やっとほんのりあたたかくなってきましたね。
街を行く人の上着も、心持ち薄手になってきたみたいです。
朝はまだまだ寒いですけどね(-_-;)
そして、やっと公開になるのは、
大好きなチャウ・シンチー監督最新作「人魚姫」。
(C)2016 The Star Overseas Limited
チャウ・シンチー。「少林サッカー」の世界的な大ヒットによって、中国を代表する映画監督に。
「カンフーハッスル」では2005年度にアメリカで公開された外国映画として最大のヒット作となり、
その年のゴールデングローブ賞の外国語映画賞にノミネートされた他、
2005年度米国放送映画批評家協会賞を受賞。
また、2005年度英国アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされた。。。
って、なんかものすごいことになってますよね(・_・;)
この方、もとは香港のコメディアンで、
返還前の香港から今では中国、そしてアジア中で大人気のコメディ俳優であり、ヒットを飛ばし続ける映画監督。
でも、なぜか昔から日本と海外ではかなりの温度差があって、
知らない人も多いのが現実。
「ああ、少林サッカーの人ね。」
がやっとというところでしょうか。
そもそも日本では、なんとなく「コメディ映画」というものがあまり日の目を見ないような気がしますけどね。
国民性なのか、なんなのか。
そんななか、私が香港映画にハマった〇十年前から「結婚したい!」と心から思っていたのがこの方、チャウ・シンチーです。
私が香港映画にハマっていたころ、
結婚したい香港スターは実際たくさんいたんですけどね(^_^;)
「恋する惑星」のトニー・レオンとか、
「ラヴソング」のレオン・ライとか、
「君さえいれば」のレスリー・チャンとか。
「ジェネックス・コップ」のニコラス・ツェーとか。
面白い香港映画に出会うたびにいちいち主役に恋してしまっていた私ですけど、
チャウ・シンチーは別格。
「0061 北京より愛をこめて」という007のパロディ映画で心臓を射抜かれ、
その後はもう過去の作品を観まくり、
チラッとでも出てる本を買いまくり、
(ネットはまだまだの時代でした。。。)
新作を心待ちにし、
映画を何度も繰り返し観てはセリフを覚えたりして。
広東語を習おうとまで考えたものでした。。。
20年以上前の出演作品「0061」「食神」「チャイニーズ・オデッセイ」・・・
これらはほんとに神。
この方の笑いは“シュール”なんて言われていたこともありましたが、
私は逆に笑いの基本だと思っています。
ドリフ、漫才ブーム、ひょうきん族、ダウンタウン・・・
そんなお笑いのスタンダードコースをたどってきた私には、
チャウ・シンチーはドンピシャでストレートな笑いのツボでした。
たまについていけないギャグなんかもあったりしますが、
それは日本だってアメリカだって、
どこの国のコメディ映画でもあることなので無問題♪
1990年代。香港映画も、興業的にも作品的にも成熟期を迎え、
一番盛り上がっていた時期でした。
でもそのころ香港には、ちょうど歴史的に大きな転換期がやってきました。
中国への返還。
ずっとイギリスの植民地として自由に、資本主義を謳歌して発展を遂げ、
アジアを代表する大都市として躍進を続けていた香港。
それが、社会主義の中国に返還されるというのはものすごく大きな歴史的出来事でした。
もちろん、香港芸能界にも大きな影響が。
中国への返還を控え、今後どうなっていくのか不安に駆られた人々。
すでにハリウッドからも注目されていた大物俳優たちは拠点をアメリカに移し、
香港映画関係者たちも、自由な表現活動の制限を恐れて海外へ移住したり、
逆に中国の莫大な消費人口にターゲットを移して中国本土へ移ったり。
ほどなくして香港を中心にアジア全土で猛威をふるった感染症SARSの影響もあり、
香港映画界は大きく揺らがざるをえませんでした。
行政特区として、それまでの経済活動は継続されることになりましたが、
映画の製作は「中国」となり、
作られる映画に検閲が入ったり、
製作のために条件が付いたりするようになりました。
スタッフも減ってしまったため製作本数が減り、
外国映画に動員を取られるようになってしまった香港映画界が急激に失速してしまったのと時を同じくして、
国を挙げてエンターテインメントに力を入れ始めた韓国政府の後押しにより、韓国映画や韓流スターが一躍アジアの中心に踊り出ました。
それはただの映画ファン、香港映画好きなだけの一般人の私にも一目瞭然でした。
たしかに、このころからの韓国エンタメの勢いはすごかった。。。
私も、「シュリ」を観てかなりの衝撃を受けました。
スゲー・・・韓国・・・・!
・・・・て、なんの話でしたっけ(・_・;)?
チャウ・シンチー!
そう、返還前、数々の作品に主演・監督・脚本・製作に関わりヒットを飛ばしてきた彼もまた、返還前と同じようには映画製作ができなくなった映画人の一人。
でもその後、満を持して発表した「少林サッカー」が香港映画としては歴代最高の興行収入をあげ、香港のアカデミー賞(香港電影金像奨)では最優秀監督賞・最優秀作品賞・最優秀主演男優賞を受賞、
次の「カンフー・ハッスル」も世界的に大ヒットし、
海外でも評価され、アジアを代表する映画人となりました。
返還後も香港で映画製作の機会を待ち、
香港映画の不振をバネにして、世界へと進出したのがこのチャウ・シンチー。
(だと思います。。。あくまでも私の個人的意見ですけど。。。)
昔ながらのチャウ・シンチーファンとしては、毎年何本もの新作が製作されていた香港映画の黄金期のころに比べると、
今は3~4年に一本しか新作が観られないのは寂しい限り。
もちろん、低予算でとにかく数をこなしていくのではなくて、
企画からじっくりと製作に携わり、焦らず納得のいく作品を作るようになったのだろうとは、作品を観ていて伝わってきます。
しかも、出演はせずに裏方に徹するようになってしまった、我らがシンチャイ(チャウ・シンチーのあだ名です)。
たぶん、「映画を作る」ことに全力を注ぐことにしたんだろうなと、
それはわかる。わかるんですけど。
でもやっぱり、彼の走り回るコメディ映画が観たい!
あのドヤ顔が見たい!
と思ってしまうのは私だけではないはず。
だけどきっと、そこには彼の信念が、強い考えがあるはずですね。
性格が悪いとか、わがままだとか、よくそんなことを言われていたシンチャイでしたが、
映画のプロモーションでインタビューを受けていた姿は・・・・
めっちゃいい人(>_<)!
やっぱりね!!!
しかも、出演俳優たちのインタビューでも、
「めちゃくちゃいい人だった」
「イメージと違ってすごく優しかった」
というコメントばかり。
やっぱりね!!!
たしかに、彼は絶対に妥協を許しません。
監督作品では細かい演技指導とコンマ何秒の違いのやり直しは当たり前。
香港のマスコミは過激で有名なので、
いろんな憶測や噂話が、きっと大げさに報道されていたんじゃないかと思います。
そもそもお笑い芸人の方たちは真面目でストイック。
日本でも、芸人さんはやっぱり妥協しない方が多いですもんね。
だからきっと、面白いものが作れるんだな(≧▽≦)!
・・・・そんなこんなで、そう、最新作「人魚姫」なんです!
前置き、長っ(^-^;)
今回は、絶滅の危機に瀕した人魚族と環境破壊を続ける人間たちの戦いと、ラブロマンスを描いた壮大なるギャグコメディラブストーリー(?)。
お決まりの、美人女優を超絶ブスに描く演出や、
いろんなマニアックな人がカメオ出演していること(ツイ・ハークにビックリ!)、
そしてその昔、恋人と噂されていた女優カレン・モクが主題歌に参加していたりと、
香港映画マニアにとっては涙が出そうなくらいツボな作りになってます。
最高です。
こうでなくちゃ(*‘∀‘)
昔のような、見るからに安普請なペラッペラの板でできたセットとか、
思わず笑ってしまうような安っぽい特殊効果ではなくて、
きちんと作りこまれたCG技術や大道具に感心しつつ、
いつものくっだらないギャグ満載の展開にホッとする私でした(´▽`*)
待望の新作、なんと今回の「人魚姫」は中国の歴代興行記録を塗り替え、世界興収は5億5000万ドル超。アジア映画史上最大のヒット作になりました!
マジですごいんです。
ほんと、日本と海外の温度差!
そんなすごいことになってるなんて、日本では全然知られてないんです。
不思議ですね。
とにかく、チャウ・シンチーの新作は、
お笑いと映画を愛し、環境破壊に心を痛める喜劇王・シンチャイの思いがつまった最高傑作。
知ってる人はもちろん必見。
知らない人も、世界興収5億越え、アジアで大ヒットってどんなものかをその目でぜひ確かめてくださいね!
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