突然ですが、みなさんは、昔好きだった人に道でバッタリ!なんて経験ないですか?
好きだった人までいかずとも、狭い盛岡、
十何年かぶりに同級生とか昔の知り合いに会うっていうのはわりとよくあるんですよねえ!
私なんか、生まれも育ちも盛岡のど真ん中、
なんなら職場も〇十年ずっと映画館通り。
ってなるともう、通りを歩くと知り合いばかり(^_^;)
もちろん、子どもを連れた旧友たちと、劇場ロビーでバッタリ!なんてことも。
そういうの、少し前までは普通に「ああ!久しぶり!」なんてにこやかに対応できたんですが、
このごろ自分の劣化がひどすぎて、昔の知り合いになんて絶対に会いたくない!!
って状態です。。。。
それで最近の私は、
「なんか昔の知り合いに似てるっぽい人が見えたら隠れる。」
「あれ?(この人・・・・)って顔をされたら知らんふりをする。」
という最低な人間になっています。
いや別に、「あたし、昔けっこうイケてたんだよねえ!」なんて言う気は全然ないんですけど、
「あれ、あたしこんなに足太かったっけ?」
「なんでこんなに顔色悪いんだ!?」
「また白髪が一本立ってる(゜-゜)!!」
なんていう、もう残念の一言しかないような状態の自分で、昔の知り合いになんか会いたくないですよねえ!
・・・・え、私だけ!?
でもでも逆に、昔好きだった人の「今」も見たくない!
ハゲたり腹が出てたり変な服を着てたりするそのへんのダサいおっさんになってしまった彼なんか、絶対に見たくない!!
って思いません??
できればあのころの、シュッとして溌剌とした爽やかスマイルの彼のままでいてほしいですよね。
初恋の人は綺麗な思い出であってくれ!
上映中の『追憶』のロバート・レッドフォードみたいであれ!(やっとスクリーンで観れたんですけどね、いやぁ~・・・カッコ良かった・・・・!)
それが無理なら会いたくない(゜-゜)!
・・・・自分のことを棚にあげてね・・・。
そんな、せつないアラフォー(40歳前後)の私やあなたの映画が上映されます。
『あらうんど四万十 カールニカーラン』
四万十なので、いわゆる高知県のご当地映画なんですが。
全然知らなかったので、調べてみました。
そしたら、スタッフもキャストも地味ーな映画なんですが、
クチコミ評判だけはやたらといい作品だったのでした(@_@)意外!
よく考えてみると、世の中、アラウンド40(40歳前後)が中心になっているわけで。
まさしく私もその世代なんですが、働き盛りってやつですか。
下積みを重ねてちょっとづつ階段を上り、
仕事も責任や役職なんかが付いてくるころ。
テレビのディレクターなんかもちょうど40歳前後の人たちが中心なので、
テレビを見ててもちょいちょい私と同じ世代なんだなと感じる演出があったりしますもんね。
そうしてバリバリ活躍している人たちはいいのだが、
昔はそこそこイイ感じだったのに、なんだか冴えないこのごろの自分・・・・というお話。
高校時代、駅伝部で活躍した仲良し4人組。
常に周りから一目置かれる存在だったのに、
その後は努力を怠ってパッとしない日々。
気がつけば40歳が目前に迫っていた―。
って、なんだか耳が痛いお話ですね(-_-;)
居酒屋に集まってダラダラと酒を飲み、口から出る言葉は
「俺たち、昔は輝いていたな・・・・。」
・・・・・・・・・。
それと体の不調の話ね(゜-゜)/
わかる、わかるよ!
全員が気落ちするなか、思いついたのは自転車大会「四万十ドラゴンライド」への参加。
『俺たちはまだ終わっちゃいないって証明したい!』
うんうん、よくわかる。
主要メンバーの4人はもちろん、脇を固める面々もほとんどが高知県出身者。
島崎和歌子先生に間寛平も高知県出身だったんですね!
山本學さんも出演!
そして、「かつて街を賑わせた映画館がすべて閉館となり、映画文化のなくなった故郷を、映画の力で元気にしたい」という、地元出身の監督のもと、
地域住民が一体となって製作された、メイドイン高知でお届けする、
明日ちょっと元気になれるハートフルなヒューマンドラマ。
いいですね!
映画館がすっかりなくなってしまった故郷をなんとか映画で元気にしたいって気持ち、すごくよくわかります。
映像に携わる人ならきっと思うことでしょう。
それに賛同したたくさんの人たちの故郷を想う気持ちがあったかい、
いろんな愛にあふれたアラフォーたちの、
必死でバカで、そして泣けるほどかっこ悪い青春映画。
<かーるにかーらん=変わるらしい>
って意味らしいです。
高知県の映画といえば、夏目雅子さんの『鬼龍院花子の生涯』とか(これ超面白かった!)、
実話から作られた『県庁おもてなし課』とか、けっこう全国的にも有名な作品がありますよね。
私は個人的に子役時代から大好きな生田斗真くんと、
年下だけどマジリスペクトな真木よう子先生が主演だったドラマ『遅咲きのヒマワリ』っていう連ドラの舞台が四万十だったので、それがすごく印象的。
このドラマを見て、「四万十、行ってみたい!!」と思いました。
めっちゃ綺麗なんですよね!
四万十川は「日本最後の清流」といわれているほどで、
なんにもないけど、川や山や自然がほんとに綺麗。
自然しかないって話になると、岩手も同じなんですけど、
四万十の場合はもっと壮大で、かつもっと近い気がします。自然との距離が。
この映画やドラマでも出てくるんですが、増水時に川の下に沈んでしまう沈下橋がたくさんあったり、
カヌーや屋形船でクルージングできたり、サイクリングも楽しそうでした。
と思ったら、この映画『アラウンド四万十 カールニカーラン』、
自転車の大会のお話でした☆
それはもう、四万十の自然をめいっぱい楽しめそうですね!
たまには大作系ではなく、手作り感満載のインディーズ系映画も、なかなか面白いものですよ♪
公式サイト→http://40010movie.com/
そして、午前十時の映画祭は、私も大好きな1960年代のフランス映画
『ロシュフォールの恋人たち』。
©Ciné -Tamaris
私は若いころから、何か嫌なことがあったときやつらくて悲しくてしんどいときなど、部屋で一人この作品を流します。セリフやストーリーを追わなくてもいいのです。
この、底抜けに明るくてパステルカラーの波が心地いい、この映像を眺めているだけで気持ちが少し明るくなるのです。
南仏・ロシュフォールの明るい太陽の下、
ほんとの姉妹カトリーヌ・ド・ヌーヴとフランソワーズ・ドルレアックが双子の姉妹を仲良く、お揃いの衣装で息もピッタリに演じているキュートでポップなミュージカル映画。
お姉さんのフランソワーズ・ドルレアックは、この映画が公開された数か月後に事故で亡くなっているので、ほんとの遺作ということになるだけでなく、姉妹がスクリーンで共演した唯一の作品ということになります。
今ではフランスを代表する大女優となったカトリーヌ・ドヌーヴの溌剌とした若さも、
25歳のこのときのままもう年をとることのなくなったフランソワーズ・ドルレアックの幻のような美しさも、怖いものなんかないというくらいに強くて圧倒的。
一歳違いのほんとの姉妹の女優というこの2人だからこその、
たぶん嫉妬や負けん気や、そしてそれを越える家族としての愛情が混ざり合った複雑なオーラと輝きに満ちています。
この映画での2人は本当に美しく、キラキラ輝いてる!
その後の姉の死による辛くて悲しい影をまといながらも、
作品自体がとにかく陽気で明るく、カラフルでポップ、そしてハッピー。
ただの田舎街だったロシュフォールの町中の至るところを使って、
ひたすら踊り、歌い、人生を謳歌する人びと。
誰でもどこかで聴いたことがあるはずのキャッチーな音楽たちや、
姉妹が次々と着替える洋服たち、
そして街の装飾や家具にいたるまで、
色彩も小物も、画面の隅々まで思いっきりかわいくておしゃれ!
街全体を使ったオールロケのミュージカルなんて、今では考えられないですよね。
解放感たっぷりで、観ていてほんとに気持ちいい!
1960年代フランスの“陽”の部分だけがこれでもかと詰めこまれていて、
どの瞬間も、どこを見ていればいいのか迷うくらいに楽しいのです。
フランス映画というとなんとなく暗い感じとか意味がわからない結末とかのイメージもありますが、
この底抜けに陽気でハッピーな雰囲気も、
逆にハリウッド映画ではなかなかないですよね。
ただただかわいくて楽しい、とびきり幸せな気持ちになれるミュージカル。
私はこの映画が好きすぎて、数年前にこの映画のデジタルリマスター版のDVDを買ったんですが、それにはこの映画の監督ジャック・ドゥミの奥様であるアニエス・ヴァルダが撮ったドキュメンタリー作品「25年目のロシュフォールの恋人たち」のDVDが付いていたんです!
これこれ!ジャケットもカワイイですよね!
これが、すごくイイんですよ~!当時の舞台裏の映像を交えながら、
映画公開から25年を記念して行われたロシュフォールでのイベントの様子や、
出演者のインタビューなどがメインなんですが、
姉・フランソワーズ・ドルレアックのことについては固く口を閉ざしてきたカトリーヌ・ドヌーヴの口から姉のことが語られていることや、
ジョージ・チャキリス、ジーン・ケリーなどアメリカの王道ミュージカル俳優が参加したこの映画の裏話や、当時の撮影の様子も観られて、すごく興味深い内容でした。
ドヌーヴとフランソワーズが当時、映画のためのダンスの練習をする姿や、
2人並んでインタビューに応じる姿など、お宝映像も満載。
撮影当時、エキストラとして参加した人たちが、興奮しながら当時を懐かしむ様子もほほえましくて楽しい!
できればこの映像も一緒に観られると、お客さんたちも楽しいだろうなあ~と思うんですが、
そうもいかないので(^_^;)
ご紹介だけしておきました。
機会があったらぜひ見ていただきたい!
で、例によって例のごとく話しがそれましたが、
ジェーン・バーキンとセルジュ・ゲンズブールの「スローガン」、
ゴダールの「気狂いピエロ」、
ルイ・マルの「地下鉄のザジ」、
アラン・ドロンの「冒険者たち」。。。。
1960年代のフランス映画はとにかく面白いし、ファッションも小物もおしゃれで素敵!
スクリーンで上映するときは必ず映画館へ足を運んでいた私ですが、
この「ロシュフォールの恋人たち」はまだスクリーンでは観れていなかったので、
今から楽しみで仕方ない(≧▽≦)!
1960年代というのは世界中がそうだったのですがフランスでも学生運動の拡大によって大きな動乱となった5月革命があったり、決してただただ明るく楽しい時代ではなかったのですが、
(ちなみにベルナルド・ベルトルッチ監督の『ドリーマーズ』という作品では、1960年代パリの暗くて重い雰囲気が描かれています。退廃的で希望のない空気がスゴすぎる!)
同時期のパリの重くて暗い空気を感じさせない、
照りつける真夏の南仏の太陽と陽気な歌声!
そんな複雑な時代の波を微妙に背負いつつの文化や風俗を感じられる、
カラフルで楽しい映画です。
みなさんも、ぜひぜひ1960年代フランス映画の魅力を、
南仏のとびきりキュートでハッピーなミュージカルの空気を、
軽やかなフレンチポップの音楽とともに、
大きなスクリーンで味わってみてください!
公式サイト→http://asa10.eiga.com/2016/cinema/629.html
★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/携帯→ http://www.chugeki.jp/mobile