2017年2月24日金曜日

彼らが本気で編むときは、

こんにちは。
陽が長くなったという話をしたあと、
まんまと大雪。
うん、そりゃあそうですよね。
まだ2月の盛岡ですからね(^_^;)
3月末までは普通に雪が降る北国・盛岡です。
「もう春!?」なんて甘かった☆

でも、春を待つこの季節にピッタリな、
待ちに待ったこの映画、いよいよ公開です!
「彼らが本気で編むときは、」
(C) 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会
いやあ~…待った待った!
半年待ちました(>_<)
上映が決まってから半年。
ほんとに楽しみにしてたんです♪
もう嬉しすぎて、何から話したらいいのか頭が真っ白です。。。
まずは・・・・荻上監督のことから。
『かもめ食堂』(2006年)
『めがね』(2007年)
いいですねえ!
『かもめ食堂』を観たとき、軽く衝撃を受けたのは私だけではないと思います。
と言っても、別に衝撃的な内容では全くないし、
ものすごく奇抜な何かがあるわけでもない。
余計なものが全くない、ほんとうにシンプルな映画。
出てくる人間も、せりふも、登場する小物たちも、
もちろんストーリーも、いらないものが全部削ぎ落されて、
すべてがシンプル。
そしてすべてが心地いいのです。
って、なんか前回もこんなようなこと言った気が・・・
そうだ。「ちょき」だ。
http://moriokachugeki.blogspot.jp/2017/02/blog-post_17.html
そっかー・・・私、こういう感じの映画が好きなんだ(゚∀゚)
「かもめ食堂」
出演者は、小林聡美もたいまさこ片桐はいり
いいとこきますよねえ!!
ナチュラルな佇まいの彼女たちの、
余計なことは全然喋らないのになんとなく耳にも心にも残る会話が印象的。
灰色の空、何もないシンプルな空間で営まれる食堂、
そこに静かにひっそりと空気のように置かれている素敵な食器や小物たち。
そして日本から飛行機で普通に11~12時間はかかる、異国の地・北欧で、
なぜかその風景にも街並みにも
人々にすらなじんでいるキャストたちの自然な姿にも驚きましたが、
舞台となった北欧・フィンランドの薄青い曇り空が、
なぜかすごく気持ちいいし、
その映画の全てをあらわしているような感じがしました。
さんさんと太陽が降り注ぐのではなく、
かといって雨が降ってる感じでもない、
みんないろいろあるよね、でもいいんじゃない?
みたいな空気感。
表現するのがすごく難しいですけど。
そしてその洗練された映像の中でひときわカラフルに色を放つのが、
食堂で出されるおいしそうな料理たち。
豪華な料理ではまったくなく、
お母さんの作るようなおにぎりの、海苔のパリッとした感じや、
シナモンロールの甘い香り。
食べ物の匂いや味まで伝わってくるような、
まるでそれが主役のような、静かでシンプルな作品でした。
出てくるおいしそうなお料理は、
この荻上直子監督の作品で一躍有名になり、
その後、数々の映画やドラマのフードコーディネーターとして活躍する飯島奈美さんのごはんたち。
もう、私の好きな作品のごはんは、たいていこの方の手によるもの!
「南極料理人」「深夜食堂」「舟を編む」「ごちそうさん」
(そして今ハマっているドラマ「カルテット」も♪)
私もこの「かもめ食堂」で飯島さんの虜になり、
この方の「シネマ食堂」という本を買って、
何度も何度も読んで(見て)います。
作らないけどね(→作れない)(^▽^;)
この、荻上監督飯島さんのことを知らないよ、という方には、
私はいつもわかりやすくパンのCMのお話をします。
小林聡美さんがシンプルなキッチンでサンドイッチなんかを作って食べるCMありましたよね?(今は深津絵里さんがやってますよね♪あれも素敵♡)
あれが、まんま「かもめ食堂」です。
荻上監督飯島さんの作品です。
良かったですよねえ~(´▽`*)
・・・って、あれ?「かもめ食堂」の紹介してるんだっけ?
って感じになってきたので戻します(^_^;)
そう、この荻上直子監督飯島奈美さんの組み合わせが、
今回の「彼らが本気で編むときは、」でまた見られるわけなんです!
丁寧に作られた、おいしそうなおうちごはんの数々を見ているだけでも幸せな気持ちになります。
荻上監督の、母になり、アメリカ移住も経験しての、5年ぶりの新作。
しかもオリジナル脚本。
監督自身、「荻上直子、第二章」と銘打った自信作です。
「かもめ食堂」「めがね」で“癒し系監督”と言われたのが納得いかず、
今回は「癒してなるものか!」という気合の入れようです。
そしてそして、なんといっても大事なのはキャストですね!
それこそ、キャスト選びが重要な荻上作品。
監督がどうしてもとオファーしたのは、生田斗真くんでした♡
もいっちょハート♡♡
最高ですね!
わかる!
荻上監督、私と同世代だしな~(*‘∀‘)
話しが合いそうだなあ~♡
まあとにかく、優しさに満ちたトランスジェンダーのリンコという難しい役を、
今、ノリにノッてる生田斗真くんで。
私はもう、前にも書いたような気がしますけど、
斗真くんが小学生のころから大好きで。
朝ドラ「あぐり」でビビビ(゚∀゚)!
ウエンツと一緒に出てた「天才てれびくん」だって見てたしね。
痛いけど時効だから言っちゃうか、
ジャニーズJr.の東京ドームコンサートに行き、
入り待ちをしてプレゼントを渡したことも。。。。
あ、引きました(^_^;)?
ええ、そのころもうすでにいい大人でしたけどね。
「ちょいちょい入れてくるエピソードが、いちいちディープで引くわ!痛い!」と友人にダメ出しをされる私ですが、気にせずいきます☆)
で、彼女の心の美しさに惹かれ、すべてを受け入れる恋人のマキオに、
CMの浦島太郎で大ブレーク、
去年の紅白歌合戦にも出場した桐谷健太
彼も、「パッチギ!」やドラマ「タイガー&ドラゴン」がすっごく良くて、
ずっと気になっていた役者さんです。
最近、なんとなくいい意味で力が抜けてきてさらに魅力が増したような気がします。
この二人が暮らす家にやってくる孤独な少女・トモの柿原りんかちゃんもまたイイ!
寂しさから他人に壁を作っているような少女が、
不思議な暮らしに慣れてきて徐々に心を開いていく様子を、
ものすごく自然に演じています。
そして、自分の心と体の違和感に悩む少年時代のリンコを温かく受け入れて優しく包み込む母親役が、これまた私も大好きな田中美佐子さん!
去年、訃報が伝えられたりりィさんも出てますよ。
イイですねえ!
これまでの作品とは違う!
と監督自身が仰っていますが、
それでもやっぱり、余計なものを排除したシンプルで心地のいい雰囲気や、
いつまでも観ていたいと思える洗練された映像、
観ていて絶対にお腹が鳴りそうな、おいしそうなお料理、
主張はしないけど、よく見るとめっちゃ素敵なインテリアや小物たち。。。
は健在ですよ♪
そして、彼らが本気で編むものとは・・・・?
つい最近、ベルリン映画祭でLGBTをテーマにした作品の賞を獲ったこの作品。
まだまだ世界中でフィーバーを巻き起こしそうな予感。
波に乗り遅れる前に要チェックですよ(*‘∀‘)/
公式サイトhttp://kareamu.com/



2017年2月17日金曜日

早春の新作祭り♪セル、ちょき、ナーヴ!

こんにちは。
仕事が終わり、いつもの時間に外に出ると。。。
「あれ・・・・明るい・・・・!?」
少し前まで、家に帰ろうとすると真っ暗で、
『早く帰ろう。。。(>_<)』
って気持ちになっていたのですが。
そう、陽が長くなり、確実に春に近づいているということ!
う・・・嬉しい(*´▽`*)
いや、冬は嫌いじゃないんですよ。
むしろ私は夏よりも冬の方が好きで。
虫はいないし、
汗はかかないし、
寒いからアクティブに活動しなくても許される雰囲気だし、
厚着だから体の線も気にならないし♪
しかも誕生日はあるし☆
・・・って、もうこれ以上年はとりたくないのでそっとしておいてもらいたいのが本音ですけど、ケーキを食べたり、浴びるほど飲んだり、自分へのプレゼントを買う言い訳にはなります(;・∀・)
まあそんなわけで、冬は嫌いじゃないけど寒いのはちょっと。。。
なので春がくるのを心待ちにしている私です。

そう、陽が長くなってきたのは暦の通りなんですが、
映画館もぼちぼち春仕様になってきています。
冬休み映画「妖怪ウォッチ」がそろそろ終わり、
春休み映画「ドラえもん」が準備中。
ゴールデンウィークの定番「クレヨンしんちゃん」が前売り中です。
そしてその前に、明日からなんと、新作3本公開です♪
「セル」
(C) 2014 CELL Film Holdings, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
これ、すごいですよ。
スティーヴン・キング原作&脚本、衝撃の最新作です。
主演は私も大好きなジョン・キューザック
ちょうど1年前の今頃、
ジャッキー・チェンエイドリアン・ブロディと競演した「ドラゴン・ブレイド」が公開になり、
私も張り切ってジョン・キューザックについて語ったので、
そのへんはこちらで読んでいただいて。↓↓
http://moriokachugeki.blogspot.jp/2015/11/blog-post_20.html
そのときは2000年前のローマ帝国と中国との戦いがテーマのがっつり時代劇だったんですが、
今回は思いっきり現代劇。
それどころかスティーヴン・キングが原作。。。。怖いのね(^_^;)
今では持っていない人を探す方が難しいほど当たり前になった携帯電話。
携帯で話していた人たちが突然暴徒化して・・・・。
うんうん、あの系ね!
共演は、もう間違いない。
主人公の脇で強烈な個性を放って、
そこにいるだけで映画を面白くさせるための役といえばこの人。
サミュエル・L・ジャクソン
最近では「スター・ウォーズ」の紫のライトセーバーでおなじみですね。
ですが、この方はほんとに映画が好きなんでしょうね。
大作系だけでなく、あまり予算がなさそうな小さな作品にも積極的に出演し、
それによって毎年、出演作が何本も公開されるという、超仕事人間なハリウッドスター。
日本でいうと、大杉連?てところでしょうか。
そんな二人の競演による、衝撃のサバイバル・スリラーです。
公式サイトhttp://cell-movie.jp/


「ナーヴ」
(C) 2016 LIONSGATE ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
こちらも現代では欠かせないツールとなったインターネットの闇を描いた問題作。
一瞬で世界とつながり、
有名人になることも、大金持ちになることもできる魔法のツール、インターネット
世界中を熱狂させたポケモンGOに、
誰でも好きな時に世界中に情報を発信できるYoutube
もうすっかり私たちの日常に入りこんでいますよね。
先日、テレビを見ていて、インタビューを受けた小さな子供の答えに驚愕した私です。
「大きくなったら何になりたい?」
「・・・ユーチューバー。」
・・・・・・・・(゜Д゜;)!
それこそスマホをいじりながらテレビを見ていたのですが、本気の二度見でした。
すごい時代ですね。。。
この作品では、何の気なしに裏オンラインゲームに参加した、
冴えない女子高生・ヴィーがハマっていくインターネットの闇を、
まるで自分も参加しているかのようなリアルな疾走感と達成感、
そして切迫感をギリギリに感じながら描きます。
快感や大金を手に入れ、
でもそのうち命まで危険にさらされるハメになる主人公。
それは、いつだって私たち自身にだって起こらないとは限らない。
その怖さ。
そしてこの作品の疾走感とスリルを支えているのが、
スタイリッシュな映像と、最先端の音楽たち。
下着姿で猛ダッシュするニューヨークの5番街とか、
アメリカの女子高生のリアルな日常とか、
15分でニューヨーク市内に到着しろという指令のためバイクで激走する臨場感とか、
最後までドキドキしっぱなしのストーリーを駆り立てる刺激的な映像。
そしてそのクールな映像にギュンギュンに並走してあおりまくる、
超キレッキレの音楽たちがマジで気持ちいい!
そしてこのイケイケなイマドキの青春映画の主演をつとめているのが、
エマ・ロバーツデイヴ・フランコ
なんと、ジュリア・ロバーツの姪(に、似てる・・・!)
ジェームズ・フランコの弟(お兄ちゃんに負けてないイケメンぶり♡)です。
二人の恋の行方と、主人公ヴィーがどんどんキレイになっていく過程も見応えアリ!
しかも、主人公ヴィーの母親役を演じているのは、
あのジュリエット・ルイス!久しぶり♪
大好きな女優さんの一人です(*^_^*)
楽しみですね~♡
まだまだ寒いですが、超刺激的なこんな映画を観て、
アドレナリン大噴出ってのはいかがですか!?
(スリリングすぎて冷や汗かもしれませんけどね☆)
公式サイトhttp://www.start-nerve.jp/


「ちょき」
(C) 2016「ちょき」フィルムパートナーズ
この映画、私、大好きです。
ストーリーはもちろん、せりふも、風景も、小物も、色も、服も、音楽も。
私の大好きなテイスト。
なんていうかなあ・・・ほんとの映画好きや、
ミニシアター系の日本映画が好きすぎるという映画マニア、
それから、マニアじゃなくても、
「ちょっと最近、心が疲れているのよねえ」とか、
「ゆっくり、静かに、一人で、あるいは大事な人とじんわりあったかい映画が観たいわ」
なんていうオトナな映画好きの方にぜひ観てもらいたい作品です。
舞台は和歌山県。
小さな町の小さな美容室。
妻を亡くした男と、盲目の少女。
この写真見ただけで、なんか、ギュウッと胸がつかまれるような感じがしていたのですが、
やっぱり。
すごくよかった。
ものすごくシンプル。
音も、せりふも、物語も。
でも、それがぜんぶきれいにはまっていて、それがひたすら心地いいのです。
レコード
コーヒー
ギターの音色
だいじなものをなくした二人には、たくさんのものは必要ないのです。
とりあえず予告観ましょうか(*‘∀‘)
公式サイトhttp://choki-movie.com/
ドラマ「動物のお医者さん」がすっごくハマり役だった吉沢悠くんも、
これからガンガンきそうな増田璃子ちゃんも、
ほんとに素敵!
まるでドキュメンタリーのようなリアリティ。
もっと長くてもいいのに!
ドラマティックな出来事や、ハラハラドキドキの展開なんて一個もない。
でも、あと30分は長くてもいいのに!と思うような、大好きな映像でした。
「あと30分短ければ名作になるのに!」と思うような映画はよくあるんですけど、
もっと見ていたいと思うような映画って、そうそうないんですよね。
そんな映像に静かに寄り添う、ギターオンリーの味わい深い音楽は、おおはた雄一さん。
この方、私が好きなアーティストたちとのコラボが多い方なので、
前から気になってはいたのですが。
やっぱりいい!
主題歌はこの作品のために書き下ろし。
このミュージックビデオがまたいいんです(>_<)!
ミュージックビデオも、この映画の金井監督増田璃子ちゃんなんですが、
もうほんとにこの映画のスピンオフみたいになっているので、
映画を観たあとはこのミュージックビデオを必ずチェックしてください!
他にも、「オケ老人!」でもいい味出してた小松政夫さんは出てるし、
このイイ感じの写真は川島小鳥さんだし、
マニアの心をくすぐるツボばかりのこの作品。
余韻の残る、じんわりと心に沁みる、素敵な日本映画です。
かなりマニアックな日本映画好きの私ですが、
今年に入ってすでにお気に入りの日本映画、
3本目に出会ってしまいました(´▽`)
「オケ老人!」
「この世界の片隅に」
そして「ちょき」
全部、中劇でやったやつ♪
しかも、来週からは「彼らが本気で編むときは、」も公開♡
これも絶対に今年のお気に入り映画に入るはず☆
これ、ほんとに嬉しいことなんです!!
大人だし、ビジネスなんで、自分たちが観たい映画ばかり上映できるわけではもちろんなく。
期待してたのに、観てみたら微妙・・・・だったものもけっこうあり。
そして、スッゴク良かったのにお客さん入らず(-_-;)なんてことは日常茶飯事。
しんどいことも、納得いかないことも、普通にいろいろあります。
でも。
映画が好きで、それだけでウン十年も映画館で働いている私のような人間にとっては、
自分が観たい、上映したいと思った映画を上映できること、
そして自分の勤める劇場で上映した映画がマジで良かったとき。
これが究極の幸せ&達成感なんです。
私は仕事として完全に割り切って映画と向き合えるほどシビアじゃないので、
「お客さんがたくさん入ったときが一番の幸せ」
とは絶対に言えません。
お客さんがたくさん入るのはもちろん嬉しいですけどね。
でも、いい映画を上映しているときがやっぱり一番幸せ!
そして、私が気に入る映画は、たいていお客さん入りません・・・・(;_;)
でもいいんです。
ただの映画マニアだからね!
映画が観られればそれでいいと思っていた二十代のころと全く変わっておりません。
・・・・・・で、なんの話だったっけ?
そう、「ちょき」でした(*´з`)
だから、こういう、地味だけどスッゴク良かった!って映画に出会えること。
それが映画館に勤める映画マニアにとっての幸せというわけ。
なんか最近、観たい映画を上映して、しかもお客さんもわりと来てくれていて、
「中劇のわりには、」ですけどね!)
イイ感じで回りだしているような気配!
今年もこのまま突っ走りますよ~(≧▽≦)!
例によって、急に来週から上映始まる!なんて作品もたまにあるかも!
「この世界の片隅に」みたいなね!)
あるいは、張り切って詰め込みすぎたら容量オーバーで泣く泣く「オケ老人!」上映終了ってこともあるよね~!(今週のことね!)
うんうん、しょうがない!
みなさん、映画はだいたい4週上映ってのが目安ですよ~。
ロードショー系は4週がメドになってます。
ヒットすれば延びるし、コケれば打ち切り。
わりとシンプルな業界なんです。
ミニシアター系は、映画館や作品によっては1週ってところもありますけど、
中劇では最低でも2週はやるようにしています。
そのへん一応覚えておくといいですよ♪

さて、そんなこんなでまたまた長くなりました(*_*)
常にドタバタな中劇ですが、
地味にがんばりますので引き続き応援、
よろしくお願いしますね~(*‘∀‘)♪


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携帯→ http://www.chugeki.jp/mobile




2017年2月3日金曜日

『この世界の片隅に』緊急上映決定!

こんにちは。
緊急上映決定で、びっくりしてる方も多いはず。
「この世界の片隅に」
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
ビックリです。
そう。
スタッフもビックリ。
上映まで1週間を切っての緊急上映。
しかも、「艦これ」のときにご説明したような単純な“ムーブオーバー”ではなく、
(参照:http://moriokachugeki.blogspot.jp/2017/01/blog-post.html
フォーラムさんでもまだ絶賛上映中。。。
これは・・・・・正確な業界用語はあるかどうかわかりませんが、
とりあえず“緊急拡大上映”?ってところですかね。
こういう場合、もう私たちに選択権などはありません。
うちの社長ですら、
「なんかそうなっちゃった。テヘッ」
て感じで(^-^;)
・・・・いいんですよ、私は全然。
だって、観たかったから(^▽^)/
もう、こうなったらそれだけです。
決まったならやるんです。
たとえ上映まで1週間切ってても。
宣伝期間、ほぼゼロでも。
大人だからね!
それにしても、大人がたくさん観に行くアニメの大ヒットが続きますね。
「君の名は。」ももちろんですが、
この作品も大人がたくさん観ているみたいです。
もともとクラウドファンディング(インターネットを通じて企画に賛同する人たちから資金を集めること)で製作された作品なので、「この映画が観たい!」というたくさんの人たちの声に支えられて作られているんですよね。
私は、数年前に“こうの史代”さんの原作を友人に借りて読んだのですが、
あまりに感動して、その後、自分でも買いました。。。
そんなふうに原作が大好きで、どうしてもアニメで観たいという人たちが集まって作られた作品なんですね。
とにかくこの方の作品、ほんとに絵がきれいで!
今まで、実写映画化とかドラマ化もいくつかあったんですけど、
やっぱりこの絵で観たいなあという気持ち、私もありましたもんね!
そして、広島出身なだけに戦時中の広島を舞台にしたお話が有名なんですが、
声を大にして反戦を訴えたり、
悲惨な部分を強調したメッセージ性の強いものを発表したり、
戦争とはこういうものだ、という感じの作品、
では全然ありません。
どこにでもある、普通の人々の暮らし。
戦争を描きたいのではなく、
戦時中であっても、毎日、夜がきて朝がくること。
騒がしく、恐ろしい時代であっても、静かに、日々の暮らしを紡ぐ人々の生活を、
市井の人々の日常を、詳細に、丁寧に描くのです。
それがかえって、平和への強い思いを呼びおこします。
私は昔、母親に無理やり映画館に連れていかれて(嫌だって言ってるのに!)、
「この子を残して」(長崎の原爆の映画)とか、
「黒い雨」(広島の原爆の映画)、
とかのがっつり原爆系の映画を観させられてトラウマになり、
戦争映画嫌いになって今でもどんなイケメンが出てても戦争映画だけは観られないし。
学校で「はだしのゲン」を回し読みした時期があって読んだけど具合が悪くなって保健室に行ったり。
夏休みの読書感想文に書けと「ガラスのうさぎ」(東京大空襲の話)を渡されたけど途中でゲンナリして読めなくなり、
最初の10ページくらい読んであとは戦争は嫌だみたいなことを適当に書いて終わったり。
「火垂るの墓」は悲しすぎてテレビでやってても絶対観ないし。
「もうほんとすみません!わかりましたから!」
って言いたくなるような戦争ものって、苦手なんですよね。。。
でも、この作品はそうではなくて、
どこにでもあるささやかな日常がどれだけ大切なものなのか、
それを感じることによって、戦争を考えさせられる、
そういう作品です。
戦争について、知らなくてはいけないというのはわかっているし、
きちんと知ることが大事というのも重々承知。
でも、違う伝え方もあるんじゃ?
といつも思っていた私が出会ったのがこの漫画でした。
主人公は、18歳のすず
突然の縁談で軍港の街・呉にお嫁に行くところから始まります。
映画でのすずさんの声は、“のん”。(本名を使っちゃいけないってどういうことなんでしょうね。。。)
「あまちゃん」で、主人公のアキをいきいきと演じ、一躍“時の人”となった彼女。
たしかに。
おっとりとした柔らかいイメージのすずさんのイメージ、ぴったりです!
それにしても彼女、方言のある役をやらせたらほんと天才ですね!
岩手県北部の訛りも最高でしたが、
今回の広島&呉の方言もまたかわいらしい♡
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

しかも、嬉しいことに、音楽がコトリンゴ
この方の声もすっごく優しくて柔らかくて、この作品にぴったり!
劇場版アニメ「くまのがっこう」で、ナレーションと主題歌を担当していて、
そのときにビビッとやられた私です。
なんていうか。。。。癒される(*´▽`*)
予告を観てみてくださいね♪
公式サイトhttp://konosekai.jp/
なんやかんやで、結局、私は上映が決まって単純に「ヤッター☆」って感じなんですが(・∀・)/
泣きます。
ほんと泣きます。
でも、あったかい。
これ、やっぱりたくさんの人が観たいと思う映画だったし、
観た人みんなが「もう一度観たい!」「誰かにすすめたい!」と思った映画なんでしょう。
ミニシアター系なのにものすごい大ヒット。
最近では「オケ老人!」もそうなんですが、
こういった「この世界の片隅に」のようなミニシアター系の良品が大ヒットする日本て、
まだまだ捨てたもんじゃないなと思いました。
こんなとき、私はとっても嬉しくなります。
ミニシアター系の映画というのは、大手メジャー系の作品と比べると、
やはりなかなか大ヒットが出づらいものでして。
予算も、キャストも、宣伝も、限りがあるわけで。
ミニシアター系っていうのはつまり、全国で上映するスクリーンの数が、
大手メジャー系の映画会社のものよりもずっと少ないということ。
それなのにこれだけの大ヒットというのは、なかなかないことなんです。
しかも、数々の映画賞を総ナメ中。
もちろん、やっぱり今年度は大人もこぞって観に行くアニメ映画で大手メジャー系のモンスター級のやつがあるので(What's your name?的な)、
興業収入や動員数ではかないませんが。
作品的な評価では、じゃっかんこちらに軍配があがっている様子。
もちろんどちらも面白くて素晴らしい、日本が世界に誇れるアニメ作品ですけどね!
でも、この上映が決まって、受付カウンターにチラシを置きだしたら、
「午前十時の映画祭」「オケ老人!」のお客さんが、
「あら、これやるの?いいわね!」と声をかけてくれたり、
「あ、これ観たい♪」とチラシを持っていってくれたりして、
けっこう反応が良くて、嬉しい驚きでした。
大人も、シニアも、『アニメ』というのに抵抗もなく、
ちゃんといいものを知っていて、観ようと思っているんですね!
すごくいいことだと思います(*‘∀‘)
そうやってたくさんの人がこの映画をスクリーンで観ることができるといいなあと思うし、
この漫画のこととか、こうの史代さんの作品の素晴らしさを知ってもらえるといいなあと思います。
その感動の先に、戦争への意識や感心が芽生えるものと私は思います。
私が自分の子供に戦争を教えようとするなら、迷わずこれを選びます。
被爆してドロドロになった体や、町中に転がる死体の映像とか、
傷口からうじ虫がわいている描写、
リアルな戦争体験記。
そういうのは、おいおいね。
これが戦争だ!とガッチリ説教くさくぶつけても、ききめがないかもしれないですからね。
そろそろ教えないとな、ってときは、この映画で、
優しい絵の、優しい声の、綺麗な色の、“そのころの暮らし”からにじみ出る戦争を感じるところからでいいんじゃないかなと思います。
何年後、何十年後にも伝えていきたい作品です。。。

スケジュールがぎゅうぎゅうの今月、なんとか入れた作品です。
一日一回しか回せないのはご容赦ください(>_<)!
フォーラムさんと、どちらか都合のいい時間を選んで観に来てくださいね♪
ティッシュかハンカチ(できればタオルハンカチ)必須!!



★中劇公式サイト PC→http://www.chugeki.jp/携帯→ http://www.chugeki.jp/mobile