2018年9月7日金曜日

必見!「泣き虫しょったんの奇跡」

こんにちは。
夏が、振り向きもせずにダッシュであっさり通り過ぎて行ったような寂しさが残るこの時期。
あっという間に9月です。
昼間はまだ暑い時間もあるものの、
夕方の涼しさといったらもうすっかり秋でビックリです。
台風も去って、「えっ、これで夏、終わり?」
早く涼しくなれ~と呪文のように呟いていた私ですが、
まさかこんなに早く願いが通じるとは(^_^;)
ちょっとせつない。。。

そんななか、私がすっごく楽しみにしていた作品が始まりますよ!
「泣き虫しょったんの奇跡」
(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社
26歳。それはプロ棋士へのタイムリミット。
小学生のころから将棋一筋で生きてきた"しょったん”の夢は、
年齢制限の壁にあっけなく断たれた。
将棋と縁を切りサラリーマンとして暮らしていたしょったんは、
親友や周囲の人々に支えられ、様々な困難を乗り越えて将棋を再開することにー。
もうこれ、絶対面白いやつ(*'▽')!
将棋界に奇跡をもたらした異色の棋士・瀬川晶司五段の自伝的作品を、
豪華キャストで映画化した作品です。
将棋。
最年少棋士・藤井聡太七段の活躍や、
ひふみんこと加藤一二三九段の人気で、
今かなり注目の奥深き日本文化と厳しい勝負が渾然一体となった世界。
ちょっと地味で難しい、敷居の高い世界のような気がしますが、
コマの動きさえ覚えれば、わりと誰でも楽しめる趣味の世界だったりもするようで。
私は小学生のころに学校で大流行りしたので、一応やるだけはできるんですが。
「本格的に、先の先を読んで戦う」勝負にはなりませんね(^_^;)
それでも、山奥のド田舎育ちのうちの父親もできるし、
小学生たちが学童なんかでも当たり前に遊んでいるというくらいなので
やはり実際にはけっこうポピュラーなものなのかもしれません。
このごろは藤井聡太七段の影響で将棋を始める(始めさせられる)子供がかなり増えたそうで、
子供用の将棋盤(駒一つ一つに動き方が書いてあるもの)が品薄になったそうです。
たしかに、親からすれば子どもがピコピコと携帯ゲームをやってるくらいなら将棋やらせたいですもんね!
そんな感じで今、大人気の将棋の世界ですが、
藤井聡太七段のように中学生でプロになんてもってのほか、
なかなかプロになれずに挫折し、諦める人もたくさんいるのをご存知ですか?
プロの棋士を目指す人は、
まずは日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である「新進棋士奨励会」に入ることから始まります。
ここには四段以上のプロ棋士から奨励会受験の推薦を得たうえで、奨励会試験に合格すると入会できるのですが、
この奨励会には並大抵の才能では入会も難しいといわれています。
会は、6級から三段まで160~170人の会員で構成されており、
三段まで昇段したうえで年に二回行われる「三段リーグ」戦の上位2名だけが四段に昇段し、プロ棋士になることができる、
というわけです。
ただし、満21歳の誕生日までに初段、
そして満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会という厳しい鉄の掟があり、
今回の映画の主人公"しょったん”は、
小学生のころから将棋一筋で生きてきて当然のようにプロ棋士を目指していたものの、
この厳しい年齢制限の壁にぶつかり、
プロ棋士になるという子どもの頃からの夢があっけなく破れてしまいます。
奨励会を退会し、将棋とはしばらく縁を切り普通のサラリーマンとして暮らしていたしょったんが、
様々な困難を乗り越え、再び夢へと再挑戦する姿、
そしてそれを支え、背中を押す周囲の人々との出会いや絆を丁寧に描き、
笑って泣ける濃密な人間ドラマとして完成したのがこの「泣き虫しょったんの奇跡」です。
(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社
この熱くて深い勝負の世界を、うわべだけでなく内側からまっすぐに描き切り、
プロの棋士からも絶賛された対局シーンや、
原作と将棋界への愛と理解が溢れる空気感が心地よいこの映画を撮ったのは、
自身も奨励会に在籍していたことがある(!!)豊田利晃監督。
9歳から17歳まで奨励会に在籍していたそうですよ!
この映画の、報われるとは限らない勝負の世界、
そして幼い頃に好きなものと出会ってしまった嬉しさと苦しみを描くリアルで温かい眼差しは、
やはり自身が将棋を愛し、将棋を深く知るこの監督だからこそ自然と伝わってくるものだったんですね!
私はこの監督の作品は初監督作品の「ポルノスター」千原ジュニア主演)や、
KYON2先生が主演の「空中庭園」
それから今回の主演でもある松田龍平主演の「青い春」をたまたま劇場で観ているのですが、
そのときの、乾いた、突き放したような目線の、
ちょっと冷たすぎるんじゃ!?ってほどのクールな撮り方とは全く違っていたので驚きました。
子どもたちが将棋にハマっていく楽しさや、
仲間たちと過ごすたわいない青春、
一度は諦めた夢をもう一度追いかけようとする勇気、
そしてそれを応援する周囲の人々の温かさ、
もちろん将棋にまっすぐ向き合う気合や将棋に対する愛憎ひっくるめてきちんと描こうとするその姿勢に、
観ているこちらも背筋が引き締まる感じがするし、
画面からもものすごい愛情と優しさが溢れているのがわかります。
主演は、この豊田監督と16年ぶりにタッグを組む松田龍平
たたずまいが、原作者の瀬川昌司さんに似ています!
いい役者になりましたねえ(*´▽`*)
日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲った「舟を編む」は言うまでもなく、
個人的には「まほろ駅前~」「探偵はBARにいる」あたりのぼんやりした冴えない雰囲気の、でもやっぱり独特の味がある役がハマりすぎな彼が好きですね。
将棋盤を見つめているときの、上からのアングルのときの顔がドキッとするほどお父さんの松田優作にソックリでハッとしました。
そこも要チェックです♪
そしてクリエーターの宿命か、少し繊細すぎたのか、ちょっとばかりやらかしてしまって映画を撮れない時期があったこの豊田監督ですが、
そんなの関係ねえ!とばかりに、
「監督の作品なら!」「ギャラなんかいらないから出たい!」なんていう役者がたくさん集まり、
普通に大作の主役ができる俳優さんたちがゾロリ勢揃いしているのもみどころ。
まずは物語のキーマンとなる主人公の親友を演じるのはなんと、
大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」の全音楽を担当し日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞したRADWIMPS野田洋二郎
松田龍平とはプライベートでも仲が良いというのが伝わってくるナチュラルな雰囲気が素敵です。
そして父親役の國村準、恩師役の松たか子には泣かされるし、
妻夫木聡早乙女太一永山絢斗染谷将太とイケメンばかりが顔を揃えているのになぜか全員クソダサイのが妙にリアルで同時に愛おしい奨励会メンバー、
さらに藤原竜也がビックリするくらい出番の少ない小さな役で出演しているのには驚きますよ。
(C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社
監督本人も、「将棋を知らない人にも観てほしい」と言っているくらいなので、
ルールを知らなくても、子どもでも楽しめる娯楽作品になってはいるのですが、
本格的に将棋をやっている人たちにも絶賛されているほど、
ガチの将棋好きも唸る作りも魅力。
なにしろ原作者・瀬川晶司五段本人が撮影前からガッチリ将棋指導、
そして棋士の役で本物のプロ棋士が多数出演。
将棋好きの方にはたまらないでしょうね!
驚いたのは、中劇の学生バイト(19歳!)の女子が大絶賛していること。
「めちゃくちゃ面白かったです!みんなに観てもらいたい!もう、どう言ったらこの
映画の良さを伝えられるんだろう!!!」と、
両手の拳をドラえもんのように振り回しながら熱くこの映画の魅力を語っていたのにはビックリしました。
若いっていいね(*''▽'')!!
とか言ってる場合じゃありませんね。
とにかく、すがすがしくて温かい、勇気と優しさのあふれる素敵な映画です。
みなさんも早く観て、両手の拳を振り回しながら周りの人に魅力を語って、
たくさんの人たちにこの胸が熱くなって心がじんわりと温かくなるこの映画をすすめてください!!
公式サイトhttp://shottan-movie.jp/



★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/携帯→ http://www.chugeki.jp/mobile