2020年7月9日木曜日

「WAVES」なんだかんだでおすすめですっ!!

こんにちは。
雨続きですねえ。。。
7月に入り、レジ袋も有料化。
つい最近、やっと世の中のキャッシュレスとやらの波によっこらしょと乗れたばかりだというのに、
今ではどこへ行くにもマスクして、
エコバッグも忘れずに、
そして傘。
あとはー・・・・、と、持ち物多くてめんどくさい!
短期間で、今まで当たり前だったことがどんどん変わっていきます。
頭も、フットワークも、そして荷物も、軽くないとやっていけませんね。
オバハンは、新しいことがなかなか受け入れられなくて四苦八苦。
スーパーのカードにお金をチャージしないまま列に並んでしまい、結局現金。
マスクは、せっかく洗ったのに干したまま家に忘れる。
エコバッグは、持ってきたのに車に忘れる。
家のアルコールは切れたまま買えてない。
・・・・・え、やる気ないよね、私(*□*;)!?
いかんいかん!
東京方面ではまた感染者が増えているようだし、
気を抜いてはいけません。
「コロナの終息する日」は、果たしてほんとにやってくるのだろうか?
と微妙に不安を持ちつつも、
私たちは今、やれることをやるだけですね。
はい、気合入れ直します!!

そんななか、映画業界はやっと新作公開のエンジンがかかってきたところ。
どこの配給会社さんも、どこの映画館も、
3か月以上も新作公開が止まっていたので映画が渋滞中。
ここからギュンギュンにエンジン全開で次から次と新作が飛び出してくるので、
みなさんもがんばって走って追いかけてくださいね!
中劇も、7月は毎週毎週、新作が公開になりますよ♪
まずは、当初4月10日から全国ロードショーの予定だったこちら。
「WAVES/ウェイブス」
(C) 2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
3か月遅れで7月10日から上映!!
こちらは、アカデミー作品賞を受賞して話題になった「ムーンライト」
ついこないだのコロナの自粛期間前まで中劇で上映して珍しく若者がたくさん観に来てくれた「ミッドサマー」をはじめ、
「ア・ゴースト・ストーリー」
「スイス・アーミーマン」
「レディ・バード」などなど、
ハリウッド映画とは一線を画し、
決して派手ではないけど独創的で個性的な良質の作品を次々と発表して世界中で注目を集める映画製作会社「A24」スタジオの新作。
監督は31歳のトレイ・エドワード・シュルツ
この方はもう、そもそも映画を作るために生まれてきたといっても過言ではないくらいの映画人。
子供の頃から映画製作をはじめ(!?)、
23歳という若さで奇才テレンス・マリックのアシスタントを務めていたという衝撃。
そして初めての長編「クリシャ」からA24スタジオの製作というミラクル。
それだけの実力があるということなんですが、
「持ってる人はガチで全部持ってるんだなあ!」という驚きしか出ませんね。
音楽が大好きだった学生時代、好きな曲を集めて「いつか何かに使えるかも」とプレイリストを作っていたそうで、
この「WAVES」は、そんな彼の集大成にして出世作となりました。
この映画の主人公はもはや〝音楽”といってもいいほどに、
脚本の最初の下書きから映画の最終版に至るまで、
登場人物の心情を描き出すだけでなく、
曲の歌詞がセリフの一部ともなるほどに楽曲が作品と密接に結びついた〝プレイリスト・ムービー”。
脚本にも、ことこまかに「このシーンの楽曲はこれ」と指示があり、
曲の歌詞も書き込まれていて、
そのイメージをスタッフと演者が共有できるようになっていたそうですよ。
年代や時代にこだわらず、気に入った音楽の中から物語に共鳴するような曲、
主人公の心情を表している曲を集め、
それを元に脚本を書いていったという、新しい形!
しかもその音楽は、斬新なカメラワークや息をのむほどの鮮やかな色彩、
そしてまるで自分の目の前で起こっているかのように感じてしまうほどの躍動感に包まれた映像と絶妙に組み合わさって、
オープニングから一気に作品のなかに引きこまれていきます。
ここはぜひ映画館で体感してほしいところ!
(C) 2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
さらに、主人公の感情や状況によって画面比が変わったり、
360°カメラを使ったり、
心の動きとクローズアップされる物がリンクするような演出、
そして場面のつなぎの巧妙さや、
決して自己主張しすぎないけれどさりげなく心をかき乱してくるスコア。
すべてが完璧に作用して、
観ているこちらはもう乗ってしまったジェットコースターが止まるまで待つしかないような状態。
でも、小手先で「どう?いい感じでしょ」と監督が自己満足しているようなナルシストなクリエーターにありがちのやつではなく、
ちょうどいい具合に気持ちよく波に乗ったままどんどん先へ進んでいく感じ。
うーん・・・上手く説明できなくて歯がゆいのですが、
私のようなちょっとひねくれた映画マニアでも、
「わかってる!わかってるけど気持ちいい!!」
と、悔しいけれど認めてしまう、そういう感じ。
・・・・・・伝わります(^_^;)??
伝わんなかったら・・・・・・・
観に来てください(*´з`)/
ウィリアムズ家の兄と妹を描いたこの物語は2つのパートに分かれており、
前半は、恵まれた家庭に育ち将来を嘱望された輝かしい人生を歩んでいる兄のお話。
後半は、その兄の影に隠れて目立たず地味に過ごしていた妹のお話。
その二つは、前半にさりげなく散りばめられた伏線というか話のタネたちと、
見事なカメラワークや手法により、
スピード感や話の流れを断ち切ることなくつながり、
そして自然に次のエピソードへと切り替わっていきます。
私が興奮したのは、この二部構成についての監督のコメント。
「ウォン・カーウァイの『恋する惑星』を観て、この映画を2つのパートに分けようと閃いたんだ!」
やっぱりーーーーーー!!!???
だよねーーーー(*'▽')!!!!!
だと思ったーー!!!!!
そう言って、ハイタッチしたいくらいに共感!
このブログでも何度も何度もしつこく語っているのですが、
私の映画人生の転機になったともいえる大好きな映画『恋する惑星』
その後、私が気になる映画監督たちは必ずと言っていいほど名前を出すウォン・カーウァイ
リスペクトしている監督は?とか、
影響された作品は?とかにウォン・カーウァイの名前を出してくる監督の映画は絶対に面白い!(ほぼほぼ。たいてい。→個人の意見ですが。)
なにしろ『ムーンライト』の監督バリー・ジェンキンス(40歳)がウォン・カーウァイ監督とその作品たちに多大なる影響を受けているというのは有名な話だし、
『ムーンライト』を観ていると「完全にウォン・カーウァイじゃんっっ!!!」というシーンや、
ウォン・カーウァイ作品にソックリなアングルとか独特のカメラワークがしょっちゅう出てきて、
私のようなマニアには「この人!絶対に『恋する惑星』好きだよね!?」とバレてしまいます。
この時期のウォン・カーウァイの作品は、
ウォン・カーウァイというちょっと(というかかなり)いかれた監督(→もちろん褒め言葉!)と、
クリストファー・ドイルというこれまたエキセントリックなカメラマンのコラボによる独特というか斬新すぎる映像が特徴」の作品のため、
撮り方をマネをするとすぐわかるのです。
案の定、某有名動画サイトには、『ムーンライト』ウォン・カーウァイ作品の類似シーンを比較する動画がありましたよ。
わかる!わかるよ~!
と手を取って語りたいくらいに、私と同様、かなり強火のウォン・カーウァイ好きな監督のようですね。
ちなみに『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』の監督グザヴィエ・ドラン(この方も31歳!)、
少し前に中劇で上映した「ロングデイズ・ジャーニー」の監督ビー・ガン(なんとこの方も32歳!)なんかも、
ウォン・カーウァイ作品から影響を受けたと公言しています。
それにしても、『恋する惑星』の公開は1994年。
もちろんここで紹介した監督たちはリアルタイムで観た世代ではありません。
それなのに、このところ珍しい自身のオリジナル脚本で注目される若き映像作家たちがこぞってウォン・カーウァイ作品に影響を受けたと言うのは偶然ではないような気がしますね。
時代がウォン・カーウァイに追いついた?
やっと?
遅すぎるやろ(゚Д゚)!!!
日本でもハリウッドでも、漫画や小説の実写化、そして続編と、
映像化するコンテンツがより「とにかくある程度のヒットを狙う」「経費や手間を省きスピーディに作る」みたいな方向に行きつつある現在、
あくまでもオリジナル脚本にこだわり、
自分で監督するという職人気質のクリエーターたちが、
低予算でももちろんオリジナル脚本、手持ちカメラでゲリラ撮影、
そして徹底的に自分の好きなように映画を作り、
タランティーノに絶賛されてアメリカでも上映されたこの映画『恋する惑星』ウォン・カーウァイを見つけないわけがないというもの。
こういうことがあるから、映画マニアはやめられない!!!
すっごい話題の映画を観て「これって、あの映画のあれだよね!?」
っていうのを、人から聞いたり記事で読んだりするのではなく、
自分で観ていて気が付いたとき!
しかも自分が大好きな映画へのオマージュであることに気が付いたときなどは、
アドレナリンがぶわーっと湧き出てくるのを感じます。
快感!!
真っ暗な映画館で一人、叫びたいくらいに喜んでしまいます。
・・・・あれ?それでなんだっけ?
「WAVES」でした(;'∀')
(C) 2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
そうそう、かなり脱線しましたけど「WAVES」
かなり注目の監督、
登場人物の感情と一体化する音楽、
様々な手法を駆使した独自の映像表現、
そして大好きな「恋する惑星」とのつながり(→ここはかなり個人的ですがわりと重要!)と、
みどころ満載なこの映画。
ほかにも気になるところはまだまだありますよ!
観ていてすごいなと思ったのは、
とにかく〝今”を切り取るリアリティと、
それが実際に目の前で起こっているかのような、
というよりまるで自分の身に起こった出来事かのように感じてしまうほどに生々しく的確で痛いくらいの臨場感に溢れた映像表現。
それは、監督自身の体験してきたことを反映させるのはもちろんのこと、
主人公のタイラーを演じたケルヴィン・ハリソン・Jr.や、
妹エミリー役のテイラー・ラッセル、そしてほかのキャストとも撮影前からとにかくことこまかに話し合いを続け、
それぞれの過去のこと、家族や恋人のことなどに耳を傾けてエピソードを引き出してそれを作品に反映させたことにより、
キャスト全員にとって半自伝的な内容になっていったからだと監督本人が語っています。
(C) 2019 A24 Distribution, LLC. All rights reserved.
いま現在の若者のカルチャーや、時代を象徴するような情景をバックに、
個性的で斬新な手法を巧みに使いつつも、
実はいつの時代も変わらない家族の確執や恋人との出会いや別れ、
誰もが経験する青春のきらめきや挫折を描き、
圧倒的な共感とともに鮮烈な痛みと切なさ、
そして明日への希望を残す、
若さゆえの一瞬のまばゆさに心が鷲掴みにされる作品。
・・・なんだか最終的に何が言いたいのかわからなくなってしまっていますが、
一言でいうと、「久しぶりにすごいの観たなあ」って感じ。
ちなみに、主人公のパパ役がスターリング・K・ブラウン(私がドハマリしていたアメリカのドラマ「THIS IS US」〈→これも面白いのでおすすめ!〉に出てる方)だったり、
クライマックスで流れるのがレディオヘッドだったり、
観ながらなんだかちょいちょい飛び上がって「うぉ~イッ!?」と言ってしまいそうになるくらいに私のツボだらけ。
きっと、このしょうもないブログを読んでくれている映画マニアの皆様のなかには激しく同意してくださる方も何人かいることと思いますので、
ぜひぜひスクリーンでご鑑賞くださいませ。
あ、でも、こんなマニアックなブログなんかキョトンだったとしても、
とにかく物語や映像、そして音楽に衝撃を受け、
その独特の世界観に酔いしれてシンプルにエンタメとして楽しめる作品なので、
ふだんあまり映画観ないよーとか、
某動画サイトばっかり見てるーみたいな方にも、
試しにちょっと観てみてほしいなあと思いました。
数か月振りの新作の洋画。
A24スタジオが贈る上質の人間ドラマです。
公式サイトhttps://www.phantom-film.com/waves-movie/

そして、来週公開のこちら。
「ハリエット」
(C) Universal Pictures
と思っていたのですが。
今回は存外、長くなっている!!
ていうかかなり長いっ!!!
「恋する惑星」について語りすぎ。
でも、気になる方は観てみてください♪
どれも最高( `ー´)ノですよ!
って、なんだかんだでごっちゃごちゃ。
これ以上長くなると、ナントカハラスメントで訴えられるかも(;´Д`)
なのでとりあえず「ハリエット」は来週公開なので来週に回します。
来週、書けるかなあ・・・(^_^;)
がんばります!!!
中劇、倫也くんの「水曜日が消えた」と、ジブリ。
ソーシャルディスタンス守り過ぎ!(つまりガラガラ)な状態でお待ちしておりますので、
ぜひぜひ劇場にお越しくださいね!!


★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/