いつの間にか、日差しは柔らかく風もあたたかくなっていました。
・・・・・・え!?4月!?
本当に、この仕事をしていると常に翌月・翌々月の話、あるいは次に上映する映画のことばかり考えているので、季節感も世間の当たり前もピンとこなくてときどき慌てます。
先日も、映画館通りのピーターパン仲間(某映画館スタッフ)のTさんと飲みに行き(私の娘でもおかしくない年齢の映画ヲタクも一緒でしたが)、
「なんか今日はどこの店も混んでると思ったら、歓送迎会ピークだったらしい」
「そうなんだ!気づかなかった・・・!!!」
「ねーーー!!」
という具合。
歓送迎会も、忘新年会も、がっちり自分らの繁忙期にあたるため、季節ごとのイベントなどほとんどやったことがない私たち。
そしてあまり入れ替わりのない小さな世界、
誰かが辞めるときの送別会や、コロナ前は繁忙期が落ち着いたころのお疲れ様会くらいはやってましたけどね。
だからどこも混んでるのかー・・そうかーーーー・・・なるほどーーーーー。
などと言ってる場合ではありませんでした。
3月、ブログの更新が1回だけになっていましたね。
いや、早朝興行続きの月末はキツイ( ゚Д゚;)!!!
これでも一応、昼間はカタギの(?)、普通の(?)、映画館スタッフの雑用担当の人なんです。
月末はそれなりにバタつきます。
そこへきての早朝興行。
ゆえに毎日、寝落ち!!
お風呂上りにスマホを触りながら、録画を見ながら、推し活をしながら、
気が付くと深夜、リビングで伸びてます。。。
だいぶ暖かくなったので、暖房をつけてないのが唯一の救い。
電気代も大変ですからね。
寝落ちする自信があるので暖房はあらかじめ消しておくという、気の利く私です(?)。
春休みが終わる今週、やっと出勤が少し遅くてよくなるのでホッとしているところ。
「朝、起きれなかったらどうしよう!(寝落ちして起きたの2時、そこからまた寝るので)」
「遅刻したら大変!(人数ギリギリなので遅刻厳禁)」
というプレッシャーから、束の間の解放。
とはいえすぐにコナンが始まるのでまた早朝出勤になるので、
今のうちに一回ブログ更新しとかないと!!
ってことで頑張ってコーヒー飲みながら書いてます。
BGMは、中劇で再々再々(!!)上映が決まった「アメリカン・ユートピア」。
サブスクでも聴けるんですけど、昭和のヲタクなのでどうしてもCDが欲しい私でした。根強い人気、映画館で観る醍醐味、そしてこちらも上映が決まった「ストップ・メイキング・センス」との組み合わせでどうしても再上映したかった「アメリカン・ユートピア」。
わりと「復活上映」「再上映」をやりがちな中劇でもさすがにこれ以上はないよねと思っていたけど、再々再々上映!!
5月10日公開
「アメリカン・ユートピア」
(C) 2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
個人的にも大好きなので、再上映のたびにブログ書いてました。
https://moriokachugeki.blogspot.com/2021/06/blog-post.html
https://moriokachugeki.blogspot.com/2021/09/blog-post_19.html
またやるの!?と言いつつもやっぱり、喜んでくださる方がたくさん!!
「何回やるねん!!」「ほかに無いんか!!」
などと言う方はまずいません。
だよね~!
この映画はほんとに、絶対、何がなんでも、映画館で観なくちゃいけないやつですよね!
アクション映画ももちろん映画館ですけど、それよりもっと、これこそ映画館です。
家だと半減どころか全く良さが活かされないかもしれないくらい、映画館で観るべき映画。
まだ観てない、観る気なかった、あるいは家で観たけどあんまりだった、の方も、
絶対に映画館で観てください。
(C) 2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
おそろいのグレーのスーツを着た裸足の集団が歌ったり踊ったりマーチングしたりするだけの映画ではあるんですが、
それがまたなぜか心地よくて楽しくて目が離せない。
高揚感?満足感?とにかく観たあと心は晴れやかに澄みわたり、
あぁ、なんか生きててよかった・・・・なんてシンプルに思える作品です。
私は劇場で3回しか観てないのでまだまだ白帯。
猛者になると「あれ?昨日も来てませんでした?」
「え、この映画だけでポイントいっぱいになるのでは?」
の方も少なくない。
今回もまた、その猛者たちにお会いできるの楽しみにしています。
「昨日もいましたよね!?」と、容赦なくツッコミます(もちろんポジティブなツッコミです!)のでよろしくおねがいしますね♪
その前に、一足お先に公開のこちらもお忘れなく。
5月3日公開
「STOP MAKING SENSE」
(C) 1984 TALKING HEADS FILMS. ALL RIGHTS RESERVED
「アメリカン・ユートピア」から遡ること約40年前(!?)!!
1983年12月に行われた、デヴィッド・バーン率いるトーキング・ヘッズの伝説のライブです。
実は私、約30年前に観てるんですよね、音楽映画企画みたいなやつで劇場で。
そのころ、映画館業界に入りたてでまだまだ映画ヲタクの修行中の身だった私は、
一応、根は真面目なほうなので仕事を教えてくれた先輩たちの「とにかく好き嫌い無しになんでも観な!それが第一歩だしそれが勉強だから!」というアドバイスに素直に従い、
週に3~4本、元気な日は一日に3~4本観るのも当たり前なんて日々を過ごしていました。
音楽はJ-POP以外あまり聴いてなくて、トーキング・ヘッズも知らなかった小娘でした。
この映画も、なんかブカブカのスーツを着たひょろひょろの男の人がステージをゆらゆらと彷徨いながら歌ったり踊ったりしていたことだけ覚えています。
あのブカブカのスーツが能楽からインスピレーションを得たものだったなんて知らなかったし、
その後1992年から人知れず眠っていたネガを執念で探し出して何十年も後にその時代最先端の映画製作会社であるA24によって完全リマスターされてまた世に出ることなんて当時は考えもしなかった。
コアな映画マニアとトーキング・ヘッズのファンだけが観るようなヲタク映画だと思ってましたよ。
でも今あらためて、こうして写真で見るだけでもおしゃれすぎ!
このカッコ良さって、なんなんでしょうね!?
デヴィッド・バーン、このころも40年後の今も超絶最先端でカッコいいとか何事!?
(C) 1984 TALKING HEADS FILMS. ALL RIGHTS RESERVED
監督もジョナサン・デミですけどね。
それもビックリ。
「羊たちの沈黙」「フィラデルフィア」の監督ですからね。
え!?ジョナサン・デミ!?
あの、怖すぎて面白すぎた「羊たちの沈黙」のジョナサン・デミ!?
その人が、一世を風靡した「羊たちの沈黙」を撮るずっと前にこの音楽ドキュメンタリー映画を撮っていたって?
・・・ちょっと意味わかんないですね。
そういえば、「アメリカン・ユートピア」だって監督はスパイク・リーですもんね。
どうもデヴィッド・バーンという人は、アーティスティックな職人肌の個性派映画監督たちに『撮りたい』と思わせる不思議な魅力のある方なんでしょうね。
たしかに、「アメリカン・ユートピア」のラストのメイキング部分を見ただけでも、
ユーモアあふれるチャーミングでダンディな紳士でしたしね。
まあそんなことも頭に入れつつ、小娘だったあの頃から30年後の今、
「アメリカン・ユートピア」を履修してドハマりした私が観たらどうなんでしょうか?
楽しみですねぇ(´ー`)
バンド結成50周年、映画公開から40周年。
ぜひ、「アメリカン・ユートピア」と続けて映画館で堪能したい音楽作品です。
さてさてもう一本、再上映決定のこちら。
4月26日から1週間限定再上映
「14歳の栞」
中劇でも去年の今ごろ上映しました。
桜の季節になると全国で再上映される風物詩みたいになりつつあります。
こちら、実在の中学校の実際の中学生に密着したガチのドキュメンタリー。
公開からじわじわと口コミで広がり、動員もどんどん増えていき、
何年もたった現在でも超ロングラン上映が続く映画です。
これ、ほんとの中学2年のクラスに密着したものなので、
円盤化も配信の予定も無い!!と配給会社が言い切っているので、
映画館で観るしかありません。
その映画に出ている一般人の方たちのうちの一人でも「もうダメ。上映もやめて!」と言ったらそこで終了!!もう二度と観られません!!のやつです。
常にギリギリで綱渡り。
中学の頃の自分なんて、ダサくてしょっぱくてしんどくて恥ずかしいしかない私ですが、
そんな私の中学時代とは何十年も違うのにこの映画の中の生徒たちもやっぱり、
絶妙にダサくてめちゃくちゃしんどそうで胸がぎゅうっとなります。
明るくハッピーな前向き映画ではないですが、
どうしようもないほどの共感と、なんともいえないせつなさと、
とてつもないノスタルジーと、悶え転がってしまいそうなくらいのカタルシスが、
主題歌:クリープハイプの「栞」に包まれながら見事なまでの満開の桜をバックに体じゅうに広がっていく映画です。
あとからアマプラで~とか、u-nextにあるかな~とか、
そういうのは絶対にできない(映画館で観るべき、とかじゃなくて物理的に不可能な)映画なので、
まさかの盛岡での再上映、お見逃しなく。
公式サイト→https://14-shiori.com/
さてさて、4月に入っていよいよ「午前十時の映画祭14」も始まった中劇です。
『インディ・ジョーンズ』シリーズ、始まりましたよ!
それについては前回、さんざん語ったので置いといて。
『ハイキュー!!』も『ドラえもん』も『デデデデ』も入場者特典配布中で絶賛上映中!
『デッドデッドデーモンズ デデデデデストラクション 前章』
も、面白いですよ~!!
(C) 浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
浅野いにおの漫画は読んだ事あるんですけど、これはなかった!
個人的には「シンプルな筆致でありながらリアルで個性的な画風で、
現代の等身大の(じゃっかん拗らせ気味の)若者の姿をリアルに描き出すイマドキの漫画家」というイメージ。
でもこの作品は、主人公こそ普通の女子高生たちながら最初から街の上空に宇宙から来た母艦が浮かぶ『ドSF』!!
学校、家、街なか・・・そこで繰り広げられるJK(女子高生)の日常も会話もごくごくありふれたものだけど、じわりじわりと非日常が迫ってくる感じが怖い。
圧倒的リアルで美しいタッチで描かれるかわいらしいキュートなキャラクターと、
母艦襲来という恐怖と人類滅亡へのカウントダウンという絶望のなかノンストップで走り出す奇想天外な青春ストーリー。
本来なら4月に後章公開の予定でしたが、諸事情により後章は5月24日公開に延期。
まあ、まだ観てないって方も余裕で間に合うので良かったですね(?)
客層としては、もともと好きって方たちが観に来ている感じですが、
前知識無しの方でも絶対に楽しめる!
というか漫画もアニメもそれほど興味ないんだよねって方も、
何も情報を入れずに飛び込んでもらいたい独自の世界!!
突然、宇宙からの侵略者と対峙する系のSF作品って、実写でもアニメでも「ついていけない!」「入りこめない!」って人もいますけど、これは大丈夫。
主人公が、ほんとに普通の女子高生。
ダルい学校生活に、友達との他愛ないおしゃべり、
片思い、それから微妙に問題有りな家族関係・・・。
私にも覚えのある、難しいお年頃の平凡な女の子たちなので、
気が付くとすっかりデデデデワールドのなかに入っちゃってました。
後章ではいよいよ原作者描き下ろしによる驚愕のラストへと突き進む。
もともと子供向けじゃない漫画を描きたくて漫画家になった原作者・浅野いにおの世界そのままに(連載も青年漫画誌「ビッグコミックスピリッツ」)、
ピリッどころかガリッとスパイスの効いた、辛口で壮大な、大人のアニメ。
(C) 浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee
後章を観るかどうかはとりあえずあとで決めることにして、
なんとなくこのポスターや予告やタイトルなんかに興味を惹かれた方は迷わず観て正解。
主人公の女子高生二人の声を担当したのが、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのマルチな活躍を見せる〝あの”と、飛ぶ鳥を落としまくってもう落とす鳥もいないくらい大人気のYOASOBIボーカル〝幾田りら”ってことだとか、
前章・後章ともにこの二人が主題歌を担当していることとか(前章の主題歌は〝あの”が作詞、後章の作詞・作曲は〝幾田りら”)、
そんなのはもう当たり前にマッチしちゃってて、ただただこの作品のなかに没頭する映画時間でした。
浅野いにお作品初のアニメ化、〝くそヤバい”映画体験をぜひ!!
公式サイト→https://dededede.jp/
というわけでね。
またしても長々と書いてしまいましたがどうでしょう?
長すぎて、また友人は読むのを2日に分けたかもしれませんが。
・・・え?上映中の「瞳をとじて」について書かないのかと?
© 2023 La Mirada del Adiós A.I.E, Tandem Films S.L., Nautilus Films S.L., Pecado Films S.L., Pampa Films S.A.
・・・そうなんですよね・・・観ました。観たんですけど。
えっとー・・・なんというかー・・・
包み隠さずに申し上げますと・・・・
・・・・・寝ちゃったんです(-_-;)
しかもリベンジしたのに2回連続。
少なくとも映画ヲタクを自称している私としては慙愧に耐えない!
まさに忸怩たる思い!
ていうか、誠に遺憾!!(うるさい)
なんなんだ、私は!?
何をやっているのだ!この馬鹿者がっ!!
と、自分を殴ろうとしたところ思い出したのが、
「そういえば私、ビクトル・エリセ監督の30年前の前作『マルメロの陽光』も寝たんだった・・・( ゚Д゚)!!」
当時、元気いっぱいのフレッシャーズだった私はバリバリの仕事帰りにルミエールさんに飛び込み、開始10分で熟睡、気が付いたらエンドクレジット。
あまりのショックに、「いや、仕事終わりだから疲れてたんだよね。そうだよ、そうに違いない」と次の休みの日にまたルミエールさんに向かいリベンジ。
のはずが、またしても同じところから熟睡。
・・・・・・・。
休みなのに・・・・!?
だめだ、こりゃ!
ビクトル・エリセ監督は寡作で有名。
次の長編はまた30年後かしら?
何かが私とビクトルの邪魔をしている!!!(してません)
誰だ、私に睡眠薬を飲ませたのは!?(人聞きの悪い)
もうあれですね、私はビクトル・エリセとは道が交錯することはないのか(/_;)
ごめんね、ビクトル。あなたとは出会えない運命なのかも。
と言ったら当劇場スタッフから
「いや、逆に相性良いのでは?波長が合うとか??」
という、フォローなのかツッコミなのかわからないけど衝撃のコメント。
なんていうかー・・・心地よい癒しの時間?
お疲れのあなたにひとときのヒーリング効果?
とまあそんなわけで、とにかくそんなヤツにはこの偉大なる巨匠の30年ぶりの新作映画について語る資格は無い!!
ということで、コメントを控えさせていただきます(-_-;)
いや、3回目、ちゃんと観ました。全部。最後まで。
良かったですよ。ほんとに。
スペインも大好きだし、スペイン映画も大好きだし、
「ミツバチのささやき」も好きなんですよ!
最初からどっぷりと首まで監督の世界の中に引きずり込まれる世界観とか、
一歩引いた感じの視点とは裏腹にじっくりと濃密に描き出される人物関係とか。
心癒されるどこか懐かしいパステルカラーの色味とか。
後ろに流れる心地よい劇伴の音とか。
・・・・嫌いじゃないんですよ、ほんとに。
でもさ、正直なんですよ私。
だから、どうしても、2回も寝てしまったくせにしたり顔でその映画について語るなんていう映画に対する背徳行為を平常心ではできそうにないわけですよ。
私ってほんと、ビジネス向いてませんねぇ・・・。
そんなわけで、こんな私に言えるのは、
「ミツバチのささやき」のあのかわいらしい女の子が、あのころの純粋無垢なイメージそのままに、とても上品で知的なマダムになられていたってことくらい。
素敵ですねぇ・・・。
もうなんか、生まれつき違うんだろうな、いろいろね。
・・・・・ビクトル・エリセ監督、次の映画は、絶対寝ません!!
そんなこんなでドタバタの新年度ですが、
いよいよ本格的に春なので、外に出るのもツラくない良い季節です。
たくさん映画、観ましょうねーーー!!!
実はまだまだ交渉中、検討中の作品が山積みの中劇です。
素敵な映画をたくさん届けられるようがんばりますので、
みなさんも急なシークレット上映にも柔軟に対応できるよう常日頃の「中劇公式サイト近日公開コーナー」のチェックと充分な睡眠、そして一日何本でも映画が観られるように体力作りを怠らないでくださいね!
見逃すのは自己責任ですからね!(自分に言ってる)
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/