2023年10月20日金曜日

勝手に音楽映画祭2023・秋。

こんにちは。
ほんの1か月ほど前は冷房つけてたのに、すでに部屋にはコタツ!
いつの間にかヒザやかかとは乾燥でカサカサ、指先もヒビ割れ!
郵便受けには年賀状のDM、テレビではクリスマスケーキのCM!
そして高松の池には白鳥がっ!
ヒィィィ!!!もう冬じゃんっ(゚Д゚;)
なんて言いながら、少し前から風呂上がりには発泡酒じゃなくてしっかり芋焼酎のお湯割りを飲んでるし、
制服の下にはもう〇アリズムじゃなくて〇ートテックを着こんでいた私です。
怖いっ!なんだかんだいっていつのまにかちゃんと時の流れに身をゆだねて冬に侵されてる自分が怖いっ!
我ながらこのさりげない冬への順応性に、盛岡っ子の血を感じずにはいられませんね。
さすが、一年の半分が冬の盛岡で、真冬に生まれた私です。
原油価格は上がり、物価も上がり、冬は野菜も高いので泣きっつらにハチ状態ですが、
中劇ではすでに年明けまでラッシュアワーの満員電車並みにいろんな映画がぎゅうぎゅうづめなので、誰でもきっと気になる映画の2本や3本は見つかるはず。
小さな楽しみを見つけながら今年の冬もめげずに乗り越えましょうね。

そして、やはり今年もやってまいりました。
中劇恒例、『勝手に音楽映画祭』(夏休みと冬休みの間の静かな時期に、単館系の作品が集中するだけ)の季節です!!!
・・・・・え?もちろん、私以外のスタッフは知りませんので、問い合わせはしないでくださいね。
だって私が勝手に「あー・・今年もなんか音楽映画、多いなぁ~」と思っただけなんで!
一人でぼんやりと「なんかもうこれ、ほぼ音楽映画祭じゃん」って思っただけなんで!
別に、音楽映画を集めようとしたわけじゃなくて、
今年はほんとに、マジで、とにかく上映作品が多すぎて確率的に音楽映画に当たったっていうのと、あと、〝たまたま”です。
はい、出たー!
中劇お約束の「たまたま」パターン。
上映が決まった作品のリストを眺めてたら、
「ハッ!今気づいたけどなんか音楽映画、多くね( ゚Д゚)!?」のやつ。
つまり棚ボタ。
いいじゃん、いいじゃん!
流れに身をまかせるのも悪くないよ。
とはいえ、「音楽映画祭」と詠うには、作品どうしの上映の時期がちょっと離れすぎているので微妙っちゃ微妙。
ざっくり、10月から12月にかけてみたいな。
そのつもりで集めてないので、同時期に集中上映みたいにはできていませんでした。
流れに身をまかせすぎ!そういうところだぞ!中劇!!
・・・・適当!!
まあ、イメージ的には「コンスタントに音楽映画、やってるね!」と思っててもらえればOKです(?)
なんのこっちゃですが、とにかく芸術の秋だし!
猛暑でもなく、大雪でもなく、出かけるにもちょうどいい季節だし。
盛岡の短い秋を楽しんでいきましょうよ!
まずは、今週末から公開「白鍵と黒鍵の間に」
Ⓒ 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
舞台は昭和63年の年の瀬。
はい、もう好きー!!!優勝ー!!
わが心の昭和。
私がこの小さな地方都市・盛岡で多感な思春期を過ごしていた昭和63年
バブル全盛期の大都市・東京のど真ん中、銀座で繰り広げられる、
一晩三年の物語。
タイトルの「白鍵」「黒鍵」は、つまりピアノ
主人公は、場末のキャバレーでピアノを弾くジャズピアニスト志望の青年・
そこに、裏と表のような関係で絡んでくる敏腕ピアニスト・
オープニング、真っ暗な場面で近づいてくる夜の街のざわざわとした喧騒と、
静かに響いてくる心地よいピアノの音に身をゆだねれば、
未来に夢を見る〝博”と、夢を見失っている〝南”
二人の人生が交わり連なり奏でる不思議な〝一夜”のジャズ・セッションにいつの間にか引き込まれます。
原作は、実際にジャズミュージシャンとして活躍中の「南博」さん(!)が書いた自伝作品で、自身がピアニストとしてキャバレーや高級クラブなどを渡り歩いた青春の日々を綴った小説。
ここでもうお察しだとは思いますが、こちら、実写映画化するにあたって面白いアレンジがされており。
小説の主人公は、原作者のお名前「南博」で書かれているのですが、
映画ではこれを〝南”〝博”という二人の人物に分け、
しかもそれが3年というタイムラインがメビウスの輪のようにつながる一晩の物語として立体的、かつエンタメ性を盛り込んで描かれることに。
この作りが秀逸!
一人の青年の青春譚だった原作が、二人の青年が交わり周囲の様々なエピソードとともにクルクルと回り始め、バブルの銀座をスピード感と躍動感で突っ走るアンダーグラウンドなエンタメに昇華させています。
この複雑な設定で、一人を二人に分けた主人公を演じているのは、
今かなり注目の俳優・池松壮亮
映画を中心に良作に出演を続ける、職人肌の若手俳優ですね。
数々の映画賞を受賞した「僕たちの家族」(中劇でもやりました!)、
「愛の渦」「宮本から君へ」などの話題作、
最近では「シン・仮面ライダー」まで毎年たくさんの映画に関わる、
まさに〝映画俳優”といった感じ。
私は、去年とおととし、NHKで放送されたドラマ『オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ』(脚本・演出&犬の役:オダギリジョー)が大好きで、録画したやつを何度も見返しているくらいなんですが、
それよりもやっぱりこの方の説明で忘れちゃいけないのは子役時代に出演した映画「ラスト・サムライ」
トム・クルーズ演じる主人公と心を通わす少年がいましたよね!?
あれが、この池松壮亮
当時、13歳だった彼も現在33歳になり、年間何本もの映画に主演する売れっ子俳優に。
大きくなったなぁ・・・・・!!(何様?)
どんな作品でも超~~~ナチュラルにその映画に入り込み、まさにその場に生きているかのように自然にその役になじんでしまう彼なので、
今回の難しい二役も佇まいだけでまるで違うキャラクターとして当たり前に〝そこにいて”
ストーリーを回していきます。
ピアノを猛練習して挑んだこの作品ですが、
売れっ子すぎてほかにも待機作の準備としてフィギュアスケートボクシングの練習を同時期にやっていたという超ハードな日々だったとか。
しかも、ただピアノを弾くだけでなくジャズ・ピアノ
その演奏シーンにも注目です。
ほかにも、安定の仲里依紗、いるだけでとにかくぞくっとするほど怖い森田剛
調子のいいバンマスがピッタリすぎる高橋和也、なんかイラつくヤクザの松尾貴史と、
一癖ある役者が集結。
映画初出演の気鋭のサックス奏者・松丸契と、歌手役のクリスタル・ケイも参加したゴージャスな演奏シーンも必見。
みんな本気出してます。
Ⓒ 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会

Ⓒ 2023 南博/小学館/「白鍵と黒鍵の間に」製作委員会
全編ピアノやジャズ音楽に彩られた作品なので、音楽好きやジャズ好きにはたまらない作品なのは当然なんですが、
そのまた中心になる重要なキーになるのが「ゴッドファーザー 愛のテーマ」だったりして、映画好きも思わずニヤリの映画です。
ジャズをモチーフにした映画と言われると、なんとなくおしとやかな大人な映画なのかなというイメージになりがちですが、この作品は全然違う!
ヤクザ同士の揉め事、カネと欲望が渦巻くバブル期の銀座の裏側、
ミュージシャンの理想と現実・・・・といったいくつかのエピソードをジャズのメロディがまとめ、予測不可能なラストにもつれこむ、
密度の濃い昭和の空気をまとった大人のエンターテインメント。
いまふうにスタイリッシュでおしゃれに仕上げたような作りではなく、
あえて昭和の日本映画の雰囲気を意識した懐かしさが漂う映画です。
これはぜひ映画館で、心地よいジャズの響きを体じゅうで浴びながら昭和の銀座に舞い降りた気分でお楽しみください。


11月3日公開「ふたりのマエストロ」
(C) 2022 VENDOME FILMS - ORANGE STUDIO - APOLLO FILMS
世界最高峰〈ミラノ・スカラ座〉からの音楽監督への就任依頼。
父が生涯をかけて掴んだオファーは息子あての誤報だったー。
・・・・って、ああもう絶対、間違いなく面白いやつ!
このところのフランス映画の質の良さといったら目を見張るものがあります。
少し前の、「フランス映画って暗くて重くて、結局意味がわからない」みたいなイメージの時期を越え、今はストレートに心に刺さる良質の人間ドラマを次々と発表しています。
あの歴史あるお洒落な街並みを背に、良質の人間ドラマを作られてしまったら、
もうどこも勝てませんよね!
今回も、〝パリの華やかなクラシック界で活躍するオーケストラ指揮者の親子”なんていう、
さりげなさとは無縁の、というかありえないレベルの設定なのに、
なぜか誰でも共感する「親子の不協和音」「お互いの気持ちに気付かずすれ違い傷つけあう親子」を絶妙に描き出して驚きのステージへ向かうという奇跡のドラマを生み出しました。
クラシックの名曲に彩られた感動作。
大きなスクリーンで、コンサートホールでオーケストラを聴いているような気分でお楽しみください!


11月17日公開
「マシュー・ボーン in CINEMA 眠れる森の美女」
(C) Illuminations and New Adventures Limited MMXXIII Photo by Johan Persson
出ました。
久しぶりに来ましたね、マシュー・ボーン
中劇では毎年恒例になっていた、大人気のバレエシリーズですが、このところはしばらくご無沙汰していました。
今、調べたところ、2年前の「赤い靴」が最後でした。
久しぶりに、大きなスクリーンでバレエが観られる!
嬉しいですねえ!
本物のバレエの公演はやはりちょっとなかなか手が出ないんですが、
映画館で観られるなら前のめりで観たい私です。
もともとは特にバレエが好きと言うわけでもないんですが、
このマシュー・ボーン in CINEMA でドハマり。
これまで中劇で上映したマシュー・ボーン作品はすべて観ました。
必ず現代風のアレンジが加えられているだけでなく、
バレエを一つのエンタメとして昇華させて華やかで躍動的な独特のステージを作り上げるところがすごい。
今回も、呪いにかけられ100年の眠りについたオーロラ姫の不滅の愛の物語が、
チャイコフスキーによるオリジナル版が発表された1890年から現代へと、歴史経過をたどりながら新たな傑作として生まれ変わりました。
これ、実は8年前に一度、中劇で上映しています。
私もそのとき観たのですが、めちゃくちゃ面白かったんですよ!
これ、宣伝とか営業とか抜きで、マジで!
ビックリしました。
なので、まさかまたスクリーンで観られるなんて嬉しいしかない!
今回は、2012年の初演から10周年を記念して、今年の1月にロンドンのサドラーズ・ウェルズ劇場(本場ロンドンでも有名な劇場。私も、ナショナルシアターライブマシュー・ボーンを観るようになって知りました。)で撮影された舞台。
実際の劇場のざわめきのなか、キャストの細かい表情や滴る汗まで見える特等席で、
現地ではなかなか手に入らないプレミアチケットのバレエ作品を堪能してください!


12月1日公開「コンサート・フォー・ジョージ」
(C) 2018 Oops Publishing, Limited Under exclusive license to Craft Recordings
ザ・ビートルズのメンバー、ジョージ・ハリスンの一周忌にジョージの妻オリヴィアエリック・クラプトンが中心となって開催したトリビュートコンサートを映像化。
今回は、ジョージ・ハリスンの生誕80周年記念で、
本コンサート開催から20年の時を経て、
オリヴィアと息子ダニーからのメッセージ映像が新たに追加され、
高音質リマスターで上映される劇場独占スペシャル版。
盟友エリック・クラプトンが主催し、
ポール・マッカートニーリンゴ・スターをはじめとした豪華アーティストが集結し、
敬愛するジョージのために披露した一夜限りのスペシャルコンサート。
ジョージへの愛があふれる最高のメンバーによる伝説の一夜に浸ってください。
公式サイトコンサート・フォー・ジョージ | culture-ville

とまあ、こんな感じでのんびり、ゆっくり、コンスタントに音楽映画を上映していきますので、芸術の秋、みなさんぜひ映画館で上質の音楽体験をしてくださいね!                   


先日、外回りの途中、ポタッと頭に冷たいものが。
え、雨??
と思った次の瞬間、私のすぐそばをバタバタッと鳥が飛んでいきまして。
「・・・・・・ハッ!まさか( ゚Д゚)!!!」
・・・・・まんまと鳥のフンが直撃しておりました・・・(/_;)
ブルー。超ブルー。
え、空はこんなに広いのに!
わざわざ私の頭にフンが命中することってある( ゚Д゚)!?
的、小さくね!?
ていうかもしかして射撃のプロ!?
だとしたら天才だね!!
いやもうなんていうか、ブルー通り越して黒。むしろ闇。
しかもそれ、午前中の出来事。
もう、最悪でしたね。
その日は帰りに映画観ようと思ってたけどやめましたもんね。
もうそんな気分じゃない。
ツイてるねえ!じゃないのよ。
宝くじ、買ってみれば!?でもないのよ。
もう、さっさと帰ってとにかくお風呂!
せっかく、久しぶりにたくさん映画観れてる月間だったのに!
この10月、中劇のはもちろんですけど、
フォーラムさんでは「BAD LANDS」「雑魚どもよ、大志を抱け!」を観たし、南部興行さんでも「遠いところ」を観ました!
すごくないですか??
腰が重いで有名なこの私が!
しかもぜーーーんぶ、良かった!!面白かった!!みんな当たりでした!
これぞ、秋の大人映画月間の醍醐味というもの。
楽しいですねぇ( *´艸`)
そしてまだまだ観たいのが私の前に列をなして順番待ちをしています。
映画館で8回目の「さらば、わが愛」を観たかったのに、体調不良で泣く泣く諦めたのが痛かったけど、
このあとは、まず推し事のため絶対に1週目に「おま罪」を観なきゃいけないし、アナログ」も観ないと。
それから南部興行さんには「オペレーション・フォーチュン」「ほつれる」「愛にイナズマ」も観にいくよー!
フー・・・中劇もぎゅうぎゅうづめで大変だけどね。
今日、ご紹介したもののほかにもミッチミチにスケジュールがつまっていてビックリです。
観るよ!観ますよちゃんと!
中劇も私も、このハードなスケジュールをどうやってこなしていくのか!
お楽しみに!!(予定、空けといてくださいね!)


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/