2021年3月24日水曜日

「ミッドナイトスワン」おめでとう!!!久しぶりに映画オタク全開の巻。

こんにちは。
陽射しも風もすっかり春らしくなってきましたね!
中劇では、ここ数年、中劇のビジュアル担当と平均年齢を格段に下げることを一手に担ってくれていたTちゃんが大学を卒業して地元に帰ってしまい、
いつものいぶし銀スタッフだけになってのんびり静かにおせんべいを食べる音だけが響く日々に戻ってしまいました。。。
孫が都会に帰ってしまった、田舎のおばあちゃんち状態。
春ですね(?)。
この時期いつもなら子供たちでロビーが賑やかなはずのドラえもんシーズン。
残念ながらドラえもんが延期になってしまったため、
「ライアー×ライアー」を観る若い女の子たちと、
「ナショナルシアターライブ」を観る先輩方という珍しい顔ぶれの中劇ロビーです。
客層が広がって嬉しいです♪

さてさてそんななかつい先日、日本アカデミー賞の発表がありましたね。
おめでとう!!!
「ミッドナイト・スワン」
(C) 2020 Midnight Swan Film Partners
やっぱりね!!!
いや、知ったかぶるわけじゃないんですけどね!
もちろん、中劇で上映した作品が日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲ることなんてめったにないから騒いでるわけでもないんですけどね!(ほんとか?)
これはだって、すごかったじゃないですか!
最優秀主演男優賞草彅くんも、
新人俳優賞服部樹咲ちゃんも、
もちろん作品じたいもほんとによかったからみんな納得だと思うし、
しかもお金や忖度や大人の事情の匂いが全くしない、こういった中堅配給会社の作品が、
映画関係者は当然のこと、たくさんの観客が観てそして絶賛したという事実において、
文句なしの受賞だったのだなというのがこちらサイドまでちゃんと明らかであることが、
劇場関係者としては非常に嬉しいことだったのでした。
”快挙”とは、まさにこのこと。
同じように中堅配給会社の作品であった「フラガール」が大ヒット&日本アカデミー賞を受賞したので大騒ぎになったときのことを思い出しました。
あれがもう14年前!
まあ、大きな声じゃ言えないいろんな事情がありますけど、
そんなのはどこの国でもそうだろうということなので置いといて、
この「フラガール」日本アカデミー賞を受賞したあたりから、
日本映画界も少しずつですが変わってきたような気がしますね。
個性的な監督たちが作る新しい日本映画の作品たちが、
いわゆるサブカル的な魅力だけでなく幅広い客層を集めることのできるエンタメ作品としても面白く、
興行的にも文句なしに結果を出せるような空気になってきたのもこのころから。
結果や功績などに完全に左右されてしまい、すぐに数字で〝コケた”だのと騒がれてしまうメジャー系ロードショー作品だけでなく、
俳優側からみても、数字から逃げるわけではないのでしょうが、
最初から作品の質や製作陣への興味、やりがいなどのほうに舵を切って出演作品を選ぶ傾向も強くなりつつありますよね。
メジャー系作品に出るということの意味も価値も重々承知したうえで(先日、ドキュメンタリー番組でV6岡田くん「俳優さんたちがみんなサブカル方面に向かっていくなかでメジャー系の大作に出ていく役割」みたいな話をしていてすごく心に響きました。大きなリスクも背負ったうえであえて大きな看板を掲げる覚悟やその役割を担う意味を考えさせられました。)、
長くいろんなものに縛られ、大きな波の上にいることが重要視されてきた日本映画界もほんのちょっとずつですが何かが変わりつつあり、
日本アカデミー賞の主要部門を受賞する作品もメジャー系だけでなく中堅どころや新進気鋭のとんがったところのものも出てきているのは映画マニアとしても興味深く、そしてワクワクする部分でもあります。
それは日本に限らず、アジア映画として初の快挙となった「パラサイト」第92回アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したことや、
メジャー系配給会社ではないA24スタジオ(「ムーンライト」「レディバード」「ミッドサマー」「ミナリ」etc...)の作品たちがアカデミー賞の常連になってきていることからも明らかなようにハリウッドでもそういった傾向があるし、
Netflixの作品がアカデミー賞に続々ノミネートされるようになったことからも、
何が起きてもおかしくない、いろんな常識も知識も実績も飛び越えて世の中が動きつつあるこの状況の中で、
世界の映画業界がまさに大きく変わり始めているような気がします。
・・・・・・で、なんでしたっけ?
そうだ、「ミッドナイトスワン」だ(*‘∀‘)
だからつまり今回のこの快挙は、日本の映画業界としても大きな動きだし、
誰もが唸る素晴らしい作品だったことは当然として、
あとになってから映画通の人たちがああだこうだとうんちくを語るだけのマニアックな受賞ではなく、
元からの草彅くんファンだけでなくいろんな世代のたくさんの人が劇場に足を運んできちんと興行的にもヒットしたうえでのこの規模の作品が日本アカデミー賞を受賞したことがほんとに素晴らしいことだなと改めて感慨深いです。
中劇でもロングラン上映&アンコール上映までした作品。
この作品をどうやって知ったんだろうというシニアの大先輩方から、
「え、SMAP知ってる??」てくらいの若い子たちまでほんとに幅広い層のお客さんがたくさん観に来てくださったことを我々劇場スタッフは実感していたので、
今回の受賞には心から納得です。
ほんとに嬉しい。
ここ数年、私がここでしつこく言ってきた甲斐があったというもの。
「中劇、なかなかやるじゃん!」
そう、今こそみなさんも堂々と言っていいんですよ( `ー´)ノ!
とうとう日本アカデミー賞獲っちゃいました♪
って、まるで自分の手柄のように言ってますけど、
まあうちは上映しただけなんですけどね(´ー`)
DVDの発売も決定したようなので、
中劇で上映したときの私の激重&激長&めんどくさヲタクブログを置いておきますね。
念のため(は?)。
そして今回の日本アカデミー賞のノミネート作品の中には、
ほかにも中劇で上映した作品がいくつか。
最優秀アニメーション作品賞「鬼滅の刃」は、でしょうね!しか出ないですが、
河瀬直美監督の「朝が来た」最優秀監督賞最優秀主演女優賞にノミネートされていたのは嬉しかったですね!
そういえば少し前に、WOWOWの映画特集の番組に河瀬直美監督や白石一彌監督が出演していたのを見たのですが、お二人ともすごく興味深いお話をしていましたよ。
東京オリンピックの公式記録映画の監督でもある河瀬監督が、
コロナの影響で延期になってしまったオリンピックの開催についてや自身の作品「朝が来た」について、
それから「鬼滅の刃」一強となった2020年の日本映画について包み隠さず思いを語っていましたし、
白石一彌監督は、コロナ禍のなかで撮影された「孤狼の血2」について、
それから映画業界や映画館への思い、それでも映画を撮り続けることの意味についてなど、
それぞれ自分の言葉で誠実に語っていて、みごたえがありました。
この番組ではその後もクリストファー・ノーラン監督へのインタビューや、
来月、授賞式が行われる第93回アカデミー賞に6部門でノミネートされた「ノマドランド」クロエ・ジャオ監督へのインタビューなど通好みの企画が続いて映画オタクの心を鷲掴みでした!おすすめです。
しかも今ではなんとWOWOWもスマホで観られるオンデマンドの時代だそうで。
すごいですね!
なんでもスマホ。
大きく変わったのは映画業界ではなく〝時代”ってこと?
まあそれでも私はさすがにスマホで映画は観ませんけどね。
・・・・ドラマだったら観ちゃうけど(*_*)
そんなわけで、今回は全然上映作品の宣伝ができていませんけど大丈夫でしょうか?
・・・・・・。

一応、チラッとおしらせだけはしておきましょうか(;'∀')
「鬼滅の刃」入場者プレゼントの配布が決定しました。
(C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
え、今!?
沢山の方に映画をご覧いただいた感謝を込めて、
来場御礼入場者特典として、3月27日からは「LINEスタンプ風シール」
4月3日からは「ufotable描き下ろしA6イラストカード2枚セット」をプレゼント。
どちらも先着ですからね!
絶対に欲しいという方はお早めに♪

そして現在、上映中の「ナショナルシアター・ライブ」は残すところあと2本。
英国が誇る名優二人の演技バトル(「X-MEN」対決)が楽しみすぎる
「誰もいない国」
(C)Johan Persson 

私のなかのとにかく鼻がおっきいジェラール・ドパルデュー(この方が主演の映画しか浮かばないのです)のシラノのイメージを英国イケメンで塗り変えたい
「シラノ・ド・ベルジュラック」
(C)Marc Brenner

みなさま、英国演劇の世界、お楽しみいただけてますかね?
あと2本ですよ。
この次はまたいつになるかわからないので、
この期間、午後に時間ができたらぜひ観に来てください!
イギリス好きの私としては毎日仕事中に、
上映中の劇場からキングズイングリッシュが聞こえてくるだけで(全然喋れないけど)、
劇中の休憩時間にロンドンの劇場の休憩時間の空気が感じられるだけで(行ったことないけど)、
幸せな気分になります♪
しかも私はもうイギリス男子が見たすぎて、
ロンドンの香りを感じたすぎて、
ロンドンが舞台しかもモリアティ教授(シャーロック・ホームズのライバル)がモデルのアニメまで熱心に見始めてしまいました。
全員イケメン♪毎回3回はおかわり♪
もう、時間が足りない足りない!
シャーロック・ホームズ関係は無条件で大好きな私ですが、
アニメでもやっぱり英国男子は素敵ですよ(*‘∀‘)→寝る気無し!

さて、待ちに待った緊急事態宣言の解除。
これで、今年こそはゴールデンウィークの定番「名探偵コナン」の新作と「クレヨンしんちゃん」の新作が予定通り公開できる♪
リバウンドで感染者増えなきゃですけどね(^_^;)
しかも、ミニシアター系の洋画はよく上映しているもののロードショー系の洋画とは最近なかなかご縁がなかった中劇ですが、
珍しく久しぶりにスッゴクいい感じの洋画が決定しました!!
5月7日公開のガイ・リッチー監督作品( `ー´)ノ
「ジェントルメン」
 (C) 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
「スナッチ」「シャーロック・ホームズ」などですっかりメジャー系監督の風格漂うガイ・リッチーですが、
私がとにかく大好きなのはこの監督の初期の作品「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」
映画も3回観たし(伏線の回収や細かい人間描写が絶妙で、何度も観たくなる脚本なんですよね!)、劇中のセリフも入っててめちゃくちゃクールなサントラCDはいまだにしょっちゅう聴いてるヘビロテです。
上映決定が嬉しすぎて、「ほんとにやれるの?」「間違いなんじゃないの?」と何度も確認してしまいました。
すっごくいいやつが決まりかけてて最後ポシャった時のガッカリ感ほどせつないものは無いですからね!(→中劇ではわりとよくある。)
とにかくこれは嬉しいニュースでした(*‘∀‘)♪
3月26日よりムビチケ発売です。


そんなわけで日本アカデミー賞の発表をうけて、
「これこれこれこれ!!うちの劇場で上映したのよー!うちだけで上映したんだけどね!えっへん( `ー´)ノ!」
とやりたいがために(?)寝不足でブログを書いた私です。
ほんとはこの回、午前十時の映画祭で丸々一回語ろうと思ってたんですけどね。
あっさり変更(´ー`)
やっぱり嬉しいものですよ、自分のとこで上映した作品が賞を獲るとかって。
めったにないんだからちょっとくらい自慢させてくださいよ!
来月にはアメリカで第93回アカデミー賞の授賞式がありますね。
こちらも楽しみ♪
中劇で上映予定の作品もノミネートされているのでワクワクしてます!
→上映はだいぶ先ですが(^_^;)
そういった楽しみも待っている春です!
次回は、いよいよ再開する「午前十時の映画祭」について書きますよ(*‘∀‘)
暖かくなってきただけでなく、
なんだか楽しみも一気に増えてきたような気がする嬉しい季節。
まだまだ不自由なことも多い状況ですが、
そのなかでもなるべく楽しみを見つけて、
ゆるーく気持ちを解放させながら過ごしていきたいですね。
遠くには行けないですが、ときどき映画館もうまく使って気晴らししてください♪


★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/

2021年3月1日月曜日

パリ?ロンドン?こんなときだからこそ欧州旅行へ出かけましょう♪

こんにちは。
「少しずつ陽も長くなってきたし、
どことなく春っぽい日差しー(´ー`)」
なんてかわいい女子みたいなセリフを吐いてみたところで(いや、かわいい女子だけど!)、
外に出ればまだまだガリッと冷たい風に、なんなら雪も舞いだして苦笑い。
といういつもの3月を迎えた盛岡です。

もうすぐ春。
遠くにほんのり灯りが見えてきたみたいなこの時期にぴったりな大人の映画、公開です。
「パリの調香師 しあわせの香りを探して
(C) LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINEMA
〝調香師”とは、香りを調合する仕事。
いわゆる香りのプロで、世界に数百人しかいないのにそのほとんどがフランスで修業して働いているそうです。
さすがフランス。
主人公は、ディオールの香水『ジャドール』をはじめとして世界中の数々の有名な香水を作って天才調香師といわれた女性・アンヌ。
数年前に仕事のプレッシャーと忙しさで突如、嗅覚障害になり地位も名誉も失った彼女は、
現在は役所などの地味な仕事だけを受けてひっそりと暮らしていたのですが、
そこにやってきたのはアンヌとは全く別の世界に住む崖っぷち運転手ギヨーム。
気難しい調香師と、不器用で人の良い運転手
価値観も性格も全く違う二人だけど、
ぶつかりながらも、少しずつアンヌの閉じていた心は開かれ、
ギヨームは自分でも知らなかった才能に気付いていくー。
この映画、ほんとよかった!!!
何がいいって、全体を包む空気感ですよ。
静かで、大きな動きは無いのに常にゆったりと何かが流れている感じ。
基本は都会のお話なんだけど、ときどき草っぱらや洞窟なんかも出てきて飽きないし、
主人公アンヌの暮らしぶりやファッションはひたすら洗練されておしゃれでカッコイイ!
それに対して運転手ギヨームの、ついつい吹き出してしまうほど残念な毎日の対比がユーモアたっぷりで楽しいし、
本来なら出会うはずのない二人の噛み合わない会話や、
それでもお互いに新しい自分を発見していく過程が温かくて楽しい。
そして一番のキモは、この作品が安易に恋愛に舵を切らないこと。
私はそのあたりの作り方、テーマの置き方がとにかく好きでした。
プライドの高いきちんとした大人のキャリアウーマンと、
うだつのあがらない、けれどユーモアがあって人の良い運転手。
こんなパターンの登場人物の場合、
たいていはしばらくすると恋愛に発展していくのが定番なんですが、
さすが一筋縄ではいかないので有名なフランス映画。
恋とか愛だけじゃない。
人生って、ほんのちょっとのさじ加減で面白くなったり豊かになったりする。
それが調香師の仕事と重なって、これまたおしゃれ~!!!
だからといって〝友情”とかの暑苦しい感情でもない。
そんなおおげさな話じゃなくたって、
人の暮らしや誰かの人生は、
何かの拍子の小さな出会いやほんのささいな出来事で、
ちょっとだけ何かが変わって、
だけどそれがすごく大きな変化だったりする。
ちっちゃなことで少しだけどこかが動けば、
もしかしたらすっごく楽しくなったりハッピーになったりする。
素敵な出会いは人生を変えるよ、
自分も変えるし、他人も変えるよ。
そんな当たり前のことに気付かせてくれる映画でした。
男とか女とかそんなものはとりあえずそのへんに置いておいて、
シンプルに一緒にいて気持ちのいい〝友人”って必要だよね、と思える。
〝親友”とかじゃなく、そこまで深く付き合ってはいないくらいの〝友人”のほうが核心を突いた意見を言ってきたりする。
そういう関係も悪くないよね。
それになんだか、そのほうが〝大人”〝おしゃれ”な感じがしません?
この感じ、なんだっけ???と思ったら、そうだ。
大好きな映画「ドライビング Miss デイジー」の感じだ!
前にもここで書いたような気がするんですが、
高校生のとき高総体の開会式をサボって(コラ)、
親友が大好きなケビン・コスナーの新作があるってんで「リベンジ」って映画を中劇に観に来て、
そしたら二本立てですって言われて、
じゃあせっかくだから観るか!ってなって観たのが「ドライビングMiss デイジー」
白人の老夫人と、黒人の運転手のお話。
気に入って、次の週末もまた親友と二人で観に来たくらい。
メインのケビン・コスナーのやつがまたイチャイチャ満載のよくわかんないアクション?ドンパチ関係の?疲れる映画で、
ついでに観た「ドライビングMiss デイジー」がめちゃくちゃよかったってオチなんですけど。
そりゃあそうですよね、アカデミー賞獲ったんだから(*'ω'*)
高校生なので、アカデミー賞よりもミーハー優先のお年頃だったのでした(;'∀')
って、そんな話はどうでもいいですね。
「パリの調香師」はとにかくそんな名作を思い出すような、
洗練されたユーモアに包まれた、上質の大人の人間ドラマだなあってことでした。
そして私が気に入ったのはそれだけでなく、
調香師の仕事がペットのトイレや洗剤、シャンプー、ジュースに至るまで多岐にわたるものであることにも興味深かったし、
ギヨームと離婚調停中の妻との身も凍るような温度差に震えたり(!)、
年頃の娘との微妙な空気感がくすぐったかったり、
(C) LES FILMS VELVET - FRANCE 3 CINEMA
そしてさりげなく登場するカジュアルなんだけど絶対に美味しいはずのレストランのお食事とか、
「マダム」と呼ばれてカブせ気味に「独身よ!」とピシャリと返すアンヌの絶妙な間とかも、
なんかとにかく映画の中のすべてが心地よく洗練されていて、
観ていて気持ちがいいのです。
主人公のアンヌを演じたエマニュエル・ドゥヴォスの存在がまた別格。
キャリアを重ねた、凛としためちゃくちゃカッコイイ女性調香師アンヌを演じていますが、
シンプルなのに上質でさりげなくおしゃれな洋服たちを着こなし、
気難しくてプライドが高いだけではなくて、
子どもの頃の思い出を夢中になって語りだすようなかわいらしい一面を持った女性をナチュラルに演じていてとてもチャーミング。
こんな大人の女性になりたいなあと思いながら観ていました。
そしてディオールの撮影協力はもちろんのこと、
エルメスの専属調香師が監修しただけでなく、
アンヌ役のエマニュエルが撮影前にその研究所で自分のフレグランスを作ってみたりと
細部までホンモノにこだわって作られた素敵な作品。
特殊な才能を持つ特別な人が主人公の話ではありますが、
誰の身にも起こりえる〝人生の化学反応”がテーマ。
「人生を豊かにする調合は一つじゃない」というキャッチコピー通り、
出会うはずの無い人と知り合って、
それまで関わりのなかった世界を知ることで自分の世界が広く大きく変わっていく、
そんななにげない、でもとても刺激的でワクワクする出来事に触れて変化を楽しむ二人の姿にものすごく共感してしまう爽やかな映画です。
公式サイトhttps://parfums-movie.com/


さてさてそして、3月5日から公開予定だった「ドラえもん」がコロナのせいでまたもや延期。
去年の今頃と同じで、
「上映する作品、なくなっちゃったじゃん(;゚Д゚)!!」
「ドラえもん」などの大型ロードショー系作品は、
一日中ガンガン回すこと前提でスケジュールに入っているため、
他の作品を事前に予定に入れられないので、
急に公開が延期とかになるとスケジュールが空白になってしまうんですよね(;´Д`)
去年のコロナによる上映延期の空白期間は『ナショナルシアターライブ』『午前十時の映画祭』に助けられたという話をつい先日もしたばかりでしたが。
・・・・・・・・・。
「今年もナショナルシアターライブにお世話になります( `ー´)ノ!!!!!」
いや、そもそもほんとに「春くらいにやりましょう」という話にはなってたんですよ!
「ドラえもん」が落ち着いた春休み開けあたりならいいかも・・・♪
ってことになってたんですけどね。
・・・・・・・・「ドラえもん」飛んじゃって、また空白!
なので、急遽そこに入れさせてもらうことになりました(;'∀')
ありがとうございます!!
いつもすみません!!
ちょっと急で、お知らせがちゃんとできなかったのが残念なんですが。
でもでも今回はすごいですよ!
5作品連続上映!
もうだいぶ長いこと上映させてもらってる「ナショナルシアターライブ」ですが、
今まで中劇で上映していなかったものだけを選びました!
でもお客様からのリクエストも多かったものばかり。
海外旅行はもちろんのこと「気軽に東京に舞台を観に行く」なんてこともしにくい今だからこそ、
「近所の映画館で本場イギリスの舞台を観られる」
というのはとても嬉しいことですね。
こういった作品は、あとでDVD借りて観よう~♪なんてこともできないので、
やはりチャンスがあったら劇場で観てしまわないと、
もう二度と観られないかもしれない!
この機会を逃さず、ちょっと気になったらぜひ観に来てください!
敷居が高いイメージがありますが、思っていたよりもずっと面白くて、
新しい世界が開かれますよ(*‘∀‘)/

3月5日~11日「戦火の馬」
(C)Brinkhoff & Mogenburg
こちらはスティーヴン・スピルバーグ監督が感動し、映画化したことで有名な舞台で、
見事に馬の存在感を表現したパペットの動きを余すことなくとらえたカメラワークは新たな表現手法を発明したとも賞賛され、 
オリヴィエ賞、イヴニング・スタンダード賞、批評家サークル賞を受賞し、
タイムズ紙の<10年間の最優秀劇場公演>に選ばれ、世界で大きな反響を呼びました。
主人公が幼少時から愛し育てた馬が軍馬として徴用されたことから、
数奇な運命をたどることに。
果たして二人は再会できるのか?

3月12日~18日「フォリーズ」
(C)Johan Persson 
1971年にブロードウェイで初演され、トニー賞最優秀楽曲賞に輝いたスティーヴン・ソンドハイム作詞作曲のミュージカルで、
日本でもお馴染みの題材をイギリスの名優たちが演じます。
取り壊しになるレヴュー劇場に集った往年のスターたちの姿を、
現実と回想を交錯させながら描く。
ドミニク・クック演出のもと、イメルダ・スタウントンやジャニー・ディー、トレイシー・ベネット、フィリップ・クワストら豪華ベテラン勢が集結。

3月19日~25日「リア王」
(C)Johan Persson 
シェイクスピアの四大悲劇の一つ。
退位にあたり3人の娘の愛情を試した老王リアだったが、
長女と次女に裏切られ、国を追われてしまう――。
名優イアン・マッケランが圧倒的な演技力と存在感で老王リアが辿る悲しい末路を体現する。
演出を手掛けるのは堤真一主演の『民衆の敵』など日本でも活躍するジョナサン・マンビィ

3月26日~4月1日「誰もいない国」
(C)Johan Persson 
ノーベル文学賞に輝いた劇作家ハロルド・ピンターの1975 年初演作。
過去の背景や現在の関係性、力関係の分からない男たちの会話劇で、 
イギリスの宝 ともいうべき名優イアン・マッケランパトリック・スチュワートが競演。
ある夏の午後、パブで飲んでいた年老いた作家ハーストとスプーナーは酒が進むにつれ会話が誇張され、事実と空想の境が分からなくなっていく。
やがてパワーゲームと化した彼らのやり取りは、
二人の若者の登場でより複雑になっていく――。
え、まって!この二人どっかで・・・!?
って、そう!「X-MEN」じゃん。。。(*´▽`*)!!
プロフェッサーX!そしてマグニートー!!
しかも、これの次は・・・↓

4月2日~8日「シラノ・ド・ベルジュラック」
(C)Marc Brenner
大きな鼻のコンプレックスに悩みつつ、一人の女性を胸中で恋い慕い続けたシラノの物語は、1897年に初演されて以降、世界各地で上演が繰り返され、何度となく映画化・ミュージカル化もされている。
その名作中の名作が、今回、マーティン・クリンプによって現代語訳された上演台本と気鋭の演出家ジェイミー・ロイドによるミニマルなステージングによって、装いも新たに生まれ変わった。
主演は映画「X-MEN」シリーズで知られるジェームズ・マカヴォイ!!
2020年ローレンス・オリヴィエ賞でリバイバル賞を受賞!そのほか、主演男優賞(マカヴォイ)・助演女優賞(ミシェール・オースティン)・音響デザイン賞・演出賞にもノミネートされた。
え、もうX-MEN祭り!?最高ですね(*‘∀‘)♪

って、なんかなにげにすごくないですか!?
これは全部観ないと!!
「戦火の馬」は、映画好きの皆様ならスピルバーグの映画版はきっと観てると思いますが、
そもそもはイギリスの児童文学なので、
やっぱりここはひとつイギリスの舞台作品で観ておきたいもの。
「フォリーズ」は華やかなショービジネスの世界のお話なので舞台装置は必見だし、
昔のショーガールたちと現在の彼女たちの姿の対比も、
実はそんなに大きな事件が起こるわけでもないわちゃわちゃ劇だってところも面白いし、
演劇ってほんとに役者の演技にかかっているんだなあと実感する作品。
「リア王」については説明の必要もないくらい演劇の世界では定番中の定番。
なだけに難しいと言われる演目。
でもでも今回はなんと英国演劇界が誇るまさに大俳優イアン・マッケランが演じるリア王。
観ないわけにはいかないでしょう!
これは凄いなあ!
シェイクスピアはよくわかんない、って方も、観ておいたほうがいい舞台ですよ!
そして「誰もいない国」
これもすごい!!イアン・マッケランパトリック・スチュアートの演技対決が観られるなんて贅沢すぎる!
さらに「シラノ・ド・ベルジュラック」はなんとジェームズ・マカヴォイ
ありがとう。大好物の英国男子をぶちこんでくれてほんとにありがとう!(誰に言ってる?)
もうこれは、ジェームズ・マカヴォイを見てください。
なんていうかなあ・・・・・・カッコいい・・・( *´艸`)
ただひたすらに。
え、こんなんで観たくなるかって?
なるでしょ、そりゃあ。イケメンは万国共通の平和のためのツールです♪

というわけで、おすすめばかりの英国本格舞台の特集です。
一般3,000円、学生2500円の特別料金なので、
全部はなかなかねえ・・・(^_^;)ということもありますが、
実際に舞台を観ようとしたら、1本観るんでもかなりの高額。
気軽に映画館で体験できて、しかも絶対に観ておいたほうがいいものばかりなので、
ぜひこの機会に、イギリスの本物の舞台を経験してみてください!
公式サイトhttps://www.ntlive.jp/


首都圏の緊急事態宣言も解除の方向に向かっているようですが、
だったら「ドラえもん」予定通り上映できたじゃーーーーん(;゚Д゚)!!
という心の声は封印して、
我々は粛々と大きな大きな大人の事情に身をゆだねつつ春を待ちます。
→いろいろあるよねー!
そんなこんなで雪が多くて大変だった今年の冬と、
結局1年以上もコロナに振り回されて旅行どころかイベントも飲み会さえも気の向くままに参加することもできなくてきっとストレスを感じているはずの心を、
映画館でちょっとだけ開放して気持ちだけ旅行させてあげてみませんか?
中劇では今、フランス(「パリの調香師」)とイギリス(「赤い靴」「ナショナルシアターライブ」)に行けますよ♪
南部興行さんでも世界各地の映画を上映。
イタリア、ミャンマー(!!)、ポーランド(!?)、デンマーク、イスラエルと面白そうな作品たちが続々上映!
いいですねえ(*‘∀‘)
安心して海外旅行できるまでにはまだちょっとかかりそうなので、
みなさんも、映画館でのんびり外国の風を感じてリフレッシュしませんか?


★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/