こんにちは。
5月末だってさ!
今、ほんとうにそのことが信じられず、しばらくカレンダーを凝視してしまいました。
5月の記憶が全く無い・・・・・・。
いや、正確に言えば、5月あたまの推しとのデート(→ライブ参戦の意味)以降の記憶が無い。
というか、そのあとのことはただひたすら無になって❝息をしてご飯食べて仕事して仕方なく日々の生活をこなしていただけ❞とでも言いましょうか。
ふだんの暮らしなんか、もうどうでもいい。(問題発言)
次のデート(ライブ参戦)まではまたこのしょうもなくてくだらない私の日々を淡々とこなすのみ。
あー・・・・がんばろう・・・・(遠い目)
あ、私のプライベートのことなんかどうでもいいですね。
映画の話で気を取り直しましょう!
怒涛の新作ラッシュでてんやわんやの中劇ですが、
私はとりあえずなんでもちゃんと自分の目で観てから感想も文句も(?)言いたいタイプのヲタクなので、がんばって観てます( `ー´)ノ
まずは26日から上映が始まった
「ライオン少年~雄獅少年」
(C) BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD
(C) TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
めっちゃ良かったーーーー!!!!
こちらは、中国で空前の大ヒット、21年度公開作品の映画満足度ランキング第一位!!
中国の無形文化財である「獅子舞」のバトルをテーマにした、熱くて眩しくて誰もが共感する青春映画。
これ、始まってすぐから圧倒されます。
なんか・・・・・・・すごくね( ゚Д゚)!?
ちょっとゴメンなさい、中国アニメ、なめてました・・・!!!
いや、聞いてはいましたよ、世界に誇るジャパニメーションも、今や韓国・中国の才能や製作会社の手を借りていること。
そして国全体の経済発展が日本より遅れたために、中国や韓国のカルチャーとしての漫画やアニメが、今まさにインターネットの普及とともにものすごいスピードで発展を遂げていること。
でも時代が違いすぎて、技術や道具の進化のスピードが、日本が経済発展したときのスピードと全く違うから、早さだけでなく発展の仕方も異次元。
今回の「ライオン少年」のクオリティだけで言っても、現在の中国アニメは「爆発的成長」を遂げたといえるし、さらに猛スピードで進化中といったところ。
(C) BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD
(C) TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
中国が、暗く厳しい時代を抜けて(完全にというわけではもちろんありませんが)経済発展を目指し、お金も能力も人員もすべてをかけてとにかく国力を挙げていこうと重い腰をあげたとき、わかりやすく手っ取り早いのはやはりエンタメなわけで(あくまで個人の見解です)。
すでに先進国の仲間入りを果たし芸能やカルチャーで独自の路線を切り拓いてた日本、
そして中国より少し早めに経済発展を始め、いち早くITの発展に舵を切りエンタメも進化を進めた韓国に続いて、いよいよエンタメに力を入れ始めた中国。
圧倒的な人口からの、問答無用の権力集中型のシステムで、いろんな才能を中央に集め、豊富な財力を惜しげもなく注ぎ込んで(もちろんものすごい人口による興行収入も見込んだうえで)、現在の技術をもって中国が本気を出せば、「爆発的成長」も当然だよな。。。
とは思いますけどね。
2009年に中国政府が文化産業振興計画を発表して以来、中国アニメ産業は著しい発展を遂げたわけなんですが、そこにはやはり、日本からの大きな影響が。
2009年に中国政府が文化産業振興計画を発表して以来、中国アニメ産業は著しい発展を遂げたわけなんですが、そこにはやはり、日本からの大きな影響が。
今、中国アニメ産業の主力となっているのは80年代、90年代生まれの人たち。
暗黒の毛沢東時代を終わらせ、今や世界第二位の経済大国となった現在の中国の礎を築いた、鄧小平(1980年代の中国の最高指導者)による『改革開放政策』により、
外国の商品や文化が流れ込むようになった1980年代の中国で、
多くの海外作品が中国に入り、子どもの頃から日本のアニメを見て育ってきた人たちが、アニメを制作する側に立ちたいと思うようになるのも自然なわけで、
そこに経済発展の手段としてエンタメに力を入れ始めた国の思惑も重なったということなんですね。
まあ、そうはいっても、ものすごいスピードでの技術や文化の発展と経済の発展の裏側には、ひずみが出てくるのもまた必然。
そこには、ほかの国とはスケールの全然違う格差社会が生まれ、
そしてまた改革開放政策から数十年たった現在ではそこからの副作用というかバタフライエフェクトのような良くも悪くもいろんな大きな影響があちこちに出てきて、
経済大国・中国の抱えるたくさんの課題となっているわけです。
(C) BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD
(C) TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
中国の大きな経済発展のもととなった『改革開放政策』ですが、
今回の映画「ライオン少年」を語るうえでは、
鄧小平が行ったもう一つの大きな施策『一人っ子政策』にも触れておかないといけません。
毛沢東時代に国力増強のため出産を奨励したこともあり人口が爆発的に増え、深刻な食糧難に陥った中国が始めた産児制限政策が「一人っ子政策」。
一人っ子宣言をすると、子供が14歳になるまで奨励金がもらえたり、優先的に保育園や学校に入れたり、学費が免除になったり、医療費が免除になったりと、国からさまざまな優遇策が受けられたのです。
それで人々はこぞって一人っ子宣言をしたんですが、
それは一時的な食糧難の解消や人口爆発の抑制になったものの、そこからの多大なる影響はまさに政策開始から数十年たった今、
日本とはくらべものにならないほどのスピードで進む高齢化や、一人っ子の子供が死んだり行方不明になることで(中国ではいまだにものすごい数の子供が行方不明になっています)一つの家庭に何人もの年寄りだけが残ったり、一人の子供の肩に両親だけでなく両方の祖父母の介護や経済的な問題がのしかかってくるという重すぎる負担として大問題になってきているわけです。
そもそも、中国では農村部と都市部で完全に戸籍が分けられていて自由に戸籍を移すことができないのはもちろんのこと、簡単に都市部に移住することもできないので、
中国の農村部では、私たちもよく中国の映画で見るような『両親が出稼ぎに行き農村部に祖父母と暮らす子供』という家族の形が当たり前になっているのです。
そしてまさにそれが、今回のこの映画「ライオン少年」の背景に色濃く浮かびあがる主人公のバックボーンになっているのでした。
(C) BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD
(C) TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
・・・・・って、またしても世界史大好き、中国映画も大好きな私の一人語りが暴走気味ですが、この現代中国が抱える社会問題を、ごまかすことなく美化することもなく現実として描き出し、神話でもファンタジーでもないリアルな人間ドラマとして作っただけでなく、
誰もが心打たれる熱くて躍動感のある物語と圧倒的な技術で、
完全オリジナル脚本で超絶クオリティの青春ストーリーを完成させたことがとにかく凄いのです!!
ことに中国のアニメといえば、テーマはほとんどが中国の神話や伝説を題材としたものばかりだったので、この映画の登場と成功はまさに中国アニメの新時代の到来を意味すると言えます。
これからどんどんこういったスタイルの中国アニメが作られてくるでしょうね!
ヤバいですよ~!中国が本気出してアニメ作り出したら!!
もうこうなってくると、実写よりも自由なのかもしれない。
中国の芸能界ではいまだに外国籍排除の動きがあり、中国人であることや中国が製作する中国作品に出たいという意志を表明しないと中国映画に出演できないというような時代錯誤な政策を平気でやっちゃってますからね。
そちらのことについては前にも熱く語っているので今回は省略しますが、
もしも興味があったらこちらで↓↓
(C) BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD
(C) TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
この映画の主人公チュンは、田舎に暮らす貧しい少年。
さて、気が付いたら「銀河鉄道の父」、「WBC」、そして宮本信子(午前十時の映画祭にて「お葬式」上映中)は岩手にとてもゆかりのある女優さんと、
出稼ぎに出ている両親とは、年に一度、春節(旧正月。中華圏で最も重要とされている祝祭日。)に会えればいいほう。
ある日、華麗な獅子舞バトルで屈強な男を倒した同じ名前の少女チュンから、立派な獅子頭を譲り受け、仲間を誘って獅子舞バトルに出場することを決意するー。
広東の街では獅子舞がごくごく日常の風景として存在します。
獅子舞は無形文化財で、街ごとやさまざまなグループで獅子舞のチームがあり、一種の競技として大会も開催されているのです。
もうほんとにスポーツ。
地方によって造形も動きも全然違うらしいので、地区ごとに踊り方が違うさんさ踊りのような感じなのかなあと思ったのですがどうなんでしょう??
そして物語は、仲間集めや、厳しい特訓と背中合わせの楽しくキラキラした日々を描き、
青春映画の王道を突き進んで、やはり壁にぶちあたるわけです。
もう「スクールウォーズ」かよ!?
いや、「ウォータ-ボーイズ」か、それとも「ルーキーズ」!!??
熱いよ!そしてせつないよ!!
控えめに言って、日本人が大好きな青春映画です。
さらに言えば、なんならこれは明るく健全な「メイド・イン・ホンコン」(中劇でも上映した、私が大大大大好きな1997年製作の香港映画映画「メイド・イン・ホンコン」公式サイト (united-ent.com))。
映画が始まってすぐのころは野暮ったい田舎の少年だった主人公チュンが、
映画の終盤ではまさに「メイド・イン・ホンコン」の主人公を演じた当時のサム・リーそっくりのたくましくワイルドなイケメン青年に成長していることも私のヲタク心を大いに刺激した部分でもありました( *´艸`)
3Dアニメだろうがなんだろうが、とにかくアジア系のイケメンは大好物です♪
「メイド・イン・ホンコン」は大都会の片隅の貧困層、
「ライオン少年」は農村部の貧困層。
そこに大きな違いはあるものの、どちらも格差社会の中でもがき、抗えない渦に巻き込まれてしまう少年の姿を描いた作品。
なんでだろう、私はそういう作品がたまらなく好きなんだよなぁ・・・・!!!
え?共通点はイケメンだって?
・・・・そうだよ!イケメンは絶対条件だよ!当たり前でしょうが!
見てるだけで癒される~(´ー`)ってのが基本でしょ。
とにかく終盤、覚悟を決めてすっかり『男』の顔になっていくチュンにご注目。
カッコいいですよ~!!
エンディングも、さっさと立たずにちゃんとゆっくり見ていってくださいね。
いやぁ~・・・とにかく映像が綺麗とかそんなレベルじゃなくてひたすらスゲー!!!って感じだし、ワクワクして胸が締め付けられてたまに笑って最後泣ける、
しかもラストまでがっちりリアルで泣けました。
大団円でもなく、かといって不条理でもない、究極のリアルでした。
彼は今、どうしてるんだろう。
年に一度でも家族と会えてるかな?
仲間と、あのときの獅子舞バトルの話をしながら一杯やったりする日もあるのかな?
そんなふうに考えてしまうくらいにリアルなアニメ作品。
アニメの主人公が今、前を向いて歩いていることを心から願うというどうしようもなく究極のヲタクワールドの淵へと立ってしまった自分がいてざわざわします。
・・・・ダメ!!これ以上、沼は増やせない( ゚Д゚)!!!!
でも、これからの中国アニメから目が離せないってことだけはわかりました。
現代中国の現実や社会問題を浮き彫りにしながら、誰もが共感できる胸熱で爽快な青春ドラマを、最先端の超絶クオリティで完成させた大注目の中国アニメ。
みなさんも、ぜひ、ぜひ、観ておいてください!
観ておいて損は無い!!
っていうか観たほうが良い!!
ホロ苦い、じんわりとあたたかい青春の思い出とともに、
また今日からがんばろうと思える強さをもらえる映画です。
いやぁ~・・・・・しかしすごいな、中国。。。!!!
チラッと、予告だけでも見てみてください。
ほんと、マジで!!(↓↓↓)
せつなさのなかに晴れ晴れとした爽快感の残る、素敵な映画です。
さて、気が付いたら「銀河鉄道の父」、「WBC」、そして宮本信子(午前十時の映画祭にて「お葬式」上映中)は岩手にとてもゆかりのある女優さんと、
岩手県民、映画館へ通ってください月間(?)になっている中劇です。
そういえば、先日上映が終了した「すずめの戸締まり」も岩手に関わりのある映画でしたね。
やっぱり・・・・・・岩手、キテるなぁ・・・・!!!
街を歩いていても、観光客がかなり増えているのを実感しますよね。
まさか、ニューヨークタイムズに「2023年に行くべき52カ所」の一つとして紹介されるなんてね。
それまでは別になんとも思わなかった地元の当たり前の風景がそんなふうに評価されるとは驚きでしたけど、言われてみればそうだよなー・・・いい街だよねー・・・
などといきなり自己肯定感爆上がりでイキリ出した私です。
先日、法事でこちらに来ていた東京のいとこ家族(子供の頃、夏休みの間ずっと一緒にうちの実家で過ごした姉妹)にも、
「それで?どこでコーヒー飲みたいの?あ、迎えにいこうか?」
なんてイキったところ、あっさりと
「大丈夫、自分で歩けるよー。ていうか、子供の頃散歩するのが好きだったところが紹介されてたから、やっぱりねーと思った」と言われ、
そうか、よその人(30年以上も前、しかも子供)にはちゃんと見えていたんだな、すごいな!とさらに驚いた私でした。
いとこ姉妹ファミリーと一緒にわんこそばをやり、みんなで小岩井や岩手公園なんかで遊んだ懐かしい写真を見たりして楽しく過ごしたのですが、
帰ってしまうとやっぱり寂しく、虚無状態からまだ抜けられずにいます。
次、いつ会えるかなぁ。。。。(/_;)
これも、歳ですかね。
気合を入れるため、もう一回「ライオン少年」観ようかな!!!
いや、その前に「憧れを超えた侍たち」を観ないとね!「お葬式」も観ておこう。
(→こちらは前回、紹介済み。https://moriokachugeki.blogspot.com/2023/05/wbc.html)
あ、6月9日公開の「せかいのおきく」、こちらもスッゴク良かったですよーーー!!
(C) 2023 FANTASIA
今回、また語りすぎて長くなっちゃったので次回にしますが、
これも必見です。
こちらはまさにザ・日本映画らしい作りでありながら今までの日本映画にはなかった切り口の、王道でありながら斬新で新しい時代劇。
早く観てほしいーーーーー!!
映画好きの皆様、絶対に観賞スケジュールに入れておいてくださいね!!
あぁ・・・こんな映画を上映できる日が来るなんて!
私が、ウザいくらいに熱のこもった語りをする映画は、ガチでおすすめのやつなんで!
観るかどうか迷ったらブログでウザいかどうかをチェックして、
ウザかったら、観て間違いないですから参考にしてくださいね(?)
★中劇公式サイト http://www.chugeki.jp/