2024年9月30日月曜日

中劇恒例:勝手に音楽映画祭2024

こんにちは。
いきなり秋。
でしたね、今年も。
もうちょっとさあ~余韻ていうかさあ!
「ちょっと涼しくなってきたよね~」の時期が欲しいですよね!
30℃越えで汗だくだった日の数日後には、布団かぶって寝ないと寒いっていうこの落差に、
体も心もまだついていけてません。
天気がいいとまだサンダルで出かけてしまうし、涼しい朝晩に羽織る上着も持たずに出てしまってめっちゃ寒い!!なんてことをやってしまっている相変わらずズボラな私です。
ていうか、ほんとにもう夏、終わりなのね( ゚Д゚)!?
今年の夏、なにしてた?私!
身内に不幸があったので7月は全滅だったんですけど、そのあとは・・・
あんまり覚えてないけど・・・・
Netfrixで、推し事務所の全体ライブとか新メンバーオーディション見てるうちについつい「地面師たち」とか「舞妓さんちのまかないさん」とかのネトフリ限定のドラマを見だしちゃっただけでなく「流星の絆」とか「グランメゾン東京」とかまで見てしまい、
Tverで今シーズンのドラマを見てたら今度は「踊る大捜査線」がおすすめされちゃって見始めて、そこから懐かしいドラマブームがやってきたので(自分の中で)、
気が付いたらアマプラで「民王」とか「時効警察」とかも見てて・・・・。
なんか・・・・昔好きだったドラマとかついつい見たくなっちゃって1話目見たら止まんなくなっちゃったりして・・・・それを観終わったらおすすめに別のドラマが出てきて「アッ、これも見たい・・!」ってなってそこからエンドレスになるという・・・・
とても・・・・じゅうじつした・・・
夏・・・でした。。。
・・・・・強がりじゃないですよ。マジで。
映画は基本、家では寝ちゃうから配信サイトでは観ないんですけどね。
その代わり、見たいドラマが次々出てくる!
困ります!!頼むから寝せて!!
とにかく、推し活のために課金している配信サイトだけどぞんぶんに有効に活用しているよ、という良い例です(?)
みなさんも、課金したら料金分きっちり楽しんで、もとを取ってくださいね(なんの話?)
毎日、寝不足確定ですけど。

さてさてそんななか毎年同じような「もう夏終わり」とかのマクラ(本題に入る前のちょっとしたお喋り)と同時に、やってまいりました今年も中劇恒例の(?)
「秋なので、勝手にやります中劇音楽映画祭」
・・・・・。
特別何かやるってわけじゃないんですけどね。
スタンプラリーも無いし、特設ブースも無いし、なんなら「音楽映画祭やってるのって、ここですか?」と聞かれても、
「えっとー・・・まあ・・・やってるというかやってるわけではないというか、まあやってはいるんですけど別になにするわけでもないっていうか・・・いちおう上映はやってます」
などという中途半端な答えになってしまう、きわめてあいまいで中途半端なものなんですけど。
いややってるんですよ、なんならもうすでにやってる。
先週で上映が終わってしまってる「シド・バレット」とか、
先週末のサザンオールスターズのライブビューイングとか、
今週末やってたKing Gnuとかさ、
すでにゴリゴリの渋谷のミニシアターばりにおしゃれな音楽映画をさりげなく上映しちゃってるので、
中劇音楽映画祭はすでに始まっている。
みなさんの心の中でいつでも( `ー´)ノ
・・・とかドヤ顔でヨクワカンネーこと言ってる場合じゃなかったですね。
こんなしょうもないブログをいつも読んでくださってる方たちならすでにお気づきのことと思いますけど、そうです、毎年恒例になりつつあるこの「中劇音楽映画祭」
私がこのブログ内で勝手に思いついていってるだけだし、
今年もまたこのために映画を集めたわけでもなくて。
あえてこの時期、音楽映画たくさん入れたんです、ってわけでもなくて。
例によって、たまたまです。
気が付いたら音楽映画ばかりになってて、いつの間にかこの時期に上映することになってただけ。
・・・・・だとしたら、それはそれですごくない( ゚Д゚)!?
めっちゃがんばって探して無理やりこの時期に合わせて上映するんです!!
みたいな顔して、ちょっとしたイベントごとに仕立てて上映すればいいのにね!!
ってくらいに充実した音楽映画特集になってます。
・・・何もやりませんけど。
だって、しょうがないじゃないですか!
人手も、時間も、何もかもが足りないっ!!
各自、自分の目の前に積まれている仕事を、締め切りを過ぎてしまってもとにかく一つ一つこなすだけで精いっぱいなので(>_<)
→良い子は、締め切りは守りましょう。
なので、中劇音楽映画祭は、みなさんの心の中で開催されているのです。いつでも。
・・・・・というわけで、特に何もしないけど音楽映画がぎゅうぎゅうづめの秋の中劇の作品たちをかいつまんで紹介していきましょう。


「ボレロ 永遠の旋律」
(C) 2023 CINE-@ - CINEFRANCE STUDIOS - F COMME FILM - SND - FRANCE 2 CINEMA - ARTEMIS PRODUCTIONS
上映が決まる前も決まってからも、問い合わせがすごく多かった作品です。
みなさん、「ボレロ」がお好きのようですね!
20世紀クラシック音楽における最大のヒット曲として有名ですが、
ゾクゾクするというか、魅惑的というか、一定のリズムと独特の旋律がいつまでも耳に残ってクセになる不思議な曲ですもんね。
同じ旋律をいろんな楽器で繰り返し演奏していくうちにどんどん楽器が増え、
ゆるやかなクレッシェンドにいつの間にか引きずり込まれ、
クライマックスに向かって重厚さを増していき、最後潔く終わるという、
それまでのオーケストラ作品にはなかった斬新な作り。
どこかエスニックな香りのする官能的なメロディは、スペイン国境バスク地方の血を引くラヴェルだからこそのものなのかもしれないですね。
この映画でラヴェルを演じている俳優さんがまた、エキゾチックなイケメン!(そこ?)
ラヴェル本人もイケメンなので、そこは映画といえど忠実に設定を守っていただいてありがたい(?)!!
もう主役がイケメンなんて、それだけで映画観る価値あるってもんですからね!
しかも役柄も私の大好物の、奥手な草食男子!!(誰も聞いてません)
最高です(´ー`)ありがとうございます!!(?)
映画を観ながら勝手にキュンキュンしてた私でした。
いや、それにしてもちょっと奥手すぎるけどね!
モジモジしてないで、さっさと告っちゃいなよ!!
と、つい背中を押したくなっちゃうくらいのおとなしめキャラ。
14歳からパリ音楽院に在籍して当時の最先端の音楽教育を受けた超音楽エリートで、
在学中から多彩な曲をいくつも発表し評価され、若くして才能を開花させたんだから、
もっと自信もってイケイケになってもいいのにね。
生涯独身で、晩年は病魔に侵され記憶を失い、自分の作った曲に対して「良い曲だね。誰が作ったの?」と聞いたというラヴェルの、世界中で愛され演奏され続ける傑作の誕生の秘密に迫る物語。
彼の、優しく穏やかで繊細な職人肌の性格が丁寧に描かれています。
(C) 2023 CINE-@ - CINEFRANCE STUDIOS - F COMME FILM - SND - FRANCE 2 CINEMA - ARTEMIS PRODUCTIONS
クラシックの著名な作曲家といえばどうしても、
モーツァルトのように破天荒な放蕩者とかベートーヴェンみたいないかにも気難しそうな世の中の不幸をゼンブ背負ってますみたいな感じ、
それからドラマティックで波乱万丈人生だったショパンやエキセントリックで女好きのトラブルメーカーだったドビュッシーなどの「ザ・芸術家肌」という姿を思い浮かべてしまいますが、
それぞれ時代が違うので比べることはできませんけど、
この映画を観る限り、ラヴェルはそういった派手で奔放な作曲家たちとは別の世界線を独自の価値観で静かに寡黙に生きていたのかなと思いました。
ラヴェルについては、実は写真が残っているほど最近の人(1937年没)なのにほとんど伝記などが残っていない謎の人なんですが、
この映画はラヴェル研究の第一人者として知られる音楽学者マルセル・マルナ の決定的評伝
『Maurice Ravel』(未邦訳)を原案に用いて製作されており、
映画の中で描かれるエピソードの多くが史実に基づくか、あるいは史実をヒントにして作られているので、
ラヴェル自身が雑誌のインタビューに答えたものやラヴェル本人を知る実在の誰かが語ったことを含めて、
伝記的事実に多少の脚色を加えながらも《ボレロ》という曲の本質、ラヴェルという作
曲家の本質に迫ろうとした、きわめてリアルな映画といえます。
ラヴェル「ボレロ」を作曲した当時住んでいた実際の家(今も当時のままラヴェルの愛用したものたちが残されており、予約制で見学できるそうですよ)を使って、ラヴェル自身のピアノで「ボレロ」の作曲シーンを撮影したり、
ラヴェルのピアノの演奏シーンのほとんどを主演のラファエル・ペルソナが演奏していたりと、
製作陣が本気でラヴェルの真実や本質に寄り添っていることが伝わってくるような、
丁寧で繊細で美しい音楽映画でした。
作り方によってはいくらでも派手にドラマティックに作れたのかもしれませんが、
あくまでもラヴェルの心の中に焦点をあてて名曲「ボレロ」を生み出すまでの彼の過去への心の旅を描く、
静かにじんわりと胸に沁みてくるせつなくて高潔な人間ドラマになっています。
この映画をアメリカ資本で作っていたら、もっとおおげさにドラマティックに、叶わぬ恋の濃い味ロマンスてんこ盛りの感動作になっていたと思いますが、
こちらは久しぶりにフランス映画らしいフランス映画を観た感じ。
あえてトーンを抑えて、淡く美しい色合いで、多くは語らずじんわり香らせる、みたいなね。
おしゃれですねぇ!!
まさに、芸術の秋満喫!!といったところ。
ぜひ秋の休日、黄色や赤に色づいた木々を眺めながらのお散歩とともに、
劇場の大きなスクリーンと迫力の音響で名曲「ボレロ」を堪能してください。

ちなみに今週末から公開になる「パリのちいさなオーケストラ」も、
〝パリ”って言ってますからね、思いっきりフランス映画なんですよ。
中劇のくせに、まさかのおしゃれな音楽映画かつフランス映画特集やっちゃってます。
「ボレロ」のオープニングは、ラヴェルが工場のなかをその騒音ともいうべき音に体を委ねながら歩くシーンから始まり、
劇中も、機械のリズム、鳥の声、風の音に耳を傾けて音楽を感じメロディを生み出していく姿が描かれるんですが、
こちらの「パリの小さなオーケストラ」もまた、
主人公が街のざわめき、葉っぱがゆらぎ風のそよぐ音、鳥の声なんかに耳を澄ませるシーンが何度も出てきます。
音楽家はみな、日常のなにげない音にもメロディを感じ、体の中で音楽を生み出しているんですね。
そしてこの映画、まさにラヴェル「ボレロ」で始まります。
10月4日公開
「パリのちいさなオーケストラ」
(C) Easy Tiger / Estello Films / France 2 Cinema
静かに、最初はさざ波のように聞こえてくる落ち着いた心地よい響きの「ボレロ」の旋律。
それをたどっていくと両親がテレビで、オーケストラが演奏する「ボレロ」を見ている・・・。
というシーンから始まるこの作品。
なんかこれマジで、センスのいい営業マンが「ラヴェルの伝記映画と、ラヴェルのボレロで始まる映画を同時期にやったら最高じゃないすか!」とかいって上映を決めたみたいにバチッとキマってませんか!?
違うけどね!!
中劇のくせにね!!
たまたまだけどね!!!
パリ近郊の音楽院でヴィオラを学んできたザイアは、同じくチェロを学ぶ双子の妹フェットゥマとともにパリ市内の名門音楽院に最終学年で編入が認められ、指揮者になりたいという夢を持つ。
そこまでは、希望いっぱい夢いっぱいでキラキラなんですけどね。
富裕層の集まるパリ中心部の名門音楽院に、〝郊外”から〝アルジェリア系”〝女子”が転校してきて、よりによってそもそも勝ち組であるパリ中心部の音楽学生たちのなかでもさらにカーストトップである〝指揮者”になりたいとキラキラした目で語ったとしたら。。。
うん、そりゃあいじめられるよね(-_-;)
田舎者とやじられ、譜面台を隠され、指揮の練習には参加もしてくれず、まともに練習すらさせてもらえない。
妹のフェットゥマも嫌がらせばかり受けていて、
校長ですら「田舎者の移民の姉妹」には風当たりが強い。
見ているだけでつらくなるような悪質ないじめを受け続けるこのあたりはほんとうにしんどい。
でもこれでもいじめのエピソードも描き方もだいぶソフトに抑えたほうだと監督が語っているのが驚き。
多くの移民を受け入れてきたフランスでは、パリ郊外に移民の居住区を作ったりして住むところも限定するためこういった格差や差別の問題は大きな社会問題でもありますが、
結局どこの国でも陰湿ないじめって本質は同じだし、なくならないものですね。
おしゃれで、女性も自立していて、早くから多様性を受け入れている先進的な国、
みたいなイメージの国・フランスですが、
じつはどこよりも男性優位でエリート主義の閉鎖的な国だということが見え隠れしてきて愕然とします。
国がたくさんの移民を受け入れることと、人々がそれを好意的に受け止めているかどうかということは、当たり前ですが全く別の問題なんですよね。
ただこの映画でもわかることですがフランスはやはり芸術大国で、
私立から国立から数々の音楽院もあるなかでもフランス全土にコンセルヴァトワール(公立の音楽学校)があり、住む場所にかかわらず子供は気軽に音楽や舞踊、演劇を学べること、
そしてその授業料は家庭の収入に応じ計算され、低収入の家庭でも安価で質の高い授業が受けられるというのが素晴らしい!
格差も差別もなくならないけれど、本気で学びたい人がやりたいことを家庭の収入の差で諦めなくてもいい社会って素敵ですね。
親の収入なんかで才能の目をつぶさない、その点はやはり芸術という面だけでも日本よりずっと先進的で効率も良いやり方。
その独特の音楽教育システムによって、このザイアと仲間たちの感動的なオーケストラ結成のドラマが生まれることになるわけで、そこがまたすごいところだよなあと感心します。
映画の中で、ザイアが市長にオーケストラへの支援を掛け合うシーンもあります。
これもまた、フランスが音楽教育施設への予算をきちんと取っていることがわかるシーンです。
やっぱり、国がどこに力を入れているか、そしてこれからを担う子供たちにいろんな可能性の道を拓き育てる意識があるかどうかが大事ですよね。
子育て世帯にお金をばらまくために、働き盛りで子育て世代の税金を増やしてむしりとっていくことを『異次元の少子化対策』なんて言ってる本末転倒な日本の政治とは正反対の考え方。
まあ、どこの国もそれぞれ色んな問題を抱えているので一概には言えませんが。
移民大国のフランスにはフランスの悩みがありますからね。
(C) Easy Tiger / Estello Films / France 2 Cinema
それにしてもこの映画、「ボレロ 永遠の旋律」と同じく、やはりフランス映画らしい作品でした。
これもまた、もっとドラマティックに作ろうとすればゴリゴリのスポ根ドラマにもできそうなくらいテーマもストーリーも実話とは思えないほどにコッテコテのネタだらけなんですが、
まるで密着ドキュメンタリーみたいに冷静に、あっさりとしたタッチで進んでいくことにちょっと戸惑います。
「え、今のエピソード、もうちょっと詳しく教えてよ!」と言いたくなるくらい。
けっこうヘビーな展開の部分ですら一瞬で次に切り替わったり、
次々と噴出するトラブルも、もういちいち気にしてられないということなのかサクサク進んでいきます。
リハーサルをほとんど行わず即興で演出していく、この監督のカラーにもよるものなのでしょうか。
でもだからといってすべてがあっさりしているわけではなくて、
実は主要キャスト以外はすべて楽器を演奏できるミュージシャンで、
この映画のモデルであるザイアフェットゥマ本人がほとんどの演奏シーンに参加し直々に指導、しかも演奏シーンは生音で撮影という、
ハードで熱い前代未聞の音楽映画。
そしてラスト、ネタバレになるといけないのでさらっと軽めに書きますが、
これまたどこかから静かに流れてくる「ボレロ」
演奏が進むにつれて徐々に楽器が増えてクレッシエンドしていく構成のこの曲は、
まさに少しずつ仲間を増やしながら道を切り拓き大きくなっていくザイアの姿を投影し、
人種も性別も格差も超えて青空に響く力強く繊細なメロディはすべてを包み込んで大空に飛んでいきます。
原題の『ディヴェルティメント』は、イタリア語で「楽しみ」「娯楽」
ザイアが妹フェットゥマや仲間たちとともに20歳で立ち上げた「ディヴェルティメント・オーケストラ」は現在も70 人程の団員を有し、交響曲に加えてワールドミュージック、伝統音楽、ポピュラー音楽など幅広いレパートリーで年間40以上ものコンサートを開催。
つい先日、終了したばかりのパリオリンピックでは閉会式に登場しました。
それでも世界中で女性の指揮者はわずか6%。
人種差別も性別差別も収入格差もなくなることはなく、今あるものを継続させるためにもまだまだ闘いは続いていると語るザイアフェットゥマ
そこまで強くストイックに何かに向き合ったこともないし、さまざまな困難を乗り越えて何かを成し遂げたこともない私ですが、
明らかに自分を見下している集団の中で、ザイアが自分に自信を持って堂々と夢を語り実現していく姿は同じ女性として、眩しく誇らしく感じました。
秋の一日、クラシックヒット曲満載でおくる爽やかな音楽青春映画を満喫してください。


そして、今、話題の。
えげつない兄弟喧嘩に世界中を巻き込んだ、おさわがせでトラブルだらけ、でも最高にクールでカッコいいブリティッシュロックの金字塔超有名兄弟バンド再結成のニュースに、
世界中の音楽好きがざわついた。
OASIS復活。
いや、嬉しいよ。
なんなら毎朝聴いてるしね。
我が家の朝はオアシスで始まるのでね。
テレビをつけるとついつい見てしまって遅刻しそうになるのでつけない(誘惑に負けがち)。
ラジオつけてると、聴きたくない曲や興味ない曲がかかるのでつけない(性格悪いでしょ、私)。
でも無音は寂しい、っていうんでCDをかけてるわけなんですが、
忙しい朝にCDを選び始めるとまた時間かかるし、
推しのCDだと全部聴きたくなっちゃって結局遅刻しそうになるし(?)、
映画のサントラだといちいちその映画のこと考えちゃって「あれ、この曲どのシーンでかかってたっけ?」とか、「あれ、あの役の人、なんて名前だったっけ?」とか始まってスマホで検索始めちゃったりしてね。
なので毎朝オアシスなんですよ。
なんか目が覚めるし、自然に体にスッと入ってくるというか。
そしてこちらも例によって例のごとく、再結成のニュースと前後して上映オファーが入り、
「そりゃ、今でしょ!!」
というわけで、
「オアシス:ライヴ・アット・ネブワース 1996.8.10」
©Photo:JJill Furmanovsky
数年前にも中劇では、この同じタイトルのオアシスの映画を上映したんですが、
それとは別もの。
前のやつはドキュメンタリーだったんですけど、今回は〝オアシスのキャリア絶頂期の伝説のライブ”と語り継がれる「1996年8月10日」の公演が初めて完全ノーカットで上映されるライブ映像。
当時、イギリス全人口の2%以上に及ぶ役250万人がチケットを申し込んだとされ、
世界中から熱狂的なファンが25万人以上も集結した、英国史上最大規模の野外ライブ。
観るでしょ。
観るに決まってるじゃん。
オアシス絶頂期、しかもセットリストは神。
そしてここへきて再結成と来た。
・・・・・またケンカするよね?また問題起こすよね(/_;)?
でもいいよ!許すよ!!天才だからね!!!
仕方ないよ、あの兄弟が作る曲も演奏も歌も天才だからね!!
というわけで、ケンカばっかりのあのイギリスいち仲の悪い(!)そして世界一有名なミュージシャン兄弟の仲直りニュースによって、またそろそろオアシス聴きたくなってきちゃってたみなさん。
一緒に観ましょう、伝説のライブ。
20代前半のイケイケ女子だった(?)私が、大通りのビルの2Fにあった小さな輸入CDショップで、オアシスブラーという当時のブリティッシュロック二大巨頭のCDを二枚並べて悩みまくり(イギリスのバンドのCDジャケットって、なんでみんなあんなにおしゃれなんですかね!?ジャケットだけで買っちゃったCDたくさんあります。)、
ボーカルの顔面の良さでいったんブラーを買ったものの(英国イケメン大好物は昔から。)、
結局やっぱりオアシスも聴きたいので翌日オアシスを買いに行っちゃったっていうオチのしょうもない小ネタもありつつ。
1990年代の香りをまとったゴリゴリのブリティッシュロック、今だからこそもう一回全身で浴びたくなっちゃいましたよね。
膝の痛みも、小さい文字が見えにくくなっちゃった目も、油っこいものが食べられなくなってきた胃腸も、体重は増えてないのにシルエットだけがだらしなく変貌を遂げてしまったこの中年の体もすべてを忘れて30年前にひとっ飛び!
・・・それを世間は「現実逃避」と呼ぶのですけどね。
現実逃避、上等!
約2時間のタイムスリップ、ぞんぶんに楽しみましょう!

そしてまだありますよ。
少し先にはなりますが、11月公開
「バック・トゥ・ブラック エイミーのすべて」
(C) 2024 Focus Features, LLC. All Rights Reserved.
世界中で3,000万枚以上のレコードを売り上げ、現在でも月間8,000万回以上のストリーミング再生数を誇る、近年の歴史上最も偉大なアーティストの一人〝エイミー・ワインハウス”
親族をはじめエイミー・ワインハウス財団の公認で、27歳で急性アルコール中毒で早逝した彼女の“知られざる素顔”に迫る映画。
衝撃でしたよね、爆売れ中の若くて超個性的な女性アーティストがお酒とクスリに命を削られてしまったなんてね。
レディ・ガガもこの方に大きな影響を受けたらしいですね!
私もそこまで詳しくないので、映画を観るのが楽しみです。

そして芸術の秋なので、音楽映画以外にも絶妙にマニア心をくすぐる作品たちが続々待機中!!
マニアが喜ぶのはこちら。
最先端の技術でリメイクした最近の大ヒット作、ではなくて、
〝創造主”デイヴィッド・リンチが40年前に発表した伝説の超大作!
世界最高峰の才能が集結した傑作をリバイバル。
「デューン/砂の惑星」
(C)1984 DINO DE LAURENTIIS COMMUNICATIONS. ALL RIGHTS RESERVED.
実は私も観たことないのでスクリーンで観られるのは嬉しい!

そしてなんといってもいま、首都圏を中心に話題騒然のこちら。
「侍タイムスリッパー」
(C) 2024未来映画社
たった1館で封切りも、初日からSNSで絶賛の嵐!
テレビでも連日取り上げられて話題沸騰のこちら。
有名俳優は出ておらず、予算はギリギリ、完全自主映画だったのですが、
どんどん上映劇場が増えて、とうとうメジャーな会社の配給に!
「カメラを止めるな!」を彷彿とさせる盛り上がりようのこちら、
話題になっているうちになんとか上映したいとがんばりました。
みんなでこの波に乗りましょう!
私もまだ観ていないので、観てからまた書きます!


さてさてそんなこんなで、だらだら怠けて後回しにするくせにいざ書きはじめると長くなってしまう私。
今回も大長編になっちゃいました。
宣伝になってるかどうかは微妙なところですけど。
休みごとに用事が入って昼間出かけてしまうのに、夜は夜で配信サイトに追いかけられて(?)、仕方なしにいろんなドラマとか見ちゃって毎晩寝落ち。
・・・最悪なサイクル( ゚Д゚)!!
配信サイトって悪魔ですね!!
この自堕落でだらしない、そして大忙しで楽しい私のサイクルを、誰か止めて!!
常連さんたちより全然映画観れてないよ!!
人にすすめるばかりで自分はあまり映画観れてないなんて言語道断。
自称・映画ヲタクの名が廃る!
とりあえず、晴れた休日にはなるべく映画館に行くように、少しずつリハビリしていきます。(雨の日はやっぱりやめちゃう)
常連さんたち、私が好きそうな映画があったら教えてくださいねー!!
映画ヲタクのみなさまの「これ絶対観た方がいいよ!」の言葉で、悪魔のサイクルを断ち切ることができるかもしれないんで!
時間なさすぎて、観る映画を絞らざるをえないので、効率よく良い作品を摂取するために、「たくさん映画を観てる映画ヲタクのみなさんに聞いて、すすめられたものを観る」という究極の手段にたどり着きました!(禁じ手)
だって全部観てる時間ないんだもん!仕方ないじゃん!!
だからみなさん、お願いしますね!頼みましたよ!!
→結局、人まかせな私でした。。。


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/


2024年9月11日水曜日

サボってないです、能力が落ちただけ。書いてないだけゴメンナサイ、の回。

こんにちは。
気が付けば9月。
この1か月、何やってたのか思いだせない・・・
と思いながら久しぶりにフリーの平日休み。
開いたパソコンのこのブログを見てびっくり。
またしても、やってしまいました。
あちこち抜けてるでおなじみの私、
実は途中までがっつり書いたものがあったのにそれをすっかり忘れてそのまま放置、
重い腰をあげてやっとこさ、さて書きましょうかと思ったら
「あ!ここまで書いてあったのか・・・( ゚Д゚)!!」
と、まるでひとごとのように驚いてしまった今日でした。
ほんとに書いたんですよ!
8月なかばに!
一人で美術館巡りをした報告を(!)
映画の宣伝には全くならないけど映画ヲタクとしてはどうしても書かないと気が済まなかった、大長編の『ヲタクの夏休み』をね!
落語で言う『マクラ』ですね!長いマクラ!(は?)
でも、あまりに長いのでそこから続けてさらに映画の紹介となると読む方がしんどい。
なので、そちらはのちほど『番外編』としてアップすることに(*_*;)
まだまだちょっと用事がたてこんでて毎晩寝落ちの私。
でも、中劇はここからまだまだ秋の大人月間で新作が続々待機中。
「ボレロ」「パリの小さなオーケストラ」も観てはいるんです。
だから書きたいんですよ。
書きたいの。
ほんとに。
なかなか取りかかれないけど(/_;)
新作の紹介もやる気はあるし、番外編「あるヲタクの夏休み(仮)」も編集したら上げるので、のんびりお待ちくださいませ。。。


さてさてこの数週間、バタバタと走り回ってる間にいろいろ始まってしまってた中劇です。
芸術の秋にふさわしく、いろんなジャンルの作品が渋滞中なんですが、
そのなかでもまずはやはりこちら。
私がこよなく愛する香港映画のなかでも大好きすぎてほとんどの映画を劇場で7~8回は観てるウォン・カーウァイ作品が、いよいよ午前十時の映画祭に登場します。
9月13日公開
「花様年華」
© 2000 BLOCK 2 PICTURES INC. © 2019 JET TONE CONTENTS INC.ALL RIGHTS RESERVED
時代設定は、これまた夏になると何度も観たくなる大好きな『欲望の翼』と同じ1960年代・香港。
『欲望の翼』は、気怠い熱帯の空気感のなか交錯する若者たちの恋と、疾走感あふれるドラマに一気に心を持ってかれる作品でしたが。
この『花様年華』は、しっとりとした気怠い空気感はそのままに、年齢を重ねた大人の秘密の恋を少し冷たい目線で描いた作品。
え、こんなの、ついこないだじゃん( ゚Д゚)!!
2000年の作品ですからね、それが午前十時の映画祭に入ってきちゃうなんてね。
私からすればつい2~3年前あたり観た映画のような気がしているんですけど、
何度資料を確認してもちゃんと24年前の作品みたいです。
私の中の時空が歪んでいるんでしょうかね。
お~、こわ!!
この花様年華』は、下世話な単語で表せば「ダブル不倫」なんていうゲスな週刊誌が飛びつきそうなテーマなのに、実はエロティックなシーンが出てこない不思議な映画。
『欲望の翼』のほうはベッドシーンもあったんですが、
大人の恋愛しかも不倫がテーマのこちらの作品にはベッドシーンは出てきません。
そこがまた計算し尽くされたウォン・カーウァイ映画という感じでヲタクがニヤリとする部分でもあります。
雰囲気はもうドロドロにエロティックなんですけどね、
わかりやすいベッドシーンは、あえて使わないという。
色彩、小物、衣装、そしてウォン・カーウァイ作品では一番重要な〝音楽”
そして全体的にセリフは多くはないけど、ストーリーの肝になる言葉たち。
それらをぐるっとひとまとめにして、圧倒的にエッジの効いたスタイリッシュな映像でひたすら「これでわかるだろ?伝わるだろ?」と圧をかけてくるクリストファー・ドイルのカメラ。
・・・・・・好きーーーーー!!!!
とまあ、そんなこんなで私が言いたいのは『欲望の翼』をやりたいよーーーーー!!
ってことでした(?)
明日で終了してしまうけど、何十年かぶりで観た「男たちの挽歌」も良かったなぁ~(´ー`)
(C) 2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.
若くてツヤツヤで血気盛んなユンファ様!
ここから『亜州影帝』(アジア映画界の帝王)の称号を得ることになる怒涛の快進撃が始まるわけで、
カンフー一色だった香港映画の歴史を変えアジアじゅうを席巻したジョン・ウーツイ・ハークチョウ・ユンファのゴールデントリオの大ヒット作品も次から次と生まれるわけで、
そこからさらに90年代の世界中での香港映画ブームへとつながる香港映画人たちが続々と輩出されていくわけで、
まさに香港映画変革期の1ページ目と言っても過言ではない作品。
映画好きを自称するなら絶対に観ておくべき映画。
いや、久しぶりに観たら自分の記憶違いやうろ覚えだった部分もあって、
「え!そうだったっけ( ゚Д゚)?」
みたいなところもあったのでビックリしましたけど。
でもこれはもうとにかくユンファ様がニセ札でタバコに火を点けるシーンがメインなので(?)そこをスクリーンで堪能できただけでもう満足。
あ、踊るような華麗なる二丁拳銃さばきと、廊下の花瓶の後ろに仕込んでおいた予備の銃をガンガン撃ちまくりながら敵をなぎ倒して颯爽と歩いていく後ろ姿もね!
たまりませんね!!!!
というわけで、久しぶりに原点の「男たちの挽歌」を観て興奮したら当然、続編も観たくなってしまったので、帰宅してさっそく探したところアマゾンプライムにたくさんありました!(寝落ち決定)
大大大ヒットしただけに、死んだはずだけどどうしても続編作りたくて双子設定で作っちゃった続編やスピンオフ、さらにはタイトル似た感じだけど別物、中身もスタッフも全然違うけどそれっぽしく作られた全然関係ない映画・・・など関連作品だけでなく関連してないけど関連したように見える作品までいろいろ作られた、
まさに香港映画らしい香港映画「男たちの挽歌」シリーズですが、個人的には「狼/男たちの挽歌」がおすすめです。
ジョン・ウーといえば!のテッパンである「教会&飛び立つ大量の白い鳩」「狼/男たちの挽歌」からです。
ジョン・ウー作品でこのシーンが出てきたとき、歌舞伎の大向う(「よっ!成田屋!」とかの掛け声のこと)みたいに「よっ!待ってました!」と叫んで拍手をしている人がいてビックリしたことがあるんですが、まさにそういう感じですよね!
ぜひそちらもチェックしてみてください!
・・・・ええ、「男たちの挽歌」は明日で終わりますけどね(/_;)


そして、それこそ張り切って公開日前に観てあったんですが、
「ある一生」
(C) 2023 EPO Film Wien / TOBIS Filmproduktion Munchen
・・・19日で終わりますけどね(/_;)
すみません、ほんとに。
こういった、大人の映画月間に上映する良質なミニシアター系映画の上映は、中劇では基本的に2週間くらいの上映のつもりで入っているので、
その作品の紹介をするのなら公開日前にしないといけないんですけど。
書く気はあるのに結局毎晩寝落ちしちゃうんで、全然進まないんですよね(-_-;)
こちらは世界40か国以上で翻訳され160万部以上発行の世界的ベストセラーの映画化。
激動の20世紀をアルプスの渓谷に生きた、名もなき男の人生。
冒頭、無表情の少年(でも美少年!)が、色も無く、音も渓谷に吹きすさぶ風の音と農村のシンプルな生活音のみの寂しい情景のなか、一人車に揺られるシーンからもうなんかせつない、というかしんどい。
その後もしばらくしんどい場面が続き、「なにこれ!マジむかつくこのオッサン!!」とついついつぶやいてしまうくらいメンタルがやられてしまいそうになりますが、
でもここでくじけてはいけない。
・・・・・まだまだこれからだからね!!
孤児、暴力、田舎の閉鎖的な生活、貧困、時代の変遷と近代化、戦争、災害・・・・
この世のすべてに対して人間は無力で、運命は残酷と思い知らされる展開。
思わず目をそむけたくなるような仕打ちが次から次と主人公を襲うのですが、
げんなりしながらもその必死に生きる主人公を追いかけていると、
この人だけがひたすら不運というわけでもないのだということに気付きます。
激動の20世紀を生きたたくさんの名もなき人々が、
同じように時代や運命に翻弄され、
望んでもいないのに気が付けばいろんなことに巻き込まれ、
大切なものを失いながら必死で生きてきたんだと。
この主人公は、不器用ではあったけれど自分の手で、足で人生を切り開き、
必要なものだけを持って粛々と毎日を生きた。
神は、運命は、ほかの人たちよりも厳しくこの男からたくさんのものを奪ってしまったかもしれないけれど、
自分が生きたアルプスを静かに見渡す最後の彼の表情がなんともいえず素晴らしくて。
満足、でもなく無念、でもなく清々しい、でもなくひょうひょうと、でもない。
透き通ったまっすぐな、純度の高い水みたいな静謐な清らかさのような、
ピンと張りつめた真冬の澄み切った山の空気のような。
そんなラストでした。
少年時代、青年期、そして老齢期と3人の俳優が主人公を演じているんですが、
まぁ~みなさん素敵なイケメン!!(またそこ?)
武骨で不器用、世の中の不幸をすべて背負ってますみたいなパッと見暗くて陰気なイメージの主人公ですが、
よく見たらイケメン!話してみたらシャイなだけで実は優しい!
みたいな、ギャップにやられる系の、少女マンガ的には最強の設定だったりするので、
私のような頭の中14歳で止まってる昭和女子にはキュンキュンでしたよ。
(C) 2023 EPO Film Wien / TOBIS Filmproduktion Munchen
映像はずっと真っ白の雪景色か灰色の田舎町か戦地か、だったので、少女マンガにするにはちょっと色が無さすぎでしたけど。
原作を読んだという方も何人か映画を観に来てくれていて、
「主人公、ずいぶんイケメンね!でもそのおかげで、しんどいけど最後まで観られた」
などと言われたりもしたんですが。
そういった意味ではやはりイケメンは大事ですね!
思わず、「もう!私が行って支えてあげる!!」
と言いたいくらいの素敵な俳優さんたちでしたが、武骨で一途で頑固な山の男にはきっと相手にされないと思うのでやめておきましょう。
シンプルなストーリーと、そこまで有名でもないキャストによる、決して派手ではない一見地味な作品ですが、
実は800万ユーロ(約12億円以上)の予算がついたすごい映画。
それがどういうふうに使われたのかは、スクリーンでご確認ください。
圧倒的なアルプスの大自然のなか、近代化が進む山林開発の様子や、
歴史的に正しいようにその年代を再現したロケーションと美術、
戦争のシーンもすごかったです。
「歴史のなかの有名な一人」を描く作品はたくさんありますが、
この映画は「名もなき一人の目を通して描いた歴史」
幸せって何?生きるってどういうこと?
いろんなことを考えさせられる作品です。
映画『ある一生』公式サイト (awholelife-movie.com)


そしてもう一本。
楽しみにしていたこちら。
「ぼくのお日さま」
(C) 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
こちらは今年のカンヌ国際映画祭で、日本作品で唯一オフィシャルセレクションに選出され、8分間のスタンディングオベーションが話題になった作品。
監督は『僕はイエス様が嫌い』に続いて今作がまだ2作目の奥山大史
なんと28歳。
・・・若っ!
若っ!!てことに目がいきがちですが、何とこの方、日本映画界ではいろんな意味で有名な、あの奥山和由氏の次男ということで。
ビックリ!!!
このことは、映画ヲタク仲間(?)のヲ友達(何度も言いますが、私のなかでは最上級の褒め言葉です)に教えてもらったんですけどね。
ほんと、みんなヲタクすぎるよ!!
そういうこと、なんで知ってるんだよ!?
Wikiにも載ってないのに!!!(その後、ちゃんと調べました)
そんなこんなで、年齢性別問わずいろんなヲ友達やヲタクパイセンのみなさまにいろんなことを教わりながら書いているこのブログです。
今後もおすすめ映画やこういった裏話など、いろんなこと教えてくださいね!
それにしてもこの映画、なんだかすごく懐かしいような。
(C) 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
少年が、空からひらひらと落ちてきた雪に気が付きふっと止まったような時間。
そのオープニングから、ぎゅっと胸を掴まれるような繊細で美しい一瞬を切り取った一枚の写真のような、静かなのに鮮やかに刺さってくる、印象的な映像。
なんか知ってる、この感じ。
映像が、光の加減から小物の色遣いから角度まで徹底的に計算され尽くして絶妙なバランスでじっくり見せてくるこの感じ。
余計なものは完全に排除された超シンプルな画面。
少ないセリフと、極力音楽も入らないリアルなつくり。
シビアで、感情に一切寄り添わない一歩引いた目線のカメラ。
大好きな映画「幻の光」のような。
・・・・・そう、初期の是枝裕和監督作品のような!
と、映画を観ながらここまで思い出してハッとした私。
こないだ観たドラマに是枝裕和監督が関わってて、しかもこんな感じの名前の漢字(奥山大史)あったような気が・・・!!
そこからはそれが気になって気になって仕方なかったんですが、
あとで調べたらまさにドンピシャ。
Netflixで観たドラマ「舞妓さんちのまかないさん」
監督が是枝裕和監督で、演出に奥山大史監督の名前が。
なるほどーーー!!!
この映画のそこかしこに垣間見えた是枝節、納得!
いや、似てるとかそういう単純なことではなくて、
もちろん良い悪いでもなくて、
同じ種類の匂いがしたというか、私の好みの感じだと直感したというか、
そう、シンプルに「私の好きな系統だ・・・」っていう。
自分の言いたいことを1から10まで全部映画に詰め込み、セリフやら設定やらでいろんなことを語り、すべてを出し切った!!みたいな作風とは真逆を行く、
削れるものは徹底的に削り、セリフどころかなんならシーンごと削ったんじゃないかくらい、本当に必要なものだけをポツポツと置いていく感じ。
・・・・嫌いじゃない・・・!むしろ好き!!
実は、尺はたった90分のコンパクトな作品。
なのに、とにかく映像もストーリーもせりふも画面に映るものすべてが徹底的にそぎ落とされ、背景とその場にいる人物のみで成り立っている映画なので、
端折った感じは全くなく、短い感じもしないんです。
登場人物も、主に3人。
吃音のある、アイスホッケーが苦手な少年。
選手の夢を諦め、恋人の地元でスケートを教える男。
コーチのことが気になるスケート少女。
そこに、コーチの恋人(若葉竜也!)とか少女の母親(山田真歩!)とか出番はほんのちょっとなのにさりげなく豪華なキャスティングがあって面白い。
(C) 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
主人公の少年少女は、本格的な演技は初めてという二人。
うわぁ・・・そんなところにもしっかり是枝イズムが!
ほぼ素人の子供たちに自然でしかもリアルな芝居をさせるのが天才的に上手い是枝監督の流れを汲む、まるでドキュメンタリーかのようなナチュラルな子供たちの姿が画面いっぱいに広がっていました。
みずみずしく繊細で、演技っぽくもなくて自然。
これはすごい・・・!!
当然、言うまでもなく誰よりも自然に当たり前のように北国の田舎町のスケートコーチにしか見えない池松壮亮には脱帽。
参りました!!!
無表情ななかに諦めと、平穏と、疲れと、そのうちすっかり忘れていたけどほんのちょっとの希望を思い出してすこしずつ毎日が楽しくなってくる元アスリートという絶妙な雰囲気を醸し出してくる!!!
上手い!!!
池松壮亮
「ラストサムライ」だって、ついこないだの感覚ですけどね。
あのときのかわいらしい少年が、もう34歳だってさ。
今まさに私もドハマり中のドラマ「海のはじまり」でも、この演技のうまさで毎回バズってますよね!
8月26日に、本編の代わりに放送された特別版「恋のおしまい」の回(池松壮亮古川琴音のエピソード)は必見だし、
第7話の電話のシーンはまさに圧巻でした。
ヒロインが亡くなったという連絡を受けて電話を持ったまま嗚咽するそのシーンは、
今ふうに言うと「ガチでヤバかった( ゚Д゚)!」
鳥肌立ちましたもんね。
翌日、スタッフと「あれ、すごかったよねーーー!!」と大盛り上がり。
バリバリに主役張れる売れっ子一番手俳優なのに、このドラマでは好きな人から〝両思いだけど付き合えない”って言われちゃうし、「圧倒的当て馬感」を体中から出せちゃってるし、
なんかもうとにかくこの人、スゲー!!
・・・って、あ、ドラマの話じゃなかったですね。
映画でした。スケートコーチの役でした!
こちらの映画でも池松壮亮先生、
スケートが上手ではないけどひたむきでまっすぐな少年の姿に、止まっていた心が少しずつ動いていく感じとか、
決してうまくいってないわけではない恋人との、ほんの少し心がすれ違う一瞬の感じとか、
さすがでした~!!!
言葉なしで伝わる微妙な心の揺れ。
(C) 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
こんな役、池松壮亮にやらせたら勝てる人はいません。
あれ、何で伝わるんでしょうね!?空気?念?
とにかくキャストも映像もストーリーも、絶妙なバランスと清廉な空気感とシンプルなリアリティが胸に深く刺さる映画でした。
北海道の真っ白な冬の風景とキラキラ光る美しすぎる映像に、ピュアっピュアな子どもたちの清潔さ、そして潔さの極みのような創りがごくごくシンプルなストーリーを際立たせて、きりっとシャープな印象からスッと溶けてふわっと消える雪の結晶みたいに儚く繊細な作品。
雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、ほんの一瞬キラキラと光った淡くせつなく美しい時間をとじこめたガラスの箱みたいな映画でした。
小さな町の、静かで小さなお話ですが、ぜひ大きなスクリーンで、近所の子供たちを見守るような気持ちでご覧ください。
映画「ぼくのお日さま」公式サイト (bokunoohisama.com)


さあ、半月前に余裕のよっちゃんで更新したかったブログが通ります!
まったくねぇ・・・作品がたくさんありすぎて全然追いつけません!
がんばってコツコツ観るようにはしてるけど!
いざ書こうとすると‥‥寝ちゃう( ゚Д゚)!!
気が付くと突っ伏して寝てる!!
体が言うことをきかない・・・!!
残念ですね。
歳をとってガックリとタスクが減ってしまった残念な私です。
もともとの予定のほかに、想定外の用件が入ってくるともういっぱいいっぱい。
嫌ですね、歳をとるのって。
前はできたことができなくなっていき、
夜、起きていることすらできなくなり、
途中までやってあったものをすっかり忘れて放置してね。。。
こうして歳をとっていくんですね。
先日、物忘れがひどくなった母親をなんとか説得して診察に連れて行ったときに「若くても認知症になることがあるので、自分でもおやっ?と思ったら娘さんも遠慮なく診察に来てくださいね」と言われ、顔面蒼白になった私です。
このところ、おやっ?と思うことばかり。
処理能力が圧倒的に落ちてるし、うっかり忘れてることばかり。
あー、こわいこわい。
早めの受診、大切ですよ!
・・・って、なんの話!?
まあ、まだまだ暑いけどそろそろ秋ですね、って話ですよね!?
年齢と能力の低下による残念な言い訳がすんだところで、
今日はこのへんにしておきましょうか。
朝晩はだいぶ過ごしやすくなってはきましたが、
昼間はまだまだ容赦なく30℃を越えてきますからね。
どこの劇場にも観たい映画が盛りだくさんの季節、
体調を崩すことなく大人映画シーズンを楽しんでいきましょう♪


★中劇公式サイト  http://www.chugeki.jp/