2022年8月29日月曜日

すごいものを観た。『アルピニスト』&新作渋滞中!

こんにちは。
お盆を過ぎれば秋。
というのが盛岡の定説ですが。
まさにそれ。
お盆を過ぎたら急に涼しくなり、あっという間に8月も末。
ついこないだまで夜も寝苦しかったというのに、
いきなり夜もエアコンいらず、朝晩は長袖の羽織り必須。
雨ばかりで微妙な夏でしたが、終わるとなると寂しいものですね。。。

そんな夏の終わりに、頭から足の先までヒヤッとする、
というか観てる間じゅう背中がゾクゾク、身震いするような映画を観ました。
『アルピニスト』
© 2021 Red Bull Media House. All Rights Reserved.
もう始まってすぐから、頭がクラクラするようなものすごい高さの断崖絶壁(ほぼ垂直)を命綱無しでスルスル登っていく一人の人間の姿に、
全身の血の気が引き、胃のあたりから足のつま先までいきなり氷水のなかに入ったような寒気が( ゚Д゚;)
椅子に座ったまま思わずつま先立ち、手には汗。
そしてその気が遠くなるようなゾクゾク感と思わず自分の足がすくんでしまうような緊張感は、この映画の最後の最後まで続きます。
映画館なのについつい思わず「嘘でしょ・・・(゚Д゚)」「ヒィッ・・・(>_<)」と呟いてしまった私。
握りっぱなしの汗だくの手を、何度自分のデニムの腿のところでゴシゴシと拭いたかわかりません。
ジェットコースターだらけで有名な富士急ハイランドよりスリル満点かも。
映画は、このデジタル中心になってしまった世の中で、
SNSで自分をアピールすることや他人と繋がることが当たり前になってしまった時代において、
そことは全く別次元でひょうひょうと暮らす若きクライマーの姿を映し出すドキュメンタリー。
携帯電話も持たず、自分の記録を残そうともしなければもちろん自慢しようともせず、
命綱も付けずに、しかもたった一人で、
「ただ自分がやりたいだけ」「そこに登りたいだけ」であちこちの難ルートを制覇していく若者がいるという噂。
ってそんなの、もうほぼ漫画でしょ( ゚Д゚)!?
だって、せっかくものすごいことやるんなら言いたいじゃん!?
「見て見て!これ、私!!!」って言いたいじゃん!?
名前、残せるもんなら残したいじゃん!?
でもカナダ出身の若きクライマー、マーク・アンドレ・ルクレールは、
そんなこと全く興味無しで、自分の登りたい山を下見も無しにただ登る。
太古の昔、きっと人間が(動物が?)、「あそこに登りたい!」とふと思ったから登ってみた。
っていうのと同じ感覚?動物の本能?好奇心?
・・・にしては危険すぎる!!!
登るのが難しいといわれる山を次々と制覇して数々の偉業を成し遂げながらもそれまでまったく無名だったのは、
彼が名声もお金にも関心がなく、純粋に自分の楽しみのためだけに山に登っていたから。
そしてそれが、「たまたまスッゲー山だっただけ」
・・・・・って、そんなことある( ゚Д゚)!?
おずおずとカメラの前に腰かけて所在なさげにとつとつと自分のことを話し出すその不器用そうな笑顔からは、
この青年がまさか目も眩むような断崖絶壁や、ちょっと蹴ったら崩れ落ちてしまいそうな氷の壁を命綱も無しに登っていくようなクレイジーな男だなんて全く想像もつかない。
それでもすこしづつ見えてくる彼の幼いころからのエピソードを知るほどに、
なるほどと納得。
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彼の数々の偉業の背景には、
幼いころにADHD(注意欠如・多動症)と診断された彼の持つ性質や才能と、
それをきちんと受け止めて認めてのばしてやろうと努力し支えた素晴らしい家族の存在が見えてくる。
それは、やろうとしてもなかなかできないこと。
学校にもうまくなじめないでいるようなわが子には、
危険なこと、大変なこと、そういうものからはなるべく遠ざけておきたいと思うもの。
それでも母は、あなたの好きなことをやりなさいと背中を押した。
本人の才能とひたむきさ、好きなことだけに向き合ってきたゆえの高い技術ももちろんすごいけど、お母様もすごい!
そして、山を通じて知り合った恋人の存在。
山にしか興味がなく、フラッといなくなったりもする自由すぎる相手のことを、
面白がり受け止めて愛する彼女もまたすごい。
二人で森の中のテントで暮らし一緒に断崖絶壁を登りながら、
「楽しい!」「最高だね!」と言い合う二人は、
自然界における男と女の一番シンプルで尊い姿に見えた。
撮影中、彼はいきなり姿を消したりもする。
そして延々と音信不通。
戸惑い心配するスタッフをよそに、やがて難攻不落といわれる山の単独初登攀に成功したという彼とやっと連絡がとれ、
「なぜ勝手にいなくなったのか」と問われるとあっさり、
「誰かがいたら〝単独”じゃないだろう?」
・・・・・それはそう(*_*;)
たしかにそれはそうなのよ。。。。(-_-;)
なんだろう、言ってることは間違ってない。
やってることも全く変じゃない。
だって彼は「あの山に登りたいから登ってる」だけなんだから。
なんなら大正論。
それを考えると、正論だけでは動けていない自分に気付いてやりきれなくなる。
世間体、たてまえ、都合、顔色、常識、生活、将来etc.....
いろんなことに縛られて、いろんなものにとらわれて、
そのくせ自分から変わろうとも動こうともせずに、ただただ日々をやり過ごしている自分。
私はいったい、なんのために、どうしてここで生きているんだろう?
なんて、普段全く考えずに(あえて見ようとせず?気付かないふりをして?)過ごしている、でももしかしたら生きていくうえでものすごく大切なものを炙り出されたような気にすらなる。
シンプルに生きることって、すっごくすっごく難しいんだなぁ。。。
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そんな彼でも、登山に飽きてドラッグにハマったこともあるという。
でも結局、ドラッグの一時的な興奮状態なんて、
命綱無しで断崖絶壁を登る冒険にはかなわない。
かなうわけがない。
ほんのちょっとの手や足先の感覚次第で動きが大きく変わってくるクライミングの技術において、
ドラッグどころかその日のコンディション次第で命の危険さえ出てきてしまうフリーソロ。
そしてその達成感や感動といったら、凡人の私みたいな人間には到底想像もできないものでしょう。
ドラッグなんか比較にならないはず。
そんなところに身を置いて暮らす人なんだからクレイジーに決まってる!
・・・と、思いますよね。
でも結局、映像も、この方がやってることも、とにかくクレイジーではあるのですが、
カメラの前ではにかむ本人だけはなぜかどこまでいってもクレイジーには見えません。
まるで目の前のおもちゃに夢中な子ども、
あるいは山を登るのが好きな仙人?
天才クライマーというよりは、あくまで飄々とした素朴な青年。
そして彼は恋人に言います。
「僕がいなくなっても、君は冒険をやめないでくれ」と。
ドキッとしました。
つまり彼は「危険なことにハマっているクレイジーな若者」ではなくて、
「きちんと危険やリスクを理解したうえで、相当な覚悟を持って純粋に自分のやりたいことに突き進む冒険家」だったのです。
・・・・・なんかスゴイ。
もうなんていうか・・・・・・ただスゴイ。
それが正しいかどうか、人から理解されるかどうかは別にして。
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どうでもいい情報ですが、実は私もちょっとだけクライミングをかじってまして。
ほんとにほんのちょっとですけど。
県営運動公園にある、本格的なクライミングの施設をご存じですか?
スポーツクライミングの競技3種類すべてを一か所でできて10月にはワールドカップも行われる(国際大会を開催できる)、日本では数少ない本格的なクライミング施設です。
あの施設を使うには、使用料もかなり安いし一般の人でも予約すればいいんですけど、
決まった講習を受けて認定証を取得していないといけなくて、
その必要に迫られて、講習を受けて認定証を取ったわけなんです。
この、万年運動不足の私が。
「体を動かすくらいなら太ってもいいわ!」側の代表である私が。
あまりの運動神経の悪さに、学生時代の体育の時間「あんたと一緒のチームは嫌!!」と友人たちから同じチームになることを拒否されまくっていた、この私が。
施設を使うためのお話を聞いているうちはいいですよ。
やっぱりねー・・・・登るわけですよ、あの壁を。
オリンピック選手が練習場所として選ぶくらいのガチの施設の壁をね。
そりゃあもちろん、簡単なルートですけどね。
たった数回ですけどね。
・・・・・・・・・・・超~~~~しんどい(;゚Д゚)!!!
そしてめっちゃくちゃ疲れる(;゚Д゚)!!!
そして当然、筋肉痛。
やったの、7月あたまくらいでしたけど、まだ痛い気がする(?)。
まあ、そんな私の話とは全く無関係!ってくらいの映画ですけどね(*_*)
そういった施設で行うスポーツクライミングと、
マークが岩壁や氷壁を登って挑んでいるクライミングは、
ステージが全然違うし、やってることも違うし、
もうなんか全部違うんですけどね!!
そもそも同じ話の中で語るなってくらいのレベルなんですけどね!!
なので、例えに出すほうがおかしいくらいのしょーーーもない話でしたが、
ただ、もう、あの、たった数メートルのでこぼこの壁を上るのにヒーコラ言ってる私からすれば、
ほぼ垂直の、でこぼこもあんまりないくらいの(ツルッツルにしか見えない)ほんとの岩の壁を自分のカラダ一つでスルスル登っていくのとか、
「なんなの!?魔法!?手に吸盤でも付いてるんか!?」
みたいな、アホみたいな言葉しか出てきません。
それなのに、映画の中のほぼ垂直の岸壁や氷壁、
当たり前だけど登るだけじゃないんですよ!?
登った先には車が待っていて「お疲れ!」なんて言ってブーンて去っていくなんていう30年前のチャウ・シンチーの香港映画みたいな話じゃないんですよ!
なんなら頂上、とんがってるし(゚д゚)!
→この表現で合っているか自信が無いけど!
頂上どころか途中、座って休憩するところだってほとんどないし(゚д゚)!
→そんななかで一晩寝るシーンもあるけど(;゚Д゚)!
とにかく、登ったら下りるんですよ!!!
生きるか死ぬかのギリギリでやっと上った岸壁やら氷壁から、今度は下りる!!
それが無理・・・・・(/_;)
百歩譲って、登ったとしても下りるのが無理・・・死ぬ。
そして次の瞬間、突然崩れてもおかしくないような薄さの氷の壁を登る様子を真横からすぐそばで撮影したり、
マークの息遣いが伝わるような臨場感あふれる映像で、
いつ落ちてもおかしくない状態での緊張感を常にギリギリで保ちながら、
彼がアイゼン(氷の上を歩く際に滑り止めとして靴底に装着する金属製の爪が付いた登山用具)で足を引っかける場所を少しでも間違えたら氷が割れてしまいそうな場面や、
アックス(映画のポスター画像でも使われている、手に持ち雪や岩などに突きさして使う道具)をヒョイと肩に載せてまた素手で登り始めたり(それ、落ちるーー!!落ちたらどうすんのー!!??)する様子まで、まるで目の前で見ているかのように映し出します。
© 2021 Red Bull Media House. All Rights Reserved.
・・・・・え?ていうかこれ、そもそもどうやって撮ってんの(゚Д゚)ノ?
さすがに撮影する側まで命綱無しは無理だとしても、
いくら自分たちもクライマーでアウトドア作品のプロフェッショナル揃いだからといって、カメラを持ってここまで登ったってこと!?
とにかく、ものすごい臨場感の映像にゾクゾクと体中冷え冷えしつつ、
「ハァァァ!?」「マジで・・・・!?」などと一人でいろんなツッコミをしながらの、
あっという間の90分でした。
映画の中では、数々の映画賞で絶賛されアカデミー賞でも長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した「フリーソロ」アレックス・オノルド(こちらの映画もすごかった!)も感嘆と称賛の言葉をおくっているし、
型破りな登山家として有名な山岳界のスーパースター、ラインホルト・メスナーへのインタビューをはじめ、多彩な登山家たちからのコメントも興味深い。
恐怖と美しさが表裏一体となった大自然の絶景のなかで、
競技でも記録でもなく純粋にひたむきに山と、そして自分と向き合う唯一無二のアルピニストの崇高なまでの生き方を、
敬意と尊敬のまなざしでまっすぐに映しだすドキュメンタリー。
この興奮と臨場感は、絶対に劇場で、大きなスクリーンで体感してください。
公式サイトhttps://alpinist-movie.com


さて、夏も終わりに近づき各劇場が徐々に静かに落ち着いた空気になってくるこの時期。
・・・・え?中劇はずっと静かだろって?
そうですけどね!
それはそうなんですが!
お客さんが入るか入らないかということと、
我々の業務内容や仕事の量は、
もちろん関係が無いわけではないのですが、
たとえお客さんが来なくとも、たとえフロアが閑散としていたとしても、
最低限のスタッフ配置は必要で、
夏休み期間の映画なら早朝出勤も、レイト上映だってあるし、
お客さんの数とは別のところでの業務はなくならないわけで。
忙しかったかどうかは別にして、スタッフの気持ち的にも体力的にも夏休みが終わるとひと段落。
ですが、そうなると今度は怒涛の新作ラッシュのシーズンに突入。
どこの劇場も、ここぞとばかりにいろんなタイプの面白そうな作品をブッこんできます。
中劇ももちろん、「ほんとにこんなにできるの!?」と思いつつ、
″2スクリーンしかないのに毎週新作公開”というクレイジーな暴挙に挑んでいます。
すでに走り出している!
現在上映中の8月19日公開「サバカン」8月26日公開「アルピニスト」にはじまり、
9月2日公開「野球部に花束を」
高校球児たちの日常を描く、思春期あるある満載のリアル青春コメディ。
(C) 2022「野球部に花束を」製作委員会

9月9日公開「ロッキーvsドラゴ:ロッキーⅣ」
42分の未公開映像(!?)を加えて、4Kデジタルリマスター、ワイドスクリーン、5.1chサラウンドでスクリーンに蘇る、スタローン本人が再構築した新たな「ロッキーⅣ」
(C) 2021 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.

9月16日公開「ブライアン・ウィルソン 約束の旅路」
ビーチ・ボーイズの創設メンバーであるブライアン・ウィルソンの、栄光の裏にあった壮絶な真実を紐解くドキュメンタリー。
(C) 2021TEXAS PET SOUNDS PRODUCTIONS, LLC

9月23日公開「犬も食わねどチャーリーは笑う」
SNS〈旦那デスノート〉をめぐる、リアルで怖くて新しいブラックラブコメディ。
(C) 2022“犬も食わねどチャーリーは笑う”FILM PARTNERS

そして10月以降ももうすでにぎゅうぎゅうに渋滞中なんですが、
楽しみな新作が入ってきました。
10月14日公開「スペンサー ダイアナの決意」
没後25年。ダイアナ元妃が人生を変える決断をしたといわれる1991年のクリスマス休暇が描かれる、実話に基づく気高くもせつない物語。
公式サイトhttps://spencer-movie.com/
(C)Pablo Larrain
もう25年も経つんですね!
あのときテレビを見ていて飛び込んできた事故のニュース映像を、今も鮮明に思い出します。
そしてなんと、ダイアナ元妃の世界初となる劇場版ドキュメンタリー「プリンセス・ダイアナ」が、同じ10月14日から南部興行さん(上映はルミエールさんかなー?)で上映されます!
このドキュメンタリーも面白そう!
史上最も愛されたプリンセスに何があったのかー。
ダイアナ元妃を演じたクリステン・スチュワートが今年のアカデミー賞主演女優賞にノミネートされ世界中が大絶賛した「スペンサー ダイアナの決意」(中劇で上映)と、
アーカイブ映像と未公開フッテージ映像を交えて描くドキュメンタリー「プリンセス・ダイアナ」(南部興行さんで上映)。
どちらも10月14日からの上映です。
続けて観ればさらに楽しめそうですね!!
今年も面白くなりそうな、秋の大人映画シーズン。
この機会にぜひ、映画館通りをハシゴして楽しみましょう!


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/


2022年8月19日金曜日

『SABAKAN』1986年の夏休み

こんにちは。
雨・雨・雨の夏ですね。
とはいえ、そもそも特に遠出の予定も無い私は、
ひたすらスーパーでいつもよりちょっとだけいいお酒を買い、
閉店まぎわの魚屋さんで安くなったお刺身を買い、
ドラッグストアのセールワゴンでおつまみを漁り、
最終的に毎晩「お風呂のあと酔っぱらって寝落ち」という平和な夏を過ごしております。
・・・そのくらいやったっていいじゃないか(゚д゚)!!!
出費の予定も無い夏くらい、マイナポイント使って発泡酒じゃなくてビール買ったっていいじゃないか!
たまにはでっかいペットボトルの焼酎じゃなくて瓶入りの本格焼酎飲んだっていいじゃないか!
岩手の海で採れたお刺身を半額で買えたときくらい紫波のおいしい純米酒飲んだっていいじゃないか!(どこにキレてる?)
・・・え?これって昭和BBA(ババア)の酔いどれブログでしたっけ?

そんな昭和のBBA(ババア)が、ノスタルジーで胸熱で超エモい映画で泣きました。
「SABAKAN サバカン」
(C) 2022 SABAKAN Film Partners
舞台は1986年・長崎。
主人公は小学校5年生の男の子二人。
もうこれだけでもじゅうぶんエモエモのエモなんですけど(>_<)!!
空の青さ、海のきらめき、ひと夏の冒険、
そして1986年の少年たち・・・・って、うちの弟と同い年じゃん(゚д゚)!
まさに1986年に小5だった弟を目の前で見ていた私からすると、
懐かしいどころの話じゃない!!
なんなら思い出のアルバム。
映画の中に出てくる小物やエピソードや家具、家族の感じまで、
私の記憶の中にある、リアリティあふれる古き良き昭和の時代。
(C) 2022 SABAKAN Film Partners
レトロなお鍋、雑然とした居間、絶妙な色合いのママチャリ、
斉藤由貴のポスターにキン消し・・・・まさにあのころの私の家!
ランニング(当時は″タンクトップ”なんて言葉ありません)を着てナイター中継を見る父ちゃん、
いたずらボーズのボーズ頭をベチンとはたく母ちゃん、
ガシャポンでキンコツマンしか出なくて怒る少年(私はロビンマスクが欲しかった!)、
家が貧しくてクラスで浮いている同級生(ほんとは話してみたいけど勇気がなかった)、
容赦なく子供に絡む田舎の不良、
親の目を盗んでちょっとだけ大人ぶる夏休み。。。
心の奥底にすっかり沈んでしまっていた「あの夏」が急に目の前に戻ってきて、
なんだかそれだけで涙があふれる。
(C) 2022 SABAKAN Film Partners
お話は、同じクラスの少年二人がひょんなことから一緒に遠出することになるという、
青春映画のド定番なんですが。
なにしろそのジャンルが大・大・大好物の私!!
「スタンド・バイ・ミー」!(言うまでもなく傑作)
「大阪物語」!(最高)
「あの頃、ペニーレインと」(好き。神。)
ここまでのトップ3は、もうずっと変わりません。
そしてそのほかにも大好きな映画がたくさんあって。
「dearフレンズ」(知ってる人いる!?ガールズ版スタンドバイミー)
「奇跡」(まえだまえだ、かわいかった!)
「マイ・ガール」(劇場で5回観ました)
「鉄塔武蔵野線」(地味だけど心に沁みる)
「太陽の少年」(文化大革命下の、大人のいない北京の街のひと夏の少年たち)
「打ち上げ花火 下から見るか?横から見るか?」もいいね!
もうー、挙げだしたらきりがないですね!
「となりのトトロ」「菊次郎の夏」
たしかに!定番すぎて忘れてた。
とまあ、国内・海外問わず、少年少女のひと夏の冒険がテーマの映画は星の数ほどありますが、どれもいい!!
ていうかそのての映画は全部好き!たとえ面白くなくても(は?)
誰もが通るあの時期の、なんでもないけど特別な夏。
・・・・・それだけで尊い(´ー`)
何度も言いますが、とにかく昭和!
ガチの同世代なのでなにしろ刺さる!!
目に見える小物や風景や描写が昭和というだけではもちろんなくて、
子どもが、いつもただただ夢中で遊んでて、
何にも考えないで走り回ってるわけじゃないんだということを、
ヒリヒリと思い出す映画でした。
11歳という特別な時期のあのころの、楽しくて、夢中で、ヘトヘトで、
それと同時に、ちょっとしんどかったり、傷ついたり、気を遣ったり、
何かに気付いたり、世界が広いことや自分が無力であることなんかを知ったり、
うんざりしたりガッカリしたり、
それまで知らなかった感情や事情や世の中を知ることで絶望的な気分になったり、
夜寝てこのまま朝がこなきゃいいのにと思うくらいに悩んだり、
なんだか心も体も大人になっていくことに対して恐怖や嫌悪感を感じたりして、
とにかくなんだかいろんなことが頭の中を、体中をぐるぐるしていた、
あのころのことを急に思い出してワーーーーッとなった私でした。
暗くなるまで遊んで、
「またね!」「またねー!」
「明日ね!」「明日ねー!」
「バイバアーイ!」「バイバーイ!」
「って、終わんないじゃん(*'▽')!!」
「だからー--(≧▽≦)!!!」
名残り惜しくて、まだまだ一緒に遊んでいたくて、
一晩寝たら明日は明日でまたリセットされて今のこんな感じでは遊べないような気がして、
あるいは明日になったら自分もあの子も別の友達と遊ばなきゃいけなくなるかもしれなくて。
「このままずっとこうして遊んでいられたらいいのに。。」
「大人になるまでこうやって一緒にいられたらいいのに。。。」
そんな気持ち、すっかり忘れていたな。
ずっと仲良しだったあの子は今、どこで何をしてるんだろう?
学校から家の近くまでチョークで延々と矢印を書いて、誰かがやってくるまでゴールでこっそり待ったり。
ダンボールに絵を描いて家にして遊んだり。
台本を書いて二人でDJになって作ったラジオ番組をカセットテープに録音して学校でみんなに聞かせたり。。。
あんなにずっと一緒にいたのに、
あんなに仲良しだったのに、
あんなに大好きだったのに、
ちょっとずつ世界が広がり、
ちょっとずつ距離ができて、
いつのまにか会わなくなってしまったけど。
彼女がいたから私は、両親が毎週土日仕事でも寂しくなかったんだ。
いまごろどうしているのかな?
元気かな?
幸せかな?
私のエピソードは、そんなありきたりなノスタルジックな結末を迎えましたが、
この映画「サバカン」の主人公たちは、どんな結末を迎えるのか?
それはやっぱり、観てからのお楽しみ♪
この主人公、草彅くんがやるの、やっぱりいいなぁ~(*'▽')!!!
淡々としていて、でも優しくて、あったかい。
草彅くんのイメージそのまま。
草彅くんの役は、大人になった主人公。
(C) 2022 SABAKAN Film Partners
名作「スタンド・バイ・ミー」では大人になった主人公ゴーディをリチャード・ドレイファスが演じていましたが、まさにそれ。
「スタンド・バイ・ミー」フリークの私としては、
この「サバカン」「昭和版スタンド・バイ・ミーinジャパン」
主人公が物書きってところから、
子ども同士の格差やどうしようもないいろんな事情、世の中の矛盾や闇みたいなものを子どもの世界を通じて浮かびあがらせる描き方など、
全体的に大いに映画「スタンド・バイ・ミー」へのリスペクトを感じて、
ああそうか、同世代だった・・・・・!!!
と納得。
監督・脚本(共同脚本)の金沢知樹(1974年生まれ)本人の実体験をもとに、
監督の出身地である長崎で撮影された、
まさに故郷と、家族と、「あの夏」と、そしてともだちへの愛に溢れた、
誰もが懐かしく、心揺さぶられる物語。
(C) 2022 SABAKAN Film Partners
「子どもが初めて観る実写映画になったらいいな」という思いで作られたこの映画、
しっかりと子ども目線で描かれた、
「青春の前の″せいしゅん”映画」でした。
あの頃の子どもも、今の子どもも、これからの子どもも、
みんなが心のなかで大切なものを思い出すはず。
映画の尺は1時間35分ほど、内容も難しいことは全く無し。
ほんとにこれは、子どもたちにも観てもらいたい、
お父さんお母さんと一緒に観て、
そのあとご飯でも行って、
あれがお父さんお母さんの子ども時代だよと話すのもいいね!
コラ!バカ!何やってんの!と怒ってばかりだけどどこかかわいらしいお母ちゃんは尾野真千子
ちょっと下品だけどおおらかでチャーミングなお父ちゃんが竹原ピストル
こんな両親だったら、子どももきっと楽しいよね!
貫地谷しほり岩松了なんかの粋な役者さんたちもいい味出してる!
そしてなにより素晴らしいのは主役の少年たち!
主人公を演じた番家一路くんも、
ちょっと影のあるクラスメイトを演じた原田琥之佑くん(なんと、故・原田芳雄さんのお孫さん!)も、ほんとによかった!!
(C) 2022 SABAKAN Film Partners
二人とも、ナチュラルに1986年の小5でした!
キラキラ輝く海の色と少年の瞳、
そしてどうしようもない現実や無力な自分を知る夏の日。
単純で、おバカで、目の前のことしか見えてなくて、
なぜか自分たちは無敵と思ってて、
空は青くてずっとこのままいられると思ってる小5の男子が、
無我夢中で走って、ヘトヘトになって、
そして「また明日!」と叫び合う。
そんな、どこにでもあって誰にでもあったあの日がひたすら尊い。
私は、爽やかな涙で濡れた顔を拭きもしないまま、
この映画の主人公たちとドンピシャ同世代の弟にメールしました。
あのころ、年齢やカテゴリーや状況なんかを全く気にせず自分が興味を持った人にガンガン話しかけ、みんなが接し方に悩んで避けがちだった子とも迷わず仲良くなっていたうちの弟に、絶対に観てほしいなあ~と思ったので。
・・・・観るそうです(*'▽')/
あ、そしてこの映画、絶対パンフレット欲しい!!
と思うんですけど、残念ながら劇場での販売はありません(/_;)
電子版もありますが、冊子版はなんと全国のスシロー店舗での発売です!!
買いに行きます。明日。
・・・・ちゃんと起きれたら。
公式サイトhttps://sabakan-movie.com/


ところで「サバカン」金沢知樹監督、
どこかで名前を・・・どこかで顔を・・・?
と思っていたら!
なんと!
20年以上前、私もハマっていた恋愛観察バラエティ「あいのり」の初代ラブワゴンメンバーの『金ちゃん』ではありませんか!!
見てたーーーーーー( ゚Д゚)!!
毎週欠かさず、楽しみに見てたーーーーーーー!!!
世界中のいろんなところをワゴンで旅する自分と同世代の若者たちの恋愛に一喜一憂してたーーーー!!!
あの金ちゃんかー!!出世したなーーーー!!!→誰目線?
そういえばその金ちゃんと同じ時期にラブワゴンで旅してたメンバーの″ホリー(堀江慶)”も映画監督やってたな!
「忘れないと誓った僕がいた」
中劇でも上映しました。
村上虹郎くんが出てた映画でした。
そうかー。ラブワゴンメンバーには映像関係に進んだ人もけっこういるんだなー(*‘∀‘)
・・・・と、こちらもまた私にとっては別の懐かしいエピソードがあったとさ。
こんなこともあって、やっぱり映画もテレビもやめられない私なのでした(*´з`)
というわけで、今クールもテレビ見まくってますよ~!!
ドラマも面白いので民放からNHKの海外ドラマ、こっちでやってないテレビ東京系なんかもTverで毎週チェックして何本も見てるというのに、
バラエティもノンフィクションも楽しくて大変!
なんとかがんばって映画も観てます!
「マトリックス」も観たし(現在は「マトリックス レボリューションズ」上映中!)、
そうそうTさーん(南部興行スタッフ)!!!
「リコリス・ピザ」も観たよー--!
面白かったよー!PTAポール・トーマス・アンダーソン)節全開のあの感じで、よくアカデミー賞にノミネートされたなあと感心しましたが。
途中、「え?これ今、何見せられてんの( ゚Д゚)?」ってなる瞬間や、
一瞬、寝そうになる瞬間もあったりしながらも、
最後ちゃんとちょうどいいとこに着地するのがPTA。(褒めてます)
ちょっとクセが強いけど、なぜか嫌いじゃない。
そういう映画、また観たいなあ(*´з`)
そして南部さん、イイ感じのやつたくさん決まってるじゃないですかー!
これはうらやましい!!
うちも負けてないけどね!
秋の中劇もいろいろ決まってきたので乞うご期待!
とりあえずこの「サバカン」からの「犬も食わねどチャーリーは笑う」という、
元SMAPラインで楽しみましょう♪
なにしろ、草彅くん慎吾ちゃんも、
中劇に来たんだからねー----( *´艸`)!!!(→クソデカ大声)
え?そりゃあ、いつまでも言いますよ!
何度でもこすり続けますよ、この話は!
大きな自慢だし、その後も中劇でコンスタントに新しい地図(草彅くん慎吾ちゃん吾郎ちゃん)関連の出演作品を上映できているので、どうしても言いたくなる!
良い作品ばかりだしね!
今回の2本とも、観て損はない映画ですよ♪
そのほかの、秋にかけての作品たちについてはまたあとでご紹介しますね。
情報解禁待ちの作品もありますが、相変わらずいろんなジャンルごちゃまぜで続々待機中。
外も歩きやすい季節になりますからね、
今年の秋も、たくさん映画観ましょうね!


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/