2024年10月16日水曜日

「侍タイムスリッパー」超おススメ!!日本人で良かったと思った日。

こんにちは。
10月なかば。完全に秋ですね。
「そのうち持っていこう」と、春先からずっと玄関先に積まれていた冬物のアウターやらニットやら(さらについ先日まで着ていた夏物まで)をやっとクリーニングに持って行ったら(「今さら!?」とかのツッコミはすでに聞き飽きているので不要です)、
大量に溜め込みすぎて計7000円とかになって衝撃を受けた人がここにいます。
「たっか( ゚Д゚)!!!え、7000円あったら飲みに行けたじゃん!」
とか言ってる場合ではないので(半年放置だったので自業自得)出しましたけどね。
今度はそれをまだ取りに行ってないですけどね。
いよいよ寒くなってアウターが必要になったら慌てて取りに行くんでしょうね、ズボラな私のことだから。
・・・・なんか、秋ですね(?)


さて、現在、話題沸騰中!
「侍タイムスリッパー」です。
(C) 2024未来映画社
かなりホットな映画です。
連日、テレビなどでも取り上げられ、SNSでも大バズリ、
中劇にもたくさんのお客さんが来てくれています。
このブログを読んでくださっているような映画ヲタクのみなさんは、
もうとっくに観ているどころかすでに数回観てくれていたりするのかも。
ふだんあまり同じ映画を何度も観たりはしないという方も、何度も足を運んでくれていてビックリ。
私もやっと観ましたよ~!!
良かったですねぇ!!!
映画が始まってすぐ、「~でがんす」といったセリフでハッとした私。
東北訛りはやっぱり一気に親近感沸きますもんね!!
懐かしさと手作り感と、でも真ん中一本すっごく強い意志が通っていて、
時代劇映画への本気のリスペクトとオマージュと、
そして愛と情熱とギリギリのガチ感がぎゅぎゅっと詰まった、
熱くて爽快で、ものすごく気持ちの良い映画でした。
公開から2週目に入りましたが、当初の想定以上にたくさんの方に観ていただいていて嬉しい限り!!
こういった、スタッフも文句なしに「面白い!絶対たくさんの人に観てほしい!!」と言える映画がヒットしてくれると、ほんとに嬉しいんですよね。
商業映画って、やっぱり宣伝にかけるお金や、キャストとかスタッフのネームバリューに左右される部分も大きいので、
「すっごく面白いのにお客さんが来ない」とか、
「なんでこんな映画にこんなにお客さんが来るの」とか、
そういうことも多かったりするので、
この「侍タイムスリッパー」のように、お金はかかってないし豪華キャストでもないけどとにかく面白い、ひたすら作品の良さで大ヒット、とかしてくれると、
作り手、劇場、そして観客の気持ちが一つになったような気がして心が震えるんですよね。
そんなことってめったにないので!!
「そうなんだよ!!これが映画なんだよ!!やっぱいいよね、映画って!!」
っていろんな人とハイタッチしたくなる。
で、自慢じゃないけどこのところ中劇はそういう映画が続いていてとても嬉しいわけなんですよ。
「ルックバック」にしろ「侍タイムスリッパー」にしろ、公開当初は上映劇場もそれほど多くなくて(「侍タイムスリッパー」なんてたったの1館からのスタート!!そして今では250館以上に!!)、
口コミやSNSからどんどん広まり、全国的な大ヒットにつながった映画って、
本当に作品じたいが強いし、話題性が先走ってしまって敬遠する人も出てきてしまったりもするけどやっぱり映画館で観るべき作品だなあと思えるし、
なにより人にすすめたくなりますもんね。
映画ヲタク同士ならわりと気軽に「あれ観た?よかったよー観てみて~」とか言えるんですけど、自分のようなヲタクではないまともな一般人(?)の友人なんかに「絶対観て!面白いから!!」と自信持ってすすめられる映画って、実はあんまりなかったりするんですよ。
なんならそっちの方が難しい。
ヲタクは、たとえば観た映画が超つまらなくても、ほとんど寝てしまったとしても、
信じられないくらいのクソ映画だったとしても(口が悪いですね、スミマセン)、
あとでヲタク同士の映画談義のときにネタになるし(?)、
実際、超つまんなかった映画として自分のなかに残るのでオイシイんですよね(理解できます?)
実際、ヲタク同士だと「ねえあの映画、マジで超つまんなかったから観て!」なんていう意味のわからないすすめ方したりしますからね。
そしてそれをすすめられたほうのヲタクもまた「え、マジで!?そんなにつまんないなら逆に観たくなってきたわ」ってなる。
・・・・・バカでしょう!?まあ、どっちもバカなんでしょうね。
でもそんなクソ映画を、ふだんそんなに熱心に映画を観るタイプではない人にはすすめられないじゃないですか。
たまにしか観ないのにハズレだったなんて悲しいじゃないですか。
だからヲタク以外の人にすすめる映画って、難しいんですよ。
私にすすめられて久しぶりに足を運んだ映画館で観た映画が微妙だった、
なんて絶対に許せないんですよ!!
人にすすめるんだったら、ミーハーじゃなくてマニアックでもなくてちゃんと面白くて確実に満足できる映画じゃないとさ!!
・・・って、わかります?この感じ。
・・・・でもそんなの、なかなかないからね!!!
だけど今回は迷わずすすめました。
こんなメンドクセーこと言ってる私が、あちこちですすめてますよ。
「侍タイムスリッパー、面白いので観てください!!」ってね。
(C) 2024未来映画社
時代劇映画へのあふれ出るリスペクトと愛と情熱。
通帳残高7000円になってでも作るのを諦めなかった監督はもちろんですが、
いろんな人のたくさんの愛情がダダ洩れで、それだけで胸がいっぱいになります。
脚本が面白いからと特別協力してくれた東映京都撮影所
それから長いこと時代劇を作り続けてきた時代劇職人の方たちも格安で参加、
一人何役もこなしながら映画を作り続けたスタッフも、
そして大河ドラマや連続ドラマなどにもたくさん出演してきてものすごい経歴が並ぶ俳優陣でさえも経費削減のため新幹線ではなく自分で運転して京都まで撮影に向かい、
暑いなかみんなで「次はなんだっけ?」「弁当はいつ来るの?」と部活のようにワイワイと作ったこの自主映画が、面白くないわけないんです。
「東映京都にこの人あり」と言われた名物プロデューサーの『なんとかしたってぇな』の一言から、
これまで数々の時代劇で活躍してきた殺陣師・衣装係・床山・照明・そしてエキストラに至るまでガチの時代劇職人たちが、この脚本をどうしても映画にして世に出したいと言って集まり、
時代劇の撮影が無い7月8月(暑すぎるため)なら使ってもいいということでオープンセットを使わせてもらい全員が汗だくで作った、
それぞれの本気がぶつかりあって完成にたどりついた愛と情熱の自主映画。
もともとは坂東妻三郎が作り、時代とともに大事に使い継がれてきた東映京都撮影所の、時代劇の本物のオープンセットで、
長いこと本当の時代劇を作ってきた職人たちと俳優が本気で取り組んだ殺陣のシーンは圧巻です。
お金はなくても、絶対に譲れない芯の部分を支えたのが本物の職人たちであるということが、この映画がチープに見えない一番の要因なんですよね。
監督・脚本・照明・編集・・・一人で11役をこなし、本業である農作業の合間に取材を受けながら宣伝を行った安田淳一監督もじゅうぶんクレイジーなんですが、
助監督として現場を仕切りながら次の瞬間は女優として撮影に参加、撮影終了後は実のお母様と一緒に小道具や備品のメンテや管理・翌日の準備まで切り盛りしていた沙倉ゆうのさんが、あちこち走り回っててんてこ舞いの監督の代わりにそこそこ大きな金額を立て替えておいてくれたり(返してもらうか映画への出資にするかはあとで決めるというしっかり者エピソードもさすがです)、
この自主映画のために舞台やテレビの仕事をいくつか断ったという主演俳優も、
全国的な大ヒットのおかげで毎日あちこちからいろんなエピソードが流れてくるたびみんなちょっとクレイジーで笑えてきます。
(C) 2024未来映画社
映画ヲタクの学生サークルの自主映画作りみたいですね。
そういう人たち、大好き!!
何かに夢中になれるって最高ですよね!
終わらない夏休み状態。
その昔、後輩の学生バイトの子が自主映画を撮るっていうんで私の家を撮影に貸したことがあったんですけどね。
それを思い出して胸がギュウッとなりました。
あの日、撮影スタッフみんなで食べたカレーライス、おいしかったな。。。
あの時の学生の子たち、みんな元気ですかー!?
・・・などとノスタルジーに浸っている場合じゃありませんね。
(C) 2024未来映画社
それにしても、劇場でお客さんたちがゲラゲラ笑ってる映画なんて久しぶり!
私もつい声を出して笑っていました。
タイムスリップというある意味王道のSFでありながら、地に足の着いたベタベタな浪花節でもあり、
荒唐無稽なファンタジーでもありながら、妙なリアリティと現実味にあふれた人間くさい人情喜劇でもあり。
そこが、2時間越えでも全く飽きさせずに最後まで夢中で楽しめるこの映画の核なんですね。
家族みんなで観られて、わかりやすくて、楽しい娯楽。
昭和っぽいその雰囲気を求めてしまうのは私が昭和生まれだからなのかと思っていましたが、
どうやら平成生まれの若い人たちもちゃんと楽しんでくれているようで安心しました。
テレビをつけるとどこかで時代劇をやってた昭和の時代、しかも祖母と同居っていう子ども時代を過ごしてきた私には、
この映画のなかで劇中劇として作られる「ザ・時代劇」という形の時代劇が、
懐かしいやら心地いいやら。
起承転結勧善懲悪時代劇たちって、やっぱり見ていてスッキリするんですよね。
子どもの頃は、「なんだぁ、今日はナイターと時代劇しかやってないのかよ~」なんて文句を言ったりもしていたものですが、
たしかに時代劇って最近はテレビであんまり見られませんもんね。
だいぶ前にここでも書いたことがあるんですけど、
土曜日の変な時間に放送してた「三匹が斬る」役所広司が好きすぎて、役所広司にソックリな外部の先生(役所広司をちっちゃくして地味にして暗くしてくたびれた感じ。→もはや全く役所広司ではない)の追っかけをしたりしてた私ですからね。
仲のいい友達と「必殺仕事人」京本政樹がカッコいいと言ってはお互いの家に泊まって「必殺仕事人」の鑑賞会をしたりもしたし、
それから大河ドラマ年末時代劇のなかで好みのタイプのイケメンを発掘するのが趣味だった私でもありますからね。
坂上忍宮川一朗太なんかが出てた「白虎隊」なんてもうほぼ『幕末版イケメンパラダイス』だったので最高でした。これで沖田総司を演じてたイケメンが、しょこたん(中川翔子)のお父様(中川勝彦)だってことを知った時はビックリだったけど、
結局は「独眼竜政宗」で政宗の少年時代を演じていたイケメンが今までで一番のタイプでした。→心底どうでもいいですね。
・・・・って、結局イケメンの話になって脱線してしまう私ですけど、
今回の「侍タイムスリッパー」のメインの〝イケおじ”たちもめちゃくちゃカッコよかったですよ。
やはり、長年時代劇で活躍してきた役者さんたちは所作も身のこなしも間合いも完璧で美しい!
主演の山口馬木也さんも相手役の富家ノリマサさんも、「知ってるーーーー!!時代劇に絶対いるーーーー!!」ってほどの、誰でも必ず見たことがあるはずの時代劇俳優さん。
お二人の、幕末の朴訥な田舎侍と、往年の映画スターを彷彿とさせる大御所感。
どちらもすごい。
ラストはまるで黒澤明「用心棒」「椿三十郎」三船敏郎仲代達矢の決闘シーンみたいな緊張感!シビれましたね。
(C) 2024未来映画社
そしてなによりこの映画の魅力は、とにかくひたすら時代劇映画への愛と情熱にあふれていること。
映画時代劇を作る裏側が丁寧に描かれていることも、
〝日本の宝”とも言うべき時代劇、それから古き良き映画撮影のスタイルを語り継ぐ場所である撮影所がこうして正しい姿で裏側まで映像に残せることも、
そしてそういった映画が、本当に映画時代劇への愛に満ちた人たちの手だけできちんと作られてそれが評価されたくさんの人に支持されているというのが、
とても素敵で素晴らしいことだと思いました。
この映画を『懐かしく』感じ、『時代劇は後世に残さねばならない大事な日本の文化』だと強く思える自分を嬉しく、日本人であることを誇らしく思える映画でした。
観終わったあと、「やっぱり私は日本人なんだなぁ(昭和の。)」
「日本人で良かったなぁ(昭和生まれの。)」
と、しみじみ思った私でした。
この映画を観たら、絶対に最後のエンドクレジットまで全部見てください。
同じ名前があちこちに出てきて笑います。
もはやギャグ。
低コスト短期決戦の香港映画もビックリの八面六臂ぶり。
パンフレットも手作り感満載です。
監督自身が原稿を書き、農作業の合間に必死で完成させたパンフレット
昔の、1980年代の映画のパンフレットを彷彿とさせる、こちらもオーソドックスな懐かしい感じのパンフレットです。
1200円と、ほかの作品のものよりも少しお高めですが、それもまた自主映画のツライところ。
映画と監督の応援(推し活)のつもりで、購入していただけるとありがたいです。
撮影のときの裏話や愚痴や(!)トラブルのお話まで包み隠さず書いてあって、読み応えありますよ!
ぜひ読んでみてくださいね!


さて、今まさに全国的にめちゃくちゃ話題になっている映画「侍タイムスリッパー」を、ドンピシャなタイミングでフットワーク軽く上映できることになったくせに、
それを紹介しようというブログは2週遅れという相変わらずなズボラっぷりであちこちからツッコミが来そうな私ですがまあ仕方ない。
そういうのは全スルーで( `ー´)ノ
(→オバチャン化により無敵の最終形態へと進化)
この時期いつもお客さんが少なくて大苦戦するんですけど今年はこの「侍タイムスリッパー」のおかげでそこそこフロアが賑わってくれそうな予感なので、しばらく上映すると思います。
もっと若い人たちにも観てもらいたいしね!!
なので情報はちょっと遅れてしまいましたが、ここでいったん〝中の人”も自信持っておすすめする作品ということをアピールさせていただきました。
それに、体力的にももう無理しません。
歳も歳なので。
ブログ書こう!書かなきゃ!とは思うんですけどね。
すぐ意識失う(眠っちゃう)し、途中まで書いてあったことも忘れるし、そもそも腰が重すぎて休みの日にまで映画館に行くことじたいが億劫で観れてもないし!
何なら今日も雨なので、出るのやめちゃいました(*_*;)
X担当のNさんに怒られそう。。。
彼女は私とは全然違うタイプのアクティブなヲタクなので、休みの日もしょっちゅう大通りにいるし、遠方(県外も!!)にだってフットワーク軽く映画観るだけでも行けちゃう人なので、
私が「めんどくさくて観なかった」とか「雨だからやめた」とか言うと、
「(信じられない・・・・!理解不能!!)→心の声」みたいな顔をして「(心底軽蔑!!)」みたいな目で見るんですよね。
仕方ないじゃん、歳なんだから!!
ユーだってそのうち、一日何本も映画観るのとか遠くに映画観に行くのとかしんどくなる日がくるんだからな!!
と一応、負け犬の遠吠えで抗ってはいます。
でも彼女は彼女で「日本映画は観ません!!」とふだん豪語しているんですけど(→ゴジラは何回も観るくせに!)、今回は珍しく観る気になって、観たら気に入った様子の「侍タイムスリッパー」なので、
やはり中劇としては『スタッフおすすめ』作品になりますよね。
現在、いぶし銀の映画館スタッフだらけの中劇も迷わずおすすめできる映画をやれているのがほんとに嬉しい!
なので、ノーマークだった方もぜひ、観に来てみてほしいなと思います。
私も、すっかり外に出なくなり大好きだった映画も全然行かなくなってしまった母を誘ってもう一度観ようかなと思ってます。
みなさんも誰かを誘って観に来て、周りの方にもすすめてください!
絶対に楽しいので大丈夫!
秋にピッタリの、心が晴れやかになる、気持ちの良い映画です。
重い腰を上げて、映画館通りへいらっしゃい♪
「まずお前がな!!」というツッコミありがとうございます。)



★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/