2016年7月6日水曜日

壮大なるダブル不倫に天才奇人作曲家、そして追悼・今井雅之まで。

こんにちは。
今日は雨が降って気分もブルーになりがちですが、
7月に入り、本格的に暑い日も出てきましたね。
私は先日、30℃越えの暑い平日休みの日でしたが、
朝イチから県立美術館に行ってきました。
前に少しだけご紹介した、「野口久光シネマ・グラフィックス展」を観に。
http://moriokachugeki.blogspot.jp/2016/04/de.html

これが、すっごく良かった!
朝なのでまだ人もまばら、
快適に空調の効いた、天井の高い静かな空間、
手描きの古い映画のポスターたちをゆっくり眺める間、
かすかに昔の映画の音声だけが聞こえていたあの時間。
嫌なことも、哀しかったことも、このところの胸がつかえるくらいの悩みも、
すっかり忘れてただただその空間に浸っていました。
一枚一枚の絵に映画への愛が溢れている野口さんの作品を観ているだけで、
なぜだか自分が慰められて、元気づけられました。
誰かが何かを本当に好きだということ、
誇りを持って、自信を持って一つのことをただ続けるということ、
それは本当に何ものにも代えがたい、素晴らしいことなんだなあと、
心から思いました。
私も観たことがない、タイトルすら知らないような古い作品もたくさんあったのですが、
そのどれもが野口さんの愛と情熱がこめられていて、素敵でした。
レイアウトや俳優さんたちの表情・角度、すべてが丁寧で美しく、
タイトル文字まで手描きで、文字の装飾も綺麗!
野口さんの実際に使っていた手帳やメモも展示してあったのですが、
そのちょっとしたメモや映画鑑賞の記録ですらまるで一つの作品のようにキレイで驚きでした。
映画にもジャズにも造詣が深く、知識も豊富、
絵もうまければ字も綺麗。
野口さんが撮影した写真などもあったのですが、これがまた素敵な写真ばかり。
ジャズアーティストたちが舞台裏でくつろぐ一瞬の表情を捉えた一枚や、
演奏中の、汗がこちらにまで飛んでくるような臨場感あふれる一枚など、
ジャズが全然わからない私でも興味深い作品たちでした。
まさにマルチな才能をお持ちの方だったんですね。
展示されていた映画ポスターの中には、
過去に『午前十時の映画祭』で上映した「旅情」「第三の男」「天井桟敷の人々」「禁じられた遊び」などのポスターもあったし、
私の大好きな大林宣彦監督作品「青春デンデケデケデケ」などのポスターもありました(≧▽≦)
展示の最後のほうでは、直筆の映画スターたちのデッサンが飾られていて、
ジャン・ギャバンオードリー・ヘプバーンカトリーヌ・ドヌーヴなど、
それぞれ一番魅力的と思われる角度、一番素敵な表情の一瞬を切り取った、
映画と映画俳優たちへの愛があふれるコーナーになっていました。
また、展示を観終わったあとには、
野口さんが関わった作品の予告編が上映されている小部屋があり、
これもまた映画の黄金期の空気を感じられ、
古い洋画のエッセンスも詰まった素敵な空間でした。
まさに映画マニアの、いや映画好きの天国です。
期間中は古い映画の上映会もあるので、それも一緒に楽しみたいですね!
こちらの展覧会、8月21日まで開催中です♪
映画の半券(中劇ではレシート)を持っていくと前売り料金で観ることができます(゚∀゚)
暑い夏の日、涼しい映画館で映画を観て、
そのあと今度は涼しい県立美術館に移動して、
映画とアートを楽しむ休日っていうのもいいのでは?
公式サイトhttps://www.ima.or.jp/ja/exhibition/temporary/details/2111-2016_ex02.html


さてさて、いよいよポケモン公開直前となりました。
嵐のポケモンウィークを迎える前に、ご紹介しておきたい作品がいくつかありました♪
まずは、野口さんの展覧会からの古い映画つながりで『午前十時の映画祭』から。
今週末公開は今流行りの、というか世間では空前のブームのようになってしまっている、
“不倫”がテーマの壮大な歴史ロマン『ドクトル・ジバゴ』
© 1965/1993 Turner Entertainment Co. and Warner Bros. Entertainment Inc. 

今年の日本は、正月明けからまあすごいですよね!
“不倫”“不倫”“ダブル不倫”に“覚せい剤不倫”!?
もうどうなっちゃってんの!?って感じですね。
でも冷静に考えてみると、
別に、不倫なんて昔も今もそのへんにゴロゴロ転がっている日常の出来事じゃん!
っていうのも、上に書いた「野口久光展」を観ながら思ったこと。
メディアやネットが騒ぎ立てるのでおおごとみたいになってますけど、
古い映画のポスターや映画の説明文を見ていると、
まあ~とにかく不倫だらけです(^_^;)
数ある恋愛映画の中でも不倫は、
ドラマティックで、ロマンティックで、一番盛り上がるテーマですもんね。
純愛なのか、遊びなのか、そんなことは当人たちが決めること。
今回の『ドクトル・ジバゴ』も、ロシア革命に翻弄された男と女の、
壮大なスケールで描いた“ダブル不倫”の恋愛映画。
みなさん、お気付きでしょうか?
今年の4月に始まった「午前十時の映画祭7」
『ドクトル・ジバゴ』で9作品目なんですが、
そのうちの4本が“不倫”の作品なんです。
それ以外でも『ティファニーで朝食を』では、ジョージ・ペパードが当初、お金持ちのマダムの愛人をしているし、
『追憶』ではロバート・レッドフォード“不倫”をしてしまいます。
そういうのも含めると、恋愛映画で作品中に“不倫”のキーワードが出てこない作品て少ないのかもしれないですね。
まあそんな下世話な話は置いておいて。
この『ドクトル・ジバゴ』、平たく言うと“ダブル不倫”のお話なんですが、原作はノーベル文学賞にも選ばれた壮大な長編小説。
ソ連国内では発禁処分だったこの小説がひそかに国外に持ちだされ、
ハリウッドで映画化されたという経緯までもがドラマティックなこの作品。
『アラビアのロレンス』に続いてデヴィッド・リーンが監督し、アカデミー賞も5部門受賞した文芸巨編です。
うちの母親はこの『ドクトル・ジバゴ』で主演しているオマー・シャリフが大好きで、
10年以上も前ですが、「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」という映画を一緒に観たことがあります。
そのときすでに70歳を越えていたはずですが、
まあ~とにかくジェントルマンな佇まい!
すごく素敵なおじさまだなあと思いました。
そんなオマー・シャリフも、去年のちょうどいまごろ、7月に亡くなっています。
この『ドクトル・ジバゴ』、私も久しぶりに母を誘って一緒に観ようかと思っています。

そしてさらに7月16日公開の『アマデウス』もご紹介しておきましょう。
©2009 The Saul Zaentz Company. Package Design©2009 The Saul Zaentz Company and Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved. 

こちらもまたその年のアカデミー賞を総なめにした壮大な歴史大作です。
私はこれを高校の音楽の授業で観たのですが、
そのことについては前に語っているのでよしとして。
http://moriokachugeki.blogspot.jp/2016/04/blog-post_8.html
それにしてもこの映画、ほんとに面白いですよね!
あんなに美しくて耳に残る素敵な音楽たちをこの世に生みだした、知らない人はいないほど有名な作曲家・モーツァルト
音楽の授業では必須、教科書にも大きく載っている人。
それが、あんな下品で礼儀知らずなモンスターだったとは!
誰もがどこかで必ず聴いたことのあるはずのオペラや楽曲の演奏シーンを華麗に散りばめながら、
天才・モーツァルトの人間性、音楽的才能、周りを取り巻く人間模様を壮大なスケールで描き出した、サスペンスでミステリーで豪華絢爛な歴史ドラマ。
2時間続けての音楽の授業時間では足りず途中で一旦ストップ、
翌週の音楽の時間に続きを観ることになったのですが、
早く続きが観たいので我慢できず帰りにレンタルビデオショップで借りて帰って家ですぐに観てしまった私です。
下品で粗野で女好き、最低な男として描かれているモーツァルトですが、
どこか憎めない、チャーミングな魅力もあるように感じました。
お高くとまってツンケンしている音楽家よりも人間的?
ゲイリー・オールドマンがエキセントリックなベートーヴェンを演じた「不滅の恋」でも、
これまた有名な作曲家・ベートーヴェンの意外な姿を観て驚いたものですが、
そういう、実際に見ることができない歴史上の人物の姿や、
もう経験することのできない時代、
行ったことのない場所、
そういったものを映像を通して体感することができるのが映画の素晴らしいところです。
このところ大ヒットと言われるくらいにお客さんが入る映画というと、
身近な題材をテーマにした作品やアニメだったりしますけど、
スケールの大きな歴史大作こそスクリーンで観て、
迫力の大画面と大音響を楽しんでいただきたいものです。
7月・8月の夏休み期間は、より多くの作品を楽しんでもらいたいということで、
1週間づつの上映になっています。
うーん・・・私も観るの大変(; ゚Д゚)!
でも『アマデウス』はまだスクリーンで観たことがないので、
せっかくの機会なのでがんばって観ますよ♪
みなさんも、暑いと腰も重くなりがちですが、
壮大な歴史大作にどっぷり浸れるせっかくの機会なので、
ぜひスクリーンで楽しんでみてください。
公式サイトhttp://asa10.eiga.com/


そして、すでにだいぶ長くなってしまいましたがもう一本。
来週はポケモンの案内だけで長文になってしまうことが決定してるので、今回紹介させてください。
『手をつないでかえろうよ』
(C) 2016「手をつないでかえろうよ」製作委員会

少し前に、この映画に出演しているすみれちゃん(石田純一さんの娘さん。私も好きです♪)がテレビで宣伝していましたが。
つい先日、一周忌をむかえた俳優の今井雅之さんが原作・脚本・主演をつとめていた舞台を実写化したもの。
今井さんといえば『WINDS OF GOD』ですよね。
今はなき映画館・昭和の面影を残す東映の2階で、
直角に膝を曲げて背中の真ん中までしか背もたれのない、
何かの修行のような客席で観た記憶があります。
現代の漫才コンビが第二次世界大戦時にタイムスリップして特攻隊に入ってしまうお話し。
面白かったですよねえ!
今回はそれとは全然違うタイプのお話になりますが、
主演の川平慈英さんは今井さんとかなり親しかったようですね。
川平さんは、いまではサッカー中継や楽天カードマンのイメージですけど、役者さんです。
川平さんが若い頃、崔洋一監督の映画「Aサインデイズ」に出ていたのを覚えています。
この映画、私は大好きなんですが、
戦後のアメリカ占領下にあった沖縄で、本土返還に揺れる時代の若者たちの青春を描いた作品で、川平さんはお話しのキーマンとなるなかなか重要な役でした。
監督の奈良橋陽子さんはそもそも名プロデューサーで、
英語ペラペラのバリバリの帰国子女なだけに
ハリウッドにも顔がきく名キャスティングディレクターであり、
映画『WINDS OF GOD』の監督でもあり、
そして今井さん川平さんを芸能界に送り出した方でもあります。
他の俳優陣でも、藤田朋子さん別所哲也さんもこの奈良橋さんが輩出した方たちですし、
友情出演のSMAP・中居くん今井さんと親しかったことが知られていますよね。
今回の映画は、そんな今井さんにゆかりのある人物が集結して天国の今井さんに贈った感動のドラマです。
でも私がオッ!?と思ったのはそこじゃない。
奈良橋陽子さんという名前を聞いたらすぐに浮かぶのは、
「ガンダーラ」「モンキーマジック」「ビューティフル・ネーム」etc...
そう、ゴダイゴです。
ゴダイゴのあの二十世紀と昭和を代表する素晴らしい名曲の数々の歌詞を手掛けた、
あの、奈良橋陽子先生ですよ!
タケカワユキヒデ氏の天才的な作曲センス、
ミッキー吉野の超クールなアレンジ、
そして奈良橋陽子先生の本場の英文を使った素晴らしい歌詞、
それらがミックスされて、今聴いてもかっこいい名曲たちが生まれて大ヒットしたんです。
・・・・て、なんの話でしたっけ(;・∀・)?
そう、その奈良橋陽子先生が監督した今井雅之氏に捧げる映画。
この映画の撮影時には今井さんも見学に訪れていたといい、
まさに今井さんの遺志を継いだ作品といえます。
ポスターを見るとちょっと地味(^_^;)
昭和の匂いがしてきますけど、
気になる方はネットでちょっと検索して、観た人のレビューを読んでみていただきたいのですが。
なんと総合評価は4点越え!
映画の評価で4点越えはなかなかないですよね(゚∀゚)/
中居くん目当て~とか、
期待してなかったけど~なんて人たちもみんな高得点をつけています。
これはますます気になりますね。
すみれちゃんも見たいし、板尾さんも出てるし、
「WINDS OF GOD」も面白かった!
の私はもちろん観ないといけませんね♪
公式サイトhttp://www.teotsunaidekaerouyo.com/


そんなこんなで、じりじりとポケモン公開へと近づいてザワザワしだした中劇です。
来週はいよいよ、ポケモン鑑賞の心得をこちらに載せてテンションをあげていく予定です!
ポケモンは関係ないよ~っていう大人のみなさんも、
一応ときどきはラインナップのチェックをお忘れなく♪
なんと。
なんと中劇。
秋にはビートルズの映画も決定しちゃいましたよ~(≧▽≦)!!
しかも全国同時公開!
ヤッタ~~!!
中劇やるじゃん(゜▽゜)♪
というわけで、ビートルズについてもくわしくいきたいところですが、
詰め込みすぎの今週はそろそろお開きということで。


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