2023年5月31日水曜日

めちゃくちゃ良かった!!「ライオン少年」

こんにちは。
5月末だってさ!
今、ほんとうにそのことが信じられず、しばらくカレンダーを凝視してしまいました。
5月の記憶が全く無い・・・・・・。
いや、正確に言えば、5月あたまの推しとのデート(→ライブ参戦の意味)以降の記憶が無い。
というか、そのあとのことはただひたすら無になって❝息をしてご飯食べて仕事して仕方なく日々の生活をこなしていただけ❞とでも言いましょうか。
ふだんの暮らしなんか、もうどうでもいい。(問題発言)
次のデート(ライブ参戦)まではまたこのしょうもなくてくだらない私の日々を淡々とこなすのみ。
あー・・・・がんばろう・・・・(遠い目)

あ、私のプライベートのことなんかどうでもいいですね。
映画の話で気を取り直しましょう!
怒涛の新作ラッシュでてんやわんやの中劇ですが、
私はとりあえずなんでもちゃんと自分の目で観てから感想も文句も(?)言いたいタイプのヲタクなので、がんばって観てます( `ー´)ノ
まずは26日から上映が始まった
「ライオン少年~雄獅少年」
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(C) TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
めっちゃ良かったーーーー!!!!
こちらは、中国で空前の大ヒット、21年度公開作品の映画満足度ランキング第一位!!
中国の無形文化財である「獅子舞」のバトルをテーマにした、熱くて眩しくて誰もが共感する青春映画。
これ、始まってすぐから圧倒されます。
なんか・・・・・・・すごくね( ゚Д゚)!?
ちょっとゴメンなさい、中国アニメ、なめてました・・・!!!
いや、聞いてはいましたよ、世界に誇るジャパニメーションも、今や韓国・中国の才能や製作会社の手を借りていること。
そして国全体の経済発展が日本より遅れたために、中国や韓国のカルチャーとしての漫画やアニメが、今まさにインターネットの普及とともにものすごいスピードで発展を遂げていること。
でも時代が違いすぎて、技術や道具の進化のスピードが、日本が経済発展したときのスピードと全く違うから、早さだけでなく発展の仕方も異次元。
今回の「ライオン少年」のクオリティだけで言っても、現在の中国アニメは「爆発的成長」を遂げたといえるし、さらに猛スピードで進化中といったところ。
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中国が、暗く厳しい時代を抜けて(完全にというわけではもちろんありませんが)経済発展を目指し、お金も能力も人員もすべてをかけてとにかく国力を挙げていこうと重い腰をあげたとき、わかりやすく手っ取り早いのはやはりエンタメなわけで(あくまで個人の見解です)。
すでに先進国の仲間入りを果たし芸能やカルチャーで独自の路線を切り拓いてた日本
そして中国より少し早めに経済発展を始め、いち早くITの発展に舵を切りエンタメも進化を進めた韓国に続いて、いよいよエンタメに力を入れ始めた中国
圧倒的な人口からの、問答無用の権力集中型のシステムで、いろんな才能を中央に集め、豊富な財力を惜しげもなく注ぎ込んで(もちろんものすごい人口による興行収入も見込んだうえで)、現在の技術をもって中国が本気を出せば、「爆発的成長」も当然だよな。。。
とは思いますけどね。
2009年に中国政府が文化産業振興計画を発表して以来、中国アニメ産業は著しい発展を遂げたわけなんですが、そこにはやはり、日本からの大きな影響が。
今、中国アニメ産業の主力となっているのは80年代、90年代生まれの人たち。
暗黒の毛沢東時代を終わらせ、今や世界第二位の経済大国となった現在の中国の礎を築いた、鄧小平(1980年代の中国の最高指導者)による『改革開放政策』により、
外国の商品や文化が流れ込むようになった1980年代の中国で、
多くの海外作品が中国に入り、子どもの頃から日本のアニメを見て育ってきた人たちが、アニメを制作する側に立ちたいと思うようになるのも自然なわけで、
そこに経済発展の手段としてエンタメに力を入れ始めた国の思惑も重なったということなんですね。
まあ、そうはいっても、ものすごいスピードでの技術や文化の発展と経済の発展の裏側には、ひずみが出てくるのもまた必然。
そこには、ほかの国とはスケールの全然違う格差社会が生まれ、
そしてまた改革開放政策から数十年たった現在ではそこからの副作用というかバタフライエフェクトのような良くも悪くもいろんな大きな影響があちこちに出てきて、
経済大国・中国の抱えるたくさんの課題となっているわけです。
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中国の大きな経済発展のもととなった『改革開放政策』ですが、
今回の映画「ライオン少年」を語るうえでは、
鄧小平が行ったもう一つの大きな施策『一人っ子政策』にも触れておかないといけません。
毛沢東時代に国力増強のため出産を奨励したこともあり人口が爆発的に増え、深刻な食糧難に陥った中国が始めた産児制限政策「一人っ子政策」
一人っ子宣言をすると、子供が14歳になるまで奨励金がもらえたり、優先的に保育園や学校に入れたり、学費が免除になったり、医療費が免除になったりと、国からさまざまな優遇策が受けられたのです。
それで人々はこぞって一人っ子宣言をしたんですが、
それは一時的な食糧難の解消や人口爆発の抑制になったものの、そこからの多大なる影響はまさに政策開始から数十年たった今、
日本とはくらべものにならないほどのスピードで進む高齢化や、一人っ子の子供が死んだり行方不明になることで(中国ではいまだにものすごい数の子供が行方不明になっています)一つの家庭に何人もの年寄りだけが残ったり、一人の子供の肩に両親だけでなく両方の祖父母の介護や経済的な問題がのしかかってくるという重すぎる負担として大問題になってきているわけです。
そもそも、中国では農村部と都市部で完全に戸籍が分けられていて自由に戸籍を移すことができないのはもちろんのこと、簡単に都市部に移住することもできないので、
中国の農村部では、私たちもよく中国の映画で見るような『両親が出稼ぎに行き農村部に祖父母と暮らす子供』という家族の形が当たり前になっているのです。
そしてまさにそれが、今回のこの映画「ライオン少年」の背景に色濃く浮かびあがる主人公のバックボーンになっているのでした。
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・・・・・って、またしても世界史大好き中国映画も大好きな私の一人語りが暴走気味ですが、この現代中国が抱える社会問題を、ごまかすことなく美化することもなく現実として描き出し、神話でもファンタジーでもないリアルな人間ドラマとして作っただけでなく、
誰もが心打たれる熱くて躍動感のある物語と圧倒的な技術で、
完全オリジナル脚本で超絶クオリティの青春ストーリーを完成させたことがとにかく凄いのです!!
ことに中国のアニメといえば、テーマはほとんどが中国の神話や伝説を題材としたものばかりだったので、この映画の登場と成功はまさに中国アニメの新時代の到来を意味すると言えます。
これからどんどんこういったスタイルの中国アニメが作られてくるでしょうね!
ヤバいですよ~!中国が本気出してアニメ作り出したら!!
もうこうなってくると、実写よりも自由なのかもしれない。
中国の芸能界ではいまだに外国籍排除の動きがあり、中国人であることや中国が製作する中国作品に出たいという意志を表明しないと中国映画に出演できないというような時代錯誤な政策を平気でやっちゃってますからね。
そちらのことについては前にも熱く語っているので今回は省略しますが、
もしも興味があったらこちらで↓↓
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さて、例によって前置きが長くなりすぎてなんの話だかわかんなくなってきちゃいましたが、やっと映画のストーリーにいきましょう。
この映画の主人公チュンは、田舎に暮らす貧しい少年。
出稼ぎに出ている両親とは、年に一度、春節(旧正月。中華圏で最も重要とされている祝祭日。)に会えればいいほう。
ある日、華麗な獅子舞バトルで屈強な男を倒した同じ名前の少女チュンから、立派な獅子頭を譲り受け、仲間を誘って獅子舞バトルに出場することを決意するー。
広東の街では獅子舞がごくごく日常の風景として存在します。
獅子舞無形文化財で、街ごとやさまざまなグループで獅子舞のチームがあり、一種の競技として大会も開催されているのです。
もうほんとにスポーツ。
地方によって造形も動きも全然違うらしいので、地区ごとに踊り方が違うさんさ踊りのような感じなのかなあと思ったのですがどうなんでしょう??
そして物語は、仲間集めや、厳しい特訓と背中合わせの楽しくキラキラした日々を描き、
青春映画の王道を突き進んで、やはり壁にぶちあたるわけです。
もう「スクールウォーズ」かよ!?
いや、「ウォータ-ボーイズ」か、それとも「ルーキーズ」!!??
熱いよ!そしてせつないよ!!
控えめに言って、日本人が大好きな青春映画です。
さらに言えば、なんならこれは明るく健全な「メイド・イン・ホンコン」(中劇でも上映した、私が大大大大好きな1997年製作の香港映画映画「メイド・イン・ホンコン」公式サイト (united-ent.com))。
映画が始まってすぐのころは野暮ったい田舎の少年だった主人公チュンが、
映画の終盤ではまさに「メイド・イン・ホンコン」の主人公を演じた当時のサム・リーそっくりのたくましくワイルドなイケメン青年に成長していることも私のヲタク心を大いに刺激した部分でもありました( *´艸`)
3Dアニメだろうがなんだろうが、とにかくアジア系のイケメンは大好物です♪
「メイド・イン・ホンコン」は大都会の片隅の貧困層、
「ライオン少年」は農村部の貧困層。
そこに大きな違いはあるものの、どちらも格差社会の中でもがき、抗えない渦に巻き込まれてしまう少年の姿を描いた作品。
なんでだろう、私はそういう作品がたまらなく好きなんだよなぁ・・・・!!!
え?共通点はイケメンだって?
・・・・そうだよ!イケメンは絶対条件だよ!当たり前でしょうが!
見てるだけで癒される~(´ー`)ってのが基本でしょ。
とにかく終盤、覚悟を決めてすっかり『男』の顔になっていくチュンにご注目。
カッコいいですよ~!!
エンディングも、さっさと立たずにちゃんとゆっくり見ていってくださいね。
いやぁ~・・・とにかく映像が綺麗とかそんなレベルじゃなくてひたすらスゲー!!!って感じだし、ワクワクして胸が締め付けられてたまに笑って最後泣ける、
しかもラストまでがっちりリアルで泣けました。
大団円でもなく、かといって不条理でもない、究極のリアルでした。
彼は今、どうしてるんだろう。
年に一度でも家族と会えてるかな?
仲間と、あのときの獅子舞バトルの話をしながら一杯やったりする日もあるのかな?
そんなふうに考えてしまうくらいにリアルなアニメ作品。
アニメの主人公が今、前を向いて歩いていることを心から願うというどうしようもなく究極のヲタクワールドの淵へと立ってしまった自分がいてざわざわします。
・・・・ダメ!!これ以上、沼は増やせない( ゚Д゚)!!!!
でも、これからの中国アニメから目が離せないってことだけはわかりました。
現代中国の現実や社会問題を浮き彫りにしながら、誰もが共感できる胸熱で爽快な青春ドラマを、最先端の超絶クオリティで完成させた大注目の中国アニメ。
みなさんも、ぜひ、ぜひ、観ておいてください!
観ておいて損は無い!!
っていうか観たほうが良い!!
ホロ苦い、じんわりとあたたかい青春の思い出とともに、
また今日からがんばろうと思える強さをもらえる映画です。
いやぁ~・・・・・しかしすごいな、中国。。。!!!
チラッと、予告だけでも見てみてください。
ほんと、マジで!!(↓↓↓)
公式サイト映画『雄獅少年/ライオン少年』公式サイト (gaga.ne.jp)
そして、「あれ?ちょっと気になる・・・!」って思ったらぜひ、スクリーンで観てください。
せつなさのなかに晴れ晴れとした爽快感の残る、素敵な映画です。


さて、気が付いたら「銀河鉄道の父」「WBC」、そして宮本信子(午前十時の映画祭にて「お葬式」上映中)は岩手にとてもゆかりのある女優さんと、
岩手県民、映画館へ通ってください月間(?)になっている中劇です。
そういえば、先日上映が終了した「すずめの戸締まり」も岩手に関わりのある映画でしたね。
やっぱり・・・・・・岩手、キテるなぁ・・・・!!!
街を歩いていても、観光客がかなり増えているのを実感しますよね。
まさか、ニューヨークタイムズ「2023年に行くべき52カ所」の一つとして紹介されるなんてね。
それまでは別になんとも思わなかった地元の当たり前の風景がそんなふうに評価されるとは驚きでしたけど、言われてみればそうだよなー・・・いい街だよねー・・・
などといきなり自己肯定感爆上がりでイキリ出した私です。
先日、法事でこちらに来ていた東京のいとこ家族(子供の頃、夏休みの間ずっと一緒にうちの実家で過ごした姉妹)にも、
「それで?どこでコーヒー飲みたいの?あ、迎えにいこうか?」
なんてイキったところ、あっさりと
「大丈夫、自分で歩けるよー。ていうか、子供の頃散歩するのが好きだったところが紹介されてたから、やっぱりねーと思った」と言われ、
そうか、よその人(30年以上も前、しかも子供)にはちゃんと見えていたんだな、すごいな!とさらに驚いた私でした。
いとこ姉妹ファミリーと一緒にわんこそばをやり、みんなで小岩井岩手公園なんかで遊んだ懐かしい写真を見たりして楽しく過ごしたのですが、
帰ってしまうとやっぱり寂しく、虚無状態からまだ抜けられずにいます。
次、いつ会えるかなぁ。。。。(/_;)
これも、歳ですかね。
気合を入れるため、もう一回「ライオン少年」観ようかな!!!
いや、その前に「憧れを超えた侍たち」を観ないとね!「お葬式」も観ておこう。
(→こちらは前回、紹介済み。https://moriokachugeki.blogspot.com/2023/05/wbc.html
あ、6月9日公開の「せかいのおきく」、こちらもスッゴク良かったですよーーー!!
(C) 2023 FANTASIA
今回、また語りすぎて長くなっちゃったので次回にしますが、
これも必見です。
こちらはまさにザ・日本映画らしい作りでありながら今までの日本映画にはなかった切り口の、王道でありながら斬新で新しい時代劇。
早く観てほしいーーーーー!!
映画好きの皆様、絶対に観賞スケジュールに入れておいてくださいね!!
あぁ・・・こんな映画を上映できる日が来るなんて!
私が、ウザいくらいに熱のこもった語りをする映画は、ガチでおすすめのやつなんで!
観るかどうか迷ったらブログでウザいかどうかをチェックして、
ウザかったら、観て間違いないですから参考にしてくださいね(?)


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/


2023年5月12日金曜日

賢治と女運び屋からの、WBCもやります!の巻。

こんにちは。
良い季節になりましたね!
仕事が終わって外に出て、ほんのり昼間のあたたかさが残るなか、
まだ空が明るいとなんだかそれだけで嬉しくなります。
そうして歩き始めると、遠くからSLの汽笛の音が聞こえたりして。
あれは、その日の運行を終えて盛岡に帰ってきたSL銀河が、「ただいま」という意味で盛岡の人々に聞こえるように汽笛を鳴らしていると聞きました。
これ、マジです。抽選に当たってSL銀河の機関庫の見学に行ったとき職員の方に聞いたのでガチです。(→とにかくいろんなところに出没するヲタクだなあということはとりあえず置いといてください)
まさに今、上映中の「銀河鉄道の父」にかけてるわけではないですが、
もうすぐ運行が終了してしまうSL銀河の汽笛の音が、夕焼けの中で細く強く響いてくると、
ちょっとだけ寂しいような、でも懐かしくあたたかい気持ちになります。
つい、家の方向じゃなくて繁華街の方に足が向いてしまいそう。
夜はこれからだあああっっっ(?)
・・・・・って、どうせ普通に家に帰るだけですけどね。
お酒は好きでも、もう今は飲みに出ることなんてほとんどありません。
若い頃は、大通りなんか自分の家の庭みたいなもんだったので(?)夜な夜な酔っぱらっては大通りを猛ダッシュしたり、
飲み屋ビルのトイレの前でうずくまるか、うずくまってる友人を介抱してるかどっちかみたいな日々だったんですけど。(良い子は真似しないでね。)
でももうそんな体力は皆無!!
とりあえず早く家に帰ってやることやって、もう寝るだけの状態にして、
推し活をしながらお酒を飲みたい。
それだけ。
歳って、こういうこと!!!
え?友達がいないだけだって?
・・・・・確かにそうだよ!!いないよ!友達!
昔は、あんなにいたのにね・・・・・・(´ー`)
夜の大通りを歩けば知り合いだらけでなかなか前に進めないくらいだったのに(?)
今ではもう、なじみの店もなくなって、顔見知りすらいなくなりました。
ほんと、どこいっちゃったんだろ、友達。
・・・・虚しいのでやめときましょう。
それもまた歳のせいにしておきましょうか。。。。


さて、5月です。
少し前にも書きましたが、中劇ってほんとに2スクリーンだよね!?
なのに、5月の公開作品が4本(毎週新作公開)からの、
6月の公開予定作品が9本って・・・・
え、午前十時の映画祭のほかに9本( ゚Д゚)!?
「マジすか( ゚Д゚)!!??」(→スタッフの声)
・・・・・できるの!!??(→スタッフの心の声)
の、まさにその時期がやってまいりました。
そしてそこでさらに、6月公開の新作がもう一本入ってくるという新事実。
スタッフ全員、笑うしかない。
今、全員でアハハ、ウフフと笑いながら踊ってます。
本日、情報解禁になったのはこちら。
6月2日~22日3週間限定上映
「憧れを超えた侍たち 世界一への記録」©2023「憧れを超えた侍たち」製作委員会
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are used with permission of World Baseball Classic, Inc.
この春、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ「2023WORLD BASEBALL CLASSIC」
2021年12月、栗山英樹氏が野球日本代表・侍ジャパン監督に就任してから、
2023年3月のWBC優勝までの軌跡を振り返る密着ドキュメンタリー映画です。
WBC、いやぁ~・・・・・・燃えましたよね!!
テレビ中継を観るためにとにかくさっさと仕事をすませて猛ダッシュで帰宅してたのは私だけではないはず。
世界一と言われる強さを持ちながら、この10年ほどは悔しい思いをしてきた侍JAPAN。
14年ぶりの世界一へ、史上最強のメンバーが集結。
なにより、岩手県民としては誇らしく嬉しすぎる大谷翔平佐々木朗希の競演でした。
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毎試合、ガチ応援で燃えたし、楽しかったし、どれも素晴らしい試合でした。
泣いたよねーーーーーー!!!
代表選手30人の選考会議から大会直前の宮崎合宿、大会中のベンチやロッカーでの様子、
そしてあの歓喜の瞬間まで完全密着。
タイトルは、あの大会を見てた方ならすぐわかりますよね。
アメリカとの決勝戦前に大谷選手がミーティングで仲間に言った
「今日だけは憧れるのはやめましょう」という言葉から。
あれはシビレたなーーー( `ー´)!!!
メジャーで活躍し実績を重ねてる人の口から出た言葉だからこその重みとリアリティ。
そもそも彼本人が日本中、いや、今や世界中の憧れなんですからね。
もうあのときすでに泣きそうになってた私です。
でもあのとき、なんか勝てるような気がしました。
誰かがスランプでも、誰かが怪我で出られなくなっても、
相手が憧れのメジャーリーグの選手ばかりでも、
なんだかあの言葉を聞いた時、優勝が見えたような気がしました。
この大会だけでなくやはりどんなときだって、
がっちりとみんなの心を掴むリーダーがいて、
まさに今!ってときに心が一つになるような強くなれるような言葉をかけてもらえると、
自分が持っている力を全て出せるような、それどころか持っている力の何倍もの強さを発揮できるような、そんな気がしますよね。
スポーツっていいな、かっこいいな。
男の子っていいな(?)
記憶にまだ新しいドキドキワクワクのあの熱狂の渦を、
映画館の大スクリーンで体感できるなんて最高ですね!
選手選考から大会まで、まるで自分もその輪の中にいるような気分で楽しみましょう!!
*特別興行につき均一料金*
一般:2200円均一 高校生以下:1100円
各種サービスデーや割引は適用されません。


それから忘れちゃいけない、大好評上映中のこちら。
「銀河鉄道の父」
(C) 2022「銀河鉄道の父」製作委員会
直木賞受賞作、待望の映画化。
岩手県民は絶対に観ておきたい作品です。
岩手県の郷土の偉人と言ったらのこの方。
没後90年となる今もなお、唯一無二の独特な作風で世界中から愛されている宮沢賢治
それほど詳しくはない私でもさすがに他県の人よりは知っていることも多いとは思いますが、その人となりまでは岩手県民でもあまり詳しくは知らないかも。
私も、「銀河鉄道の夜」(読むと毎回泣きます)や「注文の多い料理店」、学校で国語の時間に暗誦した「雨ニモ負ケズ」など、彼の有名な作品たちは知ってるし、
花巻の人であることとか盛岡高等農林(今の岩手大学農学部)に籍を置いていたこととか若くして亡くなってしまったことくらいまではわかるんですが。
宮沢賢治記念館にも行ったことあるし、童話村も好きだし、なんなら絵本も持ってるし。
でも、この映画を観てやっと、宮沢賢治という人間が私の頭の中で色を持って生き生きと動き出しました。
(C) 2022「銀河鉄道の父」製作委員会
国語の時間に読んで授業中に泣いた「永訣の朝」(妹トシが亡くなったときのことを詠んだ詩)も、溌溂としてキラキラと自発光している森七菜ちゃんが病に臥せっていく姿で見たらさらに辛くて号泣だったし、
賢治が妹トシのために書いた作品を病床のトシに読んであげるところも泣きっぱなしで大変でした。
今となっては岩手を代表する偉人となった宮沢賢治ですが、
この映画では、偉人になる前の普通の青年だった賢治とその家族の、
どこの家にもある親子の、どこにでもいる仲の良い兄妹の過ごした日々をつづったお話です。
とはいえ、わが道を行きすぎる超マイペースな賢治に、家族みんなが振り回されててんやわんや。
そのうえおじいちゃんはボケてきちゃうし、幸せな家族のもとにも病魔が忍び寄り・・・。
って、商業映画の2時間ちょっとの尺では足りるわけがない!
お話はテンポよく進むので観やすくて良いのですが、
あまりにも魅力的な家族にピッタリなキャスティングが素晴らしくて、
もっとじっくり賢治の学生時代のことや東京での生活、それからトシの青春時代も観たいし、遡ってお父さんや家族の人生まで気になってきちゃいました。
なんならこのメンバーでもっと前後編とか3部作でも観たいくらいにイメージ通りの、
これ以上ないってくらいに最高で、絶妙なキャスティングでした。
ふだんのしゃれおつイケメンオーラは完全に脱ぎ捨てた菅田将暉の、
田舎の夢見るお坊ちゃんからの朴訥で不器用でまっすぐな(だからこその不思議ちゃんでありストイックなマイペース人間でもある)宮沢賢治はドンピシャのハマリ役だし。
(C) 2022「銀河鉄道の父」製作委員会
頭の良さを滲ませながらのチャーミングなかわいらしさで、登場するたびスクリーンがキラキラと輝きだすようなまさにこの作品の「華」だった森七菜ちゃんも、強く賢く美しい自慢の妹感が最高だったし、
良い意味で都会的じゃない清潔感と素朴な美しさが岩手の娘っ子の役にピッタリすぎて彼女にトシの役をオファーした人に金一封差し上げたいくらいでした。
(C) 2022「銀河鉄道の父」製作委員会
そしてなんといっても役所広司
言うまでもなく、とにかく良い!!!
育児なんて当然、女がやるものという時代に、
仕事なんかほっぽりだして育児どころか子どもの看病も付きっきりで俺がやる!という元祖イクメンのお父さんを、
さすがの存在感であたたかくユーモラスに演じています。
(C) 2022「銀河鉄道の父」製作委員会
ついつい息子を甘やかしがちで、超マイペースな賢治に振り回されながらも子供を信じ、背中を押し続ける父・政次郎の姿に、こんな親でありたいと思った私でした。
私は、あんなに子供を信じて好きにやらせられるかな?
私ならこんなふうにひたすら子供を応援し背中を押してあげられるかな?
そんなことをぼんやりと考えながら、スクリーンのなかの家族を見守りました。
没後90年たった今もなお、世界中の人々の心に生き続ける宮沢賢治の素晴らしい作品たちは、本人の才能は当たり前のこととしても、それだけでなくこの強くあたたかい家族なくしては世に出ることもなかったのかもしれないですね。
宮沢賢治本人だけでなく、賢治に執筆をすすめた妹・トシも、賢治の代わりに家業を継いだ弟・清六も、そして賢治の作品をどうにかして世に出そうと奔走した父・政次郎も、
家族みんなで生み出した作品たちだったんだなと思いました。
郷土の偉人なんて言うと、それだけで身構えちゃって「あーはいはい、すごいですねえ」なんてなりがちですけど(私だけ!?)、
こうして映画としてスクリーンの中で生き生きと動き回り岩手の方言で話す賢治トシ政次郎さんを見ていると、まるで近所に住んでる知り合いみたいなものすごい親近感が湧いてきます。
そしてどんな人でもふるさとがあって家族がいて、それぞれに当たり前の悩みを抱えながらこの今の私たちと同じ空の下で育ち人生を過ごしていたんだなと思うと、
宮沢賢治という人間が前よりも身近に感じられて、今までよりさらに人としての興味もわきました。
私、実はたまたまですが少し前に、一関にある「石と賢治のミュージアム」に行ったんですよね。
賢治が晩年に技師を務めた「旧東北砕石工場」に併設された、理想郷の創造にまい進した賢治の心と生き方に触れるミュージアム。
コンパクトですが興味深く楽しめたし、採石場の見学もできてよかったんですけど。
やっぱり。
「映画、観てから行けばよかったーーーーーー(>_<)!!!」
いや、また行けばいいんですよね。
そこから花巻の宮沢賢治記念館童話村に寄って帰ってきましょうか。
なんか最近、大谷翔平佐々木朗希といい、ニューヨーク・タイムズ(NYT)が発表した「2023年に行くべき52カ所」に選ばれたことといい、
宮沢賢治という郷土の偉人をテーマにした映画を大きな配給会社がガチの豪華キャストで製作したことといい、
もうなんか「岩手、マジでキテんじゃね!!??」の気持ち。
岩手で生まれ育ったことをこんなに誇らしく思える日が来るなんて!!!(なんかあちこちから怒られそうですね。。。)
そんな気持ちで映画を観ながら、号泣で目を腫らして家路についた私でした。
とりあえず、みんな観ようよ!!!
子供も大人もおじいちゃんおばあちゃんも、みんなで楽しめる映画です。
方言がきつすぎて、子供には通訳が必要かもしれませんけどね(*´з`)
私はずっと祖母と一緒に暮らしていた昭和のバイリンガル(標準語と盛岡弁)なので大丈夫でしたけどね。
でも、そんなところもまたちゃんと作ってくれてるなあと嬉しくなった作品でした。
あ、地元が舞台ということでふだんよりはお客さんは来てくださっていますが、
中劇はいつも通りゆっくりお好きな席で観られますのでご安心ください。
観たあとすごく晴れやかな気持ちになる、笑って泣いて心あたたまる映画です。
ご家族やお友達を誘ってぜひ映画館でお楽しみくださいね。
公式サイトhttps://ginga-movie.com/


そして絶賛公開中「パーフェクト・ドライバー」
(C) 2022 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & M PICTURES. All Rights Reserved.
これ!!
すっごかったですよー!!
〝ワケアリ”な荷物を届ける特殊配送会社で、天才的なドライビングテクニックを持つ女運び屋・ウナがある日引き受けた依頼。
それは、海外への逃亡を図る賭博ブローカーとその息子ソウォンを港まで運ぶこと。
しかし思わぬトラブルにより、依頼人不在のままソウォンと300億ウォンが入った貸し金庫のカギを抱えて追われるハメに。。。
狭い路地裏も、片側5車線のでっかい道路も、立体駐車場でのカーチェイスも、
相手が銃を持っていようが、運転席の扉がブッ飛んでしまおうが、
顔色一つ変えずにクールに任務をこなす彼女ですが、
はからずも頼る人のいない少年としぶしぶ共に時間を過ごすうち、ちょっとずつ心境や行動が変わっていきます。
最初のうちずっと無表情だっただけに、心境が変わっていくその過程がグッとくるんですよね。
徐々にわかってくる彼女の過去や、敵はタチの悪いヤクザと思っていたらなんと警官だったりとか、そこに殺し屋から韓国の秘密警察である国家情報院まで巻き込んで怒涛の展開に。
しかし、今の韓国映画がすごいってことはここでも何度もしつこく語っていますけど、
ほんとにどんどん進化していて驚きます。
人材の育成や製作費はもちろんですが、一般道路を使って堂々と容赦なく大規模なカーアクションを撮影できるってこともまた、国全体からのバックアップがあるからにほかなりません。
日本ではまず無理。
日本ではそもそも一般道での撮影の許可を取るのがかなり難しいし、特例でOKをもらったところで条件や監視が厳しくて自由な撮影はまず絶望的。
韓国の、緊急時には戦車の通行や戦闘機の滑走路としても使うためにめちゃくちゃ広く取ってある片側何車線もある道路でのカーチェイスや本物の電車や線路を使ってのカーアクションはほんとに興奮します。
往年の、ジャッキー・チェン映画をめちゃくちゃお金をかけて今の最先端の技術を使って思いっきり撮ったカーアクションと言った感じ。
国がエンタメに惜しみなくお金をかけてるって、こういうことか!!と実感します。
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キャストもまた良い!!!
主人公である凄腕の女運び屋を演じたパク・ソダムと、彼女が運ぶ大事な(ヤバい)荷物として悪徳警官やヤクザから追われる少年を演じたチョン・ヒョンジュン
実はこの二人、なんとアジア映画としては初のカンヌ映画祭パルムドール(最高賞)と米アカデミー賞作品賞をダブル受賞した「パラサイト」で共演しているんですよね!
半地下に住む貧しい家の長女(パク・ソダム)が家庭教師として潜り込むお金持ちの家の子供(チョン・ヒョンジュン)でした。
「ああーーー!!あれか!!!」ってなりました??
これ、すごいのは、「パラサイト」で評価されたあと今回の「パーフェクト・ドライバー」が決まったわけではないってことなんです。
「パラサイト」の前に、二人が共演することが決まってたってことはつまり、それだけ注目度の高い二人だったってことなんですよね。
私、このパク・ソダム好きなんですよねえ!!
韓国の女優さんやアイドルはみんなおめめパッチリの超美人さんが多いですが、
そんななかこのパク・ソダムは切れ長の目にクールな表情の、まさにアジアンビューティ。
ヨッ!!一重瞼の星!!(はい、そうです。思いっきり一重瞼の私です)
自分がゴリゴリの一重瞼なだけに、昔からおめめぱっちりの美人さんより切れ長のクールビューティに憧れる私。
韓国の女優さんでも、超絶美形のイ・ヨンエよりもどこか韓国っぽさの残る顔立ちのシム・ウナチョン・ジヒョン「猟奇的な彼女」)が好きでした。
チョン・ジヒョンなんか、切り抜きを部屋に貼って目標にしていたくらいです(?)
やっぱり、カッコイイ女性に憧れますよねえ~!
今回のパク・ソダム、ずっと無表情でカーアクションも泥臭い戦闘シーンもクールにこなしていますが、最後のキュートで優しい笑顔をお楽しみに。
ギャップにやられるって、こういうことーーー!!!!
観終わったあと、なんかちょっと髪の色をこの映画の中のパク・ソダムみたいに青く染めたくなったり、メイクも真似しようとネット検索しちゃった、何でもすぐ影響受けちゃう私でした。
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手に汗握るゴリゴリのカーアクションは「ワイルドスピード」「TAXI」「トランスポーター」あたりが好きな人には絶対おすすめだし、
都会に生きる孤独な大人と、寂しい子供との心の交流みたいな設定は、名作「タクシードライバー」や私も大好きな「レオン」とかにも通じる、心震わす人間ドラマでもありました。
ちなみにこの「パーフェクト・ドライバー」に出てくる悪徳警官は、まさに「レオン」ゲイリー・オールドマンを彷彿とさせる、マジでムカつくクソ警官でした。
演技がうまいってことなんですけど、いやぁ~しかしムカついた!!ここ必見です!!
そして韓国映画を語るとき、私がいつもしつこく言っているのは、韓国という国が抱えるシビアな現実からくる圧倒的なリアリティ。
どんなエンタメ作品やアクションやコメディ作品だったとしても、
もともとは同じ民族で地続きでも、いつ戦争が始まってもおかしくない隣国・北朝鮮の存在や、そこに対してのリアルな実践を想定せざるをえない兵役の義務、
そして急激な経済発展によるものすごい格差社会など、
そういった社会情勢政治状況を織り込んでただのエンタメで終わらせない骨太な作品を生み出してくるのがすごい。
そんなつもりで作ってはいなかったとしても、当たり前にある大前提として国が抱えるそういったものが、作品のなかにどうしてもにじみ出てくるものなんだろうと思います。
それが、今回のこの「パーフェクト・ドライバー」というエンタメ作品にも深みを持たせて、ただのアクション映画では終わらない、ちょっと心のどこかに引っかかる作品にしているような気がします。
でも、基本はやはり、ドカーン!バキーン!ゴゴゴゴ!!キュルキュル!!ドゴォォーーン!!!な没入型アクションエンタメなので、難しいことは置いといて頭を空っぽにしても楽しめる映画です。
ハラハラドキドキして、スッキリして、あー面白かった!!
で、全然OK!!
嫌なことあった人も、ゴールデンウィーク明けの休みボケがまだ治らない人も、
全てを忘れてストレス発散できるので、気になってる方は迷わず観に来てくださいね!


さて、今回も大長編になってしまいました。
毎晩、確実に寝落ちしてしまう私は、いけるときにいっとかないと、またいつブログ更新できるかわかりませんからね。
やれるときにやっちゃいます( `ー´)ノ
暑くもなく寒くもなく過ごしやすいこの時期は、
ゴールデンウィークから夏休みまでの狭間のほんのひととき、
実はどこの映画館でもイイ感じの映画がぎゅうぎゅうに詰め込まれる、
映画マニアが小躍りする(走り回る)大人映画月間なんです。(→私が勝手に言ってるだけですけど)
お散歩だけでも気持ちがいいのに、観たい映画もたくさんで、ほんとに大好きな季節です。
映画ヲタクのみなさーん!!
お待たせしましたーーーー!!!
映画館通り、あちこちハシゴしてくださーい!!!
・・・・たまにでいいから中劇にも来てね。


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/