2021年5月14日金曜日

映画好き必見『ジェントルメン』

こんにちは。
徐々に日差しはあたたかく、風も心地よく良い季節になりましたね!
すぐにじめっとした梅雨の時期に入るので、
この気持ちのいい束の間の快適な時間をどうにか満喫しておきたいものです。
たかが一本映画を観るだけのつもりでも、
朝起きて雨が降っていると「・・・・・やーめた!!家から一歩も出ない!!」
ってなりがちな私。
みんなそうでしょ?
晴れてたら、映画観て、ごはん食べて、本屋行ったら100均寄ってスーパー寄って帰ろうかな~♪
って、考えるだけでも楽しいですよね(*‘∀‘)/
毎日ニュースは暗い話題ばかりですが、
映画館なんてマスクして、食べるも喋るもしないでみんな前を向いてスクリーンを見てるだけなんだから、
映画くらい観たっていいじゃないですか!
終わりの見えない状況ですが、
だからこそ無理をしすぎないようにうまく心も体も折り合いをつけながらウィルスに対抗していきたいものですね。

そんな嫌~な空気を蹴散らして、気分をスカッと晴れやかにしてくれたのが先週公開になった「ジェントルメン」
(C) 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
いや~・・・・・・とにかく気持ちいい!!
オープニングからクールすぎてゾクゾク、
ガイ・リッチーの初期の作品に戻ったようなロンドンアンダーグラウンドの雰囲気にワクワク、
「え、この人こんなかっこよかったっけ!?」って思わず凝視しちゃったくらい、大人の色気がダダ漏れのマシュー・マコノヒー
いかにもいやらしそうな下品な感じが昔の美青年時代とのギャップの高低差で耳がキーンとなりそうだったヒュー・グラント
見るからに超高級品と思われる上質なスーツを身に着けて上流階級の紳士に見せているけど
実はめちゃくちゃ怖いだろうなっていうオーラがハンパないチャーリー・ハナム
トラブルに巻き込まれて困り顔だけど、生意気な若造を一瞬で黙らせたうえに裏の仕事もきっちりこなす、かわいらしいチェックのトラックスーツを着たコリン・ファレルetc...
みーーーんなまとめて
『超ーーーーーかっこいいーーーーー(≧▽≦)!!!!』
久しぶりに最初から最後までドキドキワクワク、
楽しすぎてマスクの下の顔がニヤケっぱなし、
こちらの予想の斜め上をいくストーリー展開、
しょうもないけどきっとあとで見直せば絶対に「なるほど!」ってなるはずのせりふたち、
音楽やファッションや小道具、そして路地裏の風景までぬかりなくおしゃれな映像。
それらすべてが20年以上前のガイ・リッチー監督作品「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」1998年)を観たときと同じ感覚で、まるでそのころの自分に戻ったような気にさえなってそれもまた嬉しかった私です。
これを書いてる今、BGMはもちろん大好きなお気に入りのこのCD。

気分が上がります~♪
ガイ・リッチー監督は、それこそ「ロック、ストック~」の大成功によって大ブレイク。
その後は「スナッチ」「シャーロック・ホームズ」「アラジン」と名実ともにメジャー系でヒット作を作れる実力派監督となったわけですが、
そのあたりのメジャー系ヒット作ももちろん嫌いじゃないんですけど、
やっぱり映画マニアから見たガイ・リッチーといったら「ロック、ストック~」なわけで、
「ロック、ストック~」にはロンドンストリートの空気感とかリアルな疾走感とか、
人をばかにしたような緩さとソツの無い完璧なストーリーが絶妙なバランスで並走しているような心地よさとか、
そういうアンダーグラウンド感というかマニアックな楽しさというかこじんまりした内輪感というか、
なんといえばいいのか難しいのですがとにかくどちらかといえばメジャー系とは正反対のところにある非常―にセンスのいいマイノリティさがゆえのかっこよさがあったわけで。
そこに、カラッと明るいおしゃれさのあるアメリカ映画とは全く違ったイギリス映画の良さみたいなものがあるわけで。
決して気候のせいではないけれどちょっと影のあるというか一筋縄ではいかないめんどくささのあるおしゃれさが特徴のイギリス映画がとにかく面白いというのはやはり、
このガイ・リッチーももちろんのこと「トレインスポッティング」1996年)のダニー・ボイルとか「ウェルカム・トゥ・サラエボ」1997年)のマイケル・ウィンターボトムとかの面白いクリエイターたちが続々出てきた1990年代半ばあたりからだと思うのですが、
どの人もやはりメジャー系のお金のかかり方や作り方がほんのちょっとでも見えるとどうも良さが消えるとまでは言いませんが曇るというかじゃっかん濁るというか、そんな気がするんですよね。
当然これは私の個人的な意見ですが。
偉そうに語っちゃって申し訳ないですけどイギリス映画が好きすぎるための饒舌と思って許してください。
で、何が言いたいかっていうと、つまり、作ってるご本人たちにしてみれば当然、
製作費なんてなんぼあっても困らない、ていうかなんぼでも欲しいであろうということは理解したうえで言わせてもらいますが、
東の果ての小さな島国の単なる映画マニアからすると、
ガイ・リッチーダニー・ボイルマイケル・ウィンターボトムもみんな、
「イギリスの映画監督たちはお金があまりかかってない(あるいはただべらぼうにお金をかけてるようには見えない)作品のほうが面白い!!!」
と思うのです。
これは別に、「ブレイクする前のほうが好きだったー」とか言って知識をひけらかそうとかしてるわけでもないし、
「有名になったら面白くなくなったよねー」なんて言って新規のファンに対してマウントを取ろうとしてるわけでもないんですけど、
私のなかではこの監督たちの作品て、どの方のものも初めて観たときは正直一人も知ってる役者が出てなくて、
誰が出ててどんな内容なのかも全くわからない状態で、
雑誌だったり予告だったりチラシだったりを見てなんとなく面白そうだなと思って観て、
それなのにどれもものすごい衝撃を受けて劇場を後にしたという記憶の残る監督たちなので、
有名俳優が出てなくたって、
メジャー系の配給会社じゃなくたって、
全然お金がかかってなくたって、
面白いもんは面白いしそういう規格外にすんごいものたちはどうやったってとにかく世に出てくるものなんだなと心から思ったのが、
このころ出てきた新しい才能たちに対する実感だったのでした。
もしかしたら、そのころ私自身がたまたま、ものすごく映画を観れていた時期で、
もちろんフィルムチェックといっていわゆる映画のフィルムをつなぐ作業(当時、映画のフィルムは一本の作品がいくつかに分かれて届き、それが届いたら劇場側で一本につなぐ作業をして上映しており、その作業にミスがないかとか音量やフィルムの状態の確認のために本上映の前に必ず一度回して最後まで観てみるという仕事があり、それはつないだ人が責任を持って観て確認するというのが一応のきまりでした)からの流れで仕事の一貫として観ていたせいもあるのですが、
その時期(1990年代半ば)というのは若い面白い才能が世界中で芽を出してきたころだと思っていて、
私自身もちょうど社会人としていろんなことに意識が向くようになった時期というのもあってそういった作品や映像作家などにすごく影響を受けたり刺激されたりしたのだと思います。
この時期のイギリス映画は特にこういった若い映像作家たちが続出してムーブメントのようになった時期ではあるのですが、
個人的な好みで挙げますが、大好きな香港映画ウォン・カーウァイ「恋する惑星」1994年作品、
日本でも「Love Letter」1995年)の岩井俊二「幻の光」1995年)の是枝裕和
アメリカでも「ロミオ+ジュリエット」1996年作品/午前十時の映画祭で6月11日~上映)のバズ・ラーマン「ユージュアル・サスペクツ」1995年作品/午前十時の映画祭で10月11日~上映)のブライアン・シンガー「ファーゴ」1996年作品/午前十時の映画祭で2022年2月18日~上映)のコーエン兄弟「セブン」1995年作品)のデヴィッド・フィンチャーなどなど、今思いつくだけでこんなにスゴイ人たちが出てきた時期でもあって、
やはりこのころは世界中で映画業界が大きく動いた時期なんだろうなと思っています。
で・・・・・なんでしたっけ(*_*)?
そうそう、「ジェントルメン」の話でした!!!!
(C) 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
今回のこの「ジェントルメン」を観て、
そのころの映画の面白さを思い出したり、
毎日観ても追いつかないくらいに観たい映画がたくさん溢れててそれをひたすら追いかけるのがとにかく楽しかった、若かりしころの自分を思い出したり、
そして、有名になってヒットメーカーになって大物俳優を使って思いっきり爆薬やセットなんかにもお金をかけてハリウッドで映画を作るようになったガイ・リッチーが、
やっぱり撮りたいのはロンドンの下町であり、信じられないくらいのビッグマネーが動く大きな世界でありながら表に出てこない裏社会であり、
それなのにひたすら延々とゆるーいお喋りを聞かせつつ、
次から次とクセのあるキャストがでてきてはトラブルをおこしながら、
敵も味方もなく(みんな悪者ではあるけど)いっしょくたになって騙して騙されて最初から最後までジェットコースターに乗ったみたいに振り回されるという独特の空気感にのみこまれたまま、
「えっ!?」となった瞬間にエンドロール。
というような作品をまた作ったことがものすごくエモい!!と思ったし、
度肝を抜かれたオープニングからすっかり完全にガイ・リッチーの手の中で踊らされてる感覚が、
思わず「おかえり、ガイ・リッチー(≧▽≦)!!」(何様?)
と叫びたくなったくらい嬉しかったのです。
(C) 2020 Coach Films UK Ltd. All Rights Reserved.
マシュー・マコノヒーのいかにもなアメリカ人ぽい陽のオーラをまといながらもやるときはバチッと決める、イケてるボス感にもシビれたし、
現在、中劇で上映中の午前十時の映画祭「ノッティングヒルの恋人」では十八番であるラブコメで困り顔の優男を演じてるヒュー・グラントがここではマジでゲスい下品な探偵になっててそれでもやっぱりカッコいいのに脱帽だったし(あのヒュー様が60歳!)、
物静かな紳士の顔の裏に骨太な裏社会感をのぞかせながら面倒なトラブルを回収して回るチャーリー・ハナムがイケメンすぎてキュンだったし。(この方は8月に中劇で上映予定の「トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング」https://kellygangjp.com/にも出てます♪楽しみ!)
コリン・ファレルはちょっとすっとぼけた感じなのに実はめちゃくちゃ強いのとか裏の仕事もスマートにこなしちゃうのとかかっこよすぎたし、彼らが着てる色違いのおしゃれなトラックスーツは本気で欲しくなっちゃってネットで探したし。(「キル・ビル」ユマ・サーマンが着てた黄色のトラックスーツとか、「ロイヤルテネンバウムズ」ベン・スティラーが着てたトラックスーツとか、本気で欲しくて探した人です。。。)
なんかとにかくひたすらカッコよくてワクワクしてニヤニヤしちゃってあっという間にエンディング。
一言、最高です。
もちろん、スカッとして気持ちいいだけでなく、
ブラックなユーモアとシニカルなジョークが思いっきりぶちこまれてるのもさすがガイ・リッチー
映画マニアなら必ず誰かと「あそこさーーー!!!」と語りたくなるような小ネタもあるし、
MIRAMAXといえば浮かぶ人物といえば・・・誰もがドン引きするようなセクハラ問題で世界中にその名を轟かせてしまったあの方?までネタにしちゃうところが潔くて気持ちいい。
そんなこんなで、ロンドンのストリートに帰ってきたガイ・リッチーの本領発揮で、めちゃくちゃかっこいいこの「ジェントルメン」
まだまだ語りたいところはたくさんあるんですがほっとくと私、
最初から最後までぜーーーんぶ語ってしまいそうなので、
これ以上はみなさん劇場で観てからまた語りましょうね!
絶対スクリーンで観てください!!
たぶん、何回も観たくなりますけど(;'∀')
観れば観るほど新しい発見や仕掛けがあるので何度観てもおもしろい!
家のテレビじゃ半減しちゃうので、ぜひ大きなスクリーンでのめりこんで楽しんでください!

久しぶりに大興奮してしまいましたが、
中劇の5月6月は、この「ジェントルメン」を皮切りに、
渋くてカッコいい〝イケおじ(イケてるおじさん)”たちが続々登場するマニアック月間に突入。
ほんとは今回、『「ジェントルメン」&中劇イケおじ特集』!!
でいくつもりだったのですが。
「ジェントルメン」を語りすぎて長くなってしまったので〝イケおじ特集”は次回に回すことに(^_^;)
いろんなタイプのイケおじを用意してますのでお楽しみに!
え、若いほうがいいって??
そりゃあそうです。
私だって若くて美しい男子のほうが好きですよ( `ー´)ノ
でも、「ジェントルメン」を観たら、マジで大人の渋い男性たちの色気がヤバくてキュンでした!
スタッフSさんも「誰がよかった?マコノヒー?私は・・・・ヒュー様なんだよね。。。うん、、、、有りだな。」・・・・・って、何が( ゚Д゚)!?
ていうかSさん、今までのタイプと違うじゃん!!
中村倫也LOVEだったじゃん!!
まさかのイケおじにやられて目がハートになる日が来るとはね!
でも大丈夫!私は普段〇ャニヲタとして若いイケメンにのめりこんでるけど、
今回はマコノヒーもチャーリー・ハナムもかっこよすぎてトキメいちゃったし、
なんなら「スパイゲーム」のときのロバート・レッドフォード(当時65歳!)も全然有りだから!!
Sさん、安心して!(それこそ何が!?)
というわけで、中劇の〝イケおじ特集”も乞うご期待!
気分も落ち込みがちな毎日ですが、
感染予防に気を配りながら、
日々の小さな楽しみくらいは諦めずに健やかに過ごしていきましょうね!


★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/