2021年3月1日月曜日

パリ?ロンドン?こんなときだからこそ欧州旅行へ出かけましょう♪

こんにちは。
「少しずつ陽も長くなってきたし、
どことなく春っぽい日差しー(´ー`)」
なんてかわいい女子みたいなセリフを吐いてみたところで(いや、かわいい女子だけど!)、
外に出ればまだまだガリッと冷たい風に、なんなら雪も舞いだして苦笑い。
といういつもの3月を迎えた盛岡です。

もうすぐ春。
遠くにほんのり灯りが見えてきたみたいなこの時期にぴったりな大人の映画、公開です。
「パリの調香師 しあわせの香りを探して
(C) LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINEMA
〝調香師”とは、香りを調合する仕事。
いわゆる香りのプロで、世界に数百人しかいないのにそのほとんどがフランスで修業して働いているそうです。
さすがフランス。
主人公は、ディオールの香水『ジャドール』をはじめとして世界中の数々の有名な香水を作って天才調香師といわれた女性・アンヌ。
数年前に仕事のプレッシャーと忙しさで突如、嗅覚障害になり地位も名誉も失った彼女は、
現在は役所などの地味な仕事だけを受けてひっそりと暮らしていたのですが、
そこにやってきたのはアンヌとは全く別の世界に住む崖っぷち運転手ギヨーム。
気難しい調香師と、不器用で人の良い運転手
価値観も性格も全く違う二人だけど、
ぶつかりながらも、少しずつアンヌの閉じていた心は開かれ、
ギヨームは自分でも知らなかった才能に気付いていくー。
この映画、ほんとよかった!!!
何がいいって、全体を包む空気感ですよ。
静かで、大きな動きは無いのに常にゆったりと何かが流れている感じ。
基本は都会のお話なんだけど、ときどき草っぱらや洞窟なんかも出てきて飽きないし、
主人公アンヌの暮らしぶりやファッションはひたすら洗練されておしゃれでカッコイイ!
それに対して運転手ギヨームの、ついつい吹き出してしまうほど残念な毎日の対比がユーモアたっぷりで楽しいし、
本来なら出会うはずのない二人の噛み合わない会話や、
それでもお互いに新しい自分を発見していく過程が温かくて楽しい。
そして一番のキモは、この作品が安易に恋愛に舵を切らないこと。
私はそのあたりの作り方、テーマの置き方がとにかく好きでした。
プライドの高いきちんとした大人のキャリアウーマンと、
うだつのあがらない、けれどユーモアがあって人の良い運転手。
こんなパターンの登場人物の場合、
たいていはしばらくすると恋愛に発展していくのが定番なんですが、
さすが一筋縄ではいかないので有名なフランス映画。
恋とか愛だけじゃない。
人生って、ほんのちょっとのさじ加減で面白くなったり豊かになったりする。
それが調香師の仕事と重なって、これまたおしゃれ~!!!
だからといって〝友情”とかの暑苦しい感情でもない。
そんなおおげさな話じゃなくたって、
人の暮らしや誰かの人生は、
何かの拍子の小さな出会いやほんのささいな出来事で、
ちょっとだけ何かが変わって、
だけどそれがすごく大きな変化だったりする。
ちっちゃなことで少しだけどこかが動けば、
もしかしたらすっごく楽しくなったりハッピーになったりする。
素敵な出会いは人生を変えるよ、
自分も変えるし、他人も変えるよ。
そんな当たり前のことに気付かせてくれる映画でした。
男とか女とかそんなものはとりあえずそのへんに置いておいて、
シンプルに一緒にいて気持ちのいい〝友人”って必要だよね、と思える。
〝親友”とかじゃなく、そこまで深く付き合ってはいないくらいの〝友人”のほうが核心を突いた意見を言ってきたりする。
そういう関係も悪くないよね。
それになんだか、そのほうが〝大人”〝おしゃれ”な感じがしません?
この感じ、なんだっけ???と思ったら、そうだ。
大好きな映画「ドライビング Miss デイジー」の感じだ!
前にもここで書いたような気がするんですが、
高校生のとき高総体の開会式をサボって(コラ)、
親友が大好きなケビン・コスナーの新作があるってんで「リベンジ」って映画を中劇に観に来て、
そしたら二本立てですって言われて、
じゃあせっかくだから観るか!ってなって観たのが「ドライビングMiss デイジー」
白人の老夫人と、黒人の運転手のお話。
気に入って、次の週末もまた親友と二人で観に来たくらい。
メインのケビン・コスナーのやつがまたイチャイチャ満載のよくわかんないアクション?ドンパチ関係の?疲れる映画で、
ついでに観た「ドライビングMiss デイジー」がめちゃくちゃよかったってオチなんですけど。
そりゃあそうですよね、アカデミー賞獲ったんだから(*'ω'*)
高校生なので、アカデミー賞よりもミーハー優先のお年頃だったのでした(;'∀')
って、そんな話はどうでもいいですね。
「パリの調香師」はとにかくそんな名作を思い出すような、
洗練されたユーモアに包まれた、上質の大人の人間ドラマだなあってことでした。
そして私が気に入ったのはそれだけでなく、
調香師の仕事がペットのトイレや洗剤、シャンプー、ジュースに至るまで多岐にわたるものであることにも興味深かったし、
ギヨームと離婚調停中の妻との身も凍るような温度差に震えたり(!)、
年頃の娘との微妙な空気感がくすぐったかったり、
(C) LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINEMA
そしてさりげなく登場するカジュアルなんだけど絶対に美味しいはずのレストランのお食事とか、
「マダム」と呼ばれてカブせ気味に「独身よ!」とピシャリと返すアンヌの絶妙な間とかも、
なんかとにかく映画の中のすべてが心地よく洗練されていて、
観ていて気持ちがいいのです。
主人公のアンヌを演じたエマニュエル・ドゥヴォスの存在がまた別格。
キャリアを重ねた、凛としためちゃくちゃカッコイイ女性調香師アンヌを演じていますが、
シンプルなのに上質でさりげなくおしゃれな洋服たちを着こなし、
気難しくてプライドが高いだけではなくて、
子どもの頃の思い出を夢中になって語りだすようなかわいらしい一面を持った女性をナチュラルに演じていてとてもチャーミング。
こんな大人の女性になりたいなあと思いながら観ていました。
そしてディオールの撮影協力はもちろんのこと、
エルメスの専属調香師が監修しただけでなく、
アンヌ役のエマニュエルが撮影前にその研究所で自分のフレグランスを作ってみたりと
細部までホンモノにこだわって作られた素敵な作品。
特殊な才能を持つ特別な人が主人公の話ではありますが、
誰の身にも起こりえる〝人生の化学反応”がテーマ。
「人生を豊かにする調合は一つじゃない」というキャッチコピー通り、
出会うはずの無い人と知り合って、
それまで関わりのなかった世界を知ることで自分の世界が広く大きく変わっていく、
そんななにげない、でもとても刺激的でワクワクする出来事に触れて変化を楽しむ二人の姿にものすごく共感してしまう爽やかな映画です。
公式サイトhttps://parfums-movie.com/


さてさてそして、3月5日から公開予定だった「ドラえもん」がコロナのせいでまたもや延期。
去年の今頃と同じで、
「上映する作品、なくなっちゃったじゃん(;゚Д゚)!!」
「ドラえもん」などの大型ロードショー系作品は、
一日中ガンガン回すこと前提でスケジュールに入っているため、
他の作品を事前に予定に入れられないので、
急に公開が延期とかになるとスケジュールが空白になってしまうんですよね(;´Д`)
去年のコロナによる上映延期の空白期間は『ナショナルシアターライブ』『午前十時の映画祭』に助けられたという話をつい先日もしたばかりでしたが。
・・・・・・・・・。
「今年もナショナルシアターライブにお世話になります( `ー´)ノ!!!!!」
いや、そもそもほんとに「春くらいにやりましょう」という話にはなってたんですよ!
「ドラえもん」が落ち着いた春休み開けあたりならいいかも・・・♪
ってことになってたんですけどね。
・・・・・・・・「ドラえもん」飛んじゃって、また空白!
なので、急遽そこに入れさせてもらうことになりました(;'∀')
ありがとうございます!!
いつもすみません!!
ちょっと急で、お知らせがちゃんとできなかったのが残念なんですが。
でもでも今回はすごいですよ!
5作品連続上映!
もうだいぶ長いこと上映させてもらってる「ナショナルシアターライブ」ですが、
今まで中劇で上映していなかったものだけを選びました!
でもお客様からのリクエストも多かったものばかり。
海外旅行はもちろんのこと「気軽に東京に舞台を観に行く」なんてこともしにくい今だからこそ、
「近所の映画館で本場イギリスの舞台を観られる」
というのはとても嬉しいことですね。
こういった作品は、あとでDVD借りて観よう~♪なんてこともできないので、
やはりチャンスがあったら劇場で観てしまわないと、
もう二度と観られないかもしれない!
この機会を逃さず、ちょっと気になったらぜひ観に来てください!
敷居が高いイメージがありますが、思っていたよりもずっと面白くて、
新しい世界が開かれますよ(*‘∀‘)/

3月5日~11日「戦火の馬」
(C)Brinkhoff & Mogenburg
こちらはスティーヴン・スピルバーグ監督が感動し、映画化したことで有名な舞台で、
見事に馬の存在感を表現したパペットの動きを余すことなくとらえたカメラワークは新たな表現手法を発明したとも賞賛され、 
オリヴィエ賞、イヴニング・スタンダード賞、批評家サークル賞を受賞し、
タイムズ紙の<10年間の最優秀劇場公演>に選ばれ、世界で大きな反響を呼びました。
主人公が幼少時から愛し育てた馬が軍馬として徴用されたことから、
数奇な運命をたどることに。
果たして二人は再会できるのか?

3月12日~18日「フォリーズ」
(C)Johan Persson 
1971年にブロードウェイで初演され、トニー賞最優秀楽曲賞に輝いたスティーヴン・ソンドハイム作詞作曲のミュージカルで、
日本でもお馴染みの題材をイギリスの名優たちが演じます。
取り壊しになるレヴュー劇場に集った往年のスターたちの姿を、
現実と回想を交錯させながら描く。
ドミニク・クック演出のもと、イメルダ・スタウントンやジャニー・ディー、トレイシー・ベネット、フィリップ・クワストら豪華ベテラン勢が集結。

3月19日~25日「リア王」
(C)Johan Persson 
シェイクスピアの四大悲劇の一つ。
退位にあたり3人の娘の愛情を試した老王リアだったが、
長女と次女に裏切られ、国を追われてしまう――。
名優イアン・マッケランが圧倒的な演技力と存在感で老王リアが辿る悲しい末路を体現する。
演出を手掛けるのは堤真一主演の『民衆の敵』など日本でも活躍するジョナサン・マンビィ

3月26日~4月1日「誰もいない国」
(C)Johan Persson 
ノーベル文学賞に輝いた劇作家ハロルド・ピンターの1975 年初演作。
過去の背景や現在の関係性、力関係の分からない男たちの会話劇で、 
イギリスの宝 ともいうべき名優イアン・マッケランパトリック・スチュワートが競演。
ある夏の午後、パブで飲んでいた年老いた作家ハーストとスプーナーは酒が進むにつれ会話が誇張され、事実と空想の境が分からなくなっていく。
やがてパワーゲームと化した彼らのやり取りは、
二人の若者の登場でより複雑になっていく――。
え、まって!この二人どっかで・・・!?
って、そう!「X-MEN」じゃん。。。(*´▽`*)!!
プロフェッサーX!そしてマグニートー!!
しかも、これの次は・・・↓

4月2日~8日「シラノ・ド・ベルジュラック」
(C)Marc Brenner
大きな鼻のコンプレックスに悩みつつ、一人の女性を胸中で恋い慕い続けたシラノの物語は、1897年に初演されて以降、世界各地で上演が繰り返され、何度となく映画化・ミュージカル化もされている。
その名作中の名作が、今回、マーティン・クリンプによって現代語訳された上演台本と気鋭の演出家ジェイミー・ロイドによるミニマルなステージングによって、装いも新たに生まれ変わった。
主演は映画「X-MEN」シリーズで知られるジェームズ・マカヴォイ!!
2020年ローレンス・オリヴィエ賞でリバイバル賞を受賞!そのほか、主演男優賞(マカヴォイ)・助演女優賞(ミシェール・オースティン)・音響デザイン賞・演出賞にもノミネートされた。
え、もうX-MEN祭り!?最高ですね(*‘∀‘)♪

って、なんかなにげにすごくないですか!?
これは全部観ないと!!
「戦火の馬」は、映画好きの皆様ならスピルバーグの映画版はきっと観てると思いますが、
そもそもはイギリスの児童文学なので、
やっぱりここはひとつイギリスの舞台作品で観ておきたいもの。
「フォリーズ」は華やかなショービジネスの世界のお話なので舞台装置は必見だし、
昔のショーガールたちと現在の彼女たちの姿の対比も、
実はそんなに大きな事件が起こるわけでもないわちゃわちゃ劇だってところも面白いし、
演劇ってほんとに役者の演技にかかっているんだなあと実感する作品。
「リア王」については説明の必要もないくらい演劇の世界では定番中の定番。
なだけに難しいと言われる演目。
でもでも今回はなんと英国演劇界が誇るまさに大俳優イアン・マッケランが演じるリア王。
観ないわけにはいかないでしょう!
これは凄いなあ!
シェイクスピアはよくわかんない、って方も、観ておいたほうがいい舞台ですよ!
そして「誰もいない国」
これもすごい!!イアン・マッケランパトリック・スチュアートの演技対決が観られるなんて贅沢すぎる!
さらに「シラノ・ド・ベルジュラック」はなんとジェームズ・マカヴォイ
ありがとう。大好物の英国男子をぶちこんでくれてほんとにありがとう!(誰に言ってる?)
もうこれは、ジェームズ・マカヴォイを見てください。
なんていうかなあ・・・・・・カッコいい・・・( *´艸`)
ただひたすらに。
え、こんなんで観たくなるかって?
なるでしょ、そりゃあ。イケメンは万国共通の平和のためのツールです♪

というわけで、おすすめばかりの英国本格舞台の特集です。
一般3,000円、学生2500円の特別料金なので、
全部はなかなかねえ・・・(^_^;)ということもありますが、
実際に舞台を観ようとしたら、1本観るんでもかなりの高額。
気軽に映画館で体験できて、しかも絶対に観ておいたほうがいいものばかりなので、
ぜひこの機会に、イギリスの本物の舞台を経験してみてください!
公式サイトhttps://www.ntlive.jp/


首都圏の緊急事態宣言も解除の方向に向かっているようですが、
だったら「ドラえもん」予定通り上映できたじゃーーーーん(;゚Д゚)!!
という心の声は封印して、
我々は粛々と大きな大きな大人の事情に身をゆだねつつ春を待ちます。
→いろいろあるよねー!
そんなこんなで雪が多くて大変だった今年の冬と、
結局1年以上もコロナに振り回されて旅行どころかイベントも飲み会さえも気の向くままに参加することもできなくてきっとストレスを感じているはずの心を、
映画館でちょっとだけ開放して気持ちだけ旅行させてあげてみませんか?
中劇では今、フランス(「パリの調香師」)とイギリス(「赤い靴」「ナショナルシアターライブ」)に行けますよ♪
南部興行さんでも世界各地の映画を上映。
イタリア、ミャンマー(!!)、ポーランド(!?)、デンマーク、イスラエルと面白そうな作品たちが続々上映!
いいですねえ(*‘∀‘)
安心して海外旅行できるまでにはまだちょっとかかりそうなので、
みなさんも、映画館でのんびり外国の風を感じてリフレッシュしませんか?


★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/