2025年3月2日日曜日

久しぶりにエキサイティングなアカデミー賞シーズンの巻。

こんにちは。
珍しくアカデミー賞シーズンにソワソワしている中劇です。
ふだんの中劇は毎年、それほどアカデミー賞の時期にソワソワすることなんてないですからね!
なんて堂々と言ってる場合ではないんですけど。
アカデミー賞シーズンにどんぴしゃでノミネート作品を上映していたり上映が決まっていたりすることなんてめったにないので緊張気味。
いつぶりだろう?
と思って「そうだそうだ、『ベルファスト』以来かな、去年?おととし?」なんて言いながら調べたらなんとあれは2022年でした( ゚Д゚)
えっ・・・・・そんな前だった?
こっわ( ゚Д゚)マジで、こっわ( ゚Д゚)
3年もたってんの!?ウソでしょ!?
いや、何度見ても3年前でした。
ほんと、一瞬ですね。
そう、3年前の今ごろ、『ベルファスト』がスッゴク良くて、しかも米アカデミー賞で7部門ノミネートされて発表待ち、その状態で上映待機できていたあのワクワク感を再び。
今回は、2024年度の賞レースでベネチア国際映画祭で銀獅子賞、ゴールデングローブ賞で作品・監督・主演男優賞の3冠を獲得し、早くからアカデミー賞大本命!と謳われている
こちら。
「ブルータリスト」
(C) DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (C) Universal Pictures
なんかね、なんて言ったらいいかわかんないんですけど。
一言で言うと、「観てよかった」かな。
215分。(休憩15分)
・・・・・長いんですよ。
だけど、「うわぁ~…長かったなぁ・・・!」って感じは皆無。
まったく飽きないし、まったく眠くならないし(これ、重要)、
『大河ドラマの総集編』を観た感じとでも言いましょうか。
観る前はかなり気合が必要だったんですけどね。
なにしろホロコースト(ナチスによるユダヤ人迫害)から逃れてアメリカに渡った一人の男の30年、っていうテーマなのでしんどくて重くてしかも長いんでしょ。
・・・・・キッツイなぁ・・・と思ってましたよ。
でもやっぱり、アカデミー賞の発表前に観ておきたいし、観た人からの感想やネットから漏れてくる内容で先入観が入ってくるのも嫌だったので、さっさと観ようと重い腰をあげたわけなんですが。
思ったほどしんどくないし、長さも感じなかった。
「長い」に対しては、『プロローグ』『第一部』『第二部』『エピローグ』    区切りがあるので見やすくて、ストーリーも半分くらいのあたりでインターミッション(休憩)があるのでトイレも気分転換もできてちょうどよくて、
しかもインターミッションがただの休憩ではなくて本編に組み込まれているものなので完全に現実に引き戻されないのも良くて。
その間にスクリーンに映っている家族写真もいいし、もうすぐ後編始まるよーってくらいになるとだんだん本編の音が聞こえるようになってきて少しづつまた映画の世界に戻れるのがすごくよかったです。
昔の長編映画ではやはりそういった感じで本編のなかに『休憩』が組み込まれているものがよくありましたよね。
この映画は、デジタルではなくあえてフィルムで撮影されていることからも、往年の名作長編映画のようなクラシカルで壮大な世界観を意識しているのかもしれないですね。
「重そう」に対しては、やはり見るのがしんどいナチスによる迫害の部分は映画では描かれていないのがよかったかもしれない。
映像としては祖国でどんなひどい目に遭ってきたのかは入ってこないけれど、事実としてきっと相当な地獄をみてきたんだろうなと想像させるにとどめていて、
その後の彼のアメリカでの暮らしにがっちり焦点が定められているのが、この映画を重すぎず暗すぎない作りで見やすくしているのかなと思いました。
とはいえ、重くないわけではないし、暗くないわけでもないですけどね。
どないやねん!て感じですよね。
説明がすごく難しいんですけど、なんだろう、バランス?
もうあと一歩重くなるとうんざりだし、もうあとほんの少し暗めに寄ると疲れる感じ。
そこをギリギリ踏みとどまってるというか。
じっくりどっしり一人の男の波乱万丈な人生に向き合いつつも、スレスレのところで絶妙な距離感があって、踏み込みすぎないある程度クールな目線で描いているのでこちらもラクというか。→個人の見解です。
          
           (C) DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (C) Universal Pictures
いろいろありますよ、ツッコミどころとか、「え、今の何?」とか、「は?どういう意味?」とか、ほんとにいろいろね。
そしてそれらが伏線かと思いきや、回収無いんかーい!!みたいな。
あのシーンの意味、私は一生わからないままなんかい!みたいな部分もありました。
あえてだったのか、それとも私が気付かないだけなのか。
まあとにかくいろいろあるんですけど、面白かったんです。
主人公が建築家なので、ただのどこかのおじさんの人生に密着っていうのではないのもお話に深みがあってよかったですよ。
主人公が設計して作る大金持ちの家の書斎や、地区のコミュティセンターなんかも徹底的に作り込まれていて興味深いし、かといって建築に詳しくない人(私のような)でも映画を楽しむぶんには問題ないし、専門的な知識も必要なくて、それでもすっごく素敵な設計だってことはわかるみたいな。
・・・って、めちゃくちゃバカっぽい説明で非常に申し訳ないんですが、
今回はとにかくこの映画をたくさんの人に観てもらうためのハードルを下げることに重きを置こうと思っているのでお許しください。
すっごくクールで独創的な設計ができる人なのに、住んでるのは質素なアパートの一室だったり、離ればなれだった家族をやっとこさ呼び寄せて、さあ幸せな家族の生活が始まりますかと思ったらやっぱそういうわけにはいかないよねー簡単じゃないよねー!だし、
さすがにこの人はいい人だーと思った人にあっさり裏切られてしまったり、次から次と試練がやってくるので、もうほんとカンベンしてあげてよ~(/_;)ってなるんですが、
観ているうちに、ここまでじゃなくてももしかしたらこの時代を生きてきた人たちみんなそれなりにいろいろあったんだよな・・・などとふと思ったりもする215分でした。
もう亡くなってしまいましたがうちの祖母やその姉妹ですら、あの戦争を生き抜いてきた人たちはなんだりかんだり波乱万丈な人生を送ってきたんだもんな、なんて久しぶりに懐かしい顔を思い出したりもして、不思議な気持ちになりました。
本当は、ホロコーストについてとか近現代においてのユダヤ人のたどってきた歴史や有名人についてとか、〝ブルータリズム”という建築についてとか、いろんなところに話を広げられそうな映画なんですけど、
その前にやっぱり、どうしても「長い」とか「難しそう」というイメージで腰がひけてなかなか劇場に足が向かない人が多そうなのがもったいなくて、今回はシンプルな感想にとどめておこうと思ったんですが、あまりにもバカっぽい文章になってしまってますかね?
まああとはこの映画のキモである俳優陣に軽く触れておけば、ライトな層にも少し興味を持ってもらえるかな。
とにかく主人公。エイドリアン・ブロディ
2002年の「戦場のピアニスト」で、米アカデミー賞史上最年少の最優秀主演男優賞を受賞。
あのときもやはり、ホロコーストを生き延びるアーティストの役でしたね。
あのとき初めてエイドリアン・ブロディという俳優を知ったんですが、スッゲーかっこよかったなぁ!
パーフェクトなイケメンというわけではないけど、高すぎる鼻とどこか陰のある寂しげな眼差しに滲む、儚げな色気。
私って、カラッとした陽キャイケメンは苦手じゃないですかー?(知らん)
どちらかというと地味とか、どこか陰のあるタイプのイケメンが好きなんですよねー。(どうでもいい)
で、あの「戦場のピアニスト」での陰キャなピアニスト(言い方)がドハマりだったエイドリアン・ブロディですが、
最年少でアカデミー賞最優秀主演男優賞まで獲っちゃったので一躍ハリウッドのトップスターの仲間入りを果たしたわけですが、やはりそこからはなかなか難しいというか厳しい日々だったようで。
ビジュアルからしてすでに陰キャだし(いや、カッコいいの!下がり眉と三白眼気味のタレ目がかわいらしいしマジかっこいいんだけど、けどやはり、どこか暗い!)、
アカデミー賞作品「戦場のピアニスト」を常に背負ってるうえにそもそもご本人がガチの東欧系ユダヤ人なので、どうしても「戦争」とか「ホロコースト」的な印象がついてまわる運命。
なので、オファーがくるのもやはり暗めやエキセントリックな役ばかり。
プライベートもあまりうまくいかず、俳優の仕事から遠ざかっていた時期も。
「ダージリン急行」なんかは好きですけどね!
いつも困った顔で途方に暮れてる感じでしたが。
そして今、歳を重ねていろんなキャリアも経験も経て、ちょっとどこか力が抜けて軽やかになったようにも見えるし、すっかり大人の色気を纏ったイケオジに。
いや、同年代なので彼をイケオジと言ってしまうと自分が完全に「オバ」であることを実感して鬱ですけど。
しかしカッコ良い!あの彫りの深い憂いのあるお顔で渋みがプラスされたら無敵でしょ!
ハイブランドの服を着てファッション誌のグラビアに出てたのを見ましたけど、ほんと惚れ惚れするくらいカッコよかったです。
憑き物が取れたような晴れやかな表情も素敵で。
あぁ・・・・やっぱり好き・・・(´ー`)
で?何の話だっけ?
そうそう、「ブルータリスト」ね。
(C) DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (C) Universal Pictures
才能あふれる気鋭の建築家だったはずの主人公が、戦争に巻き込まれ時代に翻弄され運命に飲み込まれていく30年。
そこになすすべもなく立ち尽くしもはや自分がどこで何をしているのかさえわからなくなるくらい流されていく、ヒーローでもなく、かといって可哀想な被害者というだけでもない「一人の男」
その在り方というか、このどこか異質で不思議な大河ドラマのなかで一人ナチュラルにリアルにそのなかに「たしかにいる」という存在感がすごい。
架空の人物なのに伝記みたいな(?)。
渋みも色気も増してこれからますます楽しみなエイドリアン・ブロディですが、それでもやっぱり・・・・・・カラッと明るい陽キャの役は来ないかもしれないですね(*_*)
さて今作で二度目の最優秀主演男優賞を獲得することができるのか!?
そして今作で主人公のパトロンとなり彼の運命を大きく揺り動かすこととなる大金持ちを演じてアカデミー賞助演男優賞にノミネートされているガイ・ピアース
(C) DOYLESTOWN DESIGNS LIMITED 2024. ALL RIGHTS RESERVES (C) Universal Pictures
今ではすっかり売れっ子になり、代表作も「メメント」やら「アイアンマン」やらと一筋縄ではいかないくせ者俳優といった感じですが、
私の中ではガイ・ピアースといえば、エイドリアン・ブロディとは真逆のイメージ。
カラッと明るいドラァグクイーンを演じた「プリシラ」(大好き!!最高ですよね!!)、そしてその成功によりハリウッドに進出してこれまた大成功をおさめた「L.A.コンフィデンシャル」(めちゃくちゃ面白かったですねえ!!)なんですよね!
どちらももう30年近くたってしまっているというのがまた衝撃。
もう私のなかでは何年たってもガイ・ピアースといえばあのころのガイ・ピアースなので。
この映画のなかの、そこまで悪い人でもないんだけど強引で、ちょっと傲慢で、なんかムカつくオッサンが、あのガイ・ピアースだなんて信じられない。
ここにもまた、「光陰矢の如し」を感じて鬱ですね。
エイドリアン・ブロディがイケオジで、ガイ・ピアースがこんな嫌味なオッサンになってる現代かぁ・・・・じゃあ私、いったい何歳なの!?
みたいな、結局いつも映画を観ながらそんなことをふと考えてしまって一瞬青ざめる瞬間があります。(集中しましょう)
・・・まあ、年齢は一回忘れますか。
そしてもう一人、主人公の妻役のフェリシティ・ジョーンズ
こちらもアカデミー賞で助演女優賞にノミネートされていますよ。
彼女はとにかくなんといっても「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」ですよね!
(私が大好きなだけ)
めちゃくちゃカワイイし、強いし、カッコよかったなー!!
今作ではまた違った意味で強くて賢い妻を毅然と演じています。
「博士と彼女のセオリー」で主演女優賞にノミネートされたときは惜しくも受賞を逃してしまいましたが、今回はどうかな!?発表が楽しみですね!
と、こんな感じでたいして中身は無いくせにまた長くなってしまったなぁ・・・と思ったら、今、私は気付いてしまいました。
・・・もしかして、アカデミー賞の授賞式って、明日じゃね( ゚Д゚)!?
・・・・・・・・・。
だって、仕方ないじゃないか。ほんとは公開前に書くのが一番だけどこんなひとくせもふたくせもありそうな大長編ドラマを、観ないで書くわけにはいかないしさ、
観たら観たで人に紹介するにはなかなかハードな映画だぜ!?
そしてやっと書いたら授賞式前日ってね!
ここまできたらもう、授賞式見て、発表待ってから書いたほうがよかったのでは?
と思いますよね。
いや、それはめんどくさい!!また書き直すの嫌だ!!
じゃなくて、これきっと、発表出てからだと書くこと変わってきそう。
ていうか、賞の発表のあとだと観る気なくす人いそうだしなあ。。。
でも大丈夫。
さらに私、気付いてしまいました。
このブログ読んでる人は映画ヲタクしかいないので、私が何を書こうが、アカデミー賞の結果がどうだろうが、関係ないよね!ってことに。
何を見ようが何を読もうが、観るものは観るし、観ないもんは観ない。
そんな人ばかりですよね。
だからもう、このままアップします。
アカデミー賞の有力候補について書いたものを、アカデミー賞の発表前日にあげるという暴挙。
私のこのイカレたブログくらいでしかそんなアホなことしませんね。
そこがまた唯一無二って感じでいいかもね(?)
というわけで、みなさんは、もしまだ観ていなくても、アカデミー賞の結果がどうであっても、こんなくだらないブログのことなんか気にせず観てください。
言われなくても観ると思いますけど。
米アカデミー賞授賞式日本時間3月3日です。
「ブルータリスト」公式サイトhttps://www.universalpictures.jp/micro/the-brutalist


そしてこちらも忘れちゃいけない日本アカデミー賞
中劇が自信を持って、責任を持ってひたすら上映を続けてきたこれ。
「侍タイムスリッパー」
(C) 2024未来映画社
おかげさまで国内の数々の映画賞を総なめにし、48回日本アカデミー賞でも優秀賞7部門受賞!!!!(最優秀賞の発表は3月14日)
こちらも楽しみですねぇ!!
まあ、いろいろと大人の事情もあるので(ここだけの話)、どこまで食い込めるかというのはなんとも言えない状態ではありますが、主要賞(作品賞・監督賞・主演男優賞)のどこかに滑り込めれたらなあ・・・(*´з`)という、期待までしちゃいけないがもしかしたらもしかするかも、みたいなちょっとくすぐったい感じで発表を待っているところ。
時代劇は国の宝です。
映画界全体で時代劇を、そして日本映画界を盛り上げていくためにもどうか「侍タイムスリッパー」に何か一つでも賞を・・・・!!!
と思っています。
皆さんも応援お願いしますね。
ところで、公開から4か月を越えた今でもまだコンスタントにお客さんが来てくれている「侍タイムスリッパー」
配給会社もまだまだ力をいれて宣伝してくれているおかげでテレビやラジオ、新聞や雑誌などにも取り上げてもらってそれで知ったお客さんがまた来てくれるという、映画にとっては一番良いサイクルになっているんですが。
これ、たまたま耳に入った薄い情報やうろ覚えの状態で観に来たお客さんや電話で問い合わせをしてくれるお客さんたちの言い間違いが面白い。
「侍タイムストリッパー」→脱いじゃダメよ。Rー指定ついちゃうよね。
「侍のタイムスリッパー」→〝の”が入っちゃうとなんか違うよね、ちょっとダサイよね。
「侍のスリッパ」→スリッパになっちゃった。なんの話よ!?
「侍スリッパー」→伸びたよね、なんか伸びたよね、ていうかスリップなの?滑ったの?
というわけで、毎回、笑ってはいけない大喜利をさせられてるような気分です。
まだまだ面白タイトル募集中でーす♪(面白タイトル?)
(C) 2024未来映画社
まあそんなこんなでこちらの発表は3月14日
楽しみに待つとしますか。
中劇が日本アカデミー賞で一番盛り上がったのはなんといっても2020年の「ミッドナイト・スワン」ですかね。
終了→復活→終了→やっぱまだやるー!を繰り返し、「やめるやめる詐欺」と言われたのを思い出しますね。
いや、いいじゃないか!良い映画はたくさんの人に観てほしいし、まだまだ入りそうな映画は続ける。本来、映画とはそういうもんだよね!?
「侍タイムスリッパー」も、そんなふうにたくさんの人に観てもらって愛される映画になっていってほしいなと思います。
配信もいいけど、やっぱり映画館で観ましょうよ。
日本映画と、時代劇の未来を応援するために!
クスクス笑えて笑いながら泣いて、プロの職人たちのプライドと技術を集結させた「侍タイムスリッパー」。(ストリッパーじゃないよ。)
何度でも観ましょうね!


というわけで、アカデミー賞とか関係なく、今回もサボりにサボったせいで安定の大長編になってしまったこのブログでした。
「ブルータリスト」のように、途中で休憩を挟んで読んでもいいですよ。
・・・・うまくオチがつきましたかね。(ついてません)
それでは今日は、もうあと数時間後にはアカデミー賞の発表があるのでこのへんで。
万が一、受賞を逃しても観に来てくださいねー!
約束ですよー!!


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/