2019年11月22日金曜日

天才芸術家・草間彌生!!&お詫びと訂正

こんにちは。
まずは、前回のブログについて、
お詫びと訂正から。
前回、大好きな映画「レオン」について、ベラベラと頭に浮かぶままに書き綴り、
満足していた私だったのですが。
自分で間違いに気付いてしまいました。。。
〝ゲイリー・オールドマンが怖い”というくだりで、
「マチルダの家に突入するときに鼻に薬を・・・」
と書いているのですが、これ、
「鼻に薬」じゃなくて、
思いっきり薬をガリッとやってました(*_*;)
観ながら思い出しました。
「そうだ!思いっきり薬をかじるんだった( ゚Д゚)!!!」
大好きで、何度も何度も映画館に通って観た映画なのに、
あんなに衝撃的なシーンで記憶違いがあったなんて!
まるで先週、何度も観たような気さえしてくるくらいに強烈なインパクトだったのに、
25年もたつと、脳が勝手に記憶を書きかえてしまったりするものなんですね。
ガッカリです。。。(-_-;)
自分が鼻が悪くて、毎日寝る前に鼻に薬をシュッとやっているせいなのか?
それとも何か別の映画かドラマなんかで見た映像とミックスしてしまったのか?
とにかく残念な脳機能の低下を実感し、愕然とした私でした。
そんなわけで、若いふりをしていても頭も体もガタがくるのだよ、という教訓。
そして、忘れてたり思い違いがあったり、
そんなこともあるんだから、
「昔の映画、〝ああ、観たことあるからいいわー”なんて言わずに、
もう一回ちゃんと観ようよ。午前十時の映画祭でね!」
という宣伝でした(;'∀')
「レオン」まだまだ上映中!11月28日までですよ~!
ゲイリー・オールドマンが薬をガリッとやる、
背筋も凍る怖ーいシーン、
まるでダンスを踊っているように軽やかに人を殺していく姿に、
ゾッとしますよ。
ぜひ自分の目でお確かめください♪
©1994 GAUMONT/LES FILMS DU DAUPHIN
・・・・なんとか自分の大ミスを苦し紛れに宣伝に結びつけたところで(?)。

いよいよ明日から公開となりました。
待望の。
「草間彌生:INFINITY」
Artist Yayoi Kusama drawing in KUSAMA -
INFINITY. © Tokyo Lee Productions, Inc.
Courtesy of Magnolia Pictures.
70年以上にわたる芸術活動の中で独自の芸術を表現し続け、
世界で最も有名な芸術家の1人となった草間彌生
第2次世界大戦下の日本で暮らした過去、
芸術への情熱を理解されなかった家庭環境、
芸術界における人種差別や性差別、自身の病など、
数々の困難を乗り越えながら、
絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスアート、詩や文学と様々な分野で輝かしい功績を残し、
今もなお創作活動に全てを捧げる人生を送る彼女。
幼少期からアメリカへ単身で渡るまで、
そしてニューヨーク時代に苦悩しながら行った創作活動と、
当時それらの作品が国内外でどのように評価されたのか、
草間彌生本人のインタビューに加え、
これまでの創作活動の記録、
草間彌生の才能を知る芸術関係者の声によって構成される、
天才芸術家・草間彌生の知られざる人生に迫るドキュメンタリー。
この映画の上映が決まったとき、ちょっと考えました。
私は、いつから草間彌生というアーティストを知っていたんだろう?
取りつかれたように創作に励む、全身水玉に身を包む個性的なスタイルの女性を、
テレビで見たときだろうか?
それとも、おしゃれな雑誌に載っていた、カラフルな水玉模様に目を奪われたときだったろうか?
なんにせよ、私はそのポップでキャッチーで、それでいてエキセントリックな水玉模様の攻撃に一瞬で心を奪われたのだろうと思います。
草間彌生X-girlのコラボ商品が発売されたことがあり、
(黒にピンクの水玉のバッグ。超~かわいかったんですよ!)
それを予約してまで買ったり、
ユニクロコラボのTシャツも持ってたっけ。
十和田現代美術館にも行きました。
十和田市は小さな町ですが、現代アートを全面的にバックアップしていて〝アートの街”として有名。
美術館じたいはそれほど大きくはないのですが、
近くの公園や町のメインストリート沿いに数々のアート作品を設置し、
道行く人が自然にアートを目にして気軽に触れられる素敵な取り組みをしているんです。
小さな公園に突如として草間彌生のカラフルで大きな作品群が出現、
子どもたちはその色とりどりで不思議な遊具の中をくぐったり登ったりして楽しそうに遊んでいました。
草間彌生の作品に実際に触れるなんて、なんて贅沢!
あれは一度、見に行ったほうがいいですよ!
でも私はうっかり冬に行ってしまったんですよねえ・・・(^_^;)
行くなら暖かい時期がおすすめです♪
・・・・で・・・そう、草間彌生です。
私は、そのカラフルな水玉には心を惹きつけられてはいたのですが、
今考えると、草間彌生本人のことは全く知らなかった。
私にとって草間彌生という人は、
ゴッホとかゴーギャンとかシャガールとか、
いわゆるほんとのアーティストというか、
そういう向こう側の人だったんです。
「草間彌生」というブランドみたいな、
教科書に載ってるスゴイ人みたいな。
今回、このドキュメンタリーを見て、
当たり前なんですが「人間・草間彌生」の、
何があろうととにかくひたむきにアートに向き合いつつも、
前向きというにはあまりにも痛みや傷やリスクや失ったものが大きすぎるために
自分の心までもバランスを崩してしまうくらいの激しく厳しい人生の壮絶さに、
やはりアーティストというのは凡人にはなれないし、
なかなか理解されないものなのだということを目の当たりにし、
その重さに打ちのめされました。
そして、それがさらに1960年代という世界的にも大きく揺れ動くうねりの中の、
しかもN.Y.という街で、
孤独と絶望の中で奮闘した一人の女性の姿は、
見ていて辛くてしんどいものだったけれど、
それと同時に、強くて気高い崇高な姿でした。
母親に認めてもらえない悲しみや、
父親の女遊びによるトラウマを抱えながら、
人種差別のうえに性差別まで加わった絶望的なN.Y.での生活。
自ら精神病院に入ったり、自殺衝動に駆られたりもしながら、
それでもやはり自分が一番の自分の作品の理解者であり、
内側から湧き出てくる創作意欲やアイデアのおかげでほんとに死なずにすんだのだという自己肯定感との間で悩み苦しむ一人のアーティストの姿は、
痛々しくも我々アジア人の女性にとっては勇気と誇りを与えてくれる眩しいものでした。
Peter Moore, Photo of Yayoi Kusama with "MyFlower Bed" in her NYC studio, c.1965 © 2018 Barbara Moore / Licensed byVAGA at Artists Rights Society (ARS), NY,Courtesy Paula Cooper Gallery, New York.
そして、アートも研究も模倣から始まるとはいえ、
次から次と作風やアイデア、そして材料まで模倣され、
しかもそれを自分のものとして発表して名声を得ていく他のアーティストたちの姿に、
純粋に真摯に創作に取り組む彼女はどれだけショックを受けて打ちのめされたことか。
そして日本に帰ってきてからは誤解とスキャンダラスなイメージの一人歩き。
そのことを想像するとほんとうに絶望と虚無感しか浮かばないけれど、
彼女の頭の中には、それでも次から次とアイデアが浮かび、
創作意欲が枯れることはなかったということは、
彼女は本当にアートに愛され、
アートに取り憑かれ、
「創ることで生きている」のだなあと、
それもまた壮絶で大変なことだけれど、
すごいことだなあと感嘆することしかできませんでした。
日本が世界に誇る天才芸術家・草間彌生
キュートでポップな水玉やかぼちゃやキノコ。
その裏にある知られざるドラマティックな人生を、
ぜひスクリーンで感じてください。
映画の公式グッズも揃っていますのでぜひチェックしてくださいね!
公式サイトhttp://kusamayayoi-movie.jp/


さて、今年の「音楽映画祭」は終了。
岩手町出身のテノール歌手・柴田泰孝さんのトーク&ライブイベントも盛況のうちに幕を閉じました。
柴田さん、とっても素敵な方でした♪

物腰柔らかで、私のような年増のオバチャンスタッフにも優しく丁寧で、
通ったあとはいい匂い(*‘∀‘)
そして歌声はパワフルでスイートで惚れ惚れ!
癒されました~♡
ありがとうございました!!
岩手県民の誇りですね!
みなさん、今後も応援していきましょうね( `ー´)ノ
音楽映画祭は終わりましたが、
「アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール」は上映が続くのでご安心を!
©2017 Picomedia SRL.
こちらも波瀾万丈、山あり谷ありの壮絶人生。
本人歌唱の圧巻の歌声とともに堪能してください。

それから、年配のお客様たちが、
「この世」とか「一人」とか、「人の世」などと言い間違ってしまう
「ひとよ」
(c)2019「ひとよ」製作委員会
もう、タイトルなんか間違ってたっていいさ!
「田中裕子が出てるやつ」
でいいです。
とにかく観てください!!
こちらも絶賛上映中。
お見逃しなく!

珍しく毎週ブログを更新できた今月。
寝不足で顔にブツブツができたり常に目がしょぼしょぼしたりの弊害がありましたが、
どうしてもご紹介したい(語りたい)作品ばかりの、
嬉しい悲鳴の11月でした。
12月も怒涛の新作ラッシュが続きますが、
月末からそのままなだれこむ年末、
そして冬休み対策の割引券発送、
「妖怪ウォッチ」公開開始と、
毎年のことながら師走どころじゃない猛ダッシュシーズンに突入しますので、
このしょうもないブログの更新がなくても、
「あれ、最近ブログ更新しないなあ。死んだのかな」
くらいでスルーしてもらえればと思います。
気力と体力が少し残っているときは死ぬ気で更新しますので、
たまに覗いてみてくださいね(;'∀')


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2019年11月15日金曜日

音楽映画祭スターティン♪&25年前の映画も観てね!の巻。

こんにちは。
11月もなかばです。
天気予報では、そろそろ雪が降るという情報が。
うん、心の準備を始めましょうか(;'∀')
そして盛岡の映画館では、
明日11月15日からの1週間、
『ラヂオもりおか 音楽映画祭』開催です。
もう8年目!?
早いですねえ!!
今年も、盛岡市内すべての映画館が参加しますよ♪
私も好きなイベントです。
この映画祭は、「期間中一回しか上映が無い!」とか、
「特別なチケットがないと入れない!」
なんてこともなく、
普通に毎日上映があって(イベントなどの場合は別なので各劇場にご確認ください)、
通常料金で観られるのがとてもいい!
と私はいつも思っています。
気持ち的には、「たまたまこの1週間、イイ感じの音楽映画をたくさん上映してる」みたいな、
そういうカジュアルな感覚でいけるのが良いのです。
なんか、お祭りみたいになってるところに一人で入っていくのもちょっと・・・
だったりとか、
観たいけどこの日のこの時間の一回きりしか上映がないのかー・・・
とか、
そういう気負いがないのがいいですよね!
いつも通り、行けそうな日の行けそうな時間を選んで映画館に行くだけです。
芸術の秋。
音楽と映画、両方一気に楽しんじゃいましょう(*‘∀‘)♪
http://radiomorioka.co.jp/music-cinema-fes/index.html

音楽映画祭
中劇ではこちら。
リアルガチの芸術作品で勝負です。
「アンドレア・ボチェッリ 奇跡のテノール
©2017 Picomedia SRL.
盲目のハンディを克服した世界最高峰のテノール歌手アンドレア・ボチェッリの実話を完全映画化。
と言ってもあまりピンとこない方も多いでしょう。
では。
世界的歌手であるサラ・ブライトマンとのデュエット曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」はご存じでは?
私も今回、それを聞いてやっと、
「あ、そうなんだ!?」
とビックリ。
無知でお恥ずかしい限りですが(/_;)
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」は超ーーー有名ですよね!
誰もが必ず聞いたことのある素晴らしい曲です。
もともとは、このアンドレア・ボチェッリがイタリア語で歌っていた、
ボチェッリの代表曲。
それを気に入ったサラ・ブライトマンがデュエットを申し出て、
瞬く間に世界中で大ヒットとなったというわけなんです。
〝神の声”といわれ、デビュー以来CDのトータルセールスは8000万枚以上という、
世界最高峰のテノール歌手アンドレア・ボチェッリ
その激動の愛と半生を描く映画です。
生まれつき眼球に血液異常を持って生まれ、幼いころから弱視に悩まされていたアモス少年(ボチェッリ)。
少しづつ回復してきたかと思いきや、
授業中にサッカーボールが頭に当たり悪化。
なんと失明してしまいます。
©2017 Picomedia SRL.
そんな折、もともと歌が上手かったアモス少年を、
叔父が音楽コンクールに連れて行き、
なんと見事優勝!
そこから彼の華々しいキャリアがスタートする!!
のかと思いきや・・・・・( ゚Д゚)!!
というお話です。
もちろんすべて実話。
ボチェッリ自ら執筆した自伝を映画化。
この映画、なにげにみどころ満載で、
ボチェッリを徹底的に厳しく指導し実力を伸ばしていくマエストロ役が、
アントニオ・バンデラス
「デスペラード」最高でしたね( *´艸`)
泥くさいのにクールで、めっちゃ人が死ぬのに爽快で、
超ー面白かった!大好きです♪
バンデラスもハマリ役!
これで一気にハリウッドスターの仲間入りでしたからね。
強くてセクシーでユーモアがあって、歌も上手い!
あの映画を観ればたいていの女子はハートを鷲掴みにされたものです♡
それが1995年作品なので( ゚Д゚)!!
25年ほどたってしまった今、
この作品では、口元にグレーのお髭をたっぷりとたくわえた、
いぶし銀のマエストロとしてスクリーンに登場。
でもあのエキゾチックなオーラと重厚な存在感は変わらず。
歳を重ねてキャリアを重ねて、
名優へと着実に階段を上っているようです。
そしてそして、なにしろこの映画、
何が楽しみって監督が。
私も大好きな映画「イル・ポスティーノ」マイケル・ラドフォード監督の作品なんです!
「イル・ポスティーノ」といえば、イタリア語作品ながら1994年のアカデミー賞などの賞レースを賑わせた素晴らしい映画。
イタリアの小さな島でのチリの詩人パブロ・ネルーダと郵便配達人との交流を描いた作品で、
祖国を追われた詩人役のフィリップ・ノワレも最高に素敵だったし、
詩人と心を通わせていくことで世の中を知っていく純朴な青年役のマッシモ・トロイージがまたせつなくて!
なんと、もともと心臓病を患っていたトロイージが、
撮影終了の12時間後に亡くなり、
映画の内容と重なる部分もあってこの映画は、
海の青さと、聴くだけで号泣できるノスタルジックな音楽とともに、
永遠に語り継がれる名作となったのでした。
映像を思い浮かべただけで泣けるー(/_;)!!
ああー、また観たくなってきた!!
・・・・って、だから「イル・ポスティーノ」の話じゃなかったですね(*_*;)
ちなみにアカデミー脚色賞にノミネートされた「イル・ポスティーノ」ラドフォード監督、そしてマッシモ・トロイージらとともに脚本を担当したアンナ・パヴィニャーノ(公私ともにトロイージのパートナーでした。)が、
今回もラドフォード監督と共同脚本を担当していますよ!
で。そう!
「アンドレア・ボチェッリ」に話を戻します。
もちろん、劇中、ボチェッリ本人の吹き替えによる歌唱が満載なのも嬉しいポイント。
「アヴェ・マリア」とか、
『椿姫』「乾杯の歌」とか、
『トゥーランドット』「誰も寝てはならぬ」とか、
クラシックでオーソドックスな曲から、
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」の原曲まで!
圧巻の歌声に心が揺さぶられます。
数々の困難を乗り越えて夢をつかんだ一人の歌手の人生をめぐる感動の人間ドラマ。
ぜひ、〝神の声”とともにスクリーンで堪能してください。
公式サイトhttp://bocelli.ayapro.ne.jp/
©2017 Picomedia SRL.
そしてこちらの作品。
11月17日(日)12:50の回終了後、
岩手県岩手町出身のテノール歌手・柴田泰孝さんのトーク&ライブがあります!
特別なチケットは必要なし。
普通に通常料金で映画を観てもらえれば、上映のあとそのままこちらのトーク&ライブが観られるというわけ!
当日、朝から受付順に整理券を配るので、
絶対に行きたい!という方は念のため、時間ギリギリではなく少し早めに受付をすませてくださいね。
http://www.chugeki.jp/comingsoon/index.html#105event


さてさてそれから、どうーしてもご紹介しておきたいこちら。
いよいよ午前十時の映画祭に登場。
「レオン 完全版」
©1994 GAUMONT/LES FILMS DU DAUPHIN
マジかーーーーーーーーーーーーーー!!!!
きたかーーーーーーーーーーーーーー!!!!
映画マニアに向かって「好きな映画は何ですか?」と聞いたら、
たいてい嫌な顔をされるものですが。
勿論私も、「そんなざっくりな質問に答えられるかー(゚д゚)!」
と怒りますが。
そうです。年間150本を超える映画を観ていたくらいの時期もある(若い頃です)ただのオタクには、
「一番泣いた」とか「おすすめの青春映画」とか「こんなときに観たい」とか、
それなりの〝括り”がないと好きな映画なんて答えられませんよね。
そんななかでも、例えばざっくりと「好きな映画10本」(3本は無理!絶対選べない!)と聞かれたときに、
じゃっかんイラッとしながらも一応考えるとすると、
必ず上位に入ってくるのがこの「レオン」
25年前、初めてこの映画を観た時の衝撃は、いまだに忘れられません。
ん、25年前?
そういえば今回のこのブログの上のほうに出てきた私の好きな映画たち。
「デスペラード」「イル・ポスティーノ」も、なんと25年前の作品!
素晴らしい映画が豊作の年だったんですねえ(*'▽')
そう、私が年間150本を超える映画を観ていたのはまさにこのころ。
ですがそのなかでもいまだに思い出すたび心がズキンとする、
強烈なインパクトを残す作品「レオン」
公開初日にピカデリーさんで観て、
衝撃のあまり立ち上がれずそのまま続けて2回目。
もう一回観たいと思ったら「今日は終わりです」。。。
そして翌日もまた観に行ったという。
自分的にもここまでやられた作品はなかなかないですね。
いや、あるけど。あるけどそんなにない。
ちなみに前回の「ひとよ」の回にご紹介した「大阪物語」は3回観て、
ウォン・カーウァイ「恋する惑星」は5回。
「スタンド・バイ・ミー」は3回です。
回数じゃないんですけどね、でもやっぱり気に入ると2回、3回と観てしまいます。
映画はナマモノ。
劇場公開が終わったらもうスクリーンでは観られない。
だから通ってしまうんです。
そこはツイッター担当のNさんと通ずるものがあるんですが。
彼女は大好きな映画を7回とか平気で観ますからね。
いかれてますよね(;'∀')
ちなみに彼女も中劇のツイッターで「レオン」について語っていますので、
覗きに行ってみてください。
https://twitter.com/morioka_chugeki
彼女とは、オタク度合いが同じなので、歳の差があるということをすっかり忘れてしまいます。
同じ穴のムジナ?
類は友を呼ぶ?
そんなこんなで「レオン」です。
ポスターやチラシなんかも超ーーおしゃれでしたけど、
オープニングでN.Y.の街にググーッと入っていく流れるようなカメラワークからして超ーークール!!
細い棒のような体に強い目が印象的なナタリー・ポートマンは、
幼さとか弱さの裏に寂しさと溢れんばかりの母性や愛情を秘めたあの役が、
その後のどの作品よりも素晴らしいと、私は思います。
それに対して、大きな体に優しい目をサングラスで隠した、
不器用で口下手な殺し屋のジャン・レノがめちゃくちゃかっこいいけどときどきカワイイのがなんとも女心をくすぐるのでした。
リュック・ベッソンとの相性は抜群ですね。
リュック・ベッソンといえば「グラン・ブルー」
「グラン・ブルー」といえばジャン・レノ
こういった、監督と俳優との相性というのはやっぱり作品の出来に大きく影響を与えるものですよね。
悪徳刑事のゲイリー・オールドマンには震えました。
マチルダ(ナタリー・ポートマン)の家に突入するとき、
鼻炎の薬なのか、ヤバイ薬なのか(後者でしょうね)とにかく鼻にプシュッとやって、
首をバキバキッと回して、
そしてアップになったときの顔といったら!
マジでヤバイ( ゚Д゚;)
・・・・とか、とにかく、語りたいことばかりで大変なことになるし、
結末まで喋ってしまいそうになるので、
このへんでやめときます。
まずは、まだ観てない方はもちろん即、中劇へ。
前に観たよーという方も、もしも完全版をまだ観ていないのならぜひ完全版を観に中劇へ。
音楽も超クールで、全編を彩るエリック・セラのスコアも耳に残りますが、
マチルダとレオンが殺しの訓練に励むシーンで流れるビョーク「Venus As A Boy」とか、
ラストでカメラがN.Y.の街をゆっくりと離れるシーンからエンディングにつながるスティング「Shape of my heart」とか、
選曲ももう最高ーーーーにセンスが良くてやられます。
この映画のサントラCDはエリック・セラのスコア盤しか出ていないので、
私はそれぞれの曲が入っているビョークスティングのCDを買いました。
「レオン」は、私の中では『音楽がかっこいい映画』括りにも上位で入りますね。
この映画も音楽映画祭に入ってもいい!
というわけで、音楽映画祭のおしゃれな映画を観る予定の皆様は、
こちら「レオン」もぜひご覧になってくださいね!
http://asa10.eiga.com/2019/cinema/926.html


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2019年11月7日木曜日

必見!「ひとよ」壊れた家族の物語。

こんにちは。
だいぶ寒くなってきましたね。
ゆっくりと確実に、北国・盛岡に本気の冬が近づいてきています。
けっこうしんどい灯油代とかー、
朝起きるのキツイとかー、
腰が痛くなる雪かきとかー、
夜家に帰ったら親切な除雪で家の前に雪の壁ができてて車が入れないとかー、
(→盛岡あるある)
なんかいろいろめんどくさいなーと思いつつ、
コタツに入ってのお鍋とかー、
それプラスおいしい日本酒のコラボとかー、
あったかい家の中から見る雪の景色とかー、
不思議と嫌じゃない冬の日々。
とはいえ冬、長すぎなんですけどね(^_^;)
ここから盛岡は、半年ほどの「冬」に入るわけです。
しかし長いよねー!!!
だから冬はもう、映画観るしかないでしょう♪
家出てくるのめんどくさいけど。
寒いし、バスはなかなか来ないし、
滑るし、歩きづらいし、
外に出るのほんと嫌だけど。
でも、そこをがんばって映画館へ来てみてください。
あったかいコーヒーと、おいしいおやつでも持ち込んで、
がっちり暖房の効いた映画館でゆっくりしましょうよ♪
最近行けてないけどフォーラムさんなら「イエスタデイ」は絶対観たいし、
南部興行さんもいいのが続くんですよねえ!
「タロウのバカ」は早く観ないと終わっちゃうし、
中国映画「帰れない二人」とか「カーマイン・ストリート・ギター」とかインド映画「あなたの名前を呼べたなら」も観たいんですよね(*‘∀‘)
この時期、どこの映画館も素敵な映画、やってます♪
そして中劇ももちろん、なかなかいい感じのラインナップでお待ちしております。
というわけで、前回の続きから。
冬の中劇、おすすめ作品を一挙ご紹介!

12月6日公開
ワム!の名曲をテーマにしたとびきりのロマンティック・コメディ
「ラスト・クリスマス」
(C) Universal Pictures
「ブリジット・ジョーンズの日記」「ラブ・アクチュアリー」
そして「アバウト・タイム」と、
上質なロマンティックコメディを作るのが得意なイギリス発。
ってだけで、絶対に面白いに決まってる!
まさにクリスマスシーズンにお届けします♪
公式サイトhttps://lastchristmas-movie.jp/

12月20日公開
手塚治虫文化賞(短編賞)受賞の衝撃の話題作が、
二階堂ふみを主演に迎え、ついに!まさかの!実写映画化!!
「生理ちゃん」
(C) 吉本興業 (C) 小山健/KADOKAWA
女性たちに月イチでやってくる「生理」を擬人化し、
絶大なる共感の声を呼び大ヒット中のコミック「生理ちゃん」
最強のブサカワキャラ「生理ちゃん」が、漫画の中から飛び出し現れた!
女性なら100%共感するはず、
何かと大変な女性たちへの応援歌です。
公式サイトhttps://seirichan.official-movie.com/

12月27日公開
待ってました!
中劇に再び降臨!!
「マシュー・ボーンin CINEMA」
(C) New Adventures 2019 Photography: Johan Persson
斬新な解釈で、全編をめくるめくエンターテインメントで包みこみ、
世界中を魅了したこちらの作品。
男性が演じる「白鳥の湖」
5年前(!!)中劇で上映したときにもたくさんのお客さんが観に来てくださいました♪
https://moriokachugeki.blogspot.com/2015/11/blog-post_12.html
世界中で話題のマシュー・ボーンのバレエ作品。
中劇ではコンスタントに上映を続けている定番のコンテンツです。
まだ観たことがないですって( ゚Д゚)!?
ありえない!!
でも、だったら余計、今回の新演出版「白鳥の湖」
絶対に観てください!
バレエとか、ダンスとか、ミュージカルとか、
もうそんなのどうだっていい!
これが本当のエンタメだっ!!!
公式サイトhttps://matthewbournecinema.com/

さてさて、そうです。
今週始まる必見の作品がありました。
11月8日公開
「ひとよ」
(c)2019「ひとよ」製作委員会 
劇作家・桑原裕子が主宰する劇団KAKUTAの舞台作品を、
『孤狼の血』で日本アカデミー賞4部門を受賞した白石和彌監督が映画化した『ひとよ』
家族に関して白石監督自身も複雑な事情を抱えているため、
「いつかは撮らねばならない」と感じていたという〝家族”の話。
6月に中劇で上映した『凪待ち』では、〝血のつながらない家族”を描いていましたね。
無精ひげにくたくたの服、土色の顔に疲れた表情を乗せた香取慎吾が衝撃でしたが、
今回もまた、白石監督の得意技「イケメン汚し」が遺憾なく発揮されていますよ!
今や映画にもドラマにも引っ張りだこの佐藤健を、
無精ひげと世を諦観したかのような生気のない顔つきでボロボロにし、
その裏にさりげなく〝30代に突入して脂ののった大人の色気”を漂わせるというズルさで魅力倍増にしています。
ちなみに、「蜜蜂と遠雷」では天才ピアニストを演じている松岡茉優ちゃんも、
こちらもこの「ひとよ」では中途半端な茶髪にくわえタバコ、
派手さが絶妙な飲み屋の姉ちゃんファッションで、
まさに「あるある」な田舎のホステスになっており、
さらに長男の鈴木亮平は、「西郷どん」の男らしさはどこへやら、
自信のなさそうなおどおどした表情で、兄弟にも妻にも本音を言えない頼りない中年男性を見事にそこに存在させています。
(c)2019「ひとよ」製作委員会 
そして一番重要なのがこの人。
女優・田中裕子
(c)2019「ひとよ」製作委員会 
まずこの人ありきで企画が進み、
「田中裕子がダメならこの企画は流そう」ということになっていたそうですよ!
どうしてもお母さん役をこの田中裕子でやるために、
スケジュールやタイミングなど、2年待って実現したこのキャスティング。
あまりたくさんを語らず、
作品を選んでオファーを受けて、
その代わりに、「絶対この人でないとダメだった」と思わせる。
そんな女優・田中裕子
前にも何度も言いましたが、
私が大好きな日本映画「大阪物語」
ここでは14歳の主人公・池脇千鶴の母親役を演じていました。
何がすごいって、なんと旦那役がプライベートでもパートナーのジュリー(沢田研二)
しかも、この二人が大阪のコテコテの夫婦漫才師の役だったんですよ!
マジですごくないですか!!??
不実で自分勝手な風来坊みたいな旦那を、
責めもせずに見守る姿は、さすが田中裕子の真骨頂といった感じでした。
よかったですよー!
この方のイメージは、私の世代だと「向田邦子シリーズ」とか(小林薫との、好きなくせに一向に距離の縮まない大人の恋愛にシビれたもんです)、
「おしん」とかですかね?
・・・・どれも〝耐える”イメージ(;'∀')
でも今回の「ひとよ」では、耐えるだけではありません。
耐えて耐えて耐えますが、子どもたちのために夫を殺します。
やっちゃいます。
それが、子供たちのためだと信じて。
必ず帰ってくるからと言い残して。
そして15年後、約束通り帰ってきます。
そこからの、現実と、気遣いと、すれ違いと、
そして生々しい家族の姿を、乾いた目線で追うカメラ。
結局なんでも母親のせいにしてしまう子供たちや、
久しぶりでギクシャクしつつも、喧嘩になれば容赦ない言葉を浴びせてしまう親子のリアルや、
小さな町の狭い人間関係のなかでの、息苦しくもあたたかい独特の距離感と空気感が生々しい。
ショッキングな事件から始まる重厚な人間ドラマなので、
暗くて重そうな感じがしますが、決してそれだけではありません。
シリアスとコメディの間を行ったり来たりするバランスが絶妙。
佐々木蔵之介に見事にキマる佐藤健の飛び蹴りとか、
田中裕子がある物を万引きするシーンとか、
まさにハマり役でそのまんまなヤクザ役の千鳥・大悟なんかには思わず吹き出してしまったし、
3兄弟がタバコを吸いながら雑談するシーンではなぜか涙が止まらなかったし、
最後は意外にもハラハラドキドキだし。
静かなお話ではありますが、
きちんとエンタテインメントの要素を盛り込んであるのはさすが。
〝衝撃的な事件のその後”という映画なんですが、
じつはその裏にある普遍的なテーマ〝家族”を描いている作品です。
人間の弱さや醜さ、哀愁をストレートに映し出し、
でも「それも悪くない」と思えるような、
そんな優しさの滲む映画。
一貫して「喪失と再生」をテーマにしてきた白石監督の、
「それでも生きていく」という根本的な強いメッセージを感じる温かい映画だなと、
私は思いました。
ちなみに今回、潔いグレーヘアで母親役に挑んだ田中裕子ですが、
撮影に入る前、本人が、
「これは白髪でやりたい」と希望を出したそうですよ。
そして今、役者が一緒に仕事をしてみたい監督として一番に名前を挙げられる白石監督なので、
ほかの役者陣もみんな意欲的に役に取り組んだようで、
佐藤健は、この監督の映画なら線が太いほうがいいと思って体重を増やし、
松岡茉優は、この役で髪の毛にキューティクルがあっちゃおかしいと髪を染めたうえでスナックのフィールドワーク(!)に出かけ、
鈴木亮平は自主的に吃音の指導を受けに行ったという、
ガチの役作り!
そのあたりもぜひ、スクリーンでチェックしてみてくださいね!
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