なんか・・・・寒いですね(^_^;)
一気に冬へと猛ダッシュを始めた盛岡です。
夏はとにかく毎日必死、
やっと秋になったと思ったら、それでもなんだかバタバタと落ち着かない日々。
この秋は、中劇のくせになかなかイイ感じの作品が揃っているので、
自分でも気が付かないうちに張り切っているのかもしれないですね(゜▽゜)/
中劇のくせに、2スクリーンしかないくせに、
10月は新作6本、11月も新作6本、
プラス「午前十時の映画祭」!
ここに、ライブビューイングが入ってくるともうごっちゃごちゃ。
うーーーん・・・・いろいろ大丈夫(@_@;)?
私自身も、若い頃ならこういった目が回るくらいの忙しさも楽しめていたものですが、
もう今は・・・・・。
しんどい。。。。(+_+)
ていうか、頭も体もついていけない。
歳をとることじたいは、もう受け入れて諦めの境地に達しているんですけど、
それによる衰えについては、どこかでまだ認めたくないのでしょうね。
このくらい平気、できるできる!
と、思ってはいるんですが。
そろそろ現実を見つめ直さないといけないころですね。
そんな、ちょっと切ないお話のあとですが、気を取り直していきましょう!
まずは明日、いや今日?より公開の「エルネスト」
(C) 2017 "ERNESTO" FILM PARTNERS.
少し前にちょっと紹介をしてありましたが。(http://moriokachugeki.blogspot.jp/2017/09/blog-post.html)
「日の当たらない人々や題材に映画ならではの光を当てることが映画の使命だと思っている」と語る阪本順治監督、
「いまの日本映画界ではかなり難しい挑戦になると思ったからこそ、この作品に参加したいという気持ちが強くなった」と語るオダギリジョー主演。
キューバ革命の英雄チェ・ゲバラが39歳でボリビアに散ってから半世紀。
そのボリビアで、ゲバラ本人からファーストネームである“エルネスト”を与えられ、
ともに戦った日系人青年・フレディ前村の数奇な運命、
そして短くも信念を貫いて走り抜けた青春の日々を描きます。
社会主義国であるキューバとの合作、キューバでのロケ、
オダギリジョー以外はほぼキューバ人というキャスト、
スペイン語での撮影・・・・
問題が山積みのこの作品をなんとか完成にこぎつけたのは、
3度目のタッグとなる阪本順治監督とオダギリジョーの固い信頼も関係していそうですね。
この阪本順治監督は、映画として作るにはなかなか大変そうな題材を映画化することに関しては本当にものすごい情熱を持っていて、見応えのある、しかも面白い作品として完成させることのできるすごい監督。
この監督の作品で私が好きなのは、藤山直美主演で福田和子事件を題材にした「顔」なんですが、
これ、マジで面白かったんです。
実際に起きた事件、しかも日本中が注目したセンセーショナルな事件を題材としていながら、
ユーモアあふれるエンターテインメント作品としてテンポ良く描き、
哀愁や罪悪感や人間の愚かさと滑稽さなんかをにじませ、
決してハッピーエンドではないはずのお話なのに、
なぜか観客は観終わったあとちょっとため息まじりに笑っているような、
ほんとに面白い作品でした。
この監督は他にも、韓国ののちに大統領となる金大中が来日中に拉致された“金大中事件”をもとにした「KT」や、
タイで行われている臓器売買や人身売買を題材にした「闇の子どもたち」など、
骨太で「らしさ全開」の作品を多く撮っていますね。
コメディタッチの「ぼくんち」や「ビリケン」などのエンタメ作品もありますが、
それでもやっぱり、日の当たらない人びとや市井の暮らし、
大きなものの影で運命や時代に翻弄される人間の姿なんかを描きたい方なんだなあということがわかります。
今回の「エルネスト」も、誰もが知っているキューバ革命の英雄チェ・ゲバラの影で、
ほとんど誰も知ることのなかった日系人・フレディ前村にスポットを当て、
その時代のボリビアという国の、一人の青年の日常と短く燃えた青春の日々を描いています。
戦闘シーンももちろんありますが、
この監督のことですからね、
激動の時代のなかで祖国のため、弱者のため、信念と情熱を燃やした青年のキャンパスライフを描いた人間ドラマになってます。
しかもキューバ革命のあと、ゲバラが広島を訪れていたエピソードや、
当時の世界情勢も透けて見える中南米の混乱の様子、
前村青年がゲバラからファーストネームを授けられるくだりなど、
その時代を知らない私のような世代にも見応えのある社会派人間ドラマ。
私も若い頃、チェ・ゲバラにハマって関連書籍を読み漁ったりもしたんですが、
皆さんもこの映画を観ると、その時代のことやゲバラのこと、
そしてこの前村青年についてもっともっと知りたくなっちゃうと思います。
劇場では、映画パンフレットはもちろん、
関連書籍の販売もありますので、
この機会にゲバラの生きた時代や、“もう一人のゲバラ”についてじっくりと勉強してみるのもいいかもしれませんよ。
ゲバラの青年時代を描いた映画「モーターサイクルダイアリーズ」や、
スティーブン・ソダーバーグ監督がゲバラの人生をキューバ革命から最後ボリビアで暗殺されるまでをがっつりと描き切った映画「チェ 28歳の革命」「チェ 39歳の別れ」も良いですよ!
ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロが最高にクールでした♡
この秋、知的好奇心の赴くままに映画から読書、関連作品の探索なんかをしてみるのも楽しいと思いますよ♪
そして7日からの「午前十時の映画祭」は、いよいよ黒澤明特集です!
去年の「生きる」と「七人の侍」も良かったですが、
今回の「天国と地獄」「野良犬」もいいですよ~!
「天国と地獄」©東宝
「野良犬」©東宝
私は10年くらい前にこのどちらも初めてスクリーンで観ているのですが、どちらもビックリするくらいに面白かった!!
「息をのむ」「あっという間」そんな単純な言葉で表現するのは自分としては納得いきませんが、
それしか出てこない頭の悪さを呪いながらも、
ちょうどいい表現がほかに思いつきません。
走行する特急列車内で展開する誘拐犯と警察の頭脳戦にドキドキしたり(「天国と地獄」)、
2人の刑事とともに炎天下の東京で犯人を追いかけて汗だくで歩き回っているような気分になったり(「野良犬」)と、
黒澤明作品は、余計なものを削ぎ落して映像だけで描ききる作風なだけに臨場感がすごいし、
とにかく“昭和のスタア俳優”たちのオーラも演技もハンパない!
三船敏郎!仲代達矢!山崎努!志村喬!
このメンツだけでじゅうぶん映画料金のもとは取れるってくらいの見応え。
1949年のギラギラとした若き三船敏郎と、
1963年の脂ののったどっしりとした大物っぷりの三船敏郎を見比べるのも楽しいし、
当時30歳そこそこだった仲代達矢を観て、
今年「海辺のリア」でちょっと認知症の入った大御所俳優を演じた仲代達矢先生の俳優人生について回顧してみるのも一興ですね。
場末の盛り場や行き場のない人々がうろつくアヘン窟など、
終戦直後の日本の混沌とした雰囲気を活き活きと描きだしているのも興味深かったです。
どこの国の映画でもそうなんですが、
その時代のその国の人々の暮らしや風俗を垣間見て、
空気感なんかも感じながらそのなかに入っていける感覚が映画館で昔の映画を観ることの醍醐味ですよね。
黒澤明作品は、「懐かしい!」という方はもちろんですけど、
絶対に若い人にこそスクリーンで観てみてほしいものです!
ほんとに手に汗握るサスペンスとしても、
重厚な人間ドラマとしても楽しめる、
黒澤明入門編としてもおすすめの2本です。
この機会を逃さないでくださいね!
そして。
気が付いたらもう10月。
あんなに楽しみにしていた「嘆きの王冠」、
いよいよ7日からの「リチャード三世」で終わってしまいます(;_;)
(C) Carnival Film & Television Limited 2015. All Rights Reserved.
とうとうその日がやってきてしまいますね(ノД`)しょうがない。
腹をくくってきちんと終わりを見届けましょう!
「ヘンリー六世Part1」のラストで、リチャード三世が一瞬映るという憎い演出がありましたが。
といってもベネ様のお姿ではなく、少年時代のリチャード三世。
そこからの「ヘンリー六世Part2」。
悪。
とにかく悪。
徹底的に悪。
のベネ様(;´Д`)
いやいやそれもまたすごいですけどね。
観終わったお客さんたちが、ついついスタッフに話しかけていきますよ。
「・・・・すごいね・・・。」とか。
「なんか・・・・・この気持ち、どうしよう」とか(笑)
まあ、これまでも散々、裏切りや不義や憎しみや不信感や妬みやどぎつい拷問や激しい戦闘シーンを描いてきたこのシリーズですが、
「ヘンリー六世」からはさらにそれがエスカレートしてきましたからね(^-^;)
ベネ様のせいで。いや違った、リチャード三世のせいで。
実はそんなに悪人じゃなかったなんて説もありますが、
シェイクスピアの描くリチャード三世は、マジで極悪非道な悪の権化。
そのためこの作品では定説通り、がっちり「悪」で描ききっています。
個人的には「シュレック」に出てきた、アゴの割れた悪ーいチビのモデルはリチャード三世だと思っているんですがどうなんでしょうね?
もちろん、ベネ様は背中が曲がっていようとどんな悪人だろうと素敵ですけどね!
(C) Carnival Film & Television Limited 2015. All Rights Reserved.
ちなみに、佐々木蔵之介さんがリチャード三世を演じる舞台が、来月、盛岡にも来るらしく、
それもイイですよねえ~♡
そちらの「悪」も観てみたいなあ!
「嘆きの王冠」の影響で、イギリス王室やシェイクスピア作品への興味がまたこのごろふつふつと沸いてきたところ。
このノリで、いろんな資料や書籍や映画なんかも観まくってしまおうかと考え中。
ドラマ「女王ヴィクトリア」も終わってしまい、
そしてこの至福の「嘆きの王冠」の7週間までもが終わってしまったとき、
私は抜け殻以外の何者でもなくなっている自信があります。
うちの母の韓流ドラマのハングル語と一緒で、
キングズイングリッシュの響きが無いと毎日が寂しくてしょうがない私です。
この次はいつ、中劇でイギリス映画が観られるでしょうか(;´Д`)?
イギリス好きの皆さま、
イギリス俳優、イギリス映画好きの皆さま、
そして映画マニアの皆さま、
皆様のご協力とご来場、本当にありがとうございました。
今後も、ちょっと偏りすぎではありますがイギリス作品、
上映を続けていきたいと思っておりますので、
ぜひとも応援よろしくお願いいたします!
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