2021年3月24日水曜日

「ミッドナイトスワン」おめでとう!!!久しぶりに映画オタク全開の巻。

こんにちは。
陽射しも風もすっかり春らしくなってきましたね!
中劇では、ここ数年、中劇のビジュアル担当と平均年齢を格段に下げることを一手に担ってくれていたTちゃんが大学を卒業して地元に帰ってしまい、
いつものいぶし銀スタッフだけになってのんびり静かにおせんべいを食べる音だけが響く日々に戻ってしまいました。。。
孫が都会に帰ってしまった、田舎のおばあちゃんち状態。
春ですね(?)。
この時期いつもなら子供たちでロビーが賑やかなはずのドラえもんシーズン。
残念ながらドラえもんが延期になってしまったため、
「ライアー×ライアー」を観る若い女の子たちと、
「ナショナルシアターライブ」を観る先輩方という珍しい顔ぶれの中劇ロビーです。
客層が広がって嬉しいです♪

さてさてそんななかつい先日、日本アカデミー賞の発表がありましたね。
おめでとう!!!
「ミッドナイト・スワン」
(C) 2020 Midnight Swan Film Partners
やっぱりね!!!
いや、知ったかぶるわけじゃないんですけどね!
もちろん、中劇で上映した作品が日本アカデミー賞最優秀作品賞を獲ることなんてめったにないから騒いでるわけでもないんですけどね!(ほんとか?)
これはだって、すごかったじゃないですか!
最優秀主演男優賞草彅くんも、
新人俳優賞服部樹咲ちゃんも、
もちろん作品じたいもほんとによかったからみんな納得だと思うし、
しかもお金や忖度や大人の事情の匂いが全くしない、こういった中堅配給会社の作品が、
映画関係者は当然のこと、たくさんの観客が観てそして絶賛したという事実において、
文句なしの受賞だったのだなというのがこちらサイドまでちゃんと明らかであることが、
劇場関係者としては非常に嬉しいことだったのでした。
”快挙”とは、まさにこのこと。
同じように中堅配給会社の作品であった「フラガール」が大ヒット&日本アカデミー賞を受賞したので大騒ぎになったときのことを思い出しました。
あれがもう14年前!
まあ、大きな声じゃ言えないいろんな事情がありますけど、
そんなのはどこの国でもそうだろうということなので置いといて、
この「フラガール」日本アカデミー賞を受賞したあたりから、
日本映画界も少しずつですが変わってきたような気がしますね。
個性的な監督たちが作る新しい日本映画の作品たちが、
いわゆるサブカル的な魅力だけでなく幅広い客層を集めることのできるエンタメ作品としても面白く、
興行的にも文句なしに結果を出せるような空気になってきたのもこのころから。
結果や功績などに完全に左右されてしまい、すぐに数字で〝コケた”だのと騒がれてしまうメジャー系ロードショー作品だけでなく、
俳優側からみても、数字から逃げるわけではないのでしょうが、
最初から作品の質や製作陣への興味、やりがいなどのほうに舵を切って出演作品を選ぶ傾向も強くなりつつありますよね。
メジャー系作品に出るということの意味も価値も重々承知したうえで(先日、ドキュメンタリー番組でV6岡田くん「俳優さんたちがみんなサブカル方面に向かっていくなかでメジャー系の大作に出ていく役割」みたいな話をしていてすごく心に響きました。大きなリスクも背負ったうえであえて大きな看板を掲げる覚悟やその役割を担う意味を考えさせられました。)、
長くいろんなものに縛られ、大きな波の上にいることが重要視されてきた日本映画界もほんのちょっとずつですが何かが変わりつつあり、
日本アカデミー賞の主要部門を受賞する作品もメジャー系だけでなく中堅どころや新進気鋭のとんがったところのものも出てきているのは映画マニアとしても興味深く、そしてワクワクする部分でもあります。
それは日本に限らず、アジア映画として初の快挙となった「パラサイト」第92回アカデミー賞最優秀作品賞を受賞したことや、
メジャー系配給会社ではないA24スタジオ(「ムーンライト」「レディバード」「ミッドサマー」「ミナリ」etc...)の作品たちがアカデミー賞の常連になってきていることからも明らかなようにハリウッドでもそういった傾向があるし、
Netflixの作品がアカデミー賞に続々ノミネートされるようになったことからも、
何が起きてもおかしくない、いろんな常識も知識も実績も飛び越えて世の中が動きつつあるこの状況の中で、
世界の映画業界がまさに大きく変わり始めているような気がします。
・・・・・・で、なんでしたっけ?
そうだ、「ミッドナイトスワン」だ(*‘∀‘)
だからつまり今回のこの快挙は、日本の映画業界としても大きな動きだし、
誰もが唸る素晴らしい作品だったことは当然として、
あとになってから映画通の人たちがああだこうだとうんちくを語るだけのマニアックな受賞ではなく、
元からの草彅くんファンだけでなくいろんな世代のたくさんの人が劇場に足を運んできちんと興行的にもヒットしたうえでのこの規模の作品が日本アカデミー賞を受賞したことがほんとに素晴らしいことだなと改めて感慨深いです。
中劇でもロングラン上映&アンコール上映までした作品。
この作品をどうやって知ったんだろうというシニアの大先輩方から、
「え、SMAP知ってる??」てくらいの若い子たちまでほんとに幅広い層のお客さんがたくさん観に来てくださったことを我々劇場スタッフは実感していたので、
今回の受賞には心から納得です。
ほんとに嬉しい。
ここ数年、私がここでしつこく言ってきた甲斐があったというもの。
「中劇、なかなかやるじゃん!」
そう、今こそみなさんも堂々と言っていいんですよ( `ー´)ノ!
とうとう日本アカデミー賞獲っちゃいました♪
って、まるで自分の手柄のように言ってますけど、
まあうちは上映しただけなんですけどね(´ー`)
DVDの発売も決定したようなので、
中劇で上映したときの私の激重&激長&めんどくさヲタクブログを置いておきますね。
念のため(は?)。
そして今回の日本アカデミー賞のノミネート作品の中には、
ほかにも中劇で上映した作品がいくつか。
最優秀アニメーション作品賞「鬼滅の刃」は、でしょうね!しか出ないですが、
河瀬直美監督の「朝が来た」最優秀監督賞最優秀主演女優賞にノミネートされていたのは嬉しかったですね!
そういえば少し前に、WOWOWの映画特集の番組に河瀬直美監督や白石一彌監督が出演していたのを見たのですが、お二人ともすごく興味深いお話をしていましたよ。
東京オリンピックの公式記録映画の監督でもある河瀬監督が、
コロナの影響で延期になってしまったオリンピックの開催についてや自身の作品「朝が来た」について、
それから「鬼滅の刃」一強となった2020年の日本映画について包み隠さず思いを語っていましたし、
白石一彌監督は、コロナ禍のなかで撮影された「孤狼の血2」について、
それから映画業界や映画館への思い、それでも映画を撮り続けることの意味についてなど、
それぞれ自分の言葉で誠実に語っていて、みごたえがありました。
この番組ではその後もクリストファー・ノーラン監督へのインタビューや、
来月、授賞式が行われる第93回アカデミー賞に6部門でノミネートされた「ノマドランド」クロエ・ジャオ監督へのインタビューなど通好みの企画が続いて映画オタクの心を鷲掴みでした!おすすめです。
しかも今ではなんとWOWOWもスマホで観られるオンデマンドの時代だそうで。
すごいですね!
なんでもスマホ。
大きく変わったのは映画業界ではなく〝時代”ってこと?
まあそれでも私はさすがにスマホで映画は観ませんけどね。
・・・・ドラマだったら観ちゃうけど(*_*)
そんなわけで、今回は全然上映作品の宣伝ができていませんけど大丈夫でしょうか?
・・・・・・。

一応、チラッとおしらせだけはしておきましょうか(;'∀')
「鬼滅の刃」入場者プレゼントの配布が決定しました。
(C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
え、今!?
沢山の方に映画をご覧いただいた感謝を込めて、
来場御礼入場者特典として、3月27日からは「LINEスタンプ風シール」
4月3日からは「ufotable描き下ろしA6イラストカード2枚セット」をプレゼント。
どちらも先着ですからね!
絶対に欲しいという方はお早めに♪

そして現在、上映中の「ナショナルシアター・ライブ」は残すところあと2本。
英国が誇る名優二人の演技バトル(「X-MEN」対決)が楽しみすぎる
「誰もいない国」
(C)Johan Persson 

私のなかのとにかく鼻がおっきいジェラール・ドパルデュー(この方が主演の映画しか浮かばないのです)のシラノのイメージを英国イケメンで塗り変えたい
「シラノ・ド・ベルジュラック」
(C)Marc Brenner

みなさま、英国演劇の世界、お楽しみいただけてますかね?
あと2本ですよ。
この次はまたいつになるかわからないので、
この期間、午後に時間ができたらぜひ観に来てください!
イギリス好きの私としては毎日仕事中に、
上映中の劇場からキングズイングリッシュが聞こえてくるだけで(全然喋れないけど)、
劇中の休憩時間にロンドンの劇場の休憩時間の空気が感じられるだけで(行ったことないけど)、
幸せな気分になります♪
しかも私はもうイギリス男子が見たすぎて、
ロンドンの香りを感じたすぎて、
ロンドンが舞台しかもモリアティ教授(シャーロック・ホームズのライバル)がモデルのアニメまで熱心に見始めてしまいました。
全員イケメン♪毎回3回はおかわり♪
もう、時間が足りない足りない!
シャーロック・ホームズ関係は無条件で大好きな私ですが、
アニメでもやっぱり英国男子は素敵ですよ(*‘∀‘)→寝る気無し!

さて、待ちに待った緊急事態宣言の解除。
これで、今年こそはゴールデンウィークの定番「名探偵コナン」の新作と「クレヨンしんちゃん」の新作が予定通り公開できる♪
リバウンドで感染者増えなきゃですけどね(^_^;)
しかも、ミニシアター系の洋画はよく上映しているもののロードショー系の洋画とは最近なかなかご縁がなかった中劇ですが、
珍しく久しぶりにスッゴクいい感じの洋画が決定しました!!
5月7日公開のガイ・リッチー監督作品( `ー´)ノ
「ジェントルメン」
 (C) 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
「スナッチ」「シャーロック・ホームズ」などですっかりメジャー系監督の風格漂うガイ・リッチーですが、
私がとにかく大好きなのはこの監督の初期の作品「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」
映画も3回観たし(伏線の回収や細かい人間描写が絶妙で、何度も観たくなる脚本なんですよね!)、劇中のセリフも入っててめちゃくちゃクールなサントラCDはいまだにしょっちゅう聴いてるヘビロテです。
上映決定が嬉しすぎて、「ほんとにやれるの?」「間違いなんじゃないの?」と何度も確認してしまいました。
すっごくいいやつが決まりかけてて最後ポシャった時のガッカリ感ほどせつないものは無いですからね!(→中劇ではわりとよくある。)
とにかくこれは嬉しいニュースでした(*‘∀‘)♪
3月26日よりムビチケ発売です。


そんなわけで日本アカデミー賞の発表をうけて、
「これこれこれこれ!!うちの劇場で上映したのよー!うちだけで上映したんだけどね!えっへん( `ー´)ノ!」
とやりたいがために(?)寝不足でブログを書いた私です。
ほんとはこの回、午前十時の映画祭で丸々一回語ろうと思ってたんですけどね。
あっさり変更(´ー`)
やっぱり嬉しいものですよ、自分のとこで上映した作品が賞を獲るとかって。
めったにないんだからちょっとくらい自慢させてくださいよ!
来月にはアメリカで第93回アカデミー賞の授賞式がありますね。
こちらも楽しみ♪
中劇で上映予定の作品もノミネートされているのでワクワクしてます!
→上映はだいぶ先ですが(^_^;)
そういった楽しみも待っている春です!
次回は、いよいよ再開する「午前十時の映画祭」について書きますよ(*‘∀‘)
暖かくなってきただけでなく、
なんだか楽しみも一気に増えてきたような気がする嬉しい季節。
まだまだ不自由なことも多い状況ですが、
そのなかでもなるべく楽しみを見つけて、
ゆるーく気持ちを解放させながら過ごしていきたいですね。
遠くには行けないですが、ときどき映画館もうまく使って気晴らししてください♪


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