えて、ぐるっと世界を回っちゃってください( `ー´)ノ


さて、今、平日休みの昼下がり、コーヒーをおかわりしながら心おきなく仕事ができる涼しくておしゃれなお店でこのブログを書いているんですけど、
向かいに座っている若い女性が、ずっとスマホの画面を見ながら踊ってるんですよね(^_^;)
座ったまま、腕だけで複雑な踊りを・・・・TikTokでやってるようなやつね。
なんか夢中で、ノリノリで。
それが気になっちゃって気になっちゃってブログが全然進みませんでした。。。
今の子たちって、なんか・・・・すごいですね。
まあ踊りが苦手な私だと、腕だけだろうが足だけだろうがそもそも覚えられないのでお話になりませんけどね。
そんなだから、さんさも出たことないんですよ。
唯一、人前で踊ったことがあるのは高校時代の何かの会(しかも自分のクラスだけ)での、
Wink「寂しい熱帯魚」だけっていう私でした。あれがピーク。
・・・・・ヤバい!!歳、バレる( ゚Д゚)!!!→だいたいバレてる。
えっとー・・・・・またしても長くなったのでこのへんで帰りましょうかね。。。
はい。
さてさて、こんなに作品がぎゅうぎゅうづめの5月6月でしたが、
7月公開予定の作品はなんと「君たちはどう生きるか」一本のみ!
・・・・・・は?
・・・・・・え?
ま・・・・・その・・・・・つまりそういうことです。
6月から引き続き上映のものはもちろんあるんですけどね。
ガチ中のガチで戦闘態勢に入るジブリ作品なので、同時期にいろんなものは入れられないということで。
でも、実はその「君たちはどう生きるか」については、チラシも、予告も、テレビスポットも全く無しで、事前情報皆無の状態で公開になる模様。
今のところ、ポスターしか届いていませんし、内容も当然全くわかりません。
どうなることやら。
7月は、厳戒態勢での公開後に、お客さまたちと一緒に宮崎駿監督の最新作を観てからの更新になるかも(^_^;)
その代わり、少し落ち着いた8月はいくつか作品が決まってきてますので乞うご期待。
今年ももう半分終わりですが、後半戦も猛ダッシュでぶっ飛ばしますのでついてきてくださいね!!


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/


2023年6月8日木曜日

必見「せかいのおきく」そして今、中劇が熱いっ!!(自己申告)

こんにちは。
いつも、盛岡近郊の物好きな映画マニアの方々が、気が向いたときに覗きに来てくれる程度のこの映画ヲタブログですが、
なぜか前回の「ライオン少年」の回の閲覧数がいつもより伸びててビックリでした。
・・・・・ただのヲタブログなのに・・・( ゚Д゚)!!!
ていうか、よく考えたら私の専門分野の〇ャニーズとか生涯研究対象の香港映画とか学生時代からの〝趣味”世界史世界情勢なんかの、ゴリゴリにヲタクを発揮した回ばかりがいつもバズるんでした(;'∀')
そうだったそうだった、世の中ヲタクが回してるんだった!(語弊があります)
とにかくありがたい。
いろんなヲタクのみなさん、いらっしゃいませ(?)。
前回は、昭和生まれ映画館通り育ちの映画ヲタ(私です)に世界史好き中国映画好きをブレンドした得意分野の講座だったようなもんなので、暑苦しくてウザくて眠くなった方もいたかもしれませんが、
私が熱く語る時はガチで推してるときなので迷わず観にきてください( `ー´)ノ

さてさて、ここ数年、誰も言ってくれないので、
「中劇もなかなかいいでしょ!?たまにいいのやるんですよ!!」
なんてこれまた暑苦しく自己申告していた私でしたが、
いよいよ来ました!!
自己申告ではない「今月の中劇さん、、いいよねー!!観たいのばっかり!!」の声!!
・・・・・・YES!!!!!( `ー´)ノ
それな!!!!!
自己アピールって、大事よね!!
・・・・じゃなくて。
そうなんです。
いいんです。
マジでキテるんです。
ヤバいんです、中劇
・・・・・ま、お客さんが入るかどうかは別問題だけどね(!)。
そりゃそうですよ。〝面白い映画”〝入る映画”は全く別物。
そこは、映画関係者としては常に悩ましい部分ではありますが、
それはそれ。
このところの中劇は、
「え!?これ、うちでやっていいの!?」(長年の苦労でしみついた卑屈な感情)みたいな、
「え!?これ、観たかったやつなんですけど!?ほんとにうちなの!?」(観たいやつはたいてい、よその劇場に行っちゃうことに慣れきってしまったセリフ)みたいな、
そんな作品が次から次と公開になります。
中劇で。(→しつこい)
・・・・・ヤバい・・・・これじゃ中劇、普通にオシャ映画館じゃん・・・(*´з`)
と、なにげにイキリ出した私ですが、
つい先日受けた電話で、そこそこのお年を召したシニアのお客様から発せられた、
「中劇ってどこにあるの?」
「フォーラムじゃない映画館もあったんだ!?」
などという無邪気な鋭い刃(しかも大きく太くトゲだらけの)みたいなセリフで、
そのイキリだしてムクムクと天狗になりかけた私の鼻はバッサリ斬られました。
中劇、映画館通りにあるよーーー( ゚Д゚)!!!
映画館通りで、昭和10年から映画やってるんだよーーーーー( ゚Д゚)!!
あ、そっか、電話くれたマダム、最近こっちに越してきたのかな?
それか彼女、ずっとお城に閉じ込められてて映画とか観にいったことないのかな?そんで長い髪でお城の塔から抜け出して、今初めて宮沢賢治の映画(「銀河鉄道の父」の問い合わせでした)観ることになったのかな?きっとそうだよ!そうに違いない!(それはラプンツェルです。いや違います。)
・・・・・・思いっきり盛岡弁だったけどね(-_-;)
マダム、若いころどこで映画観てたんだろうか・・・・?
とりあえず、中劇映画館通りにあるってところから始めないといけないようでした。。。
中劇、まだまだですね・・・どうやら名刺配りが足りないようで・・・。
ていうか、昭和10年創業って、なにかね???
「老舗」なんて言葉、こうなってくると無意味だし無駄だし虚しいね!!(ヤケクソ)
盛岡住みでゴリゴリに盛岡弁のシニア層が、中劇知らないんじゃお話にならないよ!!!
どうすればいいのさ(/_;)!!??
・・・・あれ?それでなんの話だったっけ??
もういいや、しんどいことは忘れて前を向きましょう。
そうそう、マジで最近の中劇、いい映画多すぎてヤバいって話ね(?)
前回ご紹介した「ライオン少年」もめちゃくちゃよかったって話をしましたが、
9日から上映の「せかいのおきく」
これもまた良かったわけですよ~~~(´ー`)
(c)2023 FANTASIA
モノクロ、スタンダードサイズの時代劇。
舞台は幕末江戸の片隅
でも、チャンバラではありません。
主人公は22歳のおきくちゃん(黒木華)。
武家育ちでありながら、今は貧乏長屋で質素な生活を送るおきくと、
古紙や糞尿を売り買いする最下層の仕事に就く中次寛一郎)と矢亮池松壮亮)。
この三人を中心に、貧しいながらもたくましく生きる長屋の住人たちを見つめる、
静かであたたかく、優しい物語。
江戸が舞台の時代劇と言われて、藤沢周平山本周五郎、はたまた黒澤明作品なんかを期待された方はゴメンなさい!!!
侍たちが斬りあうシーンは皆無です・・・!!
お殿様も、新選組も、竜馬どころか刀を持った侍すらほとんど出てきません。
数分、出ては来ますけど。
しかも映画が始まってから終わるまでスクリーンに描き出されるのは、
ウ〇コ、ウ〇コ、またウ〇コ!
とにかくひたすらウ〇コを掬い、集め、運ぶ若者の姿と、
そんな当たり前の江戸の風景のなかで暮らす貧しい人々の日常。
世界が大きく動こうとしていた幕末の江戸が舞台ではあるものの、
カメラが描き出すのはありのままの自然と、
そこで質素ながらも食べて出し、出たものを田や畑に運んで肥料にし、
そこで作られたものをまた食べるという循環型経済で社会を回していた、
下町に暮らす名もなき市井の人々の姿です。
それは当たり前のように描かれてはいますが、当時の江戸のこのやり方は実は世界の中でも最先端!
西洋では糞尿を道端に捨てたり川に流したりしていた時代。(今もそうしている国も多いですけど。。。)
しかもその画期的な循環型経済は、徳川家康のときにはすでに行われていたというんだから驚きです。
まさにSDGs!!
やるじゃん、家康!!
そもそもこの映画の始まりは、利益追求型の映画作りに疑問を感じていたプロデューサー(原田満生)が関心を持った環境問題と、
そのプロデューサーとともに京都・太秦を訪れた阪本順治監督がそこで育まれてきた日本の時代劇という技術を継承していかなければいけないと痛感した使命感から。
もう、映画ヲタクはこの二人の名前が出た時点でこの映画が気になったはず。
原田満生といえば、日本を代表する美術監督。
『舟を編む』『テルマエ・ロマエ』などの有名作品はもちろん、
阪本順治監督と20年以上ともに作品を作り続けている盟友でもあります。
そして私も大好きな映画たち『顔』阪本順治監督)や、『ざわざわ下北沢』市川準監督)、『深夜食堂』松岡錠司監督)!!
そして中劇で上映した稲垣吾郎主演『半世界』阪本順治監督)もこの方が美術監督を務めています。
つまり大好きってこと!
阪本順治監督に関してはもう、1996年公開の『ビリケン』が好きすぎて青春18きっぷで大阪に行っちゃった(気に入った映画があるととにかくロケ地に行きたがる)私なもんですから、好きに決まってます。
松山ホステス殺人事件の福田和子・元受刑者を題材にした2000年公開の『顔』はめちゃくちゃ面白かったし、
日本アカデミー賞で12部門もノミネートされた王道作品『北のカナリアたち』みたいな作品もありつつ、
『闇の子供たち』では人身売買や児童買春の闇に切り込んでタイ政府から上映中止にされちゃったりするようなとんがった作品を撮ったり、
かと思えばなんのドラマティックな出来事も起こらない田舎の暮らしを見つめる『半世界』みたいな作品を作ったり。
1作ごとに題材も、撮り方も、全然違うものを生み出してくるところが興味深く、やっぱりいつでも動向が気になる監督です。
今回は、初めてのオリジナル脚本での時代劇。
毎回、ワクワクさせてくれるなぁ・・・!!
若いころはやっぱりエキセントリックな題材や大胆な切り口で話題を呼んだ個性派監督と言った感じでしたが、
このところはわりと静かな人間ドラマになってきましたかね。
とはいえ実は昔から、そこまで派手な作品ばかり作ってきた人ではなくて、
選ぶ題材としてはセンセーショナルなイメージがあったとしても、実は主題はいつも名もなき市井の人々を見つめる作品だったりします。
世間を騒がせた金大中事件誰も知らない裏側を描いた『KT』然り、
チェ・ゲバラとともに革命戦争に身を投じた無名の日系人の生涯を描いた『エルネスト』(中劇で上映しました!)然り、
結局は最初の頃からずっと変わらず、掲げたテーマの裏にある普通の人々やなんでもない日常にスポットを当ててきた人のような気がします。(私の個人的な見解です。)
そして今回はまた、モノクロのオリジナル脚本の時代劇という日本映画の王道かつ一見派手そうな取っ掛かりでありながら、
中身はチャンバラ無しの糞尿まみれの青春ドラマという、誰も観たことのない全く新しい時代劇。
さすがです。
これからもまだまだ面白いことをやってくれそうな阪本順治監督。
楽しみだなぁ・・・!
そしてなんといってもやはりキャスト
キャストが良い!良すぎる!!
とにかくヒロインの黒木華ちゃんの、なんともいえないつるんとした、カラッとした、江戸の下町のおきゃんな娘が良い!!!!
(c)2023 FANTASIA
ハキハキとした、利発で気の強そうな、それでいて好きな人の前ではシュンとしちゃうかわいらしい江戸時代の女の子がまるで今、目の前にいるような気がしてきます。
後半、声を失い一言も言葉を発しないおきくちゃんになってからも、
凛とした清々しい透明感と芯の強さが垣間見える素晴らしい演技でした。
手話もまだない時代に、心も体も傷つき声を失った若い娘が、身振り手振りで愛する人に気持ちを伝えようとする姿は心をしめつけます。
このときの身振り手振りは、監督から丸投げされた黒木華ちゃんのオリジナル。
良いシーンでした・・・!
おきくと顔なじみらしい矢亮池松壮亮)の、ざっくりとした軽やかな明るさの裏の辛さや苦しみが滲む笑顔はせつないし、
それまでいろんな思いを飲み込み閉じ込めて踏ん張ってきた彼が最後まさにクソ喰らえ!と感情あらわにするシーンは圧巻。
お菊が想いを寄せる中次寛一郎)は、最初は空虚で生気の無い無表情な顔が下肥買いになったことや恋によって世の中を知り、徐々に表情が変わってくるのがほんとによかった!
(c)2023 FANTASIA
池松壮亮の朴訥とした、それでいて腹に一物持ってそうな一癖ある存在感はさすがだし、
寛一郎くんに至っては、ご存じだとは思いますが祖父が三國連太郎、父が佐藤浩市という嘘みたいなサラブレッド俳優。
中劇でも上映した『ナミヤ雑貨店の奇跡』のときはまだ十代で映画デビュー作だったこともあり、表情も硬くて印象も薄めでしたが、あれから6~7年。
今回の『せかいのおきく』の彼は、すっごく良い!!
スラッとしてガッチリとした恵まれた体型と、
自然でのびのびとした表情やなにげない佇まいからにじみ出る、
祖父&父から脈々と受け継がれる二枚目俳優の遺伝子!!
汗を拭って空を見上げる笑顔はマジで、スクリーン映えするまさに〝映画俳優”のお顔でした。
え・・・・嘘!!寛一郎、こんなにイケメンだった!!??(やっぱりそこ!?ていうか何様!?)
そしてもちろん今回、共演している父・佐藤浩市とのシーンはシビれますよ~!
(c)2023 FANTASIA
佐藤浩市の渋く枯れた元武士の空気感や、
飄々と、ナチュラルに長屋の長老としてそこにいた石橋蓮司
その昔、大河ドラマ「武田信玄」で信玄の少年時代を演じて私のハートを撃ち抜いた(あれがもう35年前だって!?ウソでしょ!?)眞木蔵人の、毒も牙も抜かれたような表情の(彼もまあいろいろありましたからね。。。)まさに悟りを開いた僧侶のような(僧侶です)住職役もピタッとハマり、
すべてのピースが揃ったパズルみたいなキャストでした。
メインキャストはこの6人。
そして紡がれていく、江戸の片隅の静かな日常。
雑然とした江戸の町の喧騒や鳥たちのさえずり、
花や草が揺れる音や肥溜めの匂い(!)までこちらに伝わってくるような臨場感のなかで、
るろ剣みたいにドラマティックなエンタメ感は無い、
三池崇史作品みたいなハードな斬り合いも無い、
でも、だからこそ時代も場所も超えて自分の隣にひっそりと暮らしているかのような身近なリアリティと共感に溢れた作品。
(c)2023 FANTASIA
静かで優しく、清々しい映画です。
ぜひ劇場で、この江戸の片隅の長屋の住人になったような気持ちで見守ってください。
近くに、時代劇と聞いて興味を持ったようなお父様やお母様がいらしたら、
「チャンバラではないよ。水戸黄門でも仕事人でも大岡越前でもないからね!」
と、必ず確認してから映画館に送り出してくださいね!
黒澤明とか、私が子供のころ大みそかに必ずやってた年末時代劇(「白虎隊」とかね!「忠臣蔵」とかね!ラストに堀口孝雄が流れてね!いや、もちろん私も大好きでした当然。)なんかを想像して来られちゃったら困るので、そこだけ要注意です!
公式サイトhttp://sekainookiku.jp/


さて、かつてないほどの渋滞状態でむりやり走っているような6月の中劇です。
WBCも、「銀河鉄道の父」も、まだまだ上映中!
『ハロウィンTHE END』については、明日6月9日から公開です。
(C) 2022 UNIVERSAL STUDIOS
・・・・あの・・・・私・・・・
ホラーは無理なんで(/_;)!!
ゴメンなさい!!
ホラーと戦争ものだけは、カンベンしてください!!
どうしても観られない。
ジェイミー・リー・カーティスは、その昔、友達が大好きだったコリー・ハイムの映画をSY内丸に観に行ったときに同時上映だった映画「ブルー・スチール」でめちゃくちゃカッコよかった女優さん。
「ブルー・スチール」は、もうほんとにこれでもかってくらいに理不尽に周囲の人が殺されてくし、観ていて「もういいよ!」ってくらいにヘトヘトになったハードボイルドな刑事もので、アメリカの刑事ものはしばらく無理!ってちょっとトラウマになりそうだったけど、
この女優さんキレイだなー、カッコいいなー、と思ったことをいまでもちゃんと覚えています。
私の大好きな映画「マイ・ガール」にも出てたー!!
けど。
「ハロウィン」は無理なのーーーーー(/_;)!!!
でも大丈夫。ホラー映画は、私がここで書こうが書くまいが、集客にはまったく影響がありませんから!
このての王道ホラーは、最初から好きな人しか来ないから!!
感想を読んで動員が広がるようなジャンルじゃございませんから!!
そして実は、ほっといてもちゃんとそこそこお客さんが入るジャンルでもあったりします。
ホラー映画好きのみなさま、お待ちしてます!
公式サイトhttps://halloween-movie.jp/

そして来週公開の『聖なる復讐者』は、重くてしんどい韓国の復讐サスペンス。
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無惨に殺された弟の仇を討つために、容疑者たちが入所している少年院に自ら罪を犯して乗り込んでくるお兄ちゃんのお話です。
さあ、弟を殺した犯人は誰だ!?
なんですが、私、けっこう最初のほうで犯人わかっちゃったんですよね(;'∀')
ていうか、犯人探しの映画じゃなかった!
こちらもまた韓国映画特有の、韓国の抱える格差社会や社会問題なんかを容赦なくあぶり出しながらの、
ほんとに重く、救いのない人間ドラマ。
何と言っても主演のパク・ジニョンがすごい!
復讐に燃える主人公(地元でも有名な札付きのワル)と、知的障害のある(ピュアで笑顔のかわいい爽やか青年)の二役をこの方がやってるんですけどね。
最初、二役だとは気が付きませんでした!
すごい!!上手い!!
そしてこれは若者達の抗争が原因の痛ましい事件(舞台は少年院)なので、関係者も若者だらけ。
・・・・つまり韓国のイケメンパラダイス(またそれ!?)ってわけ。
兄弟の友人役のイケメンとか、敵役のイケメンもよかったですよ♪(結局それ。)
とはいえ日本でも定期的に大流行する「不良少年たちのカッコいいアクションもの」では決してなくて、
この映画のなかの喧嘩はつい目を背けてしまうほどの理不尽で救いようのないただの暴力。
そして、主人公は愛する弟を殺されて復讐に燃えているのではなくて、
自分も疎ましく邪魔にすら思っていた弟が殺されたことに対する後悔と、
弟のことを何も知らず関心も持っていなかった自分への罪の意識に突き動かされる兄というところが、ズシンと深くて重い。
もう、観ていてとにかくしんどくてせつない映画ですが、
韓国映画らしい暗さと重厚感のある犯罪ものでした。

そして、作品がぎゅうぎゅうに詰まってる渋滞中に限って、長尺の作品がやってくる午前十時の映画祭
172分の『大脱走』登場です。
© 1963 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.
めちゃくちゃ面白いんで、全然長く感じないんですけどね!
そしてここからスタートするのがなんと、学生さん半額キャンペーン!
これは嬉しい!!
前は、学生さんは500円で観られていたんですけどね。
シリーズ全体で値上がりしてしまったので、この半額はマジで嬉しいですよね!
若い人たちに、古き良き名作たちを映画館でたくさん観てほしい!
これから夏休みまで、たっぷり時間ありますからね、ぜひぜひ半額で名作たくさん観ちゃってください!

はー・・・・今回も超大作となりました(;'∀')
それでも今月、まだまだ新作待機中!!
全部は無理でもなるべくちゃんと観て、感想をあげていくつもりなので、
ウザがらずに覗きに来てくださーい!!


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/